反転分布のソースを表示
←
反転分布
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''反転分布'''(はんてんぶんぷ、{{lang-en-short|Population inversion}})とは、[[物理学]]、とくに[[統計力学]]において、[[基底状態]]の粒子等(例えば、[[原子]]や[[分子]])の数よりも、[[励起状態]]の粒子等の数の方が多いような系の状態をいう。[[レーザー]]を発振するためには、反転分布が不可欠である。 == 概要 == 例えば、通常の原子において、[[電子]]は、[[フェルミ・ディラック分布]]に従い、低い[[エネルギー準位]]に多く分布している。しかし、外部からエネルギーを供給(ポンピング)することにより、この分布を反転させ、基底状態の原子よりも、励起状態の原子の方が多い状態を作り出すことができる。 反転分布状態の[[レーザー媒質]]に光が入射すると、[[誘導放出]]により入射光が増幅され、[[レーザー]]が発振される。ただし、[[2準位系]]の励起では、励起先の準位にある原子や分子の数が、元の準位の原子や分子の数を超えた段階で、それ以上のエネルギーを吸収できなくなるため、反転分布を作り出すことはできない<ref name="KUROSAWA">{{Cite web|和書|title=ガスレーザー|url=http://www.optronics-media.com/publication/%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%b6%e3%83%bc%e8%ac%9b%e5%ba%a7/20160809/43585/|work=宮崎大学名誉教授 黒澤宏のレーザー講座|website=OPTRONICS ONLINE(オプトロニクスオンライン)|publisher=オプトロニクス社|date=2016-08-09|accessdate=2020-01-06|language=ja}}</ref>。反転分布を作り出すためには、少なくとも[[3準位レーザー|3準位系]]が必要であり、持続的なレーザー発振のためには、[[4準位レーザー|4準位系]]であることが望ましい<ref name="KUROSAWA" />。 反転分布は(便宜上)[[負温度]]とも呼ばれる。これは、フェルミ・ディラック分布の式において、温度項の符号をマイナスにした状態とも考えることができるためである。ただし、反転分布にある物質は[[熱力学的平衡|熱平衡状態]]にはないので、これは[[熱力学温度]]とは異る概念である。 == ボルツマン分布と熱的平衡 == 反転分布の概念を理解するためには、熱力学の一部と電磁波の物質との相互作用について理解する必要がある。レーザー媒質となるような非常に単純な原子の組み合わせについて考えてみよう。 ''N''個の原子それぞれが、二つのエネルギー状態のうちのどちらかにいる 系を考える。 # エネルギー<math>E_1</math>の基底状態 # エネルギー<math>E_2(>E_1)</math>の励起状態 基底状態にいる原子の数を<math>N_1</math> 励起状態にいる原子の数を<math>N_2</math> 、その総和を<math>N</math>とする :<math>N_1+N_2 = N</math> 二つの状態のエネルギーの差を :<math>\Delta E = E_2-E_1</math>, とし、原子と相互作用する光の固有振動数を <math>\nu_{12}</math> として、次の式で与える。 :<math>E_2-E_1 = \Delta E = h\nu_{12}</math>, ただし、<math>h</math>は[[プランク定数]]。 もし、この原子集団が熱平衡にあるとすれば、 それぞれの状態に対する原子の数の比は、ボルツマン分布で与えられる。 :<math>\frac{N_2}{N_1} = \exp\left(-\frac{E_2-E_1}{kT}\right)</math> ここで、原子集団の<math>T</math>は熱力学的温度、<math>k</math>はボルツマン定数である。 熱平衡状態において、通常は低いエネルギー状態の方が存在比が大きい。 たとえば室温(''T'' = 300 [[ケルビン|K]]、''kT'' = 26 m[[電子ボルト|eV]])で可視光(''ν'' = 500 T[[ヘルツ|Hz]]、Δ''E'' = 2.07 eV)と相互作用する系を考えると、Δ''E''/''kT'' ≈ 10<sup>2</sup>なので''N''<sub>2</sub>/''N''<sub>1</sub> ≈ 0、すなわちほとんどの原子が基底状態にある。 温度<math>T</math>が上昇すると励起した原子の数<math>N_2</math>が増えるが、熱平衡状態において<math>N_2/N_1 > 1</math>となることはなく、<math>T \to \infty</math>の極限で<math>N_1=N_2</math>となる。 換言すると、反転分布は普通の系では熱平衡においては起こり得ない現象といえる。 系を反転分布にするためには、したがって、系を非平衡状態にする必要がある。 (但し、スピン系など、例外的に負の温度の平衡分布が許される系は存在するので、必ずしも熱平衡状態において高いエネルギー状態が低いエネルギー状態より数が少なければならない訳ではないことには注意。) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[レーザー]] * [[3準位レーザー]] * [[4準位レーザー]] * [[電子光子相互作用|光と電子の相互作用]] * [[吸光]] * [[誘導放出]] * [[選択律|選択規則]] {{Optics-stub}} {{レーザー}} {{DEFAULTSORT:はんてんふんふ}} [[Category:非平衡熱力学]] [[Category:レーザー]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite web
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en-short
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Optics-stub
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:レーザー
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:脚注ヘルプ
(
ソースを閲覧
)
反転分布
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報