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{{About |重力の影響下での光子の物理学 |光を発する星 |光球}} [[File:Black Hole Shadow.gif|thumb|350x350px|光線を重力的に曲げて光子球を形成するアニメーション]] '''光子球'''(こうしきゅう)(photon sphereまたはphoton circle<ref>{{cite web |url=https://www.smithsonianmag.com/science-nature/astronomers-capture-first-images-supermassive-black-hole-180971927/ |title=Astronomers Capture First-Ever Image of a Supermassive Black Hole |last=Bennett |first=Jay |date=April 10, 2019 |website=Smithsonian.com |publisher=Smithsonian Institution |access-date=April 15, 2019 |archive-date=April 13, 2021 |archive-url=https://web.archive.org/web/20210413000233/https://www.smithsonianmag.com/science-nature/astronomers-capture-first-images-supermassive-black-hole-180971927/ |url-status=live }}</ref> <ref name=":0">{{Cite journal |last=Cramer |first=Claes R. |date=1997 |title=Using the Uncharged Kerr Black Hole as a Gravitational Mirror |journal=General Relativity and Gravitation |volume=29 |issue=4 |pages=445–454 |doi=10.1023/A:1018878515046 |arxiv=gr-qc/9510053 |bibcode=1997GReGr..29..445C |s2cid=9517046}}</ref>)とは、[[ブラックホール]]の[[事象の地平面]]のやや外側に細く光って見える、輪のような形をした球面である。光子球では[[光子]]がブラックホールの周囲を周回している。ブラックホールの周囲のどの地点から見ても、その見え方は変わらない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.businessinsider.jp/post-199766 |title=NASAがブラックホールの動画を作成…近くまで行ったらこう見える |access-date=2022-09-08 |author=Aria Bendix |date=2019-10-05 |website=BUSINESS INSIDER |publisher=Mediagene Inc}}</ref>。光子球の内側に入った光は、強い[[重力]]によって進行方向を曲げられてブラックホールに吸い込まれるため、光子球の内側の様子を[[電磁波]]を用いて観測することは不可能である。実際に観測すると、光子球の内側は影になっているように見えるが、この影をブラックホールシャドウと呼ぶ<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20190410/c01 |title=研究の背景 |access-date=2022-09-08 |author=国立天文台 |publisher=EHT-Japan}}</ref>。自転していないブラックホールの場合、光子球の直径は事象の地平面の直径の1.5倍ほどになるが、ブラックホールの重力の影響により光が曲げられるため、地球から見た光子球(光子リング)の見かけの直径は事象の地平面のそれの2.5倍ほどになる。2019年に初めて直接観測に成功した[[M87 (天体)|M87]]のブラックホールは、光子リングの観測に成功したのである<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/65/Snet65-column.pdf |title=ブラックホール“シャドウ”の撮影 |access-date=2022-09-08 |author=田崎 文得 |publisher=数研出版}}</ref>。 光子球の最も内側の安定した円軌道半径は、[[シュワルツシルト・ブラックホール]]の場合: : <math>r = \frac{3GM}{c^2} = \frac{3r_\text{s}}{2},</math> ここで {{mvar|G}} 、{{mvar|M}} 、{{mvar|c}}、{{math|''r''<sub>s</sub>}}はそれぞれ、[[重力定数]]、[[ブラックホール]]質量、[[光速]]、 [[シュワルツシルト半径]] ([[事象の地平線]])である。 この方程式は、光子球がブラックホールや[[中性子星]]などの非常にコンパクトな物体の周囲にしか存在できないことを意味する<ref>[http://adsabs.harvard.edu/full/1993ApJ...406..590N Properties of ultracompact neutron stars] {{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20210506200446/http://adsabs.harvard.edu/full/1993ApJ...406..590N |date=2021-05-06 }}.</ref> 光子球は、事象の地平線よりもブラックホールの中心から離れて位置している。光子球内では、背中から放出され、ブラックホールを周回し、その人の目に向かう光子、すなわち自分の背中を見ることができる状況を想像することができる。 角運動量を持たないブラックホールの場合、光子球の半径は3/2 ''r''<sub>s</sub>となる。光子球内、または光子球を横切る安定した自由落下軌道は存在しない。 光子球面を外側から内側に横切る全ての自由落下軌道はブラックホールに螺旋状に落下する。内から外に横切る軌道は無限遠に行くか、戻ってブラックホールに落下する。この半径より小さい半長軸を持った落下しない非加速軌道は不可能だが、一定の加速度を与えれは光子球内で宇宙船やプローブを事象の地平線の上にホバリングさせることができる。 光子球のもう一つの特性は[[遠心力]]の反転である。<ref>{{cite journal |last=Abramowicz |first=Marek |title=Centrifugal-force reversal near a Schwarzschild black hole |journal=Monthly Notices of the Royal Astronomical Society |volume=245 |pages=720 |bibcode=1990MNRAS.245..720A |year=1990}}</ref> 光子球の外では、軌道が速いほど物体の感じる外向きの遠心力が大きくなるが、光子球面でゼロに落ちる。つまり、物体は軌道がどれほど速くても同じ重さになり、内部では負になる。光子球の内部では、より速い周回はより大きな重量または内向きの力につながる。これは、内向きの流体の流れに大きく影響する。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} {{ブラックホール}} {{physics-stub}} {{DEFAULTSORT:こうしきゆう}} [[Category:一般相対性理論]] [[Category:ブラックホール]] [[Category:光子]]
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