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化学において'''分子度'''(英語:Molecularity)とは1つの[[素反応]]([[:en:elementary reaction|英語版]])で反応に関わる分子の数を表し<ref name="Atkins">[[ピーター・アトキンス|Atkins, P.]]; de Paula, J. J. Physical Chemistry. [[オックスフォード大学出版局]] 2014</ref>、その素反応での反応物の[[化学量論]]的係数の合計に等しい<ref>Temkin, O. N. State-of-the-Art in the Theory of Kinetics of Complex Reactions. In Homogeneous Catalysis with Metal Complexes: Kinetic Aspects and Mechanisms, John Wiley and Sons, ltd, 2012</ref>。[[化学反応]]はいくつの分子が反応するかで、単分子反応、2分子反応、3分子反応などに分類される。 全ての素反応や[[反応段階]]の[[反応次数]]は分子度に等しいため、素反応の[[反応速度式]]は分子度から決定できる<ref name="Atkins"/>が、分子度は素反応や1段階の反応のみを記述するため、複合反応([[多段階反応]])ではこの理論を適用できない。 == 1分子反応 == 1分子反応(単分子反応)は、1つの分子の結合が組み替えられて異なる分子に変わる反応である<ref name="Atkins"/>。その化学式は以下のように表される。 :<chem>A -> P</chem> この反応は[[反応速度式]]では次のように表される。 :<math chem> \frac{d \left [ \ce A \right ]}{dt} = -k_r \left [ \ce A \right ] \ , </math> [A]は[[化学種]]Aの濃度、tは時間、k<sub>r</sub>は[[速度定数]]を表す。 反応速度式からわかるように、分子Aが[[化学分解|分解]]する速さはAの濃度に依存する。1分子反応の例として[[シクロプロパン]]の[[異性化]]がある<ref name="at878">[[ピーター・アトキンス]]・Jilio de Paura著『アトキンス物理化学(下)第8版』p.878</ref>。 [[File:Izomerization of cyclopropane.jpg|center|シクロプロパンの異性化]] 1分子反応は[[リンデマン・ヒンシェルウッド機構]]で説明できる。 == 2分子反応 == 2分子反応では、2つの原子や原子団が衝突してエネルギーを交換する<ref name="Atkins"/>。この反応式は以下のようになる。 :<chem>{A} + B -> P</chem> 反応速度式は2次式<math chem>\frac {d[\ce A]}{dt} = -k_r \ce{[A][B]}</math>になる。 ここでは、反応速度は2つの反応物が1箇所にくる確率に比例する。2分子反応の一例は[[求核置換反応]]の一種、[[SN2反応]]である。[[臭化メチル]]と[[水酸化物イオン]]の反応を以下に示す<ref>Morrison R.T. and Boyd R.N. ''Organic Chemistry'' (4th ed., {{仮リンク|アリン・アンド・ベーコン|en|Allyn & Bacon}} 1983) p.215 {{ISBN2|0-205-05838-8}}</ref>。 :<chem>{CH3Br} + OH^- -> {CH3OH} + Br^-</chem> == 3分子反応 == 3分子反応(英語ではtermolecular<ref name=Steinfeld/><ref>[https://goldbook.iupac.org/html/M/M03989.html IUPAC Gold Book: Molecularity]</ref>もしくはtrimolecular<ref>''termolecular''と''trimolecular''を同じ意味の言葉として表記している教科書もある。J.W. Moore and {{仮リンク|ラルフ・ピアソン|en|Ralph Pearson|label=R.G. Pearson}}''Kinetics and Mechanism'' (3rd ed., [[ジョン・ワイリー・アンド・サンズ]] 1981) p.17, {{ISBN2|0-471-03558-0}}など</ref> reaction)とは、[[溶液]]中や混合気体中で3分子が同時に{{仮リンク|衝突頻度|en|collision frequency|label=衝突}}しておこる反応である<ref name=Steinfeld>J.I. Steinfeld, J.S. Francisco and W.L. Hase ''Chemical Kinetics and Dynamics'' (2nd ed., {{仮リンク|プレンティス・ホール|en|Prentice Hall}} 1999) p.5, {{ISBN2|0-13-737123-3}}</ref>。 :<chem>{A} + B ->[\ce M] C</chem> 矢印の上に書かれたMは、[[エネルギー保存の法則]]と[[運動量保存の法則]]を満たすためには3つ目の分子が必要であるということを示している。最初の2分子AとBが衝突し、[[励起状態]]になって[[反応中間体]]ができると、それがMと衝突して2回目の2分子反応が起こり、余剰のエネルギーがそちらに移る<ref>[http://jpldataeval.jpl.nasa.gov/pdf/Jpl15_Sectn2_TermolecRxs.pdf 3分子反応の[[速度定数]]について議論している教科書]</ref> この反応は2つの連続した反応で説明できる。: :<chem>{A} + B -> AB^*</chem> :<chem>{AB^*} + M -> {C} + M</chem> このタイプの反応は多くの場合[[圧力]]や[[温度]]に依存し、2次と3次の間で次数が変化する<ref>[[国際純正・応用化学連合|IUPAC]]の{{仮リンク|IUPACの本|en|IUPAC books|label=ゴールドブック}}での''Troe expression''の定義は、3分子反応の速度定数を[[半経験的分子軌道法|半経験的]]に表現する方法することである。[http://goldbook.iupac.org/T06517.html IUPAC Gold book]</ref>。 [[触媒反応]]はしばしば3次反応だが、実際は開始物質の[[錯体]]が最初にでき、この錯体が生成物になる反応が[[律速段階]]になるため、2つの化学種と[[触媒]]が偶然1箇所で衝突する確率には依存しない。例えば、金属触媒を用いた[[水素化]]では、分子の[[水素]](H<sub>2</sub>)が金属表面で解離して表面に結合し、単原子になった水素が、同じく金属表面に[[吸着]]されていた開始物質と反応する。 4分子以上が同時に衝突する可能性は非常に低いため、分子度の大きな反応は観測されない<ref name="Carr">Carr, R. W. Chemical Kinetics. In Encyclopedia of Applied Physics. {{仮リンク|ウィリーVCH|en|WILEY-VCH}} Verlag GmbH & Co KGaA, 2003</ref><ref name=Steinfeld/>。 == 分子度と反応次数の違い == 分子度と[[反応次数]]を区別することは非常に重要である。反応次数は反応速度式から実験的に決められた量であり、速度式の指数の合計である<ref name="Rogers">Rogers, D. W. Chemical Kinetics. In Concise Physical Chemistry, John Wiley and Sons, Inc. 2010.</ref>。一方分子度は、素反応の[[反応機構]]から導かれるものであり、素反応についての議論でしか登場しない。これは反応に関与する分子の数である。 この違いを明らかにするために、[[一酸化窒素]]と水素の反応を示す。 :<chem>{2NO} + 2H2 -> {N2} + 2H2O</chem>.<ref name=Laidler>{{仮リンク|キース・J・レイドラー|en|Keith J. Laidler}}, ''Chemical Kinetics'' (3rd ed., {{仮リンク|ハーパー (出版社)|en|Harper (publisher)|label=Harper}} & Row 1987), p.277 {{ISBN2|0-06-043862-2}}</ref> 観測された反応速度式は<math chem>v = k\ce{[NO]^2[H2]}</math>であるから、この反応は''3次反応''である。反応次数は反応物の化学量論係数の合計と等しくないから、この反応は多段階反応である。提案されている2段階の反応機構は以下の通りである<ref name=Laidler/>。 :<chem>{2NO} + H2 -> {N2} + H2O2</chem> :<chem>{H2O2} + H2 -> 2H2O</chem> 一方、この反応では分子度は定義されない。なぜならこれは多段階反応だからである。しかし、それぞれの素反応について分子度を考えることはできる。1つ目の反応は、3つの分子が反応に関与しているため3分子反応、2つ目の反応は2つの分子が反応に関与しているため2分子反応である。 == 関連項目 == * [[反応速度]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} {{デフォルトソート:はんのうふんしすう}} [[Category:反応速度論]]
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