リフティド指数のソースを表示

'''リフティド指数'''（-しすう、{{lang-en-short|Lifted Index}}）は、[[気象学]]において、[[大気安定度|大気の安定度]]を評価するために用いられ、特に発雷強度を示す指数である。'''L指数'''、'''LI'''と略称される場合も多い。

== 概要 ==
[[1956年]]に、[[潜在不安定]]の程度を表す指標としてJ. G. Galwayが考案した。計算方法は[[ショワルター安定指数]](SSI)とほとんど同じであるが、仮定的に持ち上げる空気塊は<u>1000hPa</u>、つまり海面気圧とほぼ同じである。まず1000hPa面にある空気塊を500hPa面まで強制的に持ち上げた場合の気温 T<sub>p</sub> を求める。それには[[エマグラム]]上で1000hPa面にある空気の気温と露点から出発して、この空気塊を最初は[[乾燥断熱減率]]に沿って持ち上げる。もしこの空気塊が500hPaに到達するまでに飽和に達したら、それ以降は[[湿潤断熱減率]]に沿って持ち上げる。こうして500hPa面まで強制的に持ち上げたときのその空気塊の気温が T<sub>p</sub> である。この T<sub>p</sub> を、実際の大気の500hPa面の気温 T<sub>500</sub> から差し引く。その気温差がLIである。

<math>LI = T_{500} - T_p </math>

LIの値が0以下であるという事は、1000hPaから強制的に500hPaまで持ち上げてきた空気塊の気温 T<sub>p</sub> が、周囲に既にある空気の気温 T<sub>500</sub> よりも暖かい事を意味する。それは下から持ち上げてきた空気塊の方が、周囲に既にある空気よりも比重が軽いという事である。したがって、下から持ち上げてきた空気塊は更に上昇を続けられる。つまり大気が不安定である事を意味している。

したがってLIが0以下であれば大気は不安定であることを示し、SSIの値が負の方向に大きな値を持つほど、不安定の程度が強い事を意味し、それは[[驟雨]]や[[雷雨]]の起こりやすい状況である事を示す。理論的には、0を超える正の値で安定、0を下回る負の値で不安定となる。一般的に、LIはSSIよりも小さい（不安定な）値をとる傾向にある。

一般的に、LI算出時の1000hPa気温はその日の最高気温、1000hPa[[混合比 (気象用語)|混合比]]は1000hPa～900hPaにおける平均値をとって、日最大値を求める。

また、1000hPa更正気圧ではなく現地気圧を用いる'''SLI'''({{lang-en-short|Surface-based Lifted Index}})もある。LIは高層気象観測を行っている時刻（12時間に1回）にしか算出できないのに対して、SLIは地上気象観測を行っている1時間毎に算出できるので、より実際に近い状況を表している。

== 参考文献 ==
*[http://www.meteoffice.info/1analysis_folder/pages_neturikigaku_folder/304_folder/327.htm 大気の熱力学 6.いくつかの安定指数] ウェザーステイション
*[http://amsglossary.allenpress.com/glossary/search?id=stability-index1 stability index - Lifted index] AMS Glossary

== 関連項目 ==
* [[大気不安定]]
* [[雷]]
* [[ショワルター安定指数]]
* [[K指数]]
* [[トータルトータルズ指数]]

{{気象要素}}
{{DEFAULTSORT:りふていとしすう}}
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