光度 (光学)のソースを表示

{{物理量
| 名称 = 光度
| 英語 = luminous intensity
| 記号 = ''I'', ''I''{{sub|v}}
| 次元 = J
| 階 = スカラー
| SI = [[カンデラ]]（cd）
}}
{{物理学}}
'''光度'''（こうど、{{Lang-en|luminous intensity}}）は、点状の[[光源]]からある方向へ放射される[[光]]（[[可視光]]）の明るさを表す[[物理量]]である。
[[光束]]を光源を中心とする[[立体角]]による微分として表される。

光度は[[ヒト]]の感じる物理量の一つであり、'''[[心理物理量]]'''と呼ばれる。
光度は[[国際量体系]]の[[基本量]]の一つとして位置付けられており、光度の次元は J で表される。これに対応して[[国際単位系]]では、光度の単位として[[カンデラ]]（記号: cd）が定められている。

== 背景 ==

光度は[[ヒト]]が感じる[[光]]の「明るさ」を定量的に定義したものである。従って光度の定義にはヒトの[[視覚]]の特性が反映されている。

ヒトが見ることできる光は[[可視光線]]に分類される[[電磁波]]の一種である。ヒトは[[ヒトの眼|眼球]]の中の[[網膜]]を通じて光を感じ取ることができる。網膜の中の[[錐体細胞]]と[[桿体細胞]]にはそれぞれ[[フォトプシン]]と[[ロドプシン]]と呼ばれる[[タンパク質]]があり、それらのタンパク質が特定の[[波長]]の光を受け取ることで視覚が生じている。

電磁波としての光の強さ（光が持つ[[エネルギー]]）はその[[振幅]]によって決まるが、一方でヒトが感じる「明るさ」はそのまま電磁波の強さには[[比例]]しない。ヒトの網膜を構成する視細胞は特定の波長（可視領域）の光にのみ反応するため、例えば[[赤外線]]や[[紫外線]]などの非可視領域の波長の光に対してヒトは明るさを感じることができない。このヒトの視覚の特性により、光の明暗の感じ方（「明るさ」）は光の強さだけでなく波長にも依存する。

== 定義 ==
[[File:Luminous flux and intensity.svg|thumb|光度 {{mvar|I}} の点光源により面積 {{mvar|S}} の断面を貫く光束 {{mvar|&Phi;}}]]
断面 {{mvar|S}} が点光源の周りに張る[[立体角]]を {{mvar|&omega;}} とする。断面 {{mvar|S}} を貫く[[光束]]が {{mvar|&Phi;}} であるとき、微小立体角 {{mvar|d&omega;}} で指定される方向への光度は
{{Indent|
<math>I =\frac{d\varPhi}{d\omega}</math>
}}
で定義される{{sfn|JIS Z 8000-7}}。
定義から直ちに
{{Indent|
<math>\varPhi =\int I\, d\omega</math>
}}
が得られる。微小立体角を[[天頂|天頂角]] {{mvar|&theta;}} と[[方位角]] {{mvar|&phi;}} で表せば
{{Indent|
<math>\varPhi =\int I(\theta,\phi)\, \sin\theta\, d\theta\, d\phi</math>
}}
と表すことができる{{sfn|JIS Z 8000-7}}。

光束が放射束の[[波長]]ごとの重み付けにより定義されることに対応して、光度は[[放射強度]]の波長ごとの重み付けで表すことができる。
すなわち、波長 {{mvar|&lambda;}} における分光放射強度を {{math|''I''{{sub|e,''&lambda;''}}}} として、光度は
{{Indent|
<math>I =\int_0^\infty K(\lambda)\, I_{\text{e},\lambda}\, d\lambda</math>
}}
と表される。重み付けを与える波長ごとの関数 {{mvar|K}} は[[分光視感効果度]]（視感度）と呼ばれる。
最大視感効果度 {{math|''K''{{sub|m}}}} に対する比 {{math|1=''V''=''K''/''K''{{sub|m}}}} として[[比視感度]]を定めれば、光度は
{{Indent|
<math>I =K_\text{m} \int_0^\infty V(\lambda)\, I_{\text{e},\lambda}\, d\lambda</math>
}}
と表される{{sfn|JIS Z 8000-7}}。

ヒトの感覚を表す視感度は人間によって異なり、同じ人間でも体調などによって変わってしまう。そこで、1979年の第16回[[国際度量衡総会]]（CGPM）において最大視感度に対する標準比視感度（標準[[分光視感効率]]）が定められた。人間の網膜には明るい時に働く視細胞と暗いときに働く視細胞があるため、標準比視感度には明所視標準比視感度と暗所視標準比視感度がある。特に断りなく標準比視感度と書かれている場合は明所視標準比視感度をさす。

=== 測光の国際単位系 ===
{{SI light units}}

== 脚注 ==
<references />

== 参考文献 ==
* {{Cite jis|Z|8000-7|2022
 |name= 量及び単位－第７部：光及び放射
}}

== 関連項目 ==
* [[光学]]
* [[光度計]]：[[ルンマー＝ブロードゥン光度計]]（Lummer-Brodhun photometer）など
* [[光度 (天文学)]]
* [[輝度 (光学)]]
* [[照度]]

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:こうと}}
[[Category:物理量]]
[[Category:光学]]