原始元定理のソースを表示
←
原始元定理
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[体論]]において、'''原始元定理''' (primitive element theorem) あるいは'''原始元に関するアルティンの定理''' (Artin's theorem on primitive elements) は'''原始元''' (primitive element) をもつ有限次[[体拡大]]すなわち[[単拡大]]を特徴づける結果である。定理は有限次拡大が単拡大であることと中間体が有限個しかないことが同値であるというものである。とくに、有限次[[分離拡大]]は単拡大である。 == 用語 == <math>E\supseteq F</math> を有限次体拡大とする。元 <math>\alpha\in E</math> は :<math>E=F(\alpha)</math> であるときに <math>E\supseteq F</math> の''原始元'' (primitive element) と呼ばれる。この状況で、拡大 <math>E\supseteq F</math> を[[単拡大|''単(純)拡大'']]という。このとき ''E'' のすべての元 ''x'' は :<math>x=f_{n-1}{\alpha}^{n-1}+\cdots+f_1{\alpha}+f_0,</math> の形に書ける、ただしすべての ''i'' に対して <math>f_i\in F</math> であり、<math>\alpha\in E</math> は固定されている。つまり、<math>E\supseteq F</math> が ''n'' 次分離拡大であれば、ある <math>\alpha\in E</math> が存在して、集合 :<math>\{1,\alpha,\cdots,{\alpha}^{n-1}\}</math> は ''E'' の ''F'' 上[[ベクトル空間]]としての基底である。 例えば、拡大 <math>\mathbb{Q}(\sqrt{2})\supseteq \mathbb{Q}</math> と <math>\mathbb{Q}(x)\supseteq \mathbb{Q}</math> はそれぞれ原始元 <math>\sqrt{2}</math> と ''x'' による単拡大である(<math>\mathbb{Q}(x)</math> は <math>\mathbb{Q}</math> 上不定元 ''x'' による有理関数体を表す)。 == 存在の主張 == 定理の解釈は 1930 年頃[[エミール・アルティン]]の理論の定式化で変わった。ガロワの時代から、原始元の役割は[[分解体]]をただ1つの元で生成されるものとして表現することだった。そのような元のこの(任意の)選択は Artin の扱いにおいて避けられる<ref>Israel Kleiner, ''A History of Abstract Algebra'' (2007), p. 64.</ref>。同時に、そのような元の構成の考慮は退く:定理は[[存在定理]] になる。 すると以下のアルティンの定理は古典的な''原始元定理''に取って代わる。 ;定理 <math>E\supseteq F</math> を有限次体拡大とする。このときある元 <math>\alpha\in E</math> に対して <math>E=F(\alpha)</math> であることと <math>E\supseteq K\supseteq F</math> なる中間体 ''K'' が有限個しか存在しないことは同値である。 すると定理の系はより古風な意味での原始元定理(分離性は通常暗黙に仮定された)である: ;系 <math>E\supseteq F</math> を有限次[[分離拡大]]とする。このときある <math>\alpha\in E</math> に対して <math>E=F(\alpha)</math> である。 系は[[代数体]]、すなわち有理数体 '''Q''' の有限拡大に応用する、なぜならば '''Q''' は[[標数]] 0 ゆえ任意の拡大が分離的だからである。 == 反例 == 分離的でない拡大に対しては、これは[[標数]]が素数 ''p'' である必要があるが、少なくとも次数 [''L'' : ''K''] が ''p'' であるときには、''L'' / ''K'' は原始元をもつ、なぜならば<!--''K'' でも ''L'' でもない-->[[体の拡大#中間体|中間体]]が存在しないからだ。[''L'' : ''K''] = ''p''<sup>2</sup> のとき、原始元はない(したがって無限に多くの中間体が存在する)かもしれない。これは例えば次のようなときに起こる。''K'' が :''F<sub>p</sub>''(''T'', ''U''), ''p'' 元をもった[[有限体]]上の二不定元 ''T'' と ''U'' による有理関数体であり、''L'' が ''K'' に ''T'' と ''U'' の ''p'' 乗根を添加して得られる体のとき。実は次のことがわかる。''L'' の任意の元 α に対して元 ''α''<sup>''p''</sup> は ''K'' に入るが、原始元は ''K'' 上次数 ''p''<sup>2</sup> をもたなければならない。 ==構成的結果== 一般に、有限分離拡大 ''L'' / ''K'' に対するすべての原始元からなる集合は ''L'' の真の ''K''-部分空間すなわち中間体の有限の集まりの補集合である。このステートメントは[[有限体]]のケースについては何も言っていない。有限体に対しては体の[[乗法群]]([[巡回群]])の生成元、これは当然原始元である、を見つけるために捧げられた計算理論が存在する。''K'' が無限のときは、[[鳩ノ巣原理]]により証明できる。2元で生成された線型部分空間を考えると、''c'' を ''K'' の元とする線型結合 :<math>\gamma = \alpha + c \beta\ </math> は有限個しかなく両方の元を含む部分体を生成できないことが証明される。これはアルティンの結果から古典的な結果がどのように導かれるかを示す方法としてほとんどすぐであり、中間体の個数の言葉での例外的な ''c'' の個数が有界であることが得られる(この数はガロワ理論によって''アプリオリ''にそれ自身制限されるものである)。したがってこのケースにおいて trial-and-error は原始元を見つける実際的な手法となることができる。例を見よ。 == 例 == 例えば次のことはすぐに明らかではない。[[有理数]]体 <math>\mathbb{Q}</math> に、2つの[[多項式]] :<math>x^2 - 2\ </math> と :<math>x^2 - 3,\ </math> の根をそれぞれ <math>\sqrt{2}</math> と <math>\sqrt{3}</math> として添加し、<math>\mathbb{Q}</math> 上4{{仮リンク|体拡大の次数|label=次|en|Degree of a field extension}}の体 ''K'' = <math>\mathbb{Q}(\sqrt{2},\sqrt{3})</math> を得るが、拡大は単純で原始元 <math> \gamma \in </math> ''K'' が存在して ''K'' = <math>\mathbb{Q}(\gamma)</math> となり、以下のように確認できる。 :<math>\gamma = \sqrt{2} + \sqrt{3} </math> の冪 <math> \gamma^i , i=0,1,2,3 </math> は <math>1, \sqrt{2}, \sqrt{3}, \sqrt{2}\sqrt{3}=\sqrt{6}</math> の整数係数の[[線型結合]]として書き下すことができる。これらを[[線型方程式系]]としてとると、あるいは分解することによって、<math>\sqrt{2}</math> と <math>\sqrt{3}</math> について <math>\mathbb{Q}(\gamma)</math> 上解くことができ(実際 <math>\sqrt{2} = \scriptstyle\frac{\gamma^3-9\gamma}2</math> を得る)、これは <math>\gamma</math> のこの選択が確かにこの例の原始元であることを意味している。与えられるすべての部分体の知識を仮定して、[[ガロワ理論]]による簡単な結論は <math>1, \sqrt{2}, \sqrt{3}, \sqrt{2}\sqrt{3}</math> の有理数体上の独立性に注目することである。これは <math>\gamma</math> によって生成される部分体は <math>\sqrt{2}</math> あるいは <math>\sqrt{3}</math> あるいは <math>\sqrt{2}\sqrt{3}</math> によってすべての次数 2 の部分体を使い果たして生成される体ではありえないことを示している。したがってそれは体全体でなければならない。 == 関連項目 == * [[原始元 (有限体)]] * [http://www.mathreference.com/fld-sep,pet.html The primitive element theorem at mathreference.com] * [http://planetmath.org/ProofOfPrimitiveElementTheorem The primitive element theorem at planetmath.org] * [http://www.math.cornell.edu/~kbrown/6310/primitive.pdf The primitive element theorem on Ken Brown's website (pdf file)] == 参考文献 == <references /> == 脚注 == {{Reflist}} {{DEFAULTSORT:けんしけんていり}} [[Category:体論]] [[Category:抽象代数学の定理]] [[Category:数学に関する記事]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:仮リンク
(
ソースを閲覧
)
原始元定理
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報