三フッ化塩素のソースを表示

{{Infobox 無機化合物
| 画像=[[ファイル:Chlorine-trifluoride.png|130px|構造式]][[ファイル:Chlorine-trifluoride-elpot.png|130px|3Dモデル]]
| IUPAC名=
| 別名=
| 組成式=ClF<sub>3</sub> 
| 式量=92.45 
| 形状=気体
| CAS登録番号=7790-91-2
| 密度=0.0041 <!-- 4.1 kg/m3 --> 
| 相=気体
| 融点=−76.3 
| 沸点=11.8
| 出典=
}}

'''三フッ化塩素'''（さんフッかえんそ）は、[[化学式]] '''ClF<sub>3</sub>''' で表される[[塩素]]と[[フッ素]]の[[化合物]]である。気体または淡黄色の液体で、有毒。1912年、溶融 NaCl/HF の[[電気分解]]によって初めて作られた。現在では 3% [[次亜塩素酸ナトリウム]]溶液と[[フッ素]]ガスを反応させることによって作られる。
: <chem>{4F2} + {2NaClO} -> {2ClF3} + {2NaF} + O2</chem>

純粋ならばガラス容器中 180 ℃ まで安定だが、それ以上の温度ではフリーラジカル機構で分解する。

非常に強い酸化剤、フッ素化剤である。金属との反応では塩化物とフッ化物、[[リン]]との反応では[[三塩化リン]] (PCl<sub>3</sub>) と五フッ化リン (PF<sub>5</sub>)、硫黄との反応では[[二塩化硫黄]] (SCl<sub>2</sub>) と四フッ化硫黄 (SF<sub>4</sub>) を、それぞれ与える。室温で[[硫化水素]] (H<sub>2</sub>S) と混合すると爆発する。

== 軍事的利用 ==
ナチス・ドイツ下の[[カイザー・ヴィルヘルム研究所]]で[[コードネーム|暗号名]] N-stoff （基質 N）として軍事的応用が検討された。第二次世界大戦より少し前のことである。[[マジノ線]]要塞の実物大模型に対して実験が行われ、[[焼夷剤|焼夷兵器]]や[[毒ガス]]として有効なことが明らかにされた。1938年からファルケンハーゲン (Falkenhagen) で 3,176 ヘクタールの敷地面積を持つ地下秘密兵站工廠の建設が始まり、月に50トンの N-stoff および[[サリン]]の製造が予定された。しかし、1944年に進駐してきた赤軍に奪われるまでおよそ30から50トンしか製造されておらず、1キログラム当たり100[[ライヒスマルク]]以上の費用がかかった計算になる。N-stoff が戦争で実際に使用されることはなかった<ref> [http://www.bunkertours.co.uk/germany_2004.htm "Bunker Tours" report on Falkenhagen （英語）] </ref>。

現在でも焼夷ガスは実用化していない。製造コストの高さ、保管や輸送の取扱いの難しさ、散布後の自然減衰が激しく効果時間が短い、
などの多くの欠点を解決する目処が立たないためである。

== 参考文献 ==
<references />

== 関連項目 ==
*[[フッ化塩素]]

{{塩素の化合物}}
{{ハロゲン間化合物}}
{{Chemical warfare}}
{{DEFAULTSORT:さんふつかえんそ}}
[[Category:化学兵器]]
[[Category:ハロゲン間化合物]]
[[Category:フッ化物]]
[[Category:塩素の化合物]]
[[Category:無機化合物]]