可視度のソースを表示

'''可視度'''（かしど、{{Lang-en-short|visibility}}）または'''干渉縞コントラスト'''（かんしょうじまコントラスト、{{Lang-de-short|Interferenzkontrast=}}Interferenzkontrast）は、[[光学]]、[[量子力学]]、水波、電気信号などの波の特性を持つ系の[[干渉 (物理学)|干渉]]の程度を表現する尺度である。一般に、2つ以上の波が重ねあわされ、それらの間の位相差が変化すると、合成波の強度 （ [[量子力学]]においては確率 ）が振動し、干渉縞が形成される。[[ヤングの実験|二重スリット実験]]のようにスクリーン上の位置と位相差が対応している場合には、干渉縞全体を一度に見ることができる。[[マッハ・ツェンダー干渉計|マッハツェンダー干渉計]]のような場合には、位相差を時間的にスキャンすることで、時間的な干渉縞が[[オシロスコープ]]などを用いて観測できる。この合成波の強度の振幅と、元々の波の強度の総計との比が、可視度と定義される。

可視度は、2つの波（または1つの波とそれ自体）の一貫性を測定する実用的な方法を提供する。

== 光学においての可視度 ==
線形光学[[干渉法|干渉計]]で {{要説明|date=May 2015}} （ [[マッハ・ツェンダー干渉計]]、[[マイケルソン干渉計]]、[[サニャック効果|サニャック干渉計]]など ）、干渉は ''[[干渉 (物理学)|フリンジ]]（干渉縞）''とも呼ばれる時間または空間にわたる強度振動として現れる。このような状況では、干渉可視度は「Michelson可視度」 <ref>http://scienceworld.wolfram.com/physics/FringeVisibility.html</ref>または「フリンジ可視度」とも呼ばれる。このタイプの干渉の場合、2つの干渉波の強度（パワー）の合計は、特定の時間領域または空間領域での平均強度に等しくなる。可視度は次のように記述される： <ref>[https://spie.org/samples/FG30.pdf Fringe Contrast]</ref>

: <math>\nu=A/\bar{I},</math>

振動強度と平均強度の振幅包絡線に関して：

: <math>A=(I_\max-I_\min)/2,</math>
: <math>\bar{I}=(I_\max+I_\min)/2.</math>

したがって、次のように書き換えることができる。<ref>[http://www.colorado.edu/physics/phys4510/phys4510_fa05/Chapter8.pdf]</ref>

: <math>\nu=\frac{I_\max-I_\min}{I_\max+I_\min},</math>

ここで、''I'' <sub>max</sub>は振動の最大強度であり、''I'' <sub>min</sub>は振動の最小強度である。2つの光学場が理想的に同じ[[偏光]]の単色（単一波長のみで構成される）点光源である場合、予測される可視度は次のようになる。

: <math>\nu=\frac{2\sqrt{I_1 I_2}}{I_1+I_2},</math>

<math>I_1</math>と<math>I_2</math>はそれぞれの波の強度を示す。2つの光波の空間モードの不一致によって、可視度は理想的な場合の値から低下する。この意味で、可視度は2つの光波の空間モード間の同一性の尺度である。この干渉の定義は、水波と電気信号の干渉に直接適用される。

== 量子力学においての可視度 ==
[[シュレーディンガー方程式]]は[[波動方程式]]であり、すべての物体は[[量子力学]]において波と見なすことができるため、干渉は遍在している。例として、[[ボース＝アインシュタイン凝縮|Bose–Einstein凝縮体]]は干渉縞を示すことがある。また、原子集団は、ラムジー干渉計で干渉を示す。光子、原子、電子、中性子、および分子は、[[二重スリット実験|ダブルスリット干渉計]]で干渉を示している

== 関連項目 ==

*[[コヒーレンス]]
*[[干渉 (物理学)|干渉（物理学）]]
* [[干渉法]]
* [[干渉計の型の一覧]]

== 参照資料 ==
<references />

== 外部リンク ==

* [https://web.archive.org/web/20060722235602/http://www.physics.berkeley.edu/research/packard/Competition/Gyros/LaserRingGyro/Steadman/StedmanReview1997.pdf サニャック効果のステッドマンレビュー]

{{デフォルトソート:かしと}}
[[Category:光学]]
[[Category:干渉]]