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{{Unreferenced|date=February 2014}} [[数学]]の[[作用素論]]において、ある[[関数空間|ベクトル函数空間]]上で定義される[[線型作用素]] ''T'' が'''乗算作用素'''(じょうざんさようそ、{{Lang-en-short|multiplication operator}})であるとは、函数 φ におけるその作用素の値がある固定された別の函数 ''f'' との積で与えられることを言う。すなわち :<math>T(\varphi)(x) = f(x) \varphi (x) \quad </math> がその函数空間内の任意の φ と、その φ の[[定義域]]内の任意の ''x'' について成立する(φ の定義域は ''f'' の定義域と一致する)。 このタイプの作用素はしばしば[[合成作用素]]と比較される。乗算作用素は、[[対角行列]]によって与えられる作用素の概念を一般化するものである。より正確に、[[作用素論]]における主要な結果の一つである[[スペクトル定理]]では、[[ヒルベルト空間]]上のすべての[[自己共役作用素]]は、[[Lp空間|''L''<sup>''2''</sup> 空間]]上の乗算作用素と[[エルミート作用素|ユニタリ同値]]であることが示されている。 == 例 == [[区間 (数学)|区間]] [−1, 3] 上の[[複素数|複素数値]][[自乗可積分函数]]からなる[[ヒルベルト空間]] ''X''=''L''<sup>2</sup>[−1, 3] を考える。次の作用素を定義する。 :<math>T(\varphi)(x) = x^2 \varphi (x) \quad </math> ここで φ は ''X'' 内の任意の函数である。これは[[自己共役作用素|自己共役]]な[[有界線型作用素]]で、その[[作用素ノルム]]は 9 である。その[[スペクトル (関数解析学)|スペクトル]]は区間 [0, 9] となる(これは [−1, 3] 上で定義される函数 ''x''→ ''x''<sup>2</sup> の[[値域]]に等しい)。実際、任意の複素数 λ に対して、作用素 ''T''-λ は :<math>(T-\lambda)(\varphi)(x) = (x^2-\lambda) \varphi(x) \quad </math> で与えられ、これが[[逆写像|可逆]]であるための[[必要十分条件]]は λ が [0, 9] 内に含まれることである。そしてそのような逆写像は :<math>(T-\lambda)^{-1}(\varphi)(x) = \frac{1}{x^2-\lambda} \varphi(x) \quad </math> で与えられ、これもまた別の乗算作用素となる。 以上の議論は、任意の [[Lp空間|L<sup>p</sup> 空間]]上の乗算作用素のノルムとスペクトルを特徴付ける上で容易に一般化することが出来る。 == 関連項目 == * [[平行移動]]: 平行移動作用素 * [[シフト作用素]] * [[スペクトル分解 (関数解析学)]] {{DEFAULTSORT:しようさんさようそ}} [[Category:関数解析学]] [[Category:数学に関する記事]]
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