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利得 (電気工学)
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{{出典の明記|date=2012年7月}} {{物理学}} {{物理量 | 名称 = 利得 | 英語 = gain | 画像 = | 記号 =''G'' | 次元 =[[無次元数|無次元量]] | 階 = | SI = [[デシベル]]、[[ネーパ]] | CGS = | MTS = | FPS = | MKSG = | CGSG = | FPSG = | プランク = | 原子 = }} '''利得'''(りとく、{{Lang-en|gain}}<ref>{{Cite book|和書|author =[[文部省]]|coauthors =[[日本物理学会]]編|title =[[学術用語集]] 物理学編|year =1990|publisher =[[培風館]]|isbn =4-563-02195-4}}</ref>)とは、[[電気回路]]における[[入力]]と[[出力]]の[[比]]のことである。英語のまま'''ゲイン'''とも呼ばれる。 一般的な[[利得]]という言葉と異なり、出力の方が入力よりも小さい場合も利得と呼ぶ。その場合、利得を1より小さい値で表す。[[デシベル]]ならば 0{{nbsp}}[[デシベル|dB]] 以下となる。 == 概要 == [[電圧]]であれば'''電圧利得'''、[[電流]]であれば'''電流利得'''と呼ぶ。しかし、断りなく利得と書いてある場合は、一般的に[[電力]]の利得('''電力利得''')をさす。比なので、[[単位]]をつけずに表す。 [[電気工学]]では、[[常用対数]]を10倍にしたデシベルで表すことが多い。ただし、電力を基準にしているため、電圧で計算する場合は20倍となる。電力以外で考える場合には、比較する場所双方の[[インピーダンス]]が等しいことが前提になってはいるが、慣習的に入出力でインピーダンスの異なる[[回路]]においても、換算せずにそのままの電圧比の[[常用対数]]の20倍をデシベルで表して、その回路の電圧利得とすることもしばしば行われている。 === 電力利得 === 電力利得をデシベルを用いて表すと以下のように表せる。 : <math>Gain=10 \log \left( {\frac{P_{out}}{P_{in}}}\right)\ \mathrm{[dB]}</math> P<sub>in</sub>とP<sub>out</sub>はそれぞれ入力及び出力[[電力]]を表す。 常用対数の代わりに[[自然対数]]を使って表すこともできる。この場合、単位はデシベルではなく、[[ネーパ]]になる。 === 電圧利得 === 電力利得の代わりに [[ジュールの法則|(''P''=''V'' {{sup|2}}/''R'')]] を用いた計算式で電圧利得を計算する場合は、以下のようになる。 : <math>Gain=10 \log{\frac{(\frac{{V_{out}}^2}{R_{out}})}{(\frac{{V_{in}}^2}{R_{in}})}}\ \mathrm{[dB]}</math> 多くの場合、入出力インピーダンスは等しいので、上記の方程式は以下のように単純化できる。 : <math>Gain=10 \log \left( {\frac{V_{out}}{V_{in}}} \right)^2\ \mathrm{[dB]}</math> 及び : <math>Gain=20 \log \left( {\frac{V_{out}}{V_{in}}} \right)\ \mathrm{[dB]}</math> === 電流利得 === 同様に、 (''P''=''I'' {{sup|2}}''R'') を用いた計算式で電流利得を計算する場合、以下のようになる。 : <math>Gain=10 \log { \left( \frac { {I_{out}}^2 R_{out}} { {I_{in}}^2 R_{in} } \right) } \ \mathrm{[dB]}</math> 多くの場合、入出力インピーダンスは等しいので、上記の方程式は以下のように単純化できる。 : <math>Gain=10 \log \left( {\frac{I_{out}}{I_{in}}} \right)^2\ \mathrm{[dB]}</math> および : <math>Gain=20 \log \left( {\frac{I_{out}}{I_{in}}} \right)\ \mathrm{[dB]}</math> == 4端子回路の利得 == 入力として非反転入力と反転入力をもつ4端子回路における利得の用語について説明する。 ; [[差動利得]](さどうりとく、{{en|Differential gain}}) : 入力の非反転入力と反転入力の差をどれだけ[[増幅]]できるかを表すものである。[[オペアンプ]]などの差動増幅器の重要な特性のひとつである。現実のオペアンプでは入力する[[周波数]]によって変化する。 ; [[同相利得]](どうそうりとく、{{en|Common mode gain}}) : 入力の非反転入力と反転入力の差を 0 にして[[接地]]に対して電圧をかけたとき、出力端子と接地の電圧の比である。 ; [[同相信号除去比]](どうそうしんごうじょきょひ、{{en|Common Mode Rejection Ratio}}、{{en|CMRR}}) : 差動利得を同相利得でわったもので、オペアンプの性能を表す指標である。CMRR が大きければ大きいほど性能のよいオペアンプであり理想オペアンプでは無限大となる。 == アンテナの利得 == {{See also|実効輻射電力}} 空間に隔離された等方性空中線を基準アンテナにしたときに対するアンテナの利得を絶対利得という。 半波長[[ダイポールアンテナ]]を基準アンテナに使用したときの利得を相対利得という。 :絶対利得 = 相対利得 + 2.15[dB] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == <!-- {{Commonscat|Gain}} --> * [[利得]] * [[デシベル]] * [[オペアンプ]] * [[増幅回路]] * [[ボード線図]] - 負帰還回路の位相特性において、位相が180度 (πrad) 変化する周波数で振幅の利得が 0{{nbsp}}dB(1倍)より下回れば回路は安定し、発振しない。この時の周波数での利得を 0{{nbsp}}dB より引いた値を「利得余裕」(単位:dB)と言う。類似語として[[位相余裕]]がある。 <!-- == 外部リンク == --> {{DEFAULTSORT:りとく}} [[Category:電気理論]] [[Category:無線工学]] {{physics-stub}} {{tech-stub}}
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