上河泰男のソースを表示

{{Infobox academic
| name = 上河 泰男
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| birth_date = [[1925年]][[11月5日]]<br/>{{JPN}} [[東京都]]
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| workplaces = [[神戸市外国語大学]]<br/>[[神戸商科大学]]<br/>[[兵庫県立大学]]<br/>[[中京大学]]
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| alma_mater = [[神戸大学]] [[修士]] (1959年)<br />[[ロチェスター大学]] [[Ph.D.]] (1966年)
| title = 神戸商科大学名誉教授
| academic_advisors = [[水谷一雄]]<br />[[ロナルド・ジョーンズ]] <br /> [[ライオネル・マッケンジー]]
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'''上河 泰男'''（うえかわ やすお、[[1925年]][[11月5日]] - [[1993年]][[10月27日]]）<ref name="keireki">{{Cite journal|和書|last=兵庫県立大学神戸商科キャンパス学術研究会|date=1991|title=上河泰男先生の経歴|url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3402002|journal=商大論集 上河泰男先生の経歴・著作目録 (上河泰男教授退任記念号)|volume=42|issue=4-5号(通号220/221)|pages=1–6}}</ref><ref name="Sake">{{Cite journal|和書|last=上河泰男先生顕彰記念会|date=1996|title=酒と人情とド迫力上河泰男先生の学問と人生}}（世話人）太田博史・田中一芳・大谷一博、六甲出版。</ref>は、[[日本の経済学者の一覧#う|日本の経済学者]]。[[神戸商科大学]]名誉教授。専門は[[国際経済学]]、特に[[国際貿易論]]。

==経歴==
[[1925年]]に[[東京]][[四谷]]に生まれる<ref name="keireki"/>。[[1942年]]に[[東京高等工学校]]機械科に入学し[[1944年]]に退学、[[陸軍予科士官学校]]に入学する<ref name="keireki"/>。[[1945年]]に同士官学校を卒業、[[1950年]]に[[陸軍航空士官学校]]を卒業、[[1955年]]に[[神戸大学]]経済学部第二課程を卒業、[[1959年]]に神戸大学経済学研究科修士課程を修了、[[1962年]]に同博士課程を単位取得退学する<ref name="keireki"/>。[[1962年]]に[[神戸市外国語大学]]助手、[[1963年]]に同講師となる<ref name="keireki"/>。同年に[[ロチェスター大学]]経済学部大学院に入学し、[[1966年]]に博士号（[[Ph.D.]]）を取得して帰国する<ref name="keireki"/>。

[[1967年]]に神戸市外国語大学助教授となり、[[1970年]]に神戸商科大学教授となる<ref name="keireki"/>。[[1972年]]から7年間にわたりJournal of International Economicsのアソシエイト・エディターを務め、[[1976年]]と[[1978年]]に二度にわたって[[マサチューセッツ工科大学]]で[[有効保護率|有効保護理論]]の研究のために在外研究に取り組む<ref name="keireki"/>。[[1990年]]に神戸商科大学を退職し名誉教授となり、[[中京大学]]経済学部に教授として着任している<ref name="keireki"/>。[[1993年]]に[[理論・計量経済学会]]の会長を務めている。20年の長きにわたり神戸商科大学で教育と研究に取り組み、学部の指導学生は270名、大学院の指導学生は20名に達した<ref name="Gakumon"/>。

==人物==
上河の退任時の神戸商科大学学長の能勢哲也は、「過去の戦争で常に死を考え、若くして死んだ先輩や友人に代わって、責任感と使命感をもって人生を真剣に生きようという強靭な意思がみられた」と述べている<ref name="kenji">{{Cite journal|和書|last=能勢哲也|date=1991|title=献辞|url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3402002|journal=商大論集 上河泰男先生の経歴・著作目録 (上河泰男教授退任記念号)|volume=42|issue=4-5号(通号220/221)|pages=1–2}}</ref>。

==研究==
神戸大学では[[水谷一雄]]の下で数理経済学を学ぶ<ref name="Gakumon">{{Cite journal|和書|last=太田博史|date=1991|title=上河泰男教授の人と学問|url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3402003|journal=商大論集 上河泰男先生の経歴・著作目録 (上河泰男教授退任記念号)|volume=42|issue=4-5号(通号220/221)|pages=571-585}}</ref>。神戸市立外国大学に着任して間もなく、水谷の勧めでロチェスター大学に留学し、[[ライオネル・マッケンジー]]と[[ロナルド・ジョーンズ]]の下で国際貿易論を学ぶ。

[[ヘクシャー＝オリーン・モデル]]の[[ストルパー＝サミュエルソンの定理]]の拡張の研究を行い、ロチェスター大学では当時日本人で最短の2年間で博士号を取得した<ref name="kenji"/>。[[ライオネル・マッケンジー]]、[[ロナルド・ジョーンズ]]、[[ジャグディーシュ・バグワティー]]、{{仮リンク|T. N. スリニヴァサン|en|T. N. Srinivasan}}などの貿易経済学者と常に交流を深め、常に一流誌に論文を掲載していた<ref name="kenji"/>。

===多数財・多要素の国際貿易理論===
[[1960年]]代はヘクシャー＝オリーン・モデルの[[要素価格均等化定理]]、[[リプチンスキーの定理]]、ストルパー＝サミュエルソンの定理が、伝統的な2財・2要素の世界から多数財・多要素の世界に拡張されても成立するのかどうかさかんに研究されていた<ref name="Gakumon"/>。
 ''n種類の産業を任意に２つの合成産業グループに分けるインデックスの集合<math>J</math>と<math>\bar{J}</math>を考えたとき、<math>J</math>に含まれるi番目の要素は、合成産業<math>\bar{J}</math>よりも合成産業<math>J</math>により多く使用され、一方、<math>\bar{J}</math>に含まれるi番目の要素は合成産業<math>J</math>よりも合成産業<math>\bar{J}</math>でより多く使用されるような、正の生産量水準が見つかる（太田博史による説明）<ref name="Gakumon"/>''
という概念を提示し、この概念を用いてストルパー＝サミュエルソンの定理を多数財・多数要素の環境に一般化することが可能になった<ref name="Gakumon"/>。この概念のもとになったアイディアは週末に自宅にロチェスター大学の教員を招いて開いたパーティの最中にひらめいたことから、Professor Uekawa's Sake Theoremと呼ばれている<ref name="Gakumon"/>。上河の研究は、常に一般的な条件のもとで経済学的に有意義な定理を構築していくことに焦点を当てていた<ref name="Gakumon"/>。

==著作==
===著書===
*『理論経済学』（1987年、[[東洋経済新報社]]）（[[木村吉男]]との共著）

===翻訳===
*『国際貿易と投資の純粋理論』（1981年、[[日本評論社]]）（[[マレー・ケンプ]]の''The Pure Theory of International Trade and Investment''の翻訳、上河の監訳）

===主要学術論文===
* "Generalization of the Stolper-Samuelson Theorem." ''Econometrica'', Vol. 39: 197-217, 1971.
* "On the Existence of Incomplete Specialization in International Trade with Capital Mobility." ''Journal of International Economics'', Vol. 2: 1-23, 1972.
* "The Theory of Effective Protection, Resource Allocation and the Stolper-Samuelson Theorem: The Many-Industry Case." ''Journal of International Economics'', Vol. 9: 151-171, 1979.
* "A Non-Traded Input, Substitution and Effective Protection." ''Journal of International Economics'', Vol. 10: 579-592, 1980.
* "Some Theorems of Trade with Joint Protection." ''Journal of International Economics'', Vol. 16: 319-333, 1984.
* "Imperfect Competition Intra-Industry Trade and Trade Policy." ''The Economic Studies Quarterly'', Vol. 45: 1-13, 1994.

==脚注==
{{Reflist}}

{{日本経済学会会長}}
{{Normdaten}}

{{デフォルトソート:うえかわ やすお}}
[[Category:日本の経済学者]]
[[Category:国際経済学者]]
[[Category:神戸市外国語大学の教員]]
[[Category:兵庫県立大学の教員]]
[[Category:中京大学の教員]]
[[Category:神戸大学出身の人物]]
[[Category:ロチェスター大学出身の人物]]
[[Category:東京都出身の人物]]
[[Category:1925年生]]
[[Category:1993年没]]