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[[哲学的論理学]]において、'''不可能世界''' (impossible world) の概念は、正規(通常)の[[可能世界]]を用いて適切に扱うことのできない特定の現象をモデル化するために用いられる。不可能世界 ''w'' は、それはある意味で"不可能"であることを除けば、(それが何であれ)可能世界と同種のものである。文脈によって、ある[[矛盾]]が ''w'' では真となること、[[論理学]]または[[形而上学]]の正規の規則が ''w'' では成立できないこと、またはその両方を意味する。 '''非正規世界''' (non-normal world) と言うこともある。 == 応用 == === 非正規様相論理 === 非正規世界は[[ソール・クリプキ]]によって1965年に導入された。これは、[[様相論理学|公理系K]]よりも弱い[[様相論理]]、特に必然化規則規則 (necessitation rule) を棄却する様相論理に[[意味論 (論理学)|意味論]]を与える純粋な技術的手段として用いられた。以下、<math>\Box</math>は必然演算子である。 : <math>\vdash A \Rightarrow \ \vdash \Box A</math>. そのような論理学は典型的に"非正規"であると言及される。[[:en:Kripke semantics|クリプキ意味論]]における様相論理の語彙の標準的な解釈の下では、各モデルにおいて<math>A</math>がすべての世界で成立する場合およびその場合に限り、<math>\vdash A</math>である。<math>A</math>がすべての世界で成立するが<math>\Box A</math>は成立しないモデルを構築するには、 (i) <math>\Box</math>を非標準的な方法で解釈する(<math>A</math>の真実をすべての到達可能 (accessible) な世界においてだけ考えるのではなく、到達不可能な世界を導入する)、または (ii) ''妥当''であるための条件を再解釈する必要がある。この後者の選択はクリプキが行った仕事である。''正規な''ものとして世界の分類を選び出す、そしてあるモデルにおけるすべての正規世界で真であるべき''妥当性''を設定する。この方法により、<math>A</math>がすべての正規世界で真であるが、<math>\Box A</math>は真ではないモデルを構築することができる。われわれは、この<math>\Box A</math>が成立しない世界は''正規''ではない到達可能な世界を持つことを保障する必要があるだけである。このとき、<math>A</math>は成立しないことが可能である。それゆえ、 論理が真実であることに関わらず、われわれの今いる世界では<math>\Box A</math>が必然であることは成立しない。 これらの非正規世界は、 論理学に従って真であるものによってそれらが制約されていないという意味で''不可能''である。<math>\vdash A</math>という事実から、<math>A</math>が非正規世界で成立することにはならない。 世界の概念を持つ様相論理による言語の解釈についてのさらなる議論は、[[様相論理学]]および[[:en:Kripke semantics|クリプキ意味論]]の項目を参照のこと。 === カリーのパラドックスの回避 === [[カリーのパラドックス]]は、"意味論的に閉じた (semantically closed) "(例えば、それらは自身の意味論を表現することができる)[[形式言語]]を開発することに興味のある[[論理学者]]にとって深刻な問題である。そのパラドックスは一見明らかな[[:en:Idempotency of entailment|縮約]]の原理を頼りにしている: :<math>(A \rightarrow (A \rightarrow B)) \rightarrow (A \rightarrow B)</math>. 縮約を無効にする意味論体系において非正規世界を利用する方法が存在する。さらに、これらの方法は非正規世界を"論理規則が成立しない"世界として構築することによって合理的かつ哲学的な正当化を与えることができる。 === 反必然的な言明 === 反必然的な言明 (counternecessary statement) は、先行条件節が単なる偽ではなく''必然化''である(または帰結節が必然的に真である)[[:en:counterfactual conditional|反事実条件節]]である。 これについて議論するため、以下の二つの事例を仮定する: :1. [[直観主義 (数学の哲学)|直観主義]]は偽である。 :2. [[排中律]]は真である。 推定されるように、これらの言明はどちらも「その言明が真(偽)ならば、その言明は必然的に真(偽)である」という性質を持つ。 ここから、以下の二つの事例が仮定される: :1'. 直観主義はすべての可能世界で偽である。 :2'. 排中律はすべての可能世界で真である。 ここで、以下の言明を考える。 :3. もし直観主義が真ならば、排中律が成立する。 これは直感的に偽である。直観主義の基本的な教義の一つはまさに排中律が成立''しない''ということである。この言明が次のように修正されることを考える: :3'. 直観主義が真であるすべての可能世界は排中律が成立する可能世界である。 これは (1') または (2') を与えると漠然と成立する。 ここで、可能世界に加えて不可能世界について考える。 (1') 直観主義が真である''不可能''世界が存在すること、および (2') 排中律が偽である''不可能''世界が存在することは互いに両立する。これは次の解釈を生む: : 3*. 直観主義が真であるすべての(可能または不可能)世界は排中律が成立する(可能または不可能)世界である。 これは、直感的に直観主義が真であり排中律が成立しない''不可能''世界が存在するため、正当ではないようである。 ==参考文献== * [[ソール・クリプキ|Kripke, Saul]]. 1965. Semantical analysis of modal logic, II: non-normal modal propositional calculi. In J.W. Addison, L. Henkin, and [[アルフレッド・タルスキ|A. Tarski]], eds., ''The Theory of Models''. Amsterdam: North Holland. * [[:en:Graham Priest|Priest, Graham]] (ed.). 1997. ''Notre Dame Journal of Formal Logic'' 38, no. 4. (Special issue on impossible worlds.) [http://projecteuclid.org/Dienst/UI/1.0/Journal?authority=euclid.ndjfl&issue=1039540763 Table of contents] * Priest, Graham. 2001. ''An Introduction to Non-Classical Logic''. Cambridge: Cambridge University Press. ==外部リンク== * {{SEP|impossible-worlds|Impossible Worlds}} * [[エドワード・ザルタ|Edward N. Zalta]], [http://mally.stanford.edu/impossible.pdf A classically-based theory of impossible worlds] (PDF) * {{PhilP|impossible-worlds|Impossible Worlds}} {{DEFAULTSORT:ふかのうせかいろん}} [[Category:可能世界]] [[Category:様相論理]]
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