世界間隔のソースを表示

{{単一の出典|date=2016年11月}}

[[相対性理論]]において、'''世界間隔''' （せかいかんかく {{lang-en-short|'''world interval'''}}、'''世界距離''' {{lang-en-short|'''world distance'''}}とも） とは二つの{{仮リンク|事象 (相対性理論)|en|Event (relativity)|label=事象}}（世界点）の隔りをあらわす、[[ローレンツ変換|ローレンツ不変]]な量である{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。ただし、通常の意味での[[距離]]とは異なり、二つの事象間の世界間隔が零であることは、それらの事象が同一の場所で起こることを意味しない。また、二つの事象の間の関係が時間的か空間的かによって、[[実数]]値だけでなく[[虚数]]値もとりうる{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。

== 特殊相対性理論における世界間隔 ==
[[特殊相対性理論]]において、事象 {{Math|A}} と事象 {{Math|B}} との間の世界間隔 {{Mvar|d}} は次のように定義される{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。

<math>d = \sqrt{\eta_{ij}\mathrm{AB}^i \mathrm{AB}^j} = \sqrt{c^2(t_\mathrm B-t_\mathrm A)^2-(x_\mathrm B-x_\mathrm A)^2-(y_\mathrm B-y_\mathrm A)^2-(z_\mathrm B-z_\mathrm A)^2} </math>

ここで、{{Mvar|&eta;<sub>ij</sub>}} は二階[[ベクトルの共変性と反変性|共変]][[テンソル]]表現の[[ミンコフスキー計量]]、{{Math|AB<sup>''i''</sup>}} は {{Math|A}} から {{Math|B}} へ向う[[空間ベクトル|ベクトル]]の反変ベクトル表現である。また、[[アインシュタインの縮約記法]]を用い、計量テンソルの[[主対角線|対角成分]]の符号は {{Math|{+, &minus;, &minus;, &minus;<nowiki>}</nowiki>}} となる規約を採用した。この場合、 {{Mvar|d}} が実数のとき {{Math|A, B}} は互いに'''時間的'''な関係にあるといい、零になるとき'''光的'''な（'''ヌル的'''な）関係にあるといい、虚数となるとき'''空間的'''な関係にあるという{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。特殊相対性理論ではこの量がローレンツ不変であることが要請され、したがってこの三種類の関係も[[基準系]]によらず不変となる{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。また、時間的関係にある二つの事象の間には基準系に依らない前後関係を定義しうるが、空間的な関係にある二つの事象の前後関係は基準系に依存し、必ずそれら二つの事象を同時に観測する基準系が存在する{{sfn|ランダウ|リフシッツ|1964}}。よって、世界間隔は相対論的[[因果性|因果律]]を考える上で重要である。

== 関連項目 ==
* [[固有時]]
* [[測地線]]

== 参照文献 ==
* {{Cite book|和書|last=ランダウ|author=|title=場の古典論|edition=増訂新版|date=1964-9-30|year=|publisher=東京図書|chapter=&sect;2 世界間隔|translator=広重徹、恒藤敏彦|last2=リフシッツ|ref=harv}}

== 出典 ==
{{Reflist|colwidth=20em}}
{{Physics-stub}}
[[Category:相対性理論]]
{{DEFAULTSORT:せかいかんかく}}