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'''ヤング・ラプラスの式'''とは、[[曲率]]をもつ気相・液相の[[界面]]において、2相間の[[圧力]]差と界面の曲率を関連付ける方程式である<ref>{{cite|和書 |editor= |author=Hans-Jürgen Butt, Karlheinz Graf, Michael Kappl; 鈴木祥仁, 深尾浩次 共訳 |title=界面の物理と科学 |edition= |publisher=丸善出版 |year=2016 |isbn=978-4-621-30079-4 |page=11-16}}</ref>。[[表面張力]]を{{math|γ}}、界面の2つの[[曲率半径]]を{{math|''R''{{sub|1}}, ''R''{{sub|2}}}}とすると、圧力差{{math|Δ''p''}}('''ラプラス圧'''もしくは'''毛管圧'''と呼ばれる)は次式で表される: :<math>\Delta p = \gamma \left(\frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2}\right).</math> 表面張力は界面を最小化するようにはたらくため、圧力差がなければ平面となる。したがって界面に曲率を持たせるためには2相間に圧力差がなければならない。 ラプラス圧を{{math|Δ''p'' :{{=}} ''p''{{sub|liquid}} - ''p''{{sub|gas}}}}と定義するとき、曲率は界面が液相側から気相側に向かって凸に曲がっている場合を正とする。たとえば気体中に球形の液滴がある場合、2つの曲率はともに正であり{{math|Δ''p'' > 0}}、すなわち圧力は液滴内部のほうが大きい。[[鞍点]]のように2つの曲率が異符号である場合、界面内外のどちらの圧力が大きいかは{{math|''R''{{sub|1}}, ''R''{{sub|2}}}}による。 2つの曲率は[[主曲率]]にとられることが多いが、任意の直交する、界面の法線ベクトルを含む2平面に対してとることができる。これは微分幾何学により、2つの曲率半径が互いに直交する面に対して決定されていれば{{math|1/''R''{{sub|1}} + 1/''R''{{sub|2}}}}の値は一定であることが示されているためである。 名称は[[トマス・ヤング]]と[[ピエール=シモン・ラプラス]]にちなむ。 == 具体例 == 水中にある半径{{math|''R''}}の気泡の内部の圧力は、外部の圧力に比べて{{math|Δ''p'' {{=}} 2γ/''R''}}だけ大きい。{{math|''R''}} = 1 mm とすると{{math|Δ''p''}} = 144 Pa であり、{{math|''R''}} = 10 nm のとき{{math|Δ''p''}} = 1.44{{e|7}} Pa である。 == 脚注 == {{reflist}} {{デフォルトソート:やんくらふらすのしき}} [[Category:表面物理学]] [[Category:流体力学の方程式]]
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