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[[半順序]][[集合]]Pが'''可算鎖条件'''(countable chain condition、c.c.c.と略す)を満たすとは、Pのいかなる[[反鎖]]も高々[[可算]]であることをいう。 [[位相空間]]Xが可算鎖条件を満たすとは、Xの[[開集合族]]に包含関係で半順序構造を入れたときに、それが可算鎖条件を満たすことをいう。すなわち、Xの互いに交わらない[[開集合]]からなる[[集合族]]が高々可算であることと言い換えることができる。 == 性質 == 任意の[[可分空間]]は可算鎖条件を満たす。実際、もし[[可算]][[稠密集合|稠密]]部分集合Dをもつ位相空間が、非可算個の互いに交わらない開集合の族を持つとすると、それら開集合の中から互いに相異なるDの元を取ってくることができるので、Dが可算であることに矛盾する。 特に、実数'''R'''に通常の位相を入れたものは可算鎖条件を満たす。可算鎖条件を含むいくつかの条件が実数'''R '''を特徴付けるかと言う問題は、[[ススリンの問題]]として知られる。 また、可算鎖条件を満たす[[距離空間]]は可分である。しかしながら、一般の位相空間においては可算鎖条件を満たす非可分な空間も存在する。例えば、 :<math>\{ 0, 1 \}^{ 2^{ 2^{ \aleph_0 }\ } }</math> に[[直積位相]]を入れたものがその例である。 == 利用 == [[強制法]]において可算鎖条件を満たす半順序が用いられる。 なぜなら、そのような半順序上の強制では[[基数]]と[[共終数]]が保存されるためである。 より一般に、任意の基数κに対する'''κ-鎖条件'''(κ-chain condition)を考えることができる。 すなわち、半順序Pのいかなる反鎖もκ未満の濃度を持つとき、Pはκ-鎖条件を満たすという。 この条件も強制法において用いられることがある。 == 参考文献 == * [[ケネス・キューネン]]『集合論 独立性証明への案内』藤田博司訳、[[日本評論社]]、2008年、ISBN 978-4-535-78382-9 *Jech, Thomas, 2003. ''Set Theory: The Third Millennium Edition, Revised and Expanded''. Springer. ISBN 3-540-44085-2. == 関連項目 == *[[可分空間]] *[[マーティンの公理]] *[[ススリンの問題]] *[[強制法]] {{DEFAULTSORT:かさんさしようけん}} [[Category:順序構造]] [[Category:位相空間]] [[Category:数学に関する記事]]
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