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{{出典の明記|date=2017年5月}} [[数学]]において、'''二項演算'''(にこうえんざん、{{lang-en-short|''binary operation''}})は、数の[[四則演算]](加減乗除)などの 「二つの数から新たな数を決定する規則」 を一般化した概念である。'''二項算法'''(にこうさんぽう)、結合などともいう。 == 定義 == [[集合]] ''A'' 上で定義される 2 変数の[[写像]] :<math>\mu\colon A \times A \to A;\ (x,y) \mapsto \mu(x,y)</math> を ''A'' 上の'''二項演算'''あるいは'''乗法'''などと呼び、集合 ''A'' を二項演算 μ の'''台集合''' (<span lang=en>underlying set</span>) などと呼ぶ。''A'' の 2 元 ''x'', ''y'' に対し、[[順序対]] (''x'', ''y'') の二項演算 μ による像 μ(''x'', ''y'') を ''x'' と ''y'' の'''積'''あるいは'''結合'''などと呼んで、多くの場合に[[中置記法]]に則って ''x'' μ ''y'' のように記す(混乱のおそれの無い場合には、しばしば ''xy'' と略記する)。 また、''A'' × ''A'' 上の写像 ''g'' が ''A'' 上の二項演算を与えるとき、''A'' は ''g'' について'''[[閉性|閉じている]]'''あるいは {{mvar|g}} は {{mvar|A}} において閉じているという。 : {{mvar|A}} の任意の二つの対象から、第三の対象を与える「二項演算」の手続きのみが与えられていて、その手続きの値域がふたたび {{mvar|A}} に含まれるかどうか(第三の対象が {{mvar|A}} の対象となるか)が問題となるとき、この演算が閉じているかどうかを検討することが求められる。 : そのような例として、ある集合 {{mvar|S}} がより大きな集合 {{mvar|A}} の部分集合であって、{{mvar|A}} が特定の[[代数的構造]]を備えた代数系であるとき、{{mvar|S}} が {{mvar|A}} の[[部分代数系]]となること(すなわち、{{mvar|A}} の各演算を {{mvar|S}} に制限した演算を考えるとき {{mvar|S}} 自身が同じ代数的構造を持つこと)は、各演算が {{mvar|S}} において閉じていることが必要十分である。 == 諸概念 == 1つまたは複数の二項演算に[[結合法則|結合律]]、[[交換法則|可換律]]あるいは[[分配法則|分配律]]などといった条件が成立するかどうかを考えることで、二項演算やそれらの関係を分類することができる。 台集合 <math>A</math> とその上の二項演算 <math>\mu</math> がなす組 <math>(A, \mu)</math> を[[マグマ (数学)|マグマ]]という。マグマが持つ二項演算に課せられた条件に基づいて[[半群]]や[[環論|環]]、[[アーベル群]]など、様々な[[代数的構造]]が見いだされる。 == 外部二項演算 == [[ベクトル空間]]におけるベクトルの[[スカラー倍]]のようなものを二項演算と考える流儀もある。一般に、集合 ''A'', ''B'' に対し、''B'' の ''A'' への[[作用 (数学)|作用]]、つまり :<math>\mu\colon B \times A \to A;\ (b, a) \mapsto b \mathop{\,\mu\,} a</math> の形で与えられる写像 μ を'''外部'''二項演算と呼んで二項演算の仲間に入れることがある。このとき、元の意味での二項演算を'''内部'''二項演算と呼んで区別する。外部二項演算 μ が与えられたとき、適当な写像 :<math>\alpha\colon B \to A^A;\ b \mapsto \alpha_b</math> を用いると、''B'' の各元 ''b'' において ''A'' 上の作用素、つまり :<math>\alpha_b(a) = b \mathop{\,\mu\,} a</math> を満たす ''A'' 上の単項演算 :<math>\alpha_b\colon A \to A;\ a \mapsto b \mathop{\,\mu\,} a</math> が得られるので、外部二項演算 μ を ''A'' 上の単項演算の族 {α<sub>''b''</sub>}<sub>''b''∈''B''</sub> と見なすことができる。これは、これらの単項演算が ''A'' の内部での演算になっているので、代数系の構造論を考える立場からは自然な見方である。なお一般の場合として、集合 ''A'', ''B'', ''C'' に対し 2 変数の写像 :<math>f\colon A \times B \to C</math> を形式にこだわらずに二項演算とか積などと呼ぶ場合もある。この立場では例えばベクトルの[[内積]]などが二項演算の仲間に含まれる。 == 関連項目 == *[[マグマ (数学)|マグマ]] *[[演算 (数学)|算法]] *[[代数的構造]] {{二項演算}} {{Abstract-algebra-stub}} {{DEFAULTSORT:にこうえんさん}} [[Category:二項演算|*]] [[Category:数学に関する記事]]
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