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{{Probability fundamentals}} [[確率論]]において、'''事象'''(じしょう、{{lang-en-short|event}})とは、[[試行 (確率論)|試行]]によって起こり得る[[結果 (確率論)|結果]]をいくつか集めた[[集合]]で、[[確率]]があると考えられるもののことである<ref>{{Cite book |last = Leon-Garcia |first = Alberto |title = Probability, Statistics and Random Processes for Electrical Engineering |location = Upper Saddle River, NJ |publisher = Pearson |year = 2008 |url = https://books.google.com/books/about/Probability_Statistics_and_Random_Proces.html?id=GUJosCkbBywC |isbn = }}</ref><ref>{{Cite book |last = Pfeiffer |first = Paul E. |year = 1978 |title = Concepts of Probability Theory |page = 18 |url = https://books.google.com/books?id=_mayRBczVRwC&pg=PA18 |publisher = Dover Publications |isbn = 978-0-486-63677-1 }}</ref>。特に、これ以上分けられない事象(1つだけの結果を含む事象)を'''[[根元事象]]'''(こんげんじしょう)という。 根元事象の確率全体がどれも等しいとき[[同様に確からしい]]という<ref>{{Cite book |last = Foerster |first = Paul A. |year = 2006 |title = Algebra and Trigonometry: Functions and Applications, Teacher's edition |edition = Classics |page = 634 |publisher = [[Prentice Hall]] |location = Upper Saddle River, NJ |isbn = 0-13-165711-9 |url = https://www.amazon.com/Algebra-Trigonometry-Functions-Applications-Prentice/dp/0131657100 }}</ref>。同様に確からしいのは、結果(事象)が有限個のときに限られる。例えば、[[公正なコイン|ゆがみのないコイン]]やサイコロを投げるときである。 事象に対してその事象が起こらない事象(集合でいう[[差集合|補集合]])は'''余事象'''と呼ばれる。これらにより事象の生起を考える[[ベルヌーイ試行]]が定義される。 試行の結果全体の集合を'''[[標本空間]]'''(全事象)という。標本空間が高々可算集合の場合はどの部分集合にも確率が定義できる(事象空間は標本空間の[[冪集合]]に等しい)が、[[非可算集合]]の場合は[[確率測度]]で非可測の集合があるため、一般に事象とは、[[確率測度]]に関して可測である集合となる(詳細は[[#確率空間における事象]]を参照)。 == 例 == [[画像:Dice-prob-2.svg|thumb|サイコロを1回投げる試行において、標本空間 {{math|Ω}} を出る目全体としたときの事象の例。出る目が奇数である事象を {{mvar|A}} とすると、その確率は {{math|{{sfrac|3|6}} {{=}} {{sfrac|1|2}}}} である。]] ジョーカーを除いた52枚の[[トランプ]]からカードを1枚引くという[[試行 (確率論)|試行]]において、根元事象は52枚のカード全てであり、事象は根元事象の和集合および空集合により得られる。[[標本空間]]とは根元事象全体の集合である。 (例)(括弧内の数字は事象持つ元の数) * 赤かつ黒である (0) * ハートの5である (1) * キングである (4) * 絵札である (12) * スペードである (13) * 絵札または赤である (32) * カードである (52) どんな事象も集合なので、[[ベン図]]によって図示できる(右図)。標本空間 {{math|Ω}} 内のどの結果も同様に確からしいとき、事象 {{mvar|A}} の起こる確率は :<math>P(A) = \frac{\vert A \vert}{\vert \Omega \vert}</math> で与えられ(<math>\Pr(A) = \vert A\vert/\vert \Omega \vert</math> と書くこともある)、これは前掲の事象にも適用される。 == 確率空間における事象 ==<!--Section linked from lead--> 標本空間が非可算無限集合の場合は、標本空間から生成される集合全てに確率が定義できるとは言い切れないという問題が起こる。 非等確率空間の場合は、確率は公理的確率として[[確率測度]]で定義できる。一般に、[[選択公理]]を認めると[[ルベーグ測度|ルベーグ非可測]]集合が構成できる。したがって、確率が定義できない集合がありうるということになる。数学では、このような[[病的な (数学)|病的な]]集合を定義から除外し、標本空間の[[完全加法族|σ-代数]]のみを事象として取り扱う。(詳細は[[確率空間]]を参照) [[正規分布]]を含む多くの標準的な[[確率分布]]では標本空間は[[実数]]全体(あるいはその部分集合)である。[[同時分布|結合確率]]や[[条件付き確率]]などを適切に扱うには、確率空間の定義が必要である。 == 事象の確率変数による表記 == 本来、事象は標本空間 {{mvar|Ω}} の部分集合であるが、[[確率変数]]の変域として指定されることが多い。例えば、標本空間 {{mvar|Ω}} 上の実確率変数 {{mvar|X}} が与えられたとき、事象 :<math>\{ \, \omega \in \Omega \mid a < X(\omega) \le b \, \}</math> は区間 {{math|(''a'', ''b'']}} の確率変数 {{mvar|X}} による[[像 (数学)|逆像]] {{math|''X'' {{sup|−1}}((''a'', ''b''])}} であるが、これを :<math>a < X \le b</math> と略す。この事象の確率を :<math>P(a < X \le b) = P(X \le b) - P(X \le a)</math> と略記することが特に多い。 == 関連項目 == * [[根元事象]] == 脚注 == {{Reflist}} == 外部リンク == {{Commonscat}} * {{SpringerEOM|title=Random event|urlname=Random_event}} {{確率論}} {{DEFAULTSORT:ししよう}} [[Category:試行 (確率論)]] [[Category:確率論]] [[Category:数学に関する記事]]
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