単振動のソースを表示

[[File:Simple harmonic motion animation.gif|thumb|260px|単振動のアニメーション]]
'''単振動'''（たんしんどう、Simple harmonic motion）とは、量の時間変化が[[三角関数]]の正弦関数または余弦関数で表される[[振動]]である。'''調和振動'''（ちょうわしんどう）や、'''単調和振動'''、'''調和運動'''とも呼ばれる<ref>{{Cite web|和書|author= 日本機械学会 | work = 機械工学事典 |url= https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/13:1008363 |title= 調和運動 |accessdate= 2021-02-23}}</ref><ref>{{Cite web|和書|author= デジタル大辞泉（小学館） | work = goo辞書 |url= https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8D%98%E6%8C%AF%E5%8B%95/#jn-140167 |title= 単振動（たんしんどう） の意味  |accessdate= 2021-02-24}}</ref>。余弦関数（コサイン）を使った表現では、
:<math> x = A \cos (\omega t + \phi) </math>
という形で表現される。単振動の表現にはいくつかのバリエーションがあり、三角関数の他に[[複素指数関数]]による表現もよく使われる。一般に、次の形で表される[[微分方程式]]（定数係数[[微分方程式|斉次2階線形常微分方程式]]）の[[一般解]]は単振動となり、この形の方程式は'''単振動の方程式'''として知られる。
:<math> \frac{d^2x}{dt^2} + \omega ^2 x = 0 \quad (\omega > 0)</math>

単振動は、振動現象あるいは[[波動]]現象における最も単純な形の振動であり、様々な物理現象を記述するとても重要な概念といえる。単振動の代表例は、減衰が無いと仮定したときの、[[フックの法則]]に従う[[ばね]]で吊り下げられた重りの振動である。単振動を起こす[[系 (自然科学)|系]]は、一般に[[調和振動子]]と呼ばれる。単振動の重ね合わせ（単振動同士の和）も、振動・波動の様々な場面で現れる。直角2方向にそれぞれ単振動する点は[[リサジュー図形]]と呼ばれる軌跡を描く。

==余弦関数による表現と基礎用語==
[[File:Simple harmonic motion t vs x graph.png|thumb|300px|単振動のグラフ。横軸 ''t'' 縦軸 ''x'' 。]]
何かの量が[[時間]]経過に応じて変動しているとする。この量 ''x'' が'''単振動'''するとき、 ''x'' と時間 ''t'' の関係は余弦関数 cos によって

:<math> x = A \cos (\omega t + \phi) </math>

と記述できる{{Sfn|近|2006|p=6}}。変化量 ''x'' には[[変位]]、[[圧力]]、[[電圧]]、[[電流]]といったさまざまな量を当てはめることができる{{Sfn|近|2006|p=6}}。''x'' が電流あるいは電圧の場合は、単振動ではなく'''[[正弦波]]'''と呼ぶこともある{{Sfn|近|2006|p=181}}。ただし、物理学の[[波動]]分野では、空間と時間を独立変数として正弦関数で表される進行波を指して正弦波と呼ぶ{{Sfn|小出|1997|p=137}}{{Sfn|近|2006|p=181}}。

単振動の場合、上式の ''A'', ''&omega;'', ''&phi;'' は全て時間に依存しない定数である{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=6}}。式中の各パラメータの詳細は次のとおりである。

''A'' は'''[[振幅]]'''と呼ばれる{{Sfn|下郷・田島|2002|p=6}}。一般的に ''A'' の値は[[正の数と負の数|正]]とする{{Sfn|安田|2012|p=18}}。''x'' が物体の[[変位]]の振動を意味しているとすれば、変位の中立位置 (''x'' = 0) から最大値に相当する{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=5}}{{Sfn|鈴木|2004|p=7}}。''x'' の値が ''A'' と &minus;''A'' の間を往復する振動となる{{Sfn|安田|2012|p=18}}。

cos の中身 ''&omega;t'' + ''&phi;'' は'''[[位相]]'''と呼ばれる{{Sfn|鈴木|2004|p=7}}。三角関数の中身であるため、位相は[[量の次元|物理的次元]]を持たない無次元量で、しばしば[[角度]]とみなして[[ラジアン]]や[[度 (角度)|度]]の[[単位]]をあてる{{Sfn|近|2006|p=4}}。''&omega;t'' + ''&phi;'' を'''位相角'''とも呼ぶ{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=5}}。三角関数の性質によって、位相が 2''&pi;'' 増えるたびに、''x'' は同じ値に戻ることになる{{Sfn|長谷川|2009|p=7}}。ここで ''&pi;'' は[[円周率]]である。

''&phi;'' は'''初期位相'''や'''初期位相角'''と呼ばれる{{Sfn|安田|2012|p=19}}{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=5}}。これは、''&phi;'' が ''t'' = 0 のときの位相の値を意味しているためである{{Sfn|安田|2012|p=19}}。''&phi;'' を'''位相定数'''と呼んだり、単に'''位相角'''とも呼ぶこともある{{Sfn|小出|1997|p=17}}{{Sfn|下郷・田島|2002|p=6}}。''&phi;'' に 2''&pi;'' の整数倍を加えた値、すなわち ''&phi;'', ''&phi;'' &plusmn; 1 &times; 2''&pi;'', ''&phi;'' &plusmn; 2 &times; 2''&pi;'', &hellip; はいずれも同じ振動を表す{{Sfn|近|2006|p=5}}。これらの中から、式がなるべく簡単になるように ''&phi;'' の値を決めることができる{{Sfn|近|2006|p=5}}。

''&omega;'' は'''[[角振動数]]'''や'''円振動数'''、'''角周波数'''と呼ばれる{{Sfn|藤田|2016|p=15}}{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}。振幅と同じく、一般的に ''&omega;'' の値は正とする{{Sfn|安田|2012|p=18}}。角振動数は、単位時間当たりの位相の変化量、あるいは位相の変化率を意味している{{Sfn|近|2006|p=4}}。単位は rad/s（[[ラジアン毎秒]]）または 1/s（[[毎秒]]）か Hz（[[ヘルツ]]）となる{{Sfn|下郷・田島|2002|p=6}}{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}{{Sfn|近|2006|p=4}}。

上述のとおり、位相が 2''&pi;'' 増えるたびに ''x'' は同じ値に戻る{{Sfn|長谷川|2009|p=7}}。位相が 2''&pi;'' 増えるのに必要な時間を'''[[周期]]'''と呼ぶ{{Sfn|安田|2012|p=18}}。周期は記号 ''T'' などで表される{{Sfn|安田|2012|p=18}}。周期の定義より、周期 ''T'' と角振動数 ''&omega;'' には

:<math> 2\pi = \omega T </math>

という関係があるから、''T'' は ''&omega;'' によって次のように表される{{Sfn|安田|2012|p=18}}。

:<math> T = \frac{2\pi}{\omega} </math>

また、周期の[[逆数]] 1/''T'' を'''[[振動数]]'''あるいは'''周波数'''と呼ぶ{{Sfn|近|2006|p=3}}{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}。振動数は記号 ''f'' や ''&nu;'' などで表され、角振動数によって表現すれば

:<math> f = \frac{\omega}{2\pi} </math>

となる{{Sfn|藤田|2016|p=16}}{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}。振動数は 1 秒間に振動する回数を意味しており、単位は Hz（[[ヘルツ]]）である{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}。混乱のおそれが無い場合は、角振動数 ''&omega;'' を指して単に振動数と呼ぶこともある{{Sfn|安田|2012|p=19}}{{Sfn|長谷川|2009|p=8}}。ただし、''&omega;'' の値と ''f'' の値が 2''&pi;'' 倍違う点には常に注意を要する{{Sfn|鈴木|2004|p=7}}。

==その他の表現==
===正弦関数による表現===
単振動は、下記に示すように他の形でも表現できる。どの形の表現が便利かは場合に依る{{Sfn|安田|2012|p=33}}。正弦関数 sin を用いた場合、単振動は

:<math> x = A \sin (\omega t + \phi) </math>

と表される{{Sfn|下郷・田島|2002|p=5}}。しかし、初期位相 ''&phi;'' の値を変えれば、sin の式でも cos の式でも全く同一の運動を表すことができる{{Sfn|安田|2012|p=18}}。そのため、単振動を sin で表すか cos で表すかの違いに重要性は無い{{Sfn|安田|2012|p=18}}。同一の単振動を、cos で表現したときの初期位相を ''&phi;'' とし、sin で表現したときの初期位相を ''&phi;''&prime; とすれば、

:<math> \phi = \phi^\prime - \frac{\pi}{2} </math>

という関係になる{{Sfn|藤田|2016|p=15}}。cos 形式の単振動を sin 形式に置きかえるときは、cos 形式だったときの初期位相に ''&pi;''/2 を加えてずらせばよい{{Sfn|長谷川|2009|p=7}}。

===余弦関数と正弦関数の和による表現===
単振動は、次のような余弦関数と正弦関数の和の形でも表現できる{{Sfn|小出|1997|p=17}}。

:<math> x = B_1 \cos \omega t + B_2 \sin \omega t </math>

ここで、''B''<sub>1</sub> と ''B''<sub>2</sub> は定数である{{Sfn|小出|1997|p=17}}。単振動の正弦関数による表現

:<math> x = A \sin (\omega t + \phi) </math>

と比較すると、''B''<sub>1</sub>、''B''<sub>2</sub> は振幅 ''A''、初期位相 ''&phi;'' と次のような関係がある{{Sfn|小出|1997|p=17}}。

:<math> A = \sqrt{B_1^2 + B_2^2} </math>
:<math> \tan \phi = \frac{B_1}{B_2} </math>

[[自由振動]]の問題などでは、振幅と初期位相が既知として与えられるのではなく、''t'' = 0 のときの ''x'' の値、および ''t'' = 0 のときの ''x'' の速度（[[#速度と加速度|後述参照]]）の値が与えられ、単振動の形が定まる{{Sfn|藤田|2016|p=26}}。これらの値を ''x''<sub>0</sub>、''v''<sub>0</sub> と表すとする。 この cos と sin の和の形式の場合、cos 側が ''x''<sub>0</sub> を表現する役割を持ち、sin 側が ''v''<sub>0</sub> を表現する役割を持つ<ref name="長松"/>。すなわち、''x''<sub>0</sub> と ''v''<sub>0</sub> が与えられたときの単振動は、下記のように表現できる{{Sfn|藤田|2016|p=26}}。

:<math> x = x_0 \cos \omega t + \frac{v_0}{\omega} \sin \omega t </math>

===複素指数関数による表現===
[[File:複素指数関数の実部・虚部.svg|thumb|200px|[[複素指数関数]]の実部・虚部]]
''e'' を[[ネイピア数]]、''i'' を[[虚数単位]]とすれば、[[複素指数関数]]とは ''&alpha;e''<sup>''i&beta;''</sup> の形式で表現される関数である<ref>{{Cite web|和書|author= 日本機械学会 | work = 機械工学事典 |url= https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/13:1011225 |title= 複素指数関数 |accessdate= 2021-02-24}}</ref>。単振動は、次のような複素指数関数の実部または虚部を取ったものに相当する{{Sfn|入江・小林|2006|p=8}}。

:<math> x = \mbox{Re}(A e^{i (\omega t + \phi)})= A \cos (\omega t + \phi) </math>
:<math> x = \mbox{Im}(A e^{i (\omega t + \phi)})= A \sin (\omega t + \phi) </math>

ここで、Re() は括弧内の複素数の実部を取ることを意味し、Im() は括弧内の複素数の虚部を取ることを意味する{{Sfn|入江・小林|2006|p=8}}。複素指数関数と三角関数には[[オイラーの公式]]より、

:<math> A e^{i (\omega t + \phi)} = A \cos (\omega t + \phi) + i A \sin (\omega t + \phi) </math>

という関係があるため、上記の式が導かれる{{Sfn|近|2006|p=17}}。複素指数関数の定数係数 ''A'' を複素数 ''A<sub>c</sub>'' に拡張すれば、''&phi;'' を陽に表さずに次のように表現できる{{Sfn|下郷・田島|2002|p=7}}。

:<math> A \cos (\omega t + \phi) + i A \sin (\omega t + \phi)  = A_{c} e^{i \omega t} </math>

ここで、定数係数 ''A<sub>c</sub>'' は ''A'' および ''&phi;'' と次のような関係である{{Sfn|下郷・田島|2002|p=7}}。

:<math> A_{c} = A \cos \phi + i A \sin \phi</math>

したがって、この形式では、振幅 ''A'' と初期位相 ''&phi;'' の情報は複素数 ''A<sub>c</sub>'' の中に含まれる{{Sfn|下郷・田島|2002|p=7}}。複素数に拡張された振幅は'''複素振幅'''と呼ばれる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=11}}。

複素指数関数の形式は微分・積分しても関数の形が変わらないという利点がある{{Sfn|近|2006|p=18}}。また、振幅と初期位相という2つの数を1つの複素数にまとめることができ、数式処理が簡単となる<ref name="長松">{{Cite book ja-jp |author = 長松 昌男・長松 昭男 |title = 実用モード解析入門 |publisher = コロナ社 |url = https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339082272/ |edition = 初版 |year = 2018 |isbn = 978-4-339-08227-2 }} pp. 30&ndash;31</ref>。こういった利点のために、本来は実数である ''x'' を一旦複素数に拡張し、何らかの計算後に最後に実部を取るという手法によって、過程の計算を簡便にできる{{Sfn|近|2006|p=18}}。このときに可能な計算は、和、差、微分、積分などの[[線形演算子|線形演算]]である{{Sfn|近|2006|p=18}}。こういった手法は、特に定数係数の[[線形微分方程式]]の問題を解くときに半ば常識的に多用される<ref>{{Cite book ja-jp |author = 小野寺 嘉孝 |title = なっとくする複素関数 |series = なっとくシリーズ |publisher = 講談社サイエンティフィク |url = https://www.kspub.co.jp/book/detail/1545267.html |year = 2000 |isbn = 4-06-154526-4 }} p. 22</ref>。

===複素共役な複素指数関数の和による表現===
同じく複素指数関数を用いた形式として、

:<math> x = C_1 e^{i \omega t} + C_2 e^{- i \omega t}</math>

という形でも単振動を表す{{Sfn|安田|2012|p=33}}。ここで、''C''<sub>1</sub> と ''C''<sub>2</sub> は互いに[[複素共役]]な複素数の定数である{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=28}}。この形式では、虚部が自然に打ち消されるようになっており、実部や虚部を取るといった特段の操作は必要ない<ref name="長松"/>。この形式は実数の三角関数の式とあくまでも同一であり、表し方が違うだけである<ref name="長松"/>。余弦関数と正弦関数の和による表現

:<math> x = B_1 \cos \omega t + B_2 \sin \omega t </math>

と比較すると、''B''<sub>1</sub>, ''B''<sub>2</sub>, ''C''<sub>1</sub> と ''C''<sub>2</sub> の定数の間には次のような関係がある{{Sfn|小出|1997|p=17}}。

:<math> B_1 = C_1 + C_2 </math>
:<math> B_2 = i(C_1 - C_2) </math>

''B''<sub>1</sub> と ''B''<sub>2</sub> は実数であるから、''C''<sub>1</sub> + ''C''<sub>2</sub> は実数に、''C''<sub>1</sub> &minus; ''C''<sub>2</sub> は純虚数になる必要がある{{Sfn|小出|1997|p=17}}。この制約から、''C''<sub>1</sub> と ''C''<sub>2</sub> を共役複素数とする必要性が理解できる{{Sfn|小出|1997|p=17}}。

==円運動との関連==
[[File:Sine and cosine animation.gif|thumb|260px|等速円運動を ''x'' 軸と ''y'' 軸に射影したときのアニメーション]]
単振動は、次のように[[円 (数学)|円]]上を等速運動する点を直線上へ投影したものとも見なせる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=5}}。''xy''-平面上に、始点 O、終点 P、一定長さ ''A'' の[[幾何ベクトル]] ''OP'' を考える。点 P が点 O を中心として一定速度 ''&omega;'' で反時計回りに回転しており、''t'' = 0 で点 P は角度 ''&phi;'' の位置にあるとする。この点を ''x'' 軸に[[ベクトルの成分分解|正射影]]すると、

:<math> x = A \cos (\omega t + \phi) </math>

となり、''y'' 軸に射影すると、

:<math> y = A \sin (\omega t + \phi) </math>

となる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=5}}。位相を角度とみなすのも、この円運動との関連付けから意味を持つ{{Sfn|安田|2012|p=19}}。複素指数関数による単振動の表現も、''xy''-実数平面を ''xy''-[[複素平面]]に置き換えて、複素平面上の円運動を実部または虚部へ正射影したものと解することができる{{Sfn|下郷・田島|2002|pp=6&ndash;7}}。

==速度と加速度==
[[File:Simple harmonic motion and its velocity and acceleration.png|thumb|300px|単振動とその速度と加速度のグラフ。''A'' = 1 ''&omega;'' = 1.6,  ''&phi;'' = 0 の例。]]
単振動する ''x'' の変化速度と変化加速度も三角関数で与えられる。cos 形式の ''x'' を ''t'' で[[微分]]すると、次のような速度 ''dx''/''dt'' が得られる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=6}}。
:<math> \frac{dx}{dt} = - \omega A \sin (\omega t + \phi) </math>
この式をもう一度 ''t'' で微分すると、次のような加速度 ''d''<sup> 2</sup>''x''/''dt''<sup> 2</sup> が得られる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=6}}。
:<math> \frac{d^2x}{dt^2} = - \omega^2 A \cos (\omega t + \phi) </math>
したがって、速度と加速度は元の ''x'' と同じ角振動数の振動である{{Sfn|近|2006|p=6}}。一方で、速度の振幅は元の ''x'' の ''&omega;'' 倍、加速度の振幅は元の ''x'' の ''&omega;''<sup>2</sup> 倍となっている{{Sfn|藤田|2016|p=16}}。上式を正符号の余弦関数に書き換えれば、

:<math> \frac{dx}{dt} = - \omega A \sin (\omega t + \phi) = \omega a \cos (\omega t + \phi + \frac{\pi}{2}) </math>
:<math> \frac{d^2x}{dt^2} = - \omega^2 A \cos (\omega t + \phi) = \omega^2 A \cos (\omega t + \phi + \pi) </math>

と表現できるので、速度の位相は元の ''x'' よりも ''&pi;''/2 (90&deg;) 進んでおり、加速度の位相は元の ''x'' よりも ''&pi;'' (180&deg;) 進んでいることになる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=6}}。

===複素指数関数形式===
[[File:単振動複素指数関数表示の速度・加速度.svg|thumb|200px|複素指数関数形式における ''x'' とその速度・加速度の関係]]
複素指数関数による形式では次のとおりである。単振動の複素指数関数の形式を ''t'' で1回微分すれば

:<math> \frac{dx}{dt} = i \omega A_{c} e^{i \omega t}</math>

となり、''t'' で2回微分すれば、

:<math> \frac{d^{2}x}{dt^{2}} = - \omega^2 A_{c} e^{i \omega t}</math>

となる{{Sfn|鈴木|2004|p=8}}。したがって、元の ''x'' に ''i&omega;'' を1回掛ければ速度となり、元の ''x'' に ''i&omega;'' を2回掛ければ加速度になる{{Sfn|鈴木|2004|p=8}}。また、

:<math> i = e^{\frac{i \pi}{2}}</math>

という関係があるので、上式は次のような位相の関係が明確にした形に変形できる{{Sfn|鈴木|2004|p=8}}。

:<math> \frac{dx}{dt} = \omega A_{c} e^{i (\omega t + \frac{\pi}{2})}</math>
:<math> \frac{d^2x}{dt^2} = \omega^2 A_{c} e^{i (\omega t + \pi)}</math>

これらの実部が、cos 形式の ''x'' の速度と加速度に対応する{{Sfn|近|2006|p=17}}。

===相平面上の軌道===
[[File:Vectors and orbits of simple harmonic motion on phase plane.svg|thumb|300px|単振動の''xv''-[[相平面]]の様相。''&omega;'' = 0.5 の場合の例で、実線は ''A'' = 2, 4, 6 または 8 の[[軌道 (力学系)|軌道]]、矢印は全体の[[ベクトル場]]。]]
速度 ''dx''/''dt'' を改めて変数 ''v'' と表し、''x'' と ''v'' の組を状態点とすれば、単振動の''xv''-[[相平面]]における[[軌道 (力学系)|軌道]]について考えられる。このとき、単振動は次のような2変数の微分方程式系で表される<ref name="郡・森田">{{Cite book ja-jp |author = 郡 宏・森田 善久 |title = 生物リズムと力学系 |series = シリーズ・現象を解明する数学 |publisher = 共立出版 |year = 2011 |edition = 初版 |isbn=978-4-320-11000-7 }} pp. 47&ndash;48</ref>。

:<math>
\begin{cases}
 \dfrac{dx}{dt} = v \\
 \dfrac{dv}{dt} = -\omega^2 x
\end{cases}
</math>

上式の第1式両辺に ''&omega;''<sup>2</sup>''x'' を掛けたものと、上式の第2式両辺に ''v'' を掛けたものとを足し合わせると、

:<math> \omega^2 x \dfrac{dx}{dt} + v \dfrac{dv}{dt} = 0 </math>

という式が得られる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=47}}。これを ''t'' で[[積分]]し、積分定数を ''C'' とすれば、次のような式になる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=47}}。

:<math> \frac{\omega^2}{2}x^2 + \frac{1}{2}v^2 = C </math>

したがって、''xv''-相平面上での単振動の軌道は[[楕円]]になる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=47}}。この楕円軌道は、時間経過に従って時計回りに進む{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|pp=47&ndash;48}}。上平面 (''v'' > 0) では、''dx''/''dt'' が正なので軌道は右方向へ進む。下平面 (''v'' < 0) では、''dx''/''dt'' が負なので軌道は左方向へ進む<ref name="郡・森田"/>。

==単振動が現れる系==
単振動は、[[物理学]]全域でさまざまな形で現れる{{Sfn|小出|1997|p=115}}。[[力学]]的なものから[[電磁気学]]的なものまで、単振動の実例は幅広い{{Sfn|小出|1997|p=115}}。単振動は、振動および[[波動]]という現象における最も単純な形であり、なおかつ様々な物理現象を記述する概念として高い重要性を持つ{{Sfn|長谷川|2009|p=5}}。

[[File:Federpendel-mod.gif|thumb|270px|[[ばね]]で吊り下げられた重り（[[質点]]）の動きのアニメーション]]
[[File:ばねと単振動.png|thumb|270px|横軸に時間を取って図示したばねの単振動の様子]]
単振動が起こる[[系 (自然科学)|系]]は[[調和振動子]]と呼ばれる<ref>{{Cite web|和書|author= デジタル大辞泉（小学館） | work = goo辞書 |url= https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%AA%BF%E5%92%8C%E6%8C%AF%E5%8B%95%E5%AD%90/#jn-291463 |title= 調和振動子（ちょうわしんどうし） の意味   |accessdate= 2021-02-24}}</ref>。調和振動子の代表例の一つが、[[質点]]と[[ばね]]の系である{{Sfn|近|2006|p=8}}。重り（[[質点]]）がばねで吊り下げられて揺れている系を考える{{Sfn|鈴木|2004|p=22}}。ばねは[[フックの法則]]に従うとする{{Sfn|長谷川|2009|pp=5&ndash;6}}。現実には空気の抵抗などによって振動は次第に止まるが、そのような減衰作用は今は無視する{{Sfn|長谷川|2009|p=6}}。重りの[[質量]]を ''m''、ばねの[[ばね定数]]を ''k''、吊り下げられた重りが静止している状態からの上下方向[[変位]]を ''&delta;'' とする。この重りの[[運動方程式]]は

:<math> m \frac{d^2 \delta}{dt^2} = - k \delta </math>

となる{{Sfn|鈴木|2004|p=22}}。さらに、両辺を ''m'' で割り、''k''/''m'' = ''&omega;<sub>n</sub>''<sup>2</sup> とおいて

:<math> \frac{d^2 \delta}{dt^2} = - \omega_n ^2 \delta </math>

と変形する{{Sfn|入江・小林|2006|p=13}}。この式は定数係数の[[微分方程式|斉次2階線形常微分方程式]]であり、''&delta;'' の[[一般解]]は次のような単振動で与えられる{{Sfn|下郷・田島|2002|pp=19&ndash;21}}。

:<math> \delta = A \sin (\omega_n t + \phi) </math> 

その他の単振動の表現（余弦関数と正弦関数の和や複素共役な複素指数関数の和）も、''&delta;'' の一般解である{{Sfn|下郷・田島|2002|p=20}}。この単振動の角振動数 ''&omega;<sub>n</sub>'' は

:<math> \omega_n = \sqrt{ \frac{k}{m} } </math> 

であるから、揺らし始めるときに重りを最初に動かす量や重力の大きさなどとは無関係に決まっている{{Sfn|長谷川|2009|p=6}}。''&omega;<sub>n</sub>'' は、ばね定数と質量という系に固有の値のみで決まるため、[[固有角振動数]]と呼ばれる{{Sfn|安田|2012|p=34}}。一方、振幅 ''A'' と初期位相 ''&phi;'' の値は、最初にどのような状態が重りに与えられるかによって決まる。''t'' = 0 で与えられる変位を ''&delta;''<sub>0</sub> 、速度を ''v''<sub>0</sub> と表せば、''A'' と ''&phi;'' は次のように与えられる{{Sfn|下郷・田島|2002|p=21}}。

:<math> A = \sqrt{ \delta_0^2 + \left( \frac{ v_0 }{ \omega_n } \right)^2 } </math> 
:<math> \phi = \tan^{-1} \left( \frac{\omega_n \delta_0}{v_0} \right) </math> 

一般に、''&omega;'' を正の定数として、

:<math> \frac{d^2x}{dt^2} + \omega ^2 x = 0 </math>

という形で表される微分方程式は'''単振動の方程式'''と呼ばれ、その一般解は単振動となる<ref>{{Cite book ja-jp |author = 東京理科大学数学教育研究所 |title = 数学小辞典 |publisher = 共立出版 |edition = 第2版 |url = https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320019317 |year = 2010 |isbn = 978-4-320-01931-7 }} p. 402</ref><ref>{{Cite book ja-jp |author = 俣野 博 |title = 微分方程式　I|series = 岩波講座 応用数学 |publisher = 岩波書店 |edition = 第1版 |url = https://www.iwanami.co.jp/book/b475768.html |year = 1993 |isbn = 4-00-010517-5 }} p. 56</ref>。''dx''/''dt'' = ''v'' と表すとき、単振動の系は次のような[[ハミルトニアン]] ''H'' を持つため、系は[[ハミルトン系]]としての特性を持つ<ref name="郡・森田"/>。

:<math> H = \frac{\omega^2}{2}x^2 + \frac{1}{2}v^2 </math>

すなわち、

:<math>
\begin{cases}
 \dfrac{dx}{dt} = \dfrac{\partial H}{\partial v} \\
 \dfrac{dv}{dt} = - \dfrac{\partial H}{\partial x}
\end{cases}
</math>

が満たされ、''dH''/''dt'' が常に 0 より ''H'' の値は時間に対して不変である<ref name="郡・森田"/>。物理的な系では、ハミルトニアン ''H'' は系が持つエネルギーに相当し、''H'' が時間不変であることは単振動がエネルギーを保存しながら運動していることを意味する<ref name="郡・森田"/>。

物理学で現れるその他の単振動の例には、[[振り子]]、電気回路の[[LC回路]]、2原子分子の[[熱振動]]などがある{{Sfn|長谷川|2009|pp=9&ndash;20}}。一般的に、[[保存力]]を受ける系で、その[[ポテンシャルエネルギー]]の極小点近傍で振動していれば、その運動は調和振動子に近似できる{{Sfn|長谷川|2009|p=13}}。

==重ね合わせ==
===同一方向の重ね合わせ===
[[File:Sawtooth-2.png|thumb|230px|5個の単振動を使った[[フーリエ級数]]で[[のこぎり波]]を近似した例]]
単振動同士の[[加法|和]]を作ることを、'''単振動の重ね合わせ'''や'''単振動の合成'''と呼ぶ{{Sfn|近|2006|p=64}}。単振動の重ね合わせは、振動・波動の多くの場面で現れる{{Sfn|近|2006|p=63}}。例えば、[[自由度]] ''n'' の[[線形多自由度系の振動]]の[[自由振動|非減衰自由振動]]は、単振動の ''n'' 個の重ね合わせで表現できる{{Sfn|安田|2012|p=122}}。また、[[フーリエ級数]]を使えば、与えられた様々な周期運動を単振動の無限の重ね合わせで表現できる{{Sfn|安田|2012|p=20}}。

2つの単振動する量 ''x''<sub>1</sub> と ''x''<sub>2</sub> を考える。これらが同一方向（同じ ''x'' 軸方向）の振動だとすれば、その重ね合わせは、

:<math> x = x_1 + x_2 = A_1 \cos (\omega_1 t + \phi_1) + A_2 \cos (\omega_2 t + \phi_2)</math>

となる{{Sfn|藤田|2016|p=18}}。単振動を幾何ベクトルとして考えれば、単振動の重ね合わせとは、円運動するベクトル ''OP''<sub>1</sub> と円運動するベクトル ''OP''<sub>2</sub> の和 ''OP'' = ''OP''<sub>1</sub> + ''OP''<sub>2</sub> を作成して、''OP'' を軸へ射影していることに等しい{{Sfn|鈴木|2004|p=10}}。上式は、合成や加法定理といった[[三角関数の公式の一覧|三角関数の公式]]を用いて下記のように変形できる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|pp=7&ndash;8}}。

:<math> x = A \cos \left( \frac{\omega_1 + \omega_2}{2}t + \frac{\phi_1 + \phi_2}{2} + \psi \right) </math>

ただし、ここで振幅 ''A'' と位相角 ''&psi;'' は下記のような時間の関数である{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=8}}。

:<math> A = \sqrt{ A_1^2 + A_1^2 + 2 A_1 A_2 \cos \left[ (\omega_1 - \omega_2) t + \phi_1 - \phi_2 \right] } </math>
:<math> \tan \psi = \frac{A_1 - A_2 }{ A_1 + A_2 } \tan \left( \frac{\omega_1 - \omega_2}{2}t + \frac{\phi_1 - \phi_2}{2} \right) </math>

簡単な場合として、2つの単振動の角振動数が同じ (''&omega;''<sub>1</sub> = ''&omega;''<sub>2</sub>) ときは、重ね合わされた振動も単振動になる{{Sfn|藤田|2016|p=18}}{{Sfn|鈴木|2004|p=10}}。このとき、''A'' と ''&psi;'' は時間依存しない定数になる{{Sfn|横山・日野・芳村|2015|p=9}}。2つの単振動の同一角振動数を ''&omega;'' とすれば、重ね合わされた振動も ''&omega;'' の単振動となる{{Sfn|入江・小林|2006|p=6}}。このときの単振動は次式で与えられる{{Sfn|入江・小林|2006|p=6}}。

:<math> x = A \cos \left( \omega t + \alpha \right) </math>
:<math> A = \sqrt{ A_1^2 + A_1^2 + 2 A_1 A_2 \cos ( \phi_1 - \phi_2 ) } </math>
:<math> \alpha = \tan^{-1} \left( \frac{A_1 \sin \phi_1 + A_2 \sin \phi_2}{A_1 \cos \phi_1 + A_2 \cos \phi_2} \right) </math>

2つの単振動の角振動数が異なるときは、重ね合わされた振動は複雑な形となり、もはや単振動ではなくなる{{Sfn|近|2006|p=66}}{{Sfn|藤田|2016|pp=18&ndash;19}}。2つの単振動の角振動数の比 ''&omega;''<sub>2</sub>/''&omega;''<sub>1</sub> あるいは ''&omega;''<sub>1</sub>/''&omega;''<sub>2</sub> が[[有理数]]ならば、重ね合わされた振動は、複雑だがある周期を持った振動である{{Sfn|近|2006|p=66}}{{Sfn|藤田|2016|p=18}}。一方、角振動数の比が[[無理数]]ならば、重ね合わされた振動には周期が存在せず、同一波形が繰り返されることのない振動になる{{Sfn|近|2006|p=66}}{{Sfn|藤田|2016|pp=18&ndash;19}}。2つの単振動の角振動数の比が近い (''&omega;''<sub>1</sub> &asymp; ''&omega;''<sub>2</sub>) 場合は、[[うなり]]と呼ばれる振動波形になる{{Sfn|近|2006|pp=66&ndash;68}}。

<gallery caption="同一方向の重ね合わせの例（赤点線と青点線が元の単振動、黒実線が合成後の振動）" mode="packed">
File:Superposition of two simple harmonic motions, equal frequencies.png|''&omega;''<sub>1</sub> = ''&omega;''<sub>2</sub>（同一値、単振動）
File:Superposition of two simple harmonic motions, irrational ratio frequencies.png|''&omega;''<sub>2</sub>/''&omega;''<sub>1</sub> = {{sqrt|2}}（無理数、無周期運動）
File:Superposition of two simple harmonic motions, rational ratio frequencies.png|''&omega;''<sub>2</sub>/''&omega;''<sub>1</sub> = 1.5（有理数、周期運動）
File:Superposition of two simple harmonic motions, almost equal frequencies.png|''&omega;''<sub>2</sub>/''&omega;''<sub>1</sub> = 1.1（近い値、[[うなり]]）
</gallery>

===直角方向の重ね合わせ===
[[File:Relationship between Lissajous curve and simple harmonic motion.png|thumb|300px|[[リサジュー図形]]とそれを構成する2つの単振動の例]]
{{Main|リサジュー図形}}
互いに直角する方向の単振動の重ね合わせも考えられる{{Sfn|近|2006|p=77}}。''xy''-平面上の点が、''x'' 方向に

:<math> x = A_1 \cos (\omega_1 t + \phi_1) </math>

という単振動をして、なおかつ ''y'' 方向に

:<math> y = A_2 \cos (\omega_2 t + \phi_2) </math>

という単振動をしている場合を考える。このときの点の軌跡は、一般に[[リサジュー図形]]と呼ばれる曲線になる{{Sfn|近|2006|p=77}}。もし ''&omega;''<sub>1</sub> = ''&omega;''<sub>2</sub> であれば、軌跡は[[楕円]]となる{{Sfn|小出|1997|pp=115&ndash;116}}。なおかつ初期位相の差 ''&phi;''<sub>2</sub> &minus; ''&phi;''<sub>1</sub> が ''&pi;'' の整数倍であれば、軌跡は直線になる{{Sfn|小出|1997|pp=115&ndash;116}}。同一方向のときと同様に、''&omega;''<sub>1</sub>/''&omega;''<sub>2</sub> が有理数であれば、周期的な軌跡となり、リサジュー図形は[[閉曲線]]となる<ref>{{Cite book ja-jp |author = 戸田 盛和 |title = 力学 |series =  物理入門コース	1 |publisher = 岩波書店 |url = https://www.iwanami.co.jp/book/b260801.html |year =  1982 |isbn = 4-00-007641-8 }} p. 63</ref>。''&omega;''<sub>1</sub>/''&omega;''<sub>2</sub> が無理数であれば、リサジュー図形は閉じることのない曲線となる{{Sfn|近|2006|p=77}}。

==出典==
{{Reflist|2}}

==参照文献==
*{{Cite book ja-jp
|author = 近 桂一郎
|title = 振動・波動
|series = 裳華房フィジックスライブラリー
|publisher = 裳華房
|edition = 第1版
|url = https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2226-7.htm
|year = 2006
|isbn = 4-7853-2226-8
|ref = {{Sfnref|近|2006}}
}}
*{{Cite book ja-jp
|author = 長谷川 修司
|title = 振動・波動
|series = 講談社基礎物理学シリーズ 2
|publisher = 講談社
|url = https://www.kspub.co.jp/book/detail/1572027.html
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|isbn = 978-4-06-157202-7
|ref = {{Sfnref|長谷川|2009}}
}}
*{{Cite book ja-jp
|author = 鈴木 浩平
|title = 振動の工学
|series = 機械工学基礎コース 
|publisher = 丸善
|url = https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b292908.html
|year =  2004
|isbn = 4-621-07377-X
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*{{Cite book ja-jp
|author = 横山 隆・日野 順市・芳村 敏夫
|title = 基礎振動工学
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*{{Cite book ja-jp
|author = 藤田 勝久
|title = 振動工学 ―振動の基礎から実用解析入門まで
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*{{Cite book ja-jp
|author = 安田 仁彦
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|publisher = コロナ社
|url = https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339046243/
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|ref = {{Sfnref|安田|2012}}
}}
*{{Cite book ja-jp
|author = 小出 昭一郎
|title = 物理学
|publisher = 裳華房
|edition = 三訂版
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|isbn = 4-7853-2074-5
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*{{Cite book ja-jp
|author = 下郷 太郎・田島 清灝
|title = 振動学
|series = 機械系 大学講義シリーズ 11
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|ref = {{Sfnref|下郷・田島|2002}}
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*{{Cite book ja-jp
|author = 入江 敏博・小林 幸徳
|title = 機械振動学通論
|publisher = 朝倉書店
|url = http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-23116-8/
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|year = 2006
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|ref = {{Sfnref|入江・小林|2006}}
}}

==外部リンク==
{{Commonscat}}
{{Wiktionary}}
*{{Kotobank}}
*{{機械工学事典|id=13:1007974}}
*{{JGLOBAL ID|200906026107283779|調和振動}}

{{Good article}}
{{デフォルトソート:たんしんとう}}
[[Category:振動と波動]]