五硫化二リンのソースを表示

{{Infobox_無機化合物
|name=五硫化二リン
|画像=[[Image:Phosphorus-pentasulfide-2D-dimensions.png|200px|五硫化二リンの構造]][[Image:Phosphorus-pentasulfide-3D-balls.png|200px]]
|IUPAC名=
|別名=硫化リン(V)
|組成式=P<sub>2</sub>S<sub>5</sub>
|式量=444.555
|形状=淡黄色固体
|結晶構造=
|CAS登録番号=[1314-80-3]
|密度=2.09
|相=固体
|水への溶解度=（加水分解）
|温度=
|融点=288
|融点注=
|沸点=514
|沸点注=
|出典=
}}
'''五硫化二リン'''（ごりゅうかにリン、phosphorus pentasulfide）は、[[分子式]] P<sub>4</sub>S<sub>10</sub> で表される、[[リン]]と[[硫黄]]からなる[[無機化合物]]である。淡[[黄色]][[固体]]の粉末で、硫化剤などとして[[工業]]的に重要である。[[二硫化炭素]]や[[ベンゼン]]には溶けるが、[[アルコール]]や[[アミン]]とは反応を起こす。[[分子構造]]は[[アダマンタン]]と類似しており、[[五酸化二リン]]とほぼ同じである<ref>Corbridge, D. E. C. (1995). "Phosphorus: An Outline of its Chemistry, Biochemistry, and Technology," 5th Edition. Elsevier: Amsterdam. ISBN 0-444-89307-5.</ref>。

== 合成 ==
五硫化二リンは[[液体]]の[[白リン]]を300{{℃}}で[[硫黄]]と反応させることで得られる。また、[[硫黄]]もしくは[[黄鉄鉱]]（[[硫化鉄(II)]] FeS からなる鉱物）と[[リン化鉄]]（Fe<sub>2</sub>P、[[燐灰石]]から白リンを作るときの副生成物）との反応でも得られる。
: <chem>{4Fe2P} + 18S -> {P4S10} + 8FeS</chem>
: <chem>{4Fe2P} + {18FeS2} + </chem>熱<chem> -> {P4S10} + 26FeS</chem>

== 反応性 ==
五硫化二リンは[[吸湿性]]があり、[[空気]]中の[[湿気]]を吸収して[[加水分解]]して[[硫化水素]]を発生する。従って五硫化二リンは[[腐卵臭]]を持つ。加水分解の際には硫化水素とともに[[リン酸]]も生じる。
: <chem>{P4S10} + 16H2O -> {4H3PO4} + 10H2S</chem>

アルコールやアミンを含む弱い[[求核剤]]と反応する。[[アニソール]]、[[フェロセン]]、そして[[1-メトキシナフタレン]]と反応し、[[ローソン試薬]]のような[[1,3,2,4-ジチアジホスフェタン 2,4-ジスルフィド]]を形成する。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[三硫化四リン]]
* [[五酸化二リン]]

{{リンの化合物}}
{{Chem-stub}}
{{DEFAULTSORT:こりゆうかにりん}}
[[Category:リンの化合物]]
[[Category:硫化物]]
[[Category:無機化合物]]