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{{出典の明記|date=2014年3月}} '''伝達関数法'''(でんたつかんすうほう)とは、複素関数論([[ラプラス変換]]など)を用いた[[制御工学|制御系]]の解析法である。 == 伝達関数 == '''伝達関数''' (transfer function) とはシステムへの入力を出力に変換する関数のことをいう。伝達関数は、すべての初期値を 0 とおいたときの、制御系の出力と入力の[[ラプラス変換]](または[[Z変換| Z 変換]])の比で表される。すなわち、連続システムのとき、出力信号 ''y''(''t'') のラプラス変換を ''Y''(''s'')、入力信号 ''x''(''t'') のラプラス変換を ''X''(''s'') とすれば、伝達関数 ''G''(''s'') は {{Indent|<math>G(s) = \frac{Y(s)}{X(s)} = \frac{\mathcal{L}\left[y(t)\right]}{\mathcal{L}\left[x(t)\right]}</math>}} と表される。 離散システムに対して、伝達関数は Z 変換によって、 {{Indent|<math>H(z) = \frac{Y(z)}{X(z)} = \frac{\mathcal{Z}\left[y(n)\right]}{\mathcal{Z}\left[x(n)\right]}</math>}} と表される。 この伝達関数法では、[[時間領域]]の関数を、ラプラス変換(または Z 変換)によって[[複素平面]]に写像を取り、さらに[[周波数領域]]に変換することにより、系の特性や安定性を解析するのに用いる。ただし、対象となる系が 1 入力 1 出力(線形関数)に限られているため、複雑な系(多入力多出力、非線形)の解析には[[状態空間法]]を用いる。しかしながら、この伝達関数法は、今日の[[制御理論]]においても基礎となる重要な理論である。 == 周波数伝達関数 == ''s'' を ''j''ω とすると、周波数伝達関数 (frequency transfer function) は ''G''(''j''ω) と表される。 周波数伝達関数は[[複素数]]であるため、次のように表される。 {{Indent|<math> G(j\omega)= {\rm Re}\{G(j\omega)\} + j~{\rm Im}\{G(j\omega)\} = |G(j\omega)| e^{j\angle G(j\omega)} </math>}} この式の特性を見るために[[ナイキスト線図]]、[[ボード線図]]、[[ニコルス線図]]がある。 周波数伝達関数の[[絶対値]] |''G''(''j''ω)| を[[利得 (電気工学)|利得]]といい、[[複素数の偏角|偏角]] <math>\angle G(j\omega)</math> を[[位相]](位相角)という。 == 各種要素の伝達関数 == ;積分要素 : <math>G(s)=\frac{k}{s}</math> ;1次遅れ要素 : <math>G(s)=\frac{K}{Ts+1}</math> ;微分要素 : <math>G(s)=Ts</math> ;むだ時間要素 : <math>G(s)=e^{-s\tau}</math> (通信遅延等)(解析が困難) ;2次遅れ要素 : <math>G(s)=\frac{K}{(T_1 s+1)(T_2 s+1)}</math> : <math>G(s)=\frac{K}{s^2+2\zeta \omega_n s+\omega_n{}^2}\quad (\zeta<1)</math> : <math>G(s)=\frac{K}{s(Ts+1)}</math> == 関連項目 == *[[LTIシステム理論]] {{制御理論}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:てんたつかんすう}} [[Category:関数|てんたつ]] [[Category:制御工学]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:振動工学]] [[Category:周波数領域分析]]
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