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モンテルの定理
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[[数学]]の一分野である[[複素解析学]]において、'''モンテルの定理''' (Montel's theorem) と呼ばれる、[[正則関数]]の[[族 (数学)|族]]についての2つの[[定理]]がある。これらは{{仮リンク|Paul Antoine Aristide Montel|en|Paul Antoine Aristide Montel|label=Paul Montel}}にちなんで名づけられていて、正則関数の族が[[正規族]]となる十分条件を与える。 == 一様有界な族は正規である == 定理の第一の(第二よりも単純な)バージョンは、[[複素平面]]の[[開集合]]上定義された正則関数の一様有界な族は正規族であるというものである。 この定理は形式的には強い次の系を持つ。<math>\mathcal{F}</math> を開集合 ''D'' 上の有理型関数の族とする。''z''<sub>0</sub> ∈ ''D'' が <math>\mathcal{F}</math> が ''z''<sub>0</sub> において正規でないようなもので、''U'' ⊂ ''D'' が ''z''<sub>0</sub> の近傍であれば、<math>\bigcup_{f\in\mathcal{F}}f(U)</math> は複素平面において稠密である。 == 2つの値を取らない関数 == モンテルの定理のより強いバージョン({{仮リンク|Fundamental Normality Test|en|Fundamental Normality Test}} と呼ばれることもある)は、正則関数の族は、ある2つの値 ''a'', ''b'' ∈ '''C''' が存在して、族のどの元も値として ''a'', ''b'' を取らないならば、正規族であるというものである。 == 必要性 == 上記の定理の条件は正規性にとって十分であるが、必要ではない。実際、族 <math>\{z\mapsto z\}</math> は正規であるが、取らない複素数値はない。 == 証明 == モンテルの定理の第一のバージョンは{{仮リンク|マーティの定理|en|Marty's Theorem}}(族が正規であることとspherical derivativeが局所有界であることは同値)と[[コーシーの積分公式]]の直接の結果である<ref>{{cite book | url = https://books.google.ca/books?id=HwqjxJOLLOoC&hl=en | title = Progress in Holomorphic Dynamics | author = Hartje Kriete | publisher = CRC Press | year = 1998 | page = 164 | accessdate = 2009-03-01 }}</ref>。 この定理は、[[トーマス・スティルチェス|トーマス・ヨアネス・スティルチェス]] (Thomas Joannes Stieltjes) と{{仮リンク|ウィリアム・フォッグ・オズグッド|en|William Fogg Osgood}} (William Fogg Osgood) にちなんで、スティルチェス・オズグッドの定理とも呼ばれている<ref>{{cite book | url = https://books.google.ca/books?id=BHc2b0iCoy8C&hl=en | title = Classical Topics in Complex Function Theory | author = Reinhold Remmert, Leslie Kay | publisher = Springer | year = 1998 | page = 154 | accessdate = 2009-03-01 }}</ref>。 上に述べた系は以下のように導かれる。<math>\mathcal{F}</math> のすべての関数はある一点 ''z''<sub>1</sub> の近傍を値域に持たないとする。写像 <math>z\mapsto \frac{1}{z-z_1}</math> を前から合成して、一様有界な族を得、これは定理の第一のバージョンによって正規である。 モンテルの定理の第二のバージョンは、単位円板から <math>\mathbb{C}\setminus\{a,b\}</math> への正則[[普遍被覆]]が存在するという事実を用いて、第一のバージョンから導ける。(そのような被覆は[[楕円モジュラー関数]]によって与えられる。) モンテルの定理のこのバージョンは、{{仮リンク|Blochの原理|en|Bloch's Principle|label=Zalcman の補題}}を用いて、[[ピカールの定理]]から導くこともできる。 == 整関数に対する定理との関係 == {{仮リンク|Bloch の原理|en|Bloch's Principle}}と呼ばれるヒューリスティックな原理(Zalcman の補題によって正確なものとなる)は、整関数が定数であることを意味する性質は、正則関数の族が正規であることを保証する性質と対応する、と述べている。 例えば、モンテルの定理の第一のバージョンは、[[リュービルの定理 (複素解析)|リュービルの定理]]の類似であり、第二のバージョンは、[[ピカールの定理]]に対応する。 == 関連項目 == *[[モンテル空間]] *{{仮リンク|Fundamental normality test|en|Fundamental normality test}} == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == *{{cite book | author = John B. Conway | title = Functions of One Complex Variable I | publisher = Springer-Verlag | year = 1978 | isbn=0-387-90328-3 }} *{{SpringerEOM|title=Montel theorem|urlname=Montel_theorem}} *{{cite book | author = J. L. Schiff | title = Normal Families | publisher = Springer-Verlag | year = 1993 | isbn=0-387-97967-0 }} {{PlanetMath attribution|title=Montel's theorem|id=35754}} {{DEFAULTSORT:もんてるのていり}} [[Category:コンパクト性の定理]] [[Category:複素解析の定理]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]]
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