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'''ユリウス通日'''(ユリウスつうじつ、Julian Day、JD)は、[[ユリウス暦]]{{efn|name="julian"|本稿で言うユリウス暦は、西暦8年以前についてもユリウス暦の暦法(4年に1度閏年を実施)を機械的に遡って適用したと仮定した[[先発ユリウス暦]]を指す。実際のユリウス暦では、その初期である[[紀元前1世紀|紀元前45年]] から 紀元前8年の間では、閏年を3年に1度とするという正しくない運用がなされていたので([[ユリウス暦#初期のユリウス暦の運用]])、この先発ユリウス暦とは一致しない。また、紀元前45年以前にはユリウス暦そのものが存在しない。}}[[紀元前5千年紀|紀元前4713年]][[1月1日]]、すなわち[[西暦]] -4712年1月1日の[[正午]]([[世界時]])からの日数である<ref>[https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5E6A5EAA5A6A5B9C6FC.html] 国立天文台暦計算室、ユリウス日とは</ref>。単に'''ユリウス日'''(ユリウスび)ともいう。時刻値を示すために一般には小数が付けられる。 例えば、[[協定世界時]][[協定世界時|(UTC)]]での[[{{CURRENTYEAR}}年]][[{{CURRENTMONTHNAME}}{{CURRENTDAY}}日]]{{CURRENTTIME}}のユリウス通日の値は、おおむね{{#expr: {{CURRENTJULIANDAY}} round 2 }}である。 == ユリウス通日 == ユリウス通日は[[ユリウス暦]][[紀元前5千年紀|紀元前4713年]][[1月1日]]([[先発グレゴリオ暦]]では紀元前4714年[[11月24日]]、西暦 -4713年11月24日)の[[正午]]([[世界時]])を[[元期]](=0日目)とし、[[日]]の単位で数える。ユリウス通日は[[天文時]]の伝統に従い、日の起点は[[正午]]である。したがって、[[世界時]]の[[正午]]に日数(の[[整数]]部分)が増加する。 ユリウス通日は二時点の間の日数や秒数を計算するのに便利で、[[天文学]]や{{仮リンク|年代学|en|Chronology}}などで使われている。小数を付けることにより時・分・秒数(と更に、その小数)を表現することができる。 === 起点が正午である理由 === {{main|[[太陽時#天文時|天文時]]}} ユリウス通日は、[[天体観測]]に便利なように[[正午]]を起点にしている。つまり、[[天体観測]]は通常は夜間に行われるので、夜の0時([[真夜中|正子]])の時点で日付が変わる(ユリウス通日の整数部分が増加する。)のは、不便で間違いも起こりやすい。このためユリウス通日は、正午の時点で日付が変わるように決められたのである。この慣習は「天文時」の[[時刻系]]の伝統であり、[[クラウディオス・プトレマイオス ]]([[2世紀]]頃)に始まるものである。 正午を一日の起点にする理由はもう一つある。[[均時差]]を捨象すれば、太陽の[[正中|南中]]を観測することにより、その地点の[[地方時]]での[[正午]]は容易に知れる。これに対して[[真夜中|正子]]を認識することは、正確な時計が存在しない時代には困難である。 なお、[[天文時]]の日の起点を[[正午]]とする[[時刻系]]は通常一般の時刻系と紛らわしいので、1925年1月1日からは[[天文学]]ではユリウス通日を除き、「天文時」を廃止し、[[真夜中|正子]]([[真夜中]])を[[日界]](1日の始まり、かつ、1日の終わりの時点)とする「常用時」に統一された<ref name="名前なし-20230316105959">[https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CDD7C1C72F1C6FCA4C8A4CFA1A92F1C6FCA4CEBBCFA4DEA4EA.html] 国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki >1日の始まり</ref><ref>{{Cite journal|和書|date=1925-10 |year=1925 |editor=[[日本天文学会]] |title=雑報 緑威平均時の争論 |journal=天文月報 |volume=18 |issue=10 |page=156 |publisher=日本天文学会 |location=[[東京府]][[北多摩郡]][[三鷹市|三鷹村]] |issn=0374-2466 |id={{NCID|AN00154555}}、{{NDLJP|3304063}} |url= https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1925/pdf/192510.pdf |format=PDF |accessdate=2014-02-02}}p.157 下段の最後の段落</ref>。しかし、ユリウス通日については、1925年以降も継続して正午を起点としている<ref name="名前なし-20230316105959"/><ref>{{Cite journal|和書|date=1925-10 |year=1925 |editor=[[日本天文学会]] |title=雑報 緑威平均時の争論 |journal=天文月報 |volume=18 |issue=10 |page=156 |publisher=日本天文学会 |location=[[東京府]][[北多摩郡]][[三鷹市|三鷹村]] |issn=0374-2466 |id={{NCID|AN00154555}}、{{NDLJP|3304063}} |url= https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1925/pdf/192510.pdf |format=PDF |accessdate=2014-02-02}}p.157 下段の最後の段落</ref>。{{main|[[グリニッジ標準時#天文時の廃止|天文時の廃止の経緯]]}} ===換算計算サービス=== 日本の[[国立天文台]]の暦計算室のページで、[[グレゴリオ暦]]からも[[ユリウス暦]](1582年10月4日以前)からも、秒単位でユリウス通日と修正ユリウス日が簡便に換算できる<ref name="naoj2"/>。結果は小数5桁で表示される。 また、[[アメリカ海軍天文台]](USNO)のページでは、0.1秒単位の換算が可能であり<ref>[https://aa.usno.navy.mil/data/JulianDate Julian Date Converter] Astronomical Applications Department, The United States Naval Observatory (USNO), US Navy</ref>、結果は小数6桁で表示される。 == ユリウス通日の変種 == === Julian Day Number (JDN) === 日を[[整数]]で数える値を Julian Day Number (JDN) と呼ぶ。その日(この場合の「日」は「常用時」における日、すなわち[[真夜中|正子]]から[[真夜中|正子]]までの日である。)の[[正午]]([[世界時]])のユリウス通日(JD)に等しい。整数値であるから、JDNには時刻の概念はない。 例えば、[[協定世界時]][[協定世界時|(UTC)]]での[[{{CURRENTYEAR}}年]][[{{CURRENTMONTHNAME}}{{CURRENTDAY}}日]]の JDN は、{{#expr: {{CURRENTJULIANDAY}} round 0 }}である。 === 修正ユリウス日(MJD) === 修正ユリウス日(Modified Julian Date:MJD)は、ユリウス通日から2 400 000.5を差し引いたものである。ユリウス通日の2 400 000.5 は、[[1858年]][[11月17日]][[真夜中|正子]]UT に当たるので、この時点を[[元期]]としていることになる。[[常用時]]と同様に[[世界時]]の[[真夜中|正子]]に日数が増加する(ユリウス通日とは異なる)。 例えば、[[協定世界時]][[協定世界時|(UTC)]]での[[{{CURRENTYEAR}}年]][[{{CURRENTMONTHNAME}}{{CURRENTDAY}}日]]{{CURRENTTIME}}の MJD は、おおむね{{#expr: {{CURRENTJULIANDAY}} - 2400000.5 round2}} である。 ==== 修正ユリウス日が導入された理由 ==== ユリウス通日では桁が多すぎて不便な場合に、MJDが使われる。元々は、整数部の桁数を5桁に収めるように、[[スミソニアン天体物理観測所]](SAO)の宇宙科学者が1957年に考案したものである<ref>[http://tycho.usno.navy.mil/mjd.html MODIFIED JULIAN DATE] Time Service Department,USNO</ref>。これはソ連の[[スプートニク1号|スプートニク]]の軌道を追跡するために用いられた[[IBM 704]]コンピュータの記憶容量が小さく、桁数を少なくする必要があったためである。 ユリウス通日の値は19世紀後半(1858年11月17日)から22世紀前半(2132年8月31日)までは、2 400 000台の数値であり、現代における利用には整数部が5桁のMJDで十分に実用的と考えられたのである。 === リリウス日(LD) === Lilian Day number(LD、[[リリウス日]])は[[グレゴリオ暦]]使用開始日の[[1582年]][[10月15日]]を第1日とした通算の日数で整数値のみを取る(小数を付することはない)。また、0(ゼロ)日から始まるのではないことに注意が必要である。 [[復活祭]]の日付を決定するために使われる([[コンプトゥス]]を参照)。ユリウス通日から2 299 159.5を差し引いて、小数部を切り捨てたものである。2000年01月01日のリリウス日 = 152 385 である。 <!--リリウス暦とユリウス通日・修正ユリウス日との換算式は次の通りである(但し <math> \lfloor x \rfloor</math> は[[床関数]])。 : <math>\mathit{LD} = \lfloor \mathit{JD} - 2~299~159.5 \rfloor = \lfloor \mathit{MJD} + 100~841 \rfloor</math>--> 例えば、[[協定世界時]][[協定世界時|(UTC)]]での[[{{CURRENTYEAR}}年]][[{{CURRENTMONTHNAME}}{{CURRENTDAY}}日]]のリリウス日の値は、{{#expr: {{CURRENTJULIANDAY}} -2299159.5 round 0}}である。 === Chronological Julian Day(CJD) === Chronological Julian Day(CJD)は、ユリウス通日に0.5を加え、かつタイムゾーン(time zone)を考慮したものを指す。したがって[[標準時]](地方時)の[[真夜中|正子]]に日数(の[[整数]]部分)が増加する。日本ではCJDはほとんど使われない。 CJDを使用する環境では、CJDとJDとの区別を明確にするために、JDをAstronomical Julian Dateと呼んで、AJDと略称することがある。 == ユリウス通日の考案 == ユリウス通日は[[1583年]]にスカリゲル({{仮リンク|ジョゼフ・ジュスト・スカリジェ|en|Joseph Justus Scaliger}})([[1540年]]-[[1609年]])によって考案された。スカリゲルは1582年の[[グレゴリオ暦]][[改暦]]によって{{仮リンク|年代学|en|Chronology}}における日付けの計算が煩雑かつ混乱してしまうことを予想して、[[ユリウス暦]]、[[グレゴリオ暦]]双方での[[日付]]の換算や日数計算の便のためにこれを考案した。 スカリゲルが基準にした[[紀元前]]4713年は、以下の3つの[[周期]]の第1年目が重なる年であった。 * {{仮リンク|太陽章|en|Solar cycle (calendar)}}(28年) - 日付と[[七曜]]が揃う周期 * 太陰章([[メトン周期]])(19年) - [[月相]](月の満ち欠け)と日付が揃う周期 * [[インディクティオ]](15年) - [[ローマ帝国]]での徴税額の査定更正周期 以上の3つの周期が揃うには7980年 (28,19,15の最小公倍数)を要する。これをユリウス周期という<ref>[https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5E6A5EAA5A6A5B9C6FC.html 暦Wiki/ユリウス日 - 国立天文台暦計算室] ユリウス日とは</ref>。ただし、ユリウス通日そのものは永遠に続く値であって周期性があるわけではないので、「周期」の意味はもはやなくなっている<ref>[http://members.jcom.home.ne.jp/ino-kei/man_nen.htm 万年七曜表と、その計算式について] 2004/2/2 井上圭典</ref>。 その後、天文学者[[ジョン・ハーシェル]]が[[1849年]]の著書''Outlines of Astronomy''で日数や時間の計算にユリウス通日を利用する方法を考案した<ref>[https://archive.org/stream/outlinesofastron00hersuoft#page/676/mode/2up/search/Julian 18 editions of "Outlines of astronomy"] by Herschel, John F. W. Sir, pp.676-681</ref>。これが広まり、世界中の天文学者が日数計算にユリウス通日を用いるようになった。 === 「ユリウス通日」の名の由来 === なぜ、「ユリウス」の名を冠したのかについては2つの説がある。 一つ目は、スカリゲルの父の名前である[[ジュール・セザール・スカリジェ]](ラテン語音はユリウス・カエサル・スカリゲル、1484年-1558年)から取られたものであるという説である<ref>天文学人名辞典(現代天文学講座 別巻)、p.82、スカリゲルの項、「彼の息子Scaliger, Joseph Justus(1540-1609)は現代年代学の創始者で、ユリウス日を制定したが、”ユリウス”の名は父に感謝の意を表してつけられたものである。」、この項の執筆者は斉田博(さいだ ひろし 1926-1982)、恒星社厚生閣、1983年3月25日、初版1刷</ref><ref>例えば、[https://books.google.co.jp/books?id=rxvVdXyr_hMC&lpg=PA152&dq=%22Marking+Time%22+year:1999&pg=PA154&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false Duncan Steel, "Marking Time: The Epic Quest to Invent the Perfect Calendar"], p.154, How the Julian Date Got Its Name, John Wiley & Sons: New York, 2000, ISBN 0-471-29827-1</ref>。 二つ目は、[[ユリウス暦]]の名の由来となった[[ガイウス・ユリウス・カエサル|ジュリアス・シーザー]](ラテン語音はガイウス・ユリウス・カエサル)によるものであるという説である。国立天文台はこの説を採用している<ref>[https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5E6A5EAA5A6A5B9C6FC.html ユリウス日とは] 国立天文台、暦計算室、暦wiki「彼(スカリゲル)の著書 "Opus de emendatione temporum" によれば、ユリウス周期やユリウス日の"ユリウス"はユリウス年にちなんで名づけたそうです。」</ref>。 == 西暦と修正ユリウス日との相互換算 == 以下に西暦の年月日と修正ユリウス日との換算式を示す。換算式は、Fliegel and Van Flandern<ref>{{Citation |author=Fliegel, H. F. and Van Flandern, T. C. |title=A Machine Algorithm for Processing Calendar Dates |journal=Communications of the ACM |volume=11 |pages=657 |date=1968 |doi=10.1145/364096.364097}}</ref>、Hatcher<ref>Hatcher, D. A., Simple formulae for Julian day numbers and calendar dates, Quarterly Journal of the Royal Astronomical Society, v. 25, p. 53-55, 1984</ref>、Meeus<ref>{{Cite book|last=Meeus|first=Jean|authorlink=ジャン・メーウス|title=Astronomical Algorithms 2nd ed.|year=1998|isbn=0-943396-61-1}}</ref>によって考案されている。ただしこれらに整理を施した換算式が使われることも多い{{efn|日本では各種の換算式をフリーゲルの公式と総称することが見られる。}}。 * なお本来は純粋に整数だけの計算であるが、下記のように浮動小数点計算を経由する形も少なくない。 * どの計算式も、月の値(<math>m</math>)は、1月、2月を用いず、前年の13月、14月が用いられる。 === グレゴリオ暦から修正ユリウス日への換算 === [[グレゴリオ暦]] ''y'' 年 ''m'' 月 ''d'' 日午前0時の修正ユリウス日は次式で表される{{Efn|name="浮動小数点計算"|これは浮動小数点計算を経由する計算法。}}。 : <math>\mathit{MJD} = \lfloor 365.25 y \rfloor + \lfloor y / 400 \rfloor - \lfloor y / 100 \rfloor + \lfloor 30.59(m - 2) \rfloor + d - 678~912</math> * 例: 2012年1月1日 : ''y'' = 2011, ''m'' = 13, ''d'' = 1 より、修正ユリウス日は '''55 927''' である。 :: <math>\mathit{MJD} = {\lfloor 365.25 \times 2011 \rfloor + \lfloor 2011 / 400 \rfloor - \lfloor 2011 / 100 \rfloor + \lfloor 30.59(13 - 2) \rfloor + 1 - 678~912} = 55~927</math> === ユリウス暦から修正ユリウス日への換算 === [[ユリウス暦]] ''y'' 年 ''m'' 月 ''d'' 日午前0時の修正ユリウス日は次式で表される{{Efn|name="浮動小数点計算"|これは浮動小数点計算を経由する計算法。}}。 : <math>\mathit{MJD} = \lfloor 365.25 y \rfloor + \lfloor 30.59 (m - 2) \rfloor + d - 678~914</math> * 例: 1582年2月1日 : ''y'' = 1581, ''m'' = 14, ''d'' = 1 より、修正ユリウス日は '''-101 086''' である。 :: <math>\mathit{MJD} = {\lfloor 365.25 \times 1581 \rfloor + \lfloor 30.59(14 - 2) \rfloor + 1 - 678~914} = -101~086</math> === 修正ユリウス日からグレゴリオ暦への換算 === 修正ユリウス日 ''MJD'' の日のグレゴリオ暦(''y'' 年 ''m'' 月 ''d'' 日)は次式で表される。 : <math>\begin{align} n &= \mathit{MJD} + 678~881 \\ a &= 4 n + 3 + 4 \left\lfloor \frac{3}{4} \left\lfloor \frac{4 (n + 1)}{146~097} + 1\right\rfloor \right\rfloor \\ b &= 5 \left\lfloor \frac{a\, \bmod 1461}{4} \right\rfloor + 2 \\ (y, m, d) &= \bigg( \left\lfloor \frac{a}{1461} \right\rfloor, \left\lfloor\frac{b}{153}\right\rfloor + 3, \left\lfloor\frac{b\, \bmod 153}{5}\right\rfloor + 1 \bigg) \end{align}</math> === 修正ユリウス日からユリウス暦への換算 === 修正ユリウス日 ''MJD'' の日のユリウス暦(''y'' 年 ''m'' 月 ''d'' 日)は次式で表される。 : <math>\begin{align} n &= \mathit{MJD} + 678~883 \\ a &= 4 n + 3 \\ b &= 5 \left\lfloor \frac{a\, \bmod 1461}{4} \right\rfloor + 2 \\ (y, m, d) &= \bigg( \left\lfloor \frac{a}{1461} \right\rfloor, \left\lfloor\frac{b}{153}\right\rfloor + 3, \left\lfloor\frac{b\, \bmod 153}{5}\right\rfloor + 1 \bigg) \end{align}</math> === 紀元前や初期のユリウス暦の換算における注意点 === {{main|紀元前#天文学における紀元前}} 本節では、天文学における[[紀年法]]に従い、紀元[[1年]]( = 西暦1年)の前年の紀元前1年を西暦[[0年]]としている。負の年号である西暦 -4712年は紀元前4713年を指す。{{main|[[0年#西暦0年]]|[[紀元前1年#西暦0年]]}} また本節では、[[ユリウス暦]]{{efn|name="julian"}}、[[グレゴリオ暦]]ともに、暦の規則をそのまま過去に遡って適用することを仮定しており、正確には[[先発ユリウス暦]]、[[先発グレゴリオ暦]]を指している。<!--<ref group="注">実際の[[ユリウス暦#運用|ユリウス暦]]の運用では、その開始初期には閏年が正しく置かれていなかったため、この{{仮リンク|先発ユリウス暦|en|Proleptic Julian calendar}}とは一致しない。</ref>。--> == ユリウス通日の具体例 == === ユリウス通日の具体例 === 以下にユリウス通日の具体例を示す。 2 400 000.5 の例を除いて、いずれも[[世界時]](UTC)の12時([[正午]])の値である。 {| class="wikitable" ! ユリウス通日 !! 日付 !! 備考 |- | style="text-align:right" | 0 || ユリウス暦紀元前4713年1月1日 || ユリウス通日の[[元期]] |- | style="text-align:right" | 1 000 000 || ユリウス暦紀元前1976年11月7日 || |- | style="text-align:right" | 1 234 567 || ユリウス暦紀元前1333年1月23日 || |- | style="text-align:right" | 1 721 424 || ユリウス暦1年1月1日 || |- | style="text-align:right" | 1 721 426 || [[先発グレゴリオ暦]]1年1月1日 || |- | style="text-align:right" | 2 000 000 || ユリウス暦763年9月14日 || |- | style="text-align:right" | 2 299 160 || ユリウス暦1582年10月4日 || [[ローマ・カトリック教会]]におけるユリウス暦の最後の日 |- | style="text-align:right" | 2 299 161 || グレゴリオ暦1582年10月15日 || ローマ・カトリック教会における[[グレゴリオ暦]]の初日 |- | style="text-align:right" | 2 345 678 || グレゴリオ暦1710年2月23日 || |- | style="text-align:right" | 2 400 000.5 || グレゴリオ暦1858年11月17日正子 || [[#修正ユリウス日(MJD)|修正ユリウス日]]の[[元期]] |- | style="text-align:right" | 2 450 000 || グレゴリオ暦1995年10月9日 || |- | style="text-align:right" | 2 451 545 || グレゴリオ暦2000年1月1日 || [[J2000.0]]の元期 |- | style="text-align:right" | 2 456 789 || グレゴリオ暦2014年5月11日 || |- | style="text-align:right" | 2 460 000 || グレゴリオ暦2023年2月24日 || |- | style="text-align:right" | 2 500 000 || グレゴリオ暦2132年8月31日 || |- | style="text-align:right" | 2 567 890 || グレゴリオ暦2318年7月18日 || |- | style="text-align:right" | 3 000 000 || グレゴリオ暦3501年8月15日 || |- | style="text-align:right" | 3 456 789 || グレゴリオ暦4752年4月7日 || |- | style="text-align:right" | 4 000 000 || グレゴリオ暦6239年7月12日 || |- | style="text-align:right" | 5 000 000 || グレゴリオ暦8977年6月7日 || |- | style="text-align:right" | 5 373 485 || グレゴリオ暦10000年1月1日 || 年数が5桁 |- | style="text-align:right" | 10 000 000 || グレゴリオ暦22666年12月20日 || |- | style="text-align:right" | 11 574 074 || グレゴリオ暦26976年8月20日 || 1兆秒経過 |} === 修正ユリウス日の具体例 === 以下にユリウス通日の具体例を示す。いずれも世界時での正子での値である。 {| class="wikitable" |- ! 修正ユリウス日 !! 日付 |- | style="text-align:right" | -2400001 ||先発グレゴリオ暦紀元前4714年11月24日 |- | style="text-align:right" | -2400001 || 先発ユリウス暦紀元前4713年1月1日 |- | style="text-align:right" | -2399963 || 先発グレゴリオ暦紀元前4713年1月1日 |- | style="text-align:right" | -605833 || ユリウス暦200年3月1日 |- | style="text-align:right" | -605833 || 先発グレゴリオ暦200年3月1日 |- | style="text-align:right" | -100841 || ユリウス暦1582年10月4日 |- | style="text-align:right" | -100840 || グレゴリオ暦1582年10月15日 |- | style="text-align:right" | 0 || ユリウス暦1858年11月5日 |- | style="text-align:right" | 0 || グレゴリオ暦1858年11月17日 |- | style="text-align:right" | 51544 || グレゴリオ暦2000年1月1日 |- | style="text-align:right" | 51557 || ユリウス暦2000年1月1日 |} == ユリウス通日の利用 == ユリウス通日は1日に1ずつ増えるため、ユリウス通日または修正ユリウス日から曜日や[[干支]]などを求めることができる。この場合、[[真夜中|正子]]に日数が増加する修正ユリウス日を用いるほうが間違いが起こらない。以下は、すべて修正ユリウス日による求め方である。 === 七曜日の求め方 === 該当日の修正ユリウス日を7で割り、余りを求める。下記の換算表により曜日を求める。これは本質的には[[ツェラーの公式]]と同じである。 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ style="white-space:nowrap;" |修正ユリウス日による曜日の換算表 !余り |0||1||2||3||4||5||6 |- !曜日 |水||木||金||土||日||月||火 |} *例: 2012年1月1日 :修正ユリウス日は55 927である。7で割ると7989余り4となる。よって、曜日は[[日曜日]]である。 === 十二支の求め方 === 該当日の修正ユリウス日を12で割って余りを求める。下記の換算表により[[十二支]]を求める。 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+修正ユリウス日による十二支の換算表 !余り |0||1||2||3||4||5||6||7||8||9||10||11 |- !十二支 |[[寅]]||[[卯]]||[[辰]]||[[巳]]||[[午]]||[[未]]||[[申]]||[[酉]]||[[戌]]||[[亥]]||[[子 (十二支)|子]]||[[丑]] |} *例: 2012年1月1日 :修正ユリウス日は55 927である。12で割ると4660余り7となる。よって、十二支は[[酉]]である。 === 十干の求め方 === 該当日の修正ユリウス日を10で割って余りを求める。下記の換算表により[[十干]]を求める。 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+修正ユリウス日による十干の換算表 !余り |0||1||2||3||4||5||6||7||8||9 |- !十干 |[[甲]]||[[乙]]||[[丙]]||[[丁]]||[[戊]]||[[己]]||[[庚]]||[[辛]]||[[壬]]||[[癸]] |} *例: 2012年1月1日 :修正ユリウス日は55 927である。10で割ると5592余り7となる。よって、十干は[[辛]]である。 === 干支紀日の求め方 === 該当日の修正ユリウス日を60で割って余りを求める。下記の換算表により[[干支#干支による紀日|干支による紀日]]を求める。 {| class="wikitable" style="text-align:center; margin-right:0px;" |+修正ユリウス日による干支の換算表 ! style="white-space:nowrap;" |余り |{{0}}0||{{0}}1||{{0}}2||{{0}}3||{{0}}4||{{0}}5||{{0}}6||{{0}}7||{{0}}8||{{0}}9||10||11||12||13||14||15||16||17||18||19 |-style="line-height:1.25em" ! style="white-space:nowrap;" |干支 |[[甲寅]]||[[乙卯]]||[[丙辰]]||[[丁巳]]||[[戊午]]||[[己未]]||[[庚申]]||[[辛酉]]||[[壬戌]]||[[癸亥]]||[[甲子]]||[[乙丑]]||[[丙寅]]||[[丁卯]]||[[戊辰]]||[[己巳]]||[[庚午]]||[[辛未]]||[[壬申]]||[[癸酉]] |} {| class="wikitable" style="text-align:center; margin-right:0px;" |- ! style="white-space:nowrap;" |余り |20||21||22||23||24||25||26||27||28||29||30||31||32||33||34||35||36||37||38||39 |-style="line-height:1.25em" ! style="white-space:nowrap;" |干支 |[[甲戌]]||[[乙亥]]||[[丙子]]||[[丁丑]]||[[戊寅]]||[[己卯]]||[[庚辰]]||[[辛巳]]||[[壬午]]||[[癸未]]||[[甲申]]||[[乙酉]]||[[丙戌]]||[[丁亥]]||[[戊子]]||[[己丑]]||[[庚寅]]||[[辛卯]]||[[壬辰]]||[[癸巳]] |} {| class="wikitable" style="text-align:center; margin-right:0px;" |- ! style="white-space:nowrap;" |余り |40||41||42||43||44||45||46||47||48||49||50||51||52||53||54||55||56||57||58||59 |-style="line-height:1.25em" ! style="white-space:nowrap;" |干支 |[[甲午]]||[[乙未]]||[[丙申]]||[[丁酉]]||[[戊戌]]||[[己亥]]||[[庚子]]||[[辛丑]]||[[壬寅]]||[[癸卯]]||[[甲辰]]||[[乙巳]]||[[丙午]]||[[丁未]]||[[戊申]]||[[己酉]]||[[庚戌]]||[[辛亥]]||[[壬子]]||[[癸丑]] |} *例: 2012年1月1日 :修正ユリウス日は55 927である。60で割ると932余り7となる。よって、干支紀日は[[辛酉]]である。 == その他 == *[[Google]]検索のdaterangeオプションでは、日付を指定するのにユリウス通日を用いるようになっている。 *データ長が[[16ビット]]の修正ユリウス日を日付表現に使用しているシステムでは、16ビットで表せる整数の最大値である65535にあたる[[2038年]][[4月22日]]までしか表現できず、この次の日である23日を迎えると、桁あふれが発生してしまう'''2038年問題'''が存在する。 ([[2038年問題]]とは別物) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist}} === 出典 === {{reflist|refs= <ref name="naoj2">{{Cite web|和書 |url=https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/date2jd.cgi |publisher= 国立天文台 |work=暦計算室 暦象年表 |title= ユリウス日 |accessdate=2015-01-18}} </ref> }} == 関連項目 == *[[ユリウス年]] *[[ISO 8601]] - 日付と時刻の表記に関する標準 *[[UNIX時間]] - 計算機で使われている時刻。1970年1月1日深夜(午前0時0分0秒)からの秒数を数える。 *[[Rata Die]] - 先発グレゴリオ暦の西暦1年1月1日からの日数。 == 外部リンク == * [https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2023_1.html ユリウス日について]([[国立天文台]]) ===換算計算=== * [https://aa.usno.navy.mil/data/JulianDate Julian Date Converter] Astronomical Applications Department, The United States Naval Observatory (USNO), US Navy(0.1秒単位の換算が可能で、結果は小数6桁で表示される) * [https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/date2jd.cgi] 国立天文台 > 暦計算室 > 暦象年表 > 年月日時分秒→ユリウス日の換算(1秒単位の換算が可能で、結果は小数5桁で表示される) * [https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/jd2date.cgi] 国立天文台 > 暦計算室 > 暦象年表 > ユリウス日→年月日時分秒の換算 *[http://mysteryart.web.fc2.com/library/calsmpl/cldttojd.html 日時とユリウス日の変換] - 世界時(UT) と日本時(JST)の両方の時分までの換算に対応。 *[http://maechan.net/kanreki/index.php 換暦] - 和暦、グレゴリオ暦、ユリウス暦、ユリウス日などの相互換算を行う。日付のみの換算であり、時分秒の換算はできない。 {{DEFAULTSORT:ゆりうすつうしつ}} [[Category:暦法]] [[Category:時刻系]] [[Category:天文学における時間]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:エポニム]]
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