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'''分配比'''（ぶんぱいひ、{{lang-en-short|distribution coefficient}}、'''K<sub>D</sub>'''）は、2つの非[[混和性]]の[[溶媒]]中の被分析物の分布についての[[平衡定数]]である<ref name=Rice1993>{{citation | last = Rice | first =  N. M. | year = 1993 | title = Nomenclature for liquid-liquid distribution (solvent extraction) (IUPAC Recommendations 1993) | journal = Pure and Applied Chemistry | volume = 65 | pages = 2373 | doi = 10.1351/pac199365112373 | last2 = Irving | first2 = H. M. N. H. | last3 = Leonard | first3 = M. A. | issue = 11 }}</ref><ref name="標準化学用語辞典第2版">日本化学会編 『標準化学用語辞典 第2版』 2005年発行</ref>。

[[クロマトグラフィー]]において、特定の溶媒では、分布係数は[[固定相]]中の[[モル濃度]]と[[移動相]]中のモル濃度の比と等しくなり、またそれぞれの相における溶媒の[[溶解度]]の比に近づく。

この用語は[[分配係数]](partition coefficient)としばしば混同される。

==式==
[[溶質]]Aの[[水系]]/[[有機化合物]]系中の[[活量]]の比は一定のままとなり、Aの総量に無関係である（ゆえに<math>[A]_{org} \propto [A]_{aq}</math>）。したがって任意の温度において以下の式が成り立つ。
:<math>(K_D)_A = {(aA)_{org} \over(a_A)_{aq}} \approx {[A]_{org} \over[A]_{aq}}</math>
分布定数は、多くの[[液液抽出|溶媒抽出]]を行った後でさえも、溶液中に残った被分析物の濃度を計算できるため有用である。また、分布定数は抽出分離を実行する最も効率的なやり方を選択する指針を与える。

ゆえに、有機溶媒を使った ''i'' 回の抽出後に水溶液中に残ったAの濃度は以下のようになる。
:<math>[A]_i = ({V_{aq} \over V_{org} K_D + V_{aq}})^i [A]_0</math>
上式において、[A]<sub>i</sub> は抽出後に残ったAの濃度、V<sub>aq</sub> は水溶液の量、[A]<sub>0</sub> は初期濃度、V<sub>org</sub> は有機溶媒の毎回の量である。

==脚注==
{{Reflist}}

==外部リンク==
*{{GoldBookRef|title=partition ratio|file=P04440}}

{{クロマトグラフィー}}

{{DEFAULTSORT:ふんふていすう}}
[[Category:クロマトグラフィー]]