ロバート・マニングのソースを表示

{{出典の明記|date=2017年9月20日 (水) 11:23 (UTC)}}
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{{for|others with this name|Robert Manning}}
{{dablink|This article is about the engineer called Robert Manning; for Robert Mannyng the monk, see [[Robert Mannyng]].}}
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{{Infobox Engineer
| 氏名 = ロバート・マニング
| 画像 = Robert Manning (1816-1897).jpg
| 画像のサイズ = 
| 画像の説明 = 
| 国籍 = 
| 生年月日 = {{生年月日と年齢|1816}}
| 出生地 = {{FRA}}[[ノルマンディー]]
| 死没日 = {{死亡年月日と没年齢|1816|||1897||}}
| 死没地 = 
| 最終学歴 = 
| 配偶者 = 
| 両親 = 
| 子供 = 
| 専門分野 = 
| 所属機関 = [[アイルランド土木研究所]]
| 勤務先 = {{IRL}}[[財務省 (アイルランド)|財務省]][[公共事業事務所]]
| プロジェクト = [[ダンドラム湾]]の[[港湾]]建設
| 設計 = [[ベルファスト]]の水供給システム
| 成果 = [[マニング公式]]
| 受賞歴 = 
}}
'''ロバート・マニング'''（{{lang-en|Robert Manning}}、[[1816年]] - [[1897年]]）は[[アイルランド]]の[[技術者]]。[[マニング公式]]を提案したことで有名。'''マンニング'''とも表記する。

== 生涯 ==
マニングは、[[1816年]]に[[フランス]]の[[ノルマンディー]]で生まれた。その年はちょうど[[ワーテルローの戦い]]の翌年で、父親はその戦いに参加していた。[[1826年]]には[[アイルランド]]の[[ウォーターフォード]]に引っ越し、そこで[[会計士]]として働いた。

[[1846年]]には大規模な[[飢餓]]が発生していたが、マニングは[[アイルランド財務省]][[公共事業事務所]]({{lang|en|[[:en:Office of Public Works]]}})の幹線排水路部に就職し、そこで[[製図工]]として働いた。その後しばらく働いた後、同年に[[サミュエル・ロバート]]({{lang|en|[[:en:Samuel Roberts]]}})のアシスタント・エンジニアとなり、[[1848年]]には地区エンジニアとなった。地区エンジニアになって[[水理学]]に大きな関心を寄せるようになり、そこで{{lang|fr|Jean-François D'AUBUISSON DE VOISINS}}著の『{{lang|fr|Traité d'hydraulique à l'usage des ingénieurs}}』（エンジニアのための水理学）を読んだ。

[[1855年]]から[[1869年]]まで、マニングはマーケス・オブ・ダウンシェア({{lang|en|[[:en:Marquess of Downshire]]}})<ref group="注">[[ヒルズボラ城]]({{lang|en|[[:en:Hillsborough Castle]]}})の所有者に付けられる[[称号]]で、1855年から1869年の間は5代目マーケスの[[アーサー・ウィルス・ブルンデル・トルンブル・サンディス・ローデン・ヒル]]であった。<!-- [[:en:Marquess of Downshire#Marquesses of Downshire (1789)]]を参照 --></ref>に雇われて、[[ダンドラム湾]]の[[港湾]]建設工事の監督と、[[ベルファスト]]の水供給システムの設計を行なった。マーケスが[[1869年]]に死去すると、マニングは[[公共事業事務所]]に戻り、チーフエンジニアのアシスタントとして働いた。そして、[[1874年]]にはチーフエンジニアとなり、[[1891年]]に退職するまでその役職で働いた。

[[1891年]]に[[アイルランド土木研究所]]の紀要で論文『On the flow of water in open channels and pipes』を書き、この中で'''マニング公式'''を初めて公表した（ただしこのときの公式は、[[#マニング公式の提案|後述]]するように現在良く知られている形とは異なったものであった）。

[[1897年]]、81歳で死去した。

== マニング公式の提案 ==
マニングは、[[流体力学]]や[[工学]]の正式な教育をまったく受けてなかったが、もともと[[会計士]]であったことと[[実際主義]]者であったことが彼の仕事に大きな影響を与え、直面する問題を簡単な形に置き換えて考える手法をとった。彼は当時よく知られていた以下の7つの公式について、与えられた河床勾配について径深を0.25 - 0.30[m]まで変化させその平均流速を計算し、比較・評価した。
; デビュア公式: [[ピューレ・デビュア]]({{lang|fr|[[:fr:Pierre du Buat]]}}, 1786) 
; アイテルワイン公式: [[アイテルワイン]]({{lang|en|Eytelwein}}, 1814)
; [[ダルシー・ワイスバッハの式|ワイスバッハの式]]: [[ワイスバッハ]]({{lang|en|Weisbach}}, 1845) 
;サンブナン公式:[[アデマール・ジャン・クロード・バレー・ド・サン＝ブナン]]({{lang|en|[[:en:Adhémar Jean Claude Barré de Saint-Venant]]}}, 1851)
;ネヴィル公式:[[ネヴィル]]({{lang|en|Neville}}, 1860年)
;[[ダルシー・バジン公式]]: [[ヘンリー・ダルシー]]、[[バジン]]({{lang|en|Darcy and Bazin}}, 1865)
;[[ガンギレー・クッター公式]]: [[ガンギレー]]、[[クッター]]({{lang|en|Ganguillet and Kutter}}, 1869)
そして、全ての条件についてその平均値をとり、そのデータにもっとも合う公式を作った。

最初に、もっともデータに合う式として
:<math>v = 32 \sqrt{ RI \left(1 + R^{\frac{1}{3}} \right)}</math>
を考え出した。ここで''R''は径深、''I''は河床勾配である。そして、マニングはこの式を簡略化し
:<math>v = CR^x I^{\frac{1}{2}}</math>
とし、[[1885年]]に''x''に対して2/3を与えた。
この式についてマニングは[[フラマン]]({{lang|en|Flamant}})への手紙の中で『係数''C''が[[ガンギレー・クッター公式]]に出てくる係数''n''と相互的に変換でき、どちらも同じ水路に対して一定である。』と述べている。

そして[[1889年]][[12月4日]]、73歳の時にマニングは初めてこの公式を[[アイルランド土木研究所]]({{lang|en|Institution of Civil Engineers}})に提出し、[[1891年]]に論文『On the flow of water in open channels and pipes』が土木研究所の紀要で掲載され、この公式が公表された。

しかし、当時2/3乗の計算（[[立方根]]を計算し、それを[[自乗|二乗]]すること）が難しかったことと、そもそも係数''C''が[[次元]]を持っていたため、マニング自身もこの公式を好んでいなかった。そこで、係数を無次元化するため公式を以下のように修正した。
:<math>v = C(gI)^{\frac{1}{2}} \left[ R^{\frac{1}{2}} + \left(\frac{0.22}{m^{\frac{1}{2}}}\right)\left(R - 0.15m\right) \right]</math>
ここで''g''は[[重力加速度]]、''m''は大気圧と平衡状態の水銀柱の高さ（[[圧力測定#マクラウド真空計|水銀柱]]）で、''C''は水路面の性質によって変化する[[無次元数]]である。

しかし結局、[[19世紀]]後半の教科書では、マニング公式は現在良く知られている形
:<math>v = \frac{1}{n} R^{\frac{2}{3}} I^{\frac{1}{2}}</math>
と書かれるようになった。

[[1918年]]、キングは『Handbook of Hydraulics』（水理学のハンドブック）の中で、マニングの提案した係数''C''がクッター係数''n''と相互変換可能であることを受け入れるなら、現在知られているように、マニング係数は非常に広い範囲でマニング公式を使うことができると結論した。

なお、[[アメリカ合衆国]]と[[日本]]では''n''は'''マニングの粗度係数'''あるいは'''マニング係数'''と呼ばれる。一方、[[ヨーロッパ]]では[[ストリックラー]]の''K''がマニングの提案した係数''C''（''n''と相互変換可能なもの）と同じものである。

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
<references group="注"/>

=== 出典 ===
{{reflist}}

== 外部リンク ==
*[http://manning.sdsu.edu/ History of the Manning Formula]

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:まにんく ろはあと}}
[[Category:フランスの技術者]]
[[Category:ノルマンディーの人物]]
[[Category:水理学に関する人物]]
[[Category:1816年生]]
[[Category:1897年没]]