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{{Infobox 鉱物 | name = モーセサイト | category = [[ハロゲン化鉱物]] | formula = (Hg<sub>2</sub>N)(Cl, SO<sub>4</sub>, MoO<sub>4</sub>)・H<sub>2</sub>O | strunz = 03.DD.30 | references = <ref name=mindat>{{Mindat|id=2790|name=Mosesite}}</ref><ref name=webmineral>[https://www.webmineral.com/data/Mosesite.shtml Webmineral.com]</ref><ref name=HBM>[http://www.handbookofmineralogy.com/pdfs/mosesite.pdf Handbook of Mineralogy]</ref> }} '''モーセサイト'''<ref name="sigen">鉱物資源百科辞典 753p 日刊工業新聞社 牧野和孝 1999年12月27日 初版2刷 ISBN 4526044792</ref>(Mosesite<ref name="sigen"/>) は、非常に稀な[[鉱物]]である。[[石灰岩]]とともに、[[水銀]]の[[鉱床]]中にわずかに産する水銀鉱物である。 [[アメリカ]]の[[テキサス州]]や[[ネバダ州]]、[[メキシコ]]の[[ゲレーロ州]]や[[ケレタロ州]]で発見されることが知られている。名称は、Alfred J. Moses (1859-1920) 教授が本鉱物をはじめとする様々な新鉱物を発見した功績によるものである。 この鉱物は様々な色合いの黄色を示し、しばしば[[スピネル]]双晶を示す。186°C (367°F)に熱すると[[等軸晶系]]となる。理論上の比重は7.53である。 == 産出 == テキサス州のターリングアにある水銀鉱山で発見され、ネバダ州やメキシコでも見つかっている。モーセサイトは、熱水性の水銀鉱床に低温で形成された二次鉱物である。 メキシコのHuahuaxtlaの鉱山では、浅角の[[断層]]面に沿って形成された[[礫岩#角礫岩|石灰角礫岩]]のうねに連なって産出している。これは、この鉱物が酸化で生じた二次鉱物であることを示唆する。この鉱山でモーセサイトが産出したところは、破砕石灰岩体の溶解で生じた洞穴であると考えられている。 モーセサイトは、いずれの産地でもごくまれにしか産出しない。 == 構造 == スピネル双晶は、モーセサイトによく含まれる。モーセサイトの[[結晶構造]]は、[[ダイヤモンド構造]]である。モーセサイトの整然とした単位立方体は、おおよそ9.44 nmx10<sup>-1</sup><!-- ←単位がおかしい気がする-->で、{001}、{011}、{116}、{114}、{112}を形成する。<!-- ←この数値は、へき開面だろうか?-->メキシコでは、モーセサイトは、大抵は八面体結晶として見つかる。<!--←intergrownは連晶と翻訳すべきかわかりかねたので省いた-->[[単結晶]]は稀である。モーセサイトの構造は、ミロン塩基(Hg<sub>2</sub>NOH・''n''H<sub>2</sub>O)に似ている。モーセサイトは、Hg<sub>2</sub>N<sup>+</sup>グループの三次元フレームワークで構成されます。[[面心立方格子構造]]で、窒素は四面体の[[混成軌道|sp3結合]]を形成しながら、水銀原子が線形のsp結合を形成する。<!--←sp3結合やsp結合は何かしらの訳語があるのかもしれない-->モーセサイトの[[空間群]]は<math>F\bar{4}3m</math>である。 == 性質 == モーセサイトは、不均等な断裂と不完全な[[へき開]]{111}を持つ微小な黄色の結晶である。脆く硬度3.5である。1ヶ月かそれ以上光を当てると、明るいオリーブグリーン色に変化する。条線の色は明るい黄色で、粉末はそれを保持している。<!-- ←この訳もおかしい-->この鉱物は[[多色性]]を示さず、偏光で不均一な[[複屈折]]が見られる。186°C (367°F)に熱すると[[等方的と異方的|等方性]]となる。これは、より高い温度で観察された結晶形と光学的に一致する。それは弱[[等方的と異方的|異方性]]と考察される。[[屈折率]]は''n'' = 2.065±0.01である。[[金剛光沢]]を持ち、レモンイエローからカナリアイエローとされる。モーセサイトは、塩酸と化学反応を起こし、HgClの残留物を残す。<!-- ←この訳もおかしいかも。なおHgClはHgCl2でなくHgClなのだろうか--> == 出典 == {{Reflist}} == 参考文献 == * Bird, 1932 Paul H. Bird, A New Occurrence and X-ray Study of Mosesite, American Mineralogist 17 (12) (1932), pp. 541-550. * Canfield et al. 1910 F.A. Canfield, W.F. Hillebrand, W.T. Schaller, Mosesite, a New Mercury Mineral from Terlingua, Texas, [[:en:American Journal of Science|American Journal of Science]] 30 (1910), pp. 202-208. * Luquer, 1920 Lea McI. Luquer, Alfred J. Moses, American Mineralogist 5 (6) (1920), pp. 109-112. * Switzer et al., 1953 George S. Switzer, W.F. Foshag, K.J. Murata, J.J. Fahey, Re-Examination of Mosesite, American Mineralogist 38 (11-12), pp. 1225-1234. {{DEFAULTSORT:もおせさいと}} [[Category:ハロゲン化鉱物]] [[Category:水銀の化合物]] [[Category:モリブデンの化合物]]
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