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{{生物分類表 |色 = 細菌 |名称 = ラクトバシラス・サリバリウス |fossil_range = |画像 = |画像キャプション = |ドメイン = [[細菌]] {{Sname||Bacteria}} |門 = [[フィルミクテス門|グラム陽性菌門]] {{Sname||Firmicutes}} |綱 = [[バシラス綱]] {{Sname||Bacilli}} |目 = [[ラクトバシラス目]] {{Sname||Lactobacillales}} |科 = [[ラクトバシラス科]] {{Sname||Lactobacillaceae}} |属 = [[ラクトバシラス属]] {{Snamei||Lactobacillus}} |種 = '''''[[ラクトバシラス・サリバリウス]]<br />'''[[w:Lactobacillus salivarius|Lactobacillus salivarius]]'' |学名 = ''Lactobacillus salivarius''<br /><small>Rogosa et al. 1953</small> |シノニム = |英名 = }} '''乳酸菌LS1'''(にゅうさんきん エルエスワン)(= [[ラクトバシラス・サリバリウス|Lactobacillus salivarius]] TI2711) は、[[東海大学]]医学部感染症研究室 古賀泰裕教授のグループにより健康なヒトの口腔内から分離された[[乳酸菌]]である。口腔内の[[悪玉菌]]である[[歯周病]]原菌を抑制し、口腔内細菌叢を正常化する[[善玉菌]]としての働きを持つ。以下に述べるとおり安全性と歯周病原細菌に対する有効性や[[口臭]]減少効果が認められており、[[プロバイオティクス]]として株式会社[[湖池屋]]の販売する『[[乳酸菌LS1 (菓子)|乳酸菌LS1]]』に使用されている。 == 安全性 == [[乳酸菌]]の産生する[[乳酸]]は[[う蝕]]の原因になる可能性があることから、乳酸菌を口腔内で使用するには注意が必要である。しかし、乳酸菌LS1は以下の点よりう蝕に対してや食品としての安全性が確認されている。 #[[日本細菌学会]]バイオセイフティ-レベルでレベル1、「ヒトに疾病を起こし、或は動物に獣医学的に重要な疾病を起こす可能性のないもの」でかつ「[[日和見感染]]の可能性のない菌」に分類されている。 #LS1は酸に弱く、自ら産生する酸によって死滅する性質を持っている。 #動物実験、及びヒト臨床試験(100例以上)でう蝕の発生や進行が起こらないことを確認している。 == in vitro試験 == LS1と歯周病原菌[[Porphyromonas gingivalis]]の初期菌数をともに1<math>\times</math>108 cfu<math>/</math>gとして混合培養を行うと、9時間後にP. gingivalis菌数は検出限界以下となった。また、P. gingivalisの初期菌数を1<math>\times</math>102 cfu<math>/</math>gとした場合でも、24時間後にはP. gingivalis菌数は検出限界以下となった。 == ヒト臨床試験 == === 唾液中の細菌数検査 === 被験者57名に対し、LS1菌数が1日当り1<math>\times</math>108 cfu<math>/</math>gとなるようにLS1含有錠菓を服用させ、服用開始前と服用開始4週後に唾液を採取し{{誰|date=2013年2月}}、唾液中の[[黒色色素産生嫌気性桿菌]]数(P. gingivalisを含む)を測定した{{誰|date=2013年2月}}。その結果、LS1服用により黒色色素産生嫌気性桿菌数は平均で4.0<math>\times</math>106 cfu<math>/</math>gから2.0<math>\times</math>105 cfu<math>/</math>gへと有意に減少した{{要出典|date=2013年2月}}。 === 歯肉縁下プラーク細菌数検査 === 被験者LS1服用群38名、[[偽薬|プラセボ]]服用群39名に対しLS1菌数が1日当り2<math>\times</math>108cfu<math>/</math>gとなるようにLS1含有錠菓を服用させ、歯周ポケット中の[[歯肉]]縁下[[プラーク]]を服用開始前、服用開始4週後、12週後、服用中止4週後に採取し歯周病原菌数を測定した{{誰|date=2013年2月}}。その結果、4週後のLS1服用群ではP. gingivalis菌数は平均値で服用前の1.1<math>\times</math>105から2.8<math>\times</math>104と有意な減少が認められた{{誰2|date=2013年2月}}。さらに12週後でもP. gingivalis菌数は減少した状態を維持していた。しかし服用を中止すると、P. gingivalis菌数は増加し、服用開始前と同程度の菌数となった。一方、プラセボ服用群では有意な増減は認められなかった{{要出典|date=2013年2月}}。 == 口臭への効果 == 口臭測定装置「[[ハリメーター]]」により「口臭あり」と判定された20名に対しLS1菌数が1日当り2<math>\times</math>108 cfu<math>/</math>gとなるようにLS1含有錠菓を服用させ、服用開始前、開始4週後、8週後に口臭を測定した{{誰2|date=2013年1月}}。その結果、約3分の2は服用8週間後に口臭の消失が確認された{{誰2|date=2013年1月}}。また、8週後に口臭ありとされた被験者でも口臭の減少が認められた{{誰2|date=2013年1月}}。 == 参考文献 == *Ishikawa H et al, ''Suppression of periodontal pathogenic bacteria in the saliva of humans by the administration of Lactobacillus salivarius TI 2711.'', J Jpn Soc Periodontal, 45: pp. 105-112, 2003. *松岡隆史ほか 『Lactobacillus salivarius TI2711によるPorphyromonas gingivalis 殺菌の作用機序の解明』 日歯周誌、2004年、46:pp. 118-126. *松岡隆史ほか 『Lactobacillus salivarius TI2711 (LS1) の服用が臨床症状およびプラーク中の歯周病原菌に及ぼす効果』 日歯周誌、2005年、47:pp. 194-202. *松岡隆史ほか 『Lactobacillus salivarius TI2711 (LS1) の服用によるヒト歯肉縁下プラーク中の歯周病原菌抑制効果』 日歯周誌、2006年、48:pp. 315-324. == 関連項目 == *[[プロバイオティクス]] *[[乳酸菌]] *[[歯周病]] == 外部リンク == *[http://ls1.jp/ お口の中の乳酸菌LS1(エル・エス・ワン)の研究情報 LS1.jp] *[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsp2/index-j.html 日本歯周病学会] *{{Hfnet|120|乳酸菌、ビフィズス菌など}} {{DEFAULTSORT:にゆうさんきんLS1}} [[Category:フィルミクテス門]] [[Category:プロバイオティクス]]
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