剰余演算のソースを表示

[[Image:Divmod.svg|thumb|right|250px|アルゴリズムの違いによる商(赤線)と余り(緑線)のグラフ]]
'''剰余演算'''（じょうよえんざん）は、ある数値（被除数、{{lang-en-short|dividend}}）を別の数値（除数、{{lang-en-short|divisor}}）で[[除法|除算]]し、余り（'''剰余'''、{{lang-en-short|remainder}}）を取得する演算である<ref>
{{Cite web|和書
|title=MSDN 剰余演算子 (%)
|url=https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/h6zfzfy7(v=vs.90).aspx
|publisher=[[マイクロソフト]]
|accessdate=2015-12-09}}</ref><ref>
{{Cite web|和書
|title=ASCII.jpデジタル用語辞典 モジュロ
|url=http://yougo.ascii.jp/caltar/%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AD
|publisher=https://ascii.jp/
|accessdate=2015-12-09}}</ref>。'''モジュロ演算'''（{{lang-en-short|modulo operation / modulus operation}}）とも呼ばれる<ref>[https://e-words.jp/w/%E5%89%B0%E4%BD%99%E6%BC%94%E7%AE%97.html 剰余演算（モジュロ演算 / mod）とは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words]</ref>。

英語の{{lang|en|modulo}}は「剰余の」という意味を持つ[[形容詞]]のほか、「〜を法として」という意味を持つ[[副詞]]・[[前置詞]]でもあり、「{{lang|en|modulo N}}」は「Nを法として」という意味になる<ref>[https://eow.alc.co.jp/search?q=modulo moduloの意味・使い方・読み方｜英辞郎 on the WEB]</ref>。ここで「'''法'''」とは{{lang|en|divisor}}すなわち除数を意味する。

{{lang|de|modulo}}という単語は[[カール・フリードリヒ・ガウス]]が1801年に[[合同算術]]の説明で初めて使用したが、その後、さまざまな意味で用いられるようになった。

== 概要 ==
2つの正の整数である、[[除法|被除数]] {{mvar|''a''}} および [[除法|除数]] {{mvar|''n''}} が与えられた場合、{{mvar|''a''}} の {{mvar|''n''}} による'''剰余'''（{{mvar|''a''}} '''modulo''' {{mvar|''n''}}、略して {{mvar|''a''}} '''mod''' {{mvar|''n''}} とも表記される）は、[[除法の原理|ユークリッド除法]]における {{mvar|''a''}} を {{mvar|''n''}} で除算した余りである。例えば、「5 mod 2」の結果は 1 である。5を2で[[除法|除算]]した場合、[[除法|商]]は2となり、余りは1となるからである。また、「9 mod 3」の結果は 0 である。9を3で除算した商は3となり、余りは0となる（つまり9から3を3回引くと残りがなくなる）からである{{efn|一般的な電卓を使用して除算を行う場合、商が小数点表記で出力されるので、剰余演算は直接行えないことに注意する。}}。

通常の場合、{{mvar|''a''}} と {{mvar|''n''}} はともに整数であるが、多くのコンピュータシステムでは他の数値型でも処理が可能である。整数 {{mvar|''n''}} の剰余の取りうる範囲は、0 から {{mvar|''n''}} &minus; 1 までである。「{{mvar|''n''}} mod 1」 の場合は常に 0 となる。「{{mvar|''n''}} mod 0」は[[未定義動作|未定義]]であり、プログラミング言語によっては「[[ゼロ除算]]」のエラーを引き起こす。{{mvar|''a''}} または {{mvar|''n''}} が負数の場合については、単純な定義はなく、プログラミング言語によってどのように定義されるかが異なっている。

[[数論]]における古典的な関連事項については[[合同算術]]を参照。
<!--
__TOC__
{{clear}}
-->
{{-}}
== 剰余演算による余りの算出 ==
[[数学]]的には、剰余演算の結果は[[除法の原理|ユークリッド除法]]における余りのことである。しかし、別の法則に従って算出されることもある。[[コンピュータ]]やその他の計算機は数値の保持や処理方法がさまざまなので、剰余演算の定義は[[プログラミング言語]]や動作する[[ハードウェア]]によって、それぞれ規定されている。

ほぼすべてのコンピュータシステムにおいて、{{mvar|''a''}} を {{mvar|''n''}} で除算した商 {{mvar|''q''}} および剰余 {{mvar|''r''}} は下記の条件を満たす。
: {{NumBlk|:|<math>\begin{align}
q &\in \mathbb{Z} \\
a &= n q + r \\
|r| &< |n|
\end{align}</math>|{{EquationRef|1}}}}

ところが、剰余が0でない場合、その符号は不確定なものとなる。数論上は、余りは常に正の数となるが、プログラミング言語によっては {{mvar|''a''}} および {{mvar|''n''}} の符号によって剰余の符号が正となるか負となるかが定められる。標準的な[[Pascal]]および[[ALGOL|Algol68]]では、除数が負数であっても正の剰余（または0）を出力する。しかし、[[C言語#C89/C90|C89/C90]]規格以前の[[C言語]]や[[C++03]]規格以前の[[C++]]など、プログラミング言語によっては {{mvar|''n''}} または {{mvar|''a''}} が負の数の場合の結果の符号は特に言語仕様で規定されておらず、実装定義（処理系依存）とされていることもある<ref>[https://cpprefjp.github.io/lang/cpp11/result_of_integer_division_and_modulo.html 整数に対する除算と剰余算の丸め結果を規定 - cpprefjp C++日本語リファレンス]</ref>。詳細は[[#各プログラミング言語における剰余演算の仕様|後述の表]]を参照のこと。多くのシステムでは {{mvar|''a''}} の 0 での剰余は[[未定義動作|未定義]]だが、いくつかは {{mvar|''a''}} を出力するように定義されている。

{{bulleted list
| 多くの実装においては「0への切捨て除算」が使用されている。これは商を[[端数処理#プログラミング言語の丸め関数|0への切捨て関数]] {{math|''q'' {{=}} trunc(''a''/''n'')}} によって処理し、({{EquationNote|1}})の処理における余りは「被除数と同じ符号」となる。この場合の商は0方向に丸められる。つまり、実数での商から0の方向へ向かって直近の整数となる。

| [[ドナルド・クヌース]]は「切り下げ除算」について言及した<ref>{{cite book|
first=Donald. E.|last=Knuth|title=The Art of Computer Programming
|publisher=Addison-Wesley|year=1972
}}</ref>。これは商を[[床関数]] <math>q = \lfloor(a / n)\rfloor</math> によって処理し、({{EquationNote|1}})の処理における余りは「除数と同じ符号」となる。床関数によって、商が負の数であっても常に負の無限大方向に丸められる。
:<math>r = a - n \left\lfloor\frac{a}{n}\right\rfloor</math>

| Raymond T. Bouteは[[ユークリッド除法]]の手法での定義について言及している<ref>{{cite journal
  | last = Boute
  | first = Raymond T.
  | title = The Euclidean definition of the functions div and mod
  | journal = ACM Transactions on Programming Languages and Systems (TOPLAS)
  | volume = 14
  | issue = 2
  | pages = 127–144
  | publisher = ACM Press (New York, NY, USA)
  | date = April 1992
  | url = http://portal.acm.org/citation.cfm?id=128862&coll=portal&dl=ACM
  | doi = 10.1145/128861.128862}}</ref>。この場合、余りは非負数（{{math|0 ≤ ''r''}}）となる。[[#各プログラミング言語における剰余演算の仕様|後述の表]]では「常に正」と表記している。この定義は下記のように表すことができる。
: <math>n > 0 \Rightarrow q = \left\lfloor\frac{a}{n}\right\rfloor</math>
: <math>n < 0 \Rightarrow q = \left\lceil\frac{a}{n}\right\rceil</math>
また、[[符号関数]] {{math|sgn}} を使用すると、下記のようにも表せる。
: <math>q = \sgn(n) \left\lfloor \frac{a}{\left|n\right|}\right\rfloor</math>
: <math>r = a - |n| \left\lfloor \frac{a}{\left|n\right|}\right\rfloor</math>

| [[Common Lisp]]では切り下げ除算、切り上げ除算のそれぞれについて{{math|<var>q</var> {{=}} round(<var>a</var>/<var>n</var>)}} と {{math|<var>q</var> {{=}} ceil(<var>a</var>/<var>n</var>)}} で商が与えられる。

| [[IEEE 754]]-1985 の剰余は、{{仮リンク|近接丸め|en|IEEE 754-1985#Rounding floating-point numbers}}を行った場合の商として定義している。したがって、剰余の符号は「0に近い側」となる。

}}

Daan Leijenはこのように記している。
{{Quote|Bouteはユークリッド除法が数学的に一般的で有用なので他の方法よりも優れていることを示した。しかし、クヌースの示した切り下げ除算もまたよい定義である。「0への切捨て除算」は幅広く使われているが、他の定義よりも劣っている。|Daan Leijen|''Division and Modulus for Computer Scientists''<ref>{{cite web
  | last = Leijen
  | first = Daan
  | title = Division and Modulus for Computer Scientists
  | date = December 3, 2001
  | url = http://research.microsoft.com/pubs/151917/divmodnote.pdf
  | format = PDF
  | accessdate =2014-12-25  }}</ref>}}

== ありがちなミス ==

被除数の符号に剰余の結果が依存する場合、失敗を引き起こす場合がある。

例えば、ある整数が奇数であるかどうかを調べたい場合、下記の[[C++]]での例のように、2 で除算した余りが 1 であるかどうかを確かめれば良いように見える。

<syntaxhighlight lang="cpp">
bool is_odd(int n) {
    return n % 2 == 1;
}
</syntaxhighlight>

しかし、使用するプログラミング言語が、剰余の符号を被除数に依存させている場合、これは正しくない。なぜなら、n が負の奇数の場合、n % 2 は &minus;1 となるので、この関数は false を返すからである。

正しい実装のひとつは、0 でないかどうかをチェックすることである。剰余が 0 であれば符号を気にする必要はない。

<syntaxhighlight lang="cpp">
bool is_odd(int n) {
    return n % 2 != 0;
}
</syntaxhighlight>

もちろん、どのような奇数も、剰余は 1 または &minus;1 となるので、下記のような実装も可能である。ただし冗長であり、演算オーバーヘッドも大きくなる。

<syntaxhighlight lang="cpp">
bool is_odd(int n) {
    return n % 2 == 1 || n % 2 == -1;
}
</syntaxhighlight>

== 剰余演算の表記 ==
電卓の中には、剰余を算出する mod 関数ボタンを持つものがある。多くのプログラミング言語も類似の関数を持っており、<code>mod(''a'', ''n'')</code> のように表記する。剰余[[演算子 (コンピュータ言語)|演算子]]として "%"、"mod"、"Mod"などを用意しているプログラミング言語もあり、
:<code>a % n</code>
または
:<code>a mod n</code>
と表記する。

== 剰余算出の代替手段 ==
mod 関数または演算子が用意されていないか、正しく機能しない環境{{efn|たとえば{{要出典範囲|date=2024-06|[[ファミリーベーシック]]のROMバージョン2.0Aでは、除数と被除数が等しい場合に<code>MOD</code>の演算が正しく行われない}}。}}であっても、下記のように算出できる。ここで、<code>int()</code>は小数点以下を切り捨てた値を生成する。

:<code>a - (n * int(a / n))</code>

このほか除数 n が2のべき乗である場合に限り、後述のように、除数より1少ない値と論理積を取って算出する方法が有効である。

== ビット演算による効率化 ==
剰余演算は、除算を行って余りを得る実装となるので、その分の処理時間を必要とする。特殊な場合においては、いくつかのハードウェア上でより高速な計算方法が存在する。

たとえば、数値の内部表現に[[2進法]]を用いているコンピュータでは、2のべき乗の剰余を計算する場合に、下記のように[[ビット演算#AND|ビットごとのAND演算]]を利用することができる。
:<code>x % 2<sup>n</sup> == x & (2<sup>n</sup> - 1)</code>

例を示す（x は正の整数とする）。
:<code>x % 2 == x & 1</code>
:<code>x % 4 == x & 3</code>
:<code>x % 8 == x & 7</code>

剰余演算よりもビット演算のほうが効率よく処理できるデバイスやソフトウェアでは、この変換によってより高速に計算することができる<ref>{{cite web | first = Adam | last = Horvath | url =http://blog.teamleadnet.com/2012/07/faster-division-and-modulo-operation.html | title = Faster division and modulo operation - the power of two | date = 2012-07-05 | accessdate = 2015-12-09}}</ref>。

[[コンパイラ最適化|最適化]]をする[[コンパイラ]]には、2のべき乗による剰余演算を検出し、自動的にAND演算に変換するものもある。これによって、プログラマは性能を犠牲にすることなく、読みやすいソースコードを記述することができる。ただし、AND演算による場合、出力は常に正の数となるので、C言語のように剰余演算の結果の符号が被除数によって定まる言語では同じ動作はしない。したがって、被除数が負になる場合は、特別な注意が必要である。

== 剰余演算の等価性 ==
他の数学的演算と同様に、剰余演算についてもいくつかの演算を導出、または拡張することができる。そうすることで、[[ディフィー・ヘルマン鍵交換]]のような[[暗号学]]分野の証明が容易となるだろう。
* 同一性:
** <math>(a \bmod n) \bmod n = a \bmod n</math>　（[[冪等]]）
** <math>n^x \bmod n = 0</math> 正の整数 {{mvar|x}} の場合。
** <math>n</math> が[[素数]]であって {{mvar|b}} の約数でない場合、[[フェルマーの小定理]]によって <math>ab^{n-1} \bmod n = a \bmod n</math> となる。
*逆数:
** <math>((-a \bmod n) + (a \bmod n)) \bmod n =0</math>
** <math>b^{-1} \bmod n</math> は[[モジュラ逆数]]を表す。これは {{mvar|b}} と {{mvar|n}} とが[[互いに素 (整数論)|互いに素]]である場合にだけ、次式で定義される。<math>((b^{-1} \bmod n)   (b \bmod n)) \bmod n =1</math>
* 分配則:
** <math>(a+b) \bmod n = ((a \bmod n)+(b \bmod n)) \bmod n</math>
** <math>ab \bmod n = ((a \bmod n) (b \bmod n)) \bmod n</math>
* 分数（定義）: <math>\frac{a}{b} \bmod n = ((a \bmod n)(b^{-1} \bmod n)) \bmod n</math> 右辺が定義できる場合。そうでない場合は未定義。
* 逆数の乗算: <math>((ab \bmod n) (b^{-1} \bmod n)) \bmod n = a \bmod n</math>

== {{visible anchor|各プログラミング言語における仕様|各プログラミング言語における剰余演算の仕様}} ==
以下の表では「演算子」と総称されているが、実際には演算子ではなく関数（[[サブルーチン]]）による実装となっている言語もあることに注意されたい。

{| class="wikitable sortable"
|+ さまざまなプログラミング言語の整数剰余演算子
|-
! 言語
! 演算子
! abbr="Sign" | 符号
|-
| [[ActionScript]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Ada]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[Active Server Pages|ASP]] || <code>Mod</code> || 未定義
|-
| [[ALGOL|ALGOL-68]] || <code>÷×, mod</code> || 常に正
|-
| {{仮リンク|AMPL|en|AMPL}} || <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[APL]] || <code><nowiki>|</nowiki></code> || 除数と同一
|-
| [[AppleScript]] || <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[AWK]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[BASIC]] || <code>Mod</code> || 未定義
|-
| [[bash]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[bc (UNIX)|bc]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[C言語#C89/C90|C90]] (ISO/IEC 9899:1990) 以前
| <code>%</code> || 実装による
|-
| <code>div</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[C++03]] (ISO/IEC 14882:2003) 以前
| <code>%</code> || 実装による<ref>{{Cite document|title=ISO/IEC 14882:2003 : Programming languages -- C++|publisher=[[International Organization for Standardization|ISO]], [[International Electrotechnical Commission|IEC]]|year=2003|location=5.6.4|postscript= |quote=二項 % 演算子は第1式を第2式で割った余りを算出する。... オペランドがともに非負の場合は余りも非負となる。しかし、そうでない場合の剰余の符号は実装定義となる。}}</ref>
|-
| <code>div</code> || 被除数と同一
|-
| [[C99]] (ISO/IEC 9899:1999) 以降 || <code>%</code>, <code>div</code> || 被除数と同一<ref name="C99">[http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1256.pdf open-std.org], section 6.5.5</ref>
|-
| [[C++11]] (ISO/IEC 14882:2011) 以降 || <code>%</code>, <code>div</code> || 被除数と同一
|-
| [[C Sharp|C#]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| {{仮リンク|Clarion (programming language)|en|CLARION}} || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Clojure]] || <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| [[COBOL]]{{efn|ACUCOBOL、Micro Focus COBOLなどの実装。}} || <code>FUNCTION MOD</code> || 除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[CoffeeScript]]
| <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| <code>%%</code> || 除数と同一<ref name="CoffeeScript">[http://coffeescript.org/#operators CoffeeScript operators]</ref>
|-
| [[ColdFusion]] || <code>%, MOD</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Common Lisp]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[D言語|D]] || <code>%</code> || 被除数と同一<ref>{{cite web|title=Expressions|url=http://www.digitalmars.com/d/2.0/expression.html#MulExpression|work=D Programming Language 2.0|publisher=Digital Mars|accessdate=2010-07-29}}</ref>
|-
| rowspan="2" | [[Dart]] || <code>%</code> || 常に正
|-
| <code>remainder()</code> || 被除数と同一
|-
| [[Eiffel]] || <code>\\</code> || 被除数と同一
|-
| [[Erlang]] || <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Euphoria (プログラミング言語)|Euphoria]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>remainder</code> || 被除数と同一
|-
| [[F Sharp|F#]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[FileMaker]] || <code>Mod</code> || 除数と同一
|-
| [[Forth]] || <code>mod</code> || 実装による
|-
| rowspan="2" | [[FORTRAN]]
| <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| <code>modulo</code> || 除数と同一
|-
| [[Frink]] || <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| {{仮リンク|GameMaker: Studio|en|GameMaker: Studio}} (GML) || <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[GDScript]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Go]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Haskell]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[Haxe]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[J (プログラミング言語)|J]] || <code><nowiki>|~</nowiki></code> || 除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Java]]
| <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| <code>Math.floorMod</code> || 除数と同一
|-
| [[JavaScript]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Julia (プログラミング言語)|Julia]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[LibreOffice]] || <code>=MOD()</code> || 除数と同一
|-
| [[Lua|Lua 5]] || <code>%</code> || 除数と同一
|-
| [[Lua|Lua 4]] || <code>mod(x,y)</code> || 除数と同一
|-
| {{仮リンク|Liberty BASIC|en|Liberty BASIC}} || <code>MOD</code> || 被除数と同一
|-
| {{仮リンク|MathCad|en|MathCad}} || <code>mod(x,y)</code> || 除数と同一
|-
| [[Maple]] || <code> e mod m </code> || 常に正
|-
| [[Mathematica]] || <code>Mod</code> || 除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[MATLAB]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Maxima]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>remainder</code> || 被除数と同一
|-
| {{仮リンク|Maya Embedded Language|en|Maya Embedded Language}} || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Microsoft Excel]] || <code>=MOD()</code> || 除数と同一
|-
| [[Minitab]] || <code>MOD</code> || 除数と同一
|-
| [[KornShell|mksh]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Modula-2]] || <code>MOD</code> || 除数と同一{{efn|name="divisor_positive_otherwise"|除数は正の数でなければならない。さもなければ未定義動作を引き起こす。}}
|-
| [[MUMPS]] || <code>#</code> || 除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Netwide Assembler|NASM]] [[Netwide Assembler|NASMX]]
|  <code>%</code> || 符号なし剰余演算子
|-
|  <code>%%</code> || 符号付き剰余演算子
|-
| [[Oberon]] || <code>MOD</code> || 除数と同一{{efn|name="divisor_positive_otherwise"}}
|-
| [[OCaml]] || <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[Occam]] || <code>\</code> || 被除数と同一
|-
| [[Pascal|Pascal (Delphi)]] || <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[Pascal|Pascal (ISO-7185 および ISO-10206)]] || <code>mod</code> || 常に正
|-
| [[Perl]] || <code>%</code> || 除数と同一{{efn|Perlでは剰余の算術演算子は機種依存となる。例示とその例外については[http://perldoc.perl.org/perlop.html#Multiplicative-Operators Perl documentation]を参照。}}
|-
| [[PHP (プログラミング言語)|PHP]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[PIC Basic Pro]] || <code>\\</code> || 被除数と同一
|-
| [[PL/I]] || <code>mod</code> || 除数と同一 (ANSI PL/I)
|-
| [[PowerShell]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| {{仮リンク|OpenEdge Advanced Business Language|en|OpenEdge Advanced Business Language|label=Progress}} || <code>modulo</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2"| [[Prolog]] (ISO 1995)
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-[[PureBasic]] || <code>%,Mod(Number,Divisor)</code> || 被除数と同一<ref>{{cite web|title=Mod()|url=http://www.purebasic.com/documentation/math/mod.html|work=PureBasic|publisher=Fantaisie Software|accessdate=2015-12-09}}</ref>
|-
| rowspan="2" | [[Python]]
| <code>%</code> || 除数と同一
|-
| <code>math.fmod</code> || 被除数と同一
|-
| [[Racket]] || <code>remainder</code> || 被除数と同一
|-
| {{仮リンク|RealBasic|en|RealBasic}} || <code>MOD</code> || 被除数と同一
|-
| [[R言語|R]] || <code>%%</code> || 除数と同一
|-
| [[REXX]] || <code>//</code> || 被除数と同一
|-
| [[RPG (プログラム言語)|RPG]] || <code>%REM</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Ruby]]
|  <code>%, modulo()</code> || 除数と同一
|-
|  <code>remainder()</code> || 被除数と同一
|-
| [[Rust (プログラミング言語)|Rust]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Scala]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Scheme]]
| <code>modulo</code> || 除数と同一
|-
| <code>remainder</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Scheme]] R<sup>6</sup>RS
| <code>mod</code> || 常に正<ref name="r6rs">[http://www.r6rs.org/final/html/r6rs/r6rs-Z-H-14.html#node_sec_11.7.3.1 r6rs.org]</ref>
|-
| <code>mod0</code> || 0に近い側<ref name="r6rs" />
|-
| rowspan="2" | {{仮リンク|Seed7|en|Seed7}}
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | {{仮リンク|SenseTalk|en|SenseTalk}}
| <code>modulo</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Smalltalk]]
| <code>\\</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem:</code> || 被除数と同一
|-
| [[SQL]] (SQL:1999) || <code>mod(x,y)</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Standard ML]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>Int.rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[Stata]] || <code>mod(x,y)</code> || 常に正
|-
| [[Swift (プログラミング言語)|Swift]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Tcl]] || <code>%</code> || 除数と同一
|-
| {{仮リンク|Torque Game Engine|en|Torque Game Engine}} || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Turing]] || <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| [[Verilog]] (2001) || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[VHDL]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[Visual Basic]]||<code>Mod</code>||被除数と同一
|-
| {{仮リンク|x86アセンブリ言語|en|x86 assembly language}} || <code>IDIV</code> || 被除数と同一
|-
|-
| rowspan="2" | {{仮リンク|Xbase++|en|Xbase++}} 
| <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| <code>Mod()</code> || 除数と同一
|-
| Z3 theorem prover || <code>div</code>, <code>mod</code> || 常に正
|}

いくつかの言語では[[浮動小数点数]]オペランドに対しても剰余演算子が利用できるようになっているが、[[IEEE 754]]準拠の剰余ではなく、通例整数オペランドに対する剰余と似た仕様となっている。そのため、IEEE準拠の剰余を求めるライブラリ関数が別途用意されていることも多い。[[Java]]では、{{Javadoc:SE|name=Math.IEEEremainder()|java/lang|Math|IEEEremainder-double-double-}}メソッドが用意されている。[[C Sharp|C#]]や[[VB.NET]]のような[[.NET]]言語では、<code>Math.IEEERemainder()</code>メソッドが用意されている<ref>[https://learn.microsoft.com/en-us/dotnet/api/system.math.ieeeremainder Math.IEEERemainder(Double, Double) Method (System) | Microsoft Learn]</ref>。

{| class="wikitable"
|+ さまざまなプログラミング言語の浮動小数点数剰余演算子
|-
! 言語
! 演算子
! abbr="Sign" | 符号
|-
| [[C言語#C89/C90|C90]] (ISO/IEC 9899:1990) 以前 || <code>fmod</code> || 被除数と同一<ref>{{Cite document|title=ISO/IEC 9899:1990 : Programming languages -- C|publisher=[[International Organization for Standardization|ISO]], [[International Electrotechnical Commission|IEC]]|year=1990|location=7.5.6.4|postscript= |quote=<code>fmod</code>関数は、<code>y</code>が0でない場合、<code>i</code>が整数となる<code>x - i * y</code>の値を返す。結果は<code>x</code>と同じ符号となり、<code>y</code>よりも小さな絶対値をとる。}}</ref>
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| rowspan="2" | [[C99]] (ISO/IEC 9899:1999) 以降
| <code>fmod</code> || 被除数と同一
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| <code>remainder</code> || 0に近い側
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| [[C++03]] (ISO/IEC 14882:2003) 以前 || <code>std::fmod</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[C++11]] (ISO/IEC 14882:2011) 以降
| <code>std::fmod</code> || 被除数と同一
|-
| <code>std::remainder</code> || 0に近い側
|-
| [[C Sharp|C#]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Common Lisp]]
| <code>mod</code> || 除数と同一
|-
| <code>rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[D言語|D]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Dart]] || <code>%</code> || 常に正
|-
| <code>remainder()</code> || 被除数と同一
|-
| [[F Sharp|F#]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[FORTRAN]]
| <code>mod</code> || 被除数と同一
|-
| <code>modulo</code> || 除数と同一
|-
| [[Go]] || <code>math.Mod</code> || 被除数と同一
|-
| [[Haskell]] (GHC) || <code>Data.Fixed.mod'</code> || 除数と同一
|-
| [[Java]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[JavaScript]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| [[Microsoft Excel]] || <code>=MOD()</code> || 除数と同一
|-
| [[OCaml]] || <code>mod_float</code> || 被除数と同一
|-
| [[Perl]] || <code>POSIX::fmod</code> || 被除数と同一
|-
| [[Raku]] || <code>%</code> || 除数と同一
|-
| [[PHP (プログラミング言語)|PHP]] || <code>fmod</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2"| [[Python]]
| <code>%</code> || 除数と同一
|-
| <code>math.fmod</code> || 被除数と同一
|-
| [[REXX]] || <code>//</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Ruby]]
| <code>%, modulo()</code> || 除数と同一
|-
| <code>remainder()</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | [[Scheme]] R<sup>6</sup>RS
| <code>flmod</code> || 常に正
|-
| <code>flmod0</code> || 0に近い側
|-
| [[Standard ML]] || <code>Real.rem</code> || 被除数と同一
|-
| [[Swift (プログラミング言語)|Swift]] || <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| rowspan="2" | {{仮リンク|Xbase++|en|Xbase++}}
| <code>%</code> || 被除数と同一
|-
| <code>Mod()</code> || 除数と同一
|}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{reflist}}

== 関連項目 ==
*[[Modulo]] 曖昧さ回避ページ
*[[冪剰余]]
*[[巡回群]]

{{デフォルトソート:しようよえんさん}}

[[Category:プログラミング言語の構文]]
[[Category:合同算術]]
[[Category:二項演算]]