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'''作用素をもつ群'''<ref name=":0">{{Cite book|和書|title=ブルバキ数学原論 代数1|year=1968|publisher=東京図書|page=74|author=ブルバキ|translator=銀林浩・清水達雄}}</ref>(さようそをもつぐん、{{Lang-en-short|group with operators}}、{{Lang-fr-short|groupe à opérateurs}})または'''作用域'''({{Lang-en-short|operator domain}})'''を持つ群'''<ref name=":1">{{Cite book|和書|title=岩波 数学辞典 第4版|year=2007|publisher=岩波書店|page=326|author=日本数学会}}</ref>とは、1920年代に[[エミー・ネーター]]や[[ヴォルフガング・クルル]]によって研究されはじめた<ref>{{Cite book|洋書|edition=3rd ed|title=Lattice theory|url=https://www.worldcat.org/oclc/30684596|publisher=American Mathematical Society|date=1993|location=Providence, R.I.|isbn=0-8218-1025-1|oclc=30684596|others=American Mathematical Society|first=Garrett|last=Birkhoff|page=160}}</ref>[[群 (数学)|群]]の一般化であり、群[[自己準同型]]からなる[[集合]]をもつ群のことである<ref name=":0" />。現代的には'''Ω群'''({{Lang-en-short|Ω-group}})と言う<ref name=":1" />。[[群作用]]({{Lang-en-short|group action}})やω群(対象が一つの{{仮リンク|∞亜群|en|∞-groupoid}}<ref>{{Cite web |title=Omega-group in nLab |url=https://ncatlab.org/nlab/show/Omega-group |website=ncatlab.org |access-date=2022-05-14}}</ref>)と混同しないように注意する必要がある。 == 定義 == 集合 Ω の'''作用素をもつ群''' (''G'', Ω) は、群 ''G'' とその上の[[写像]] :<math>\omega\colon G \to G</math> で群の演算に対して[[分配法則|分配的]]であるようなものからなる族 Ω を合わせて考えたものである。このとき Ω を'''作用域'''といい、その元を ''G'' 上の'''作用素'''という。 変換 ω による群 ''G'' の元 ''g'' の像を ''g''<sup>ω</sup> と書けば、作用の分配性は :<math>(gh)^{\omega} = g^{\omega}h^{\omega} \quad (\forall \omega \in \Omega, \forall g,h \in G)</math> と表せる。また、''G'' の部分群 ''S'' が Ω の作用に関する'''固有部分群'''もしくは'''安定部分群''' {{lang|en|(''stable subgroup'')}}あるいは Ω-'''不変部分群'''または簡単に Ω-部分群であるとは、 :<math>s^\omega \in S \quad (\forall s \in S, \forall \omega \in \Omega)</math> が成り立つときに言う。 == 注意 == '''作用素をもつ群'''を[[圏論]]の言葉を用いて言い換えれば、''M'' を[[単一対象圏]]とするときの[[函手圏]] '''Grp'''<sup>'''M'''</sup> の対象である。ここに '''Grp''' は[[群の圏]]を表す。 作用素を持つ群は、''G'' の群自己準同型全体の成す集合 End<sub>grp</sub>(''G'') を用いれば、写像 :<math>\Omega\to\operatorname{End}_{\text{grp}}(G)</math> としても捉えることができる。 == 例 == * 任意の群 ''G'' は自明な作用素をもつ群 (''G'', ∅) とみなせる。 * ''R''-[[環上の加群|加群]] ''M'' は作用域 ''R'' の[[スカラー倍|スカラー乗法]]による作用素をもつ群 ''M'' である。より具体的に任意の[[ベクトル空間]]は作用素をもつ群である。 == 応用 == 群に対する[[ジョルダン・ヘルダーの定理]]は作用素をもつ群の文脈で考えても成立する。群が[[組成列]]をもつという仮定は[[位相幾何学]]における[[コンパクト空間|コンパクト性]]に似て、しばしば強すぎる条件を与える。コンパクト性の代わりに相対コンパクト性を考えるほうが自然であることがよくあるのと同様に、組成列についても各正規部分群が考えている群の作用域 ''X'' に対して相対的な作用部分群となっているものだけを考える。 == 関連項目 == * [[作用 (数学)]] * [[群作用]] == 出典 == <references /> == 外部リンク == * {{SpringerEOM | id=Multi-operator_group | title=Multi-operator group }} * {{nlab|id=Omega-group|title=Omega-group}} {{DEFAULTSORT:さようそをもつくん}} [[Category:群論]] [[Category:代数的構造]] [[Category:数学に関する記事]]
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