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[[File:A portion of the lattice of ideals of Z illustrating prime, semiprime and primary ideals SVG.svg|thumb|right|320px|整数環 {{math|'''Z'''}} のイデアルの束の[[ハッセ図式]]の一部。紫と緑のノードは半素イデアルを示している。紫のノードは[[素イデアル]]であり、紫と青のノードは[[準素イデアル]]である。]] 数学の一分野である[[環論]]において、'''半素[[イデアル]]'''と'''半素[[環 (数学)|環]]'''は[[素イデアル]]と[[素環]]の一般化である。[[可換環論]]においては、半素イデアルは'''[[根基|根基イデアル]]'''とも呼ばれる。 例えば、[[有理整数]]環において、半素イデアルは、零イデアルと、''n'' を [[無平方|square-free]] な整数として <math>n\mathbb Z</math> の形のイデアルである。したがって、<math>30\mathbb Z</math> は有理整数環の半素イデアルだが <math>12\mathbb Z\,</math> は半素イデアルでない。 半素環のクラスは[[半原始環]]、[[素環]]、[[被約環]]を含む。 この記事における多くの定義や主張は{{harv|Lam|1999}}と{{harv|Lam|2001}}にある。 ==定義== 可換環 ''R'' において、真のイデアル ''A'' が'''半素イデアル'''であるとは ''A'' が次の同値な条件の一方を満たすことである。 * ある正整数 ''k'' と ''R'' のある元 ''x'' に対して ''x''<sup>''k''</sup> が ''A'' の元であれば ''x'' は ''A'' の元である。 * ''y'' が ''R'' の元だが ''A'' の元でないならば、''y'' のすべての正の整数乗は ''A'' の元でない。 補集合が「ベキについて閉じている」という後者の条件は素イデアルの補集合が積について閉じているという事実の類似である。 素イデアルと同様、これは非可換環に"ideal-wise"に延長される。次の条件は環 ''R'' のイデアル ''A'' が半素であるための同値な定義である。 * ''R'' の任意のイデアル ''J'' について、ある正の整数 ''k'' で ''J''<sup>''k''</sup>⊆''A'' であれば、''J''⊆''A'' である。 * ''R'' の任意の''右''イデアル ''J'' について、ある正の整数 ''k'' で ''J''<sup>''k''</sup>⊆''A'' であれば、''J''⊆''A'' である。 * ''R'' の任意の''左''イデアル ''J'' について、ある正の整数 ''k'' で ''J''<sup>''k''</sup>⊆''A'' であれば、''J''⊆''A'' である。 * ''R'' の任意の元 ''x'' について、''xRx''⊆''A'' であれば、''x'' は ''A'' の元である。 ここで再び、[[:en:Prime_ideal#Prime_ideals_for_noncommutative_rings|m-systems]]の補集合としての素イデアルの非可換の類似物がある。環 ''R'' の空でない部分集合 ''S'' は任意の ''s'' ∈ ''S'' に対してある ''r'' ∈ ''R'' が存在して ''srs'' ∈ ''S'' となるとき、'''n-system''' と呼ばれる。この概念により、上記のリストに同値な点を追加できる。 * <math>R\setminus A</math> は n-system である。 環 ''R'' は零イデアルが半素イデアルのとき'''半素環'''と呼ばれる。可換な場合には、これは ''R'' が[[被約環]]であると言っても同じである。なぜならば、''R'' は0でないベキ零元をもたないからである。非可換な場合には、環は0でないベキ零右イデアルをもたないというだけである。したがって被約環が常に半素環である一方、逆は成り立たない<ref>体上の2次全行列環は0でないベキ零元をもつ半素環である。</ref>。 ==半素イデアルの一般的な性質== まずはじめに、素イデアルが半素イデアルであることと、可換環では半素準素イデアルが素イデアルであることは明らかである。 素イデアルの共通部分は必ずしも素イデアルでないが、それは半素イデアル''である''。まもなく逆も正しいこと、任意の半素イデアルは素イデアルの族の共通部分であることが示されるだろう。 環 ''R'' の任意のイデアル ''B'' に対して、次の集合を作ることができる。 :<math>\sqrt{B}:=\bigcap\{ P\subseteq R \mid B \subseteq P, P \mbox{ a prime ideal} \}\subseteq\{x\in R\mid x^n\in B \mbox{ for some }n\in\mathbb{N}^+ \} \,</math> 集合 <math>\sqrt{B}</math> は ''B'' の[[根基]]の定義であり、明らかに ''B'' を含む半素イデアルである。実は ''B'' を含む最小の半素イデアルである。上の包含関係は一般には真のものになるかもしれないが、可換環においては等号が成り立つ。 この定義により、イデアル ''A'' が半素であることと <math>\sqrt{A}=A</math> であることは同値である。この時点で、任意の半素イデアルが実は素イデアルの族の共通部分であることも明らかである。さらに、このことは任意の2つの半素イデアルの共通部分がまた半素であることを示している。 定義によって ''R'' が半素であることと <math>\sqrt{\{0\}}=\{0\}</math> であること、つまり、すべての素イデアルの共通部分が0であることは同値である。このイデアル <math>\sqrt{\{0\}}</math> は <math>Nil_*(R)\,</math> とも書かれ、''R'' の '''Baer's lower [[環の冪零根基|nilradical]]''' または '''Baer-Mccoy radical''' または '''prime radical''' とも呼ばれる。 ==半素ゴールディー環== {{Empty section|date=July 2012}} {{main|{{仮リンク|ゴールディー環|en|Goldie ring}}}} ==脚注== {{Reflist}} ==参考文献== *{{Citation | last1=Lam | first1=Tsit-Yuen | title=Lectures on modules and rings | publisher=[[Springer-Verlag]] | location=Berlin, New York | series=Graduate Texts in Mathematics No. 189 | isbn=978-0-387-98428-5 | mr=1653294 | year=1999}} *{{citation |author=Lam, T. Y. |title=A first course in noncommutative rings |series=Graduate Texts in Mathematics |volume=131 |edition=2nd |publisher=Springer-Verlag |place=New York |year=2001 |pages=xx+385 |isbn=0-387-95183-0 |mr=1838439 }} ==外部リンク== * [https://web.archive.org/web/20070312202027/http://planetmath.org/encyclopedia/SemiprimeIdeal.html PlanetMath article on semiprime ideals] {{DEFAULTSORT:はんそかん}} [[Category:環論]] [[Category:数学に関する記事]]
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