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[[数学]]、とくに[[抽象代数学]]における'''加法単位元'''(かほうたんいげん、{{lang-en-short|''additive identity''}})は、[[加法]]を[[二項演算|演算]]として備える[[集合]]において、ほかのどのような元 ''x'' に加えても ''x'' が変化しない特別の元である。最もよく馴染みのある加法単位元のひとつとしては[[初等数学]]で扱う[[数]]の [[0]] が挙げられるが、加法単位元の概念はもっと多くの、加法が定義される数学的構造(たとえば[[加法群]]や[[環 (数学)|環]])に対して定義されるものである。[[環 (数学)|環]]などにおける加法単位元はしばしば[[零元]]と呼ばれる。 == 初等的な例 == 初等数学における加法単位元の例は数の [[0]] である。たとえば : 5 + 0 = 5 = 0 + 5 が成り立つ。(0 を含む)[[自然数]]全体の成す集合 '''N''' やそれを[[上位集合|包含する任意の集合]](たとえば[[整数]]全体の成す集合 '''Z''' や[[有理数]]全体の成す集合 '''Q''' あるいは[[実数]]全体の成す集合 '''R''' および[[複素数]]全体の成す集合 '''C''' など)で、加法単位元は数 0 である。つまり、これらのいずれの種類の[[数]] ''n'' に対しても : ''n'' + 0 = ''n'' = 0 + ''n'' が成立する。'''N''','''Z''','''Q''','''R''','''C''' の加法については 0 のほかに加法単位元は存在しない。一般に[[単位元]]はただ一つだけ存在する。 == 厳密な定義 == ''N'' を "[[+]]" で表される[[加法|加法的]][[二項演算|演算]]のもとで閉じた[[集合]]とする。''N'' における'''加法単位元'''とは、''N'' の任意の元 ''n'' に対し、 : ''e'' + ''n'' = ''n'' = ''n'' + ''e'' を満たす ''N'' の元 ''e'' のことをいう。 == 進んだ例 == * 加法的に書かれた[[群 (数学)|群]]における加法単位元は、群の[[中立元]](通常の意味での[[単位元]])である。群の加法単位元は必ずただひとつ存在(後述)し、しばしば 0 で表される。 * 任意の[[環 (数学)|環]]や[[可換体|体]]はその加法演算に関して加法群と呼ばれる群を成し、したがってただひとつの加法単位元 0 を持つ。考えている環(や体)がただひとつの元からなるのではない限り、加法単位元 0 は乗法単位元 1 とは異なる(後述)。 * 環 ''R'' 上の ''m''-行 ''n''-列[[行列]]の全体は、成分ごとの和に関して加法群を成す。その加法単位元を ''O'' で表せば、''O'' は全ての成分が ''R'' の加法単位元 0 となるような ''m''-行 ''n''-列[[零行列]]である。たとえば、整数係数の 2-次正方行列の成す環 ''M''<sub>2</sub>('''Z''') の加法単位元は<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em"><math> O = \begin{pmatrix}0 & 0 \\ 0 & 0\end{pmatrix} </math></div>で与えられる。 * [[四元数]]体においても(実数などと同じ)数 0 が加法単位元である。 * '''R''' から '''R''' への(つまり実変数実数値の)[[函数]]全体の成す環 '''R'''<sup>'''R'''</sup> において、加法単位元は全ての実数を 0 に写す函数(零写像)<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em">'''0'''(''x'') ≡ 0</div>である。 * '''R'''<sup>''n''</sup> の[[幾何ベクトル|ベクトル]]全体の成す[[加法群]]の加法単位元は、原点(に対応する[[零ベクトル]])である。 == 性質 == ; 群の加法単位元の一意性 : (''G'', +) が群で、0, 0′ がともに ''G'' の加法単位元とすれば、''g'', ''h'' を ''G'' の任意の元として<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em">0 + ''g'' = ''g'' + 0 = ''g'' かつ 0′ + ''h'' = ''h'' + 0′ = ''h''</div>が満たされるから、''g'' = 0′, ''h'' = 0 とすれば<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em">0 + 0′ = 0′ + 0 = 0′ かつ 0′ + 0 = 0 + 0′ = 0</div>すなわち 0 = 0′ を得る。 ; 加法単位元の零化作用 : 乗法が加法に対して分配的であるような代数系 ''S'' では、加法単位元 0 は任意の元を零化する、つまり<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em">''S'' の任意の元 ''s'' に対して ''s'' • 0 = 0 となる</div>という意味で乗法[[吸収元]](零元)である。これは<div style="margin: 1ex auto 1ex 2em">''s'' • 0 = ''s'' •(0 + 0) = ''s'' • 0 + ''s'' • 0</div>の両辺から ''s'' • 0 を簡約することにより得られる。 ; 零環と加法および乗法の単位元 : ''R'' を加法単位元 0 と乗法単位元 1 を持つ環とする。これら二つの単位元が等しい (0 = 1) とすると、''R'' の任意の元 ''r'' に対し ''r'' = ''r'' × 1 = ''r'' × 0 = 0 となるから ''R'' は自明な[[零環]] {0} となる。[[対偶 (論理学)|対偶]]をとれば、''R'' が零環でなければ 0 と 1 は必ず異なる。 == 関連項目 == *[[0]] *[[加法逆元]] *[[中立元]] *[[乗法単位元]] == 参考文献 == *David S. Dummit, Richard M. Foote, ''Abstract Algebra'', Wiley (3d ed.): 2003, ISBN 0-471-43334-9. == 外部リンク == *{{PlanetMath | urlname=UniquenessOfAdditiveIdentityInARing2 | title=uniqueness of additive identity in a ring | id=5676}} *{{MathWorld | urlname=AdditiveIdentity | title=Additive Identity | author=Margherita Barile}} {{DEFAULTSORT:かほうたんいけん}} [[Category:初等数学]] [[Category:抽象代数学]] [[Category:代数的構造]] [[Category:0]] [[Category:数学に関する記事]]
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