合計特殊出生率のソースを表示

{{混同|合計結婚出生率}}
[[File:Total Fertility Rate Map by Country.svg|thumb|right|upright=1.5|国別の合計特殊出生率]]
'''合計特殊出生率'''（ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ、{{lang-en-short|Total fertility rate}}、略称: '''TFR'''）とは、一人の[[女性]]が一生の間に[[出産]]する[[子供]]の人数<ref>【厚生労働省】[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/sankou01.html 合計特殊出生率について] 2021年10月9日閲覧</ref>。15～49歳までの全女性の[[出生率|年齢別出生率]]を合計した[[人口統計学|人口統計]]の指標<ref name=":1" />。TFRが[[#人口置換水準|人口置換水準]]（2.07）を下回ると、その国及び地域の次世代の人口が[[人口減少社会|自然減]]する<ref>{{Cite web|和書|title=合計特殊出生率とは |url=https://kotobank.jp/word/%E5%90%88%E8%A8%88%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87-177120 |website=コトバンク |access-date=2022-06-04 |language=ja |first=ブリタニカ国際大百科事典 |last=小項目事典,百科事典マイペディア,デジタル大辞泉,日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及}}</ref>。

既婚女性に限定した[[出生力]]の指標には[[完結出生児数]]があり、これは結婚経過期間15〜19年の夫婦の平均子ども数から計算される<ref>{{Cite web|和書|title=２つの出生力推移データが示す日本の「次世代育成力」課題の誤解-少子化社会データ再考：スルーされ続けた次世代育成の３ステップ構造- |url=https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54668?pno=2 |website=ニッセイ基礎研究所 |access-date=2022-06-04 |language=ja}}</ref>。似た指標に既婚女性が一生の間に産む子どもの平均数を示す、'''[[合計結婚出生率]]'''（{{lang-en-short|Total Marital Fertility Rate}}、TMFR）がある<ref>{{Cite web|和書|title=少子化は｢未婚者の増加｣だけが原因じゃない {{!}} ソロモンの時代―結婚しない人々の実像― |url=https://toyokeizai.net/articles/-/197294 |website=東洋経済オンライン |date=2017-11-16 |access-date=2022-06-04 |language=ja}}</ref>。

== 定義 ==
===期間合計特殊出生率===
女性が[[出産]]可能な年齢を'''15歳から49歳まで'''と規定し、それぞれの[[出生率]]を出し、足し合わせることで、人口構成の偏りを排除し、一人の女性が一生に産む子供の数の平均を求める<ref name="kouseiroudousyou">[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/sankou01.html 厚生労働省公式サイト - 合計特殊出生率について]</ref>。

ある年において、<math>f(x)</math>を「調査対象において、年齢<math>x</math>の女性が一年間に産んだ子供の数」、<math>g(x)</math>を「調査対象における年齢<math>x</math>の女性の数」とすると、その年の合計特殊出生率は<math>\sum_{x=15}^{49} \frac{f(x)}{g(x)}</math>で表される。一般に合計特殊出生率とは期間合計特殊出生率を指す。

期間合計特殊出生率は、言い換えると「ある年における全年齢の女性の出生状況を一人の女性が行うと仮定して算出する数値」であるが、調査対象のライフスタイルが世代ごとに異なることなどから、「一人の女性が一生に産む子供の数」を正確に示すものではない。具体的には、早婚化などにより出産年齢が早まると、早い年齢で出産する女性と、旧来のスタイルで出産する女性とが同じ年に存在することになるので、見かけ上の期間合計特殊出生率は高い値を示す。逆に、[[晩婚化]]が進行中ならば、見かけ上の期間合計特殊出生率は低い値を示す。

===コーホート合計特殊出生率===
[[コーホート]]（同年代に生まれた人々）の出生率を積み上げて求める。

特定のコーホートの出生力を示すもので、最終的な数字はコーホートが50歳になるまで確定しない。

== 人口置換水準 ==
'''人口置換水準'''、'''人口置換出生率'''（Replacement-level fertility）とは、すべての女性が人口レベルを維持するのに十分な数を出産し、死亡率は一定であり、[[純移動率|純移動]]はゼロであると仮定した場合のTFRである<ref name=pmid7834459 />。人口置換水準の出生率が十分に長期間維持されたならば、各世代は正確に自分自身を置換できるとする<ref name="pmid7834459">{{Cite journal|last=Craig|first=J|date=1994|title=Replacement level fertility and future population growth|url=https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7834459/|journal=Population Trends|issue=78|pages=20–22|pmid=7834459}}</ref>。
{| class="wikitable"
|+国別の人口置換水準未満出生率の初記録年（TFR<2.1）
!国名
!初記録年
|-
|{{flag|フランス}}
|1915年
|-
|{{flag|ドイツ}}
|1916年
|-
|{{flag|イギリス}}
|1927年
|-
|{{flag|スウェーデン}}
|1928年
|-
|{{flag|スイス}}
|1929年
|-
|{{flag|チェコ}} {{flag|ノルウェー}}
|1931年
|-
|{{flag|ベルギー}} {{flag|オーストリア}}
|1933年
|-
|{{flag|ルクセンブルク}}
|1956年
|-
|{{flag|日本}} {{flag|セルビア}}
|1957年
|-
|{{flag|ハンガリー}}
|1960年
|-
|{{flag|ルーマニア}}
|1962年
|-
|{{flag|クロアチア}} {{flag|ウクライナ}}
|1963年
|-
|{{flag|ブルガリア}}
|1965年
|-
|{{flag|ロシア}}
|1967年
|-
|{{flag|フィンランド}} {{flag|デンマーク}}
|1969年
|-
|{{flag|オランダ}}
|1973年
|-
|{{flag|アメリカ}} {{flag|カナダ}}
|1972年
|-
|{{flag|オーストリア}}
|1976年
|-
|{{flag|イタリア}}
|1977年
|-
|{{flag|ベラルーシ}} {{flag|ニュージーランド}} {{flag|リトアニア}}
|1978年
|-
|{{flag|スペイン}}
|1981年
|-
|{{flag|ギリシャ}} {{flag|ポルトガル}}
|1982年
|-
|{{flag|韓国}}
|1983年
|-
|{{flag|台湾}}
|1984年
|-
|{{flag|ポーランド}} {{flag|スロバキア}} {{flag|アイルランド}}
|1989年
|}
人口の男女比が1対1と仮定し、すべての女性が出産可能年齢範囲の上限である49歳を超えるまで生きるとすると、合計特殊出生率が2であれば人口は'''横ばい'''を示し、これを上回れば自然増、下回れば自然減となるはずである。しかし、実際には生まれてくる子供の男女比は[[男性]]のほうが若干高いことや、出産可能年齢の下限である15歳以下で[[死亡]]する女性がいることなどから、医療技術や栄養状態が良好な現代先進国においても、人口維持に必要な合計特殊出生率は2.08程度とされ、これを下回れば人口は減少する計算になる<ref> [https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2004/html_h/html/g1110010.html 内閣府ホームページ]</ref>。もちろん、途上国や紛争国などの[[乳児死亡率]]が高い国や（[[アフリカ]]や[[アジア]]などに多い）、[[中国]]や[[インド]]のような出生性比が男性に偏っている(男児選好がみられる)国においては、人口を維持するのにより高い合計特殊出生率が必要となる<ref name=":4">{{cite journal|title=The surprising global variation in replacement fertility|vauthors=Espenshade TJ, Guzman JC, Westoff CF |year=2003|journal=Population Research and Policy Review|doi=10.1023/B:POPU.0000020882.29684.8e|volume=22|page=575|issue=5/6|s2cid=10798893 |url=https://www.semanticscholar.org/paper/7ac4d6fca5deab2f163e278eae174c76b3066835 }}</ref>。

逆に[[米国]]や[[スウェーデン]]などの[[移民]]等で人口をカバーできる国や地域においては、合計特殊出生率が2.08を下回っていても人口を維持できる場合がある。現代（2010 - 2015年）の全世界の人口置換水準は、世界平均で TFR 2.3 である<ref name=":4" /><ref name=":1">{{Cite journal|last1=Gietel-Basten|first1=Stuart|last2=Scherbov|first2=Sergei|date=December 2, 2019|title=Is half the world's population really below 'replacement-rate'?|journal=PLOS ONE|volume=14|issue=12|pages=e0224985|doi=10.1371/journal.pone.0224985|pmid=31790416|pmc=6886770|bibcode=2019PLoSO..1424985G|doi-access=free}}</ref>。

== 先進国の合計特殊出生率 ==
2021年時点で[[先進国]]で合計特殊出生率(TFR)が人口置換水準2.1を超えているのは[[イスラエル]]のみとなっている (ただしイスラエルには[[超正統派 (ユダヤ教)| 超正統派]]という他の先進国にはない社会階層があり、出生率内訳:[[世俗主義|世俗派]]女性2.4・[[超正統派]]女性6.9となっている) <ref>[http://www.hokkaido.med.or.jp/cmsdesigner/dlfile.php?entryname=medical_report&entryid=00026&fileid=00000118&/1241-23.pdf&disp=inline 先進国で出生率 3以上の国がある？] - 北海道医師会</ref><ref>{{Cite web|和書 |title=「超正統派」優遇 高まる不満 イスラエル、異例の再選挙へ：東京新聞 TOKYO Web |url=https://web.archive.org/web/20210127025046/https://www.tokyo-np.co.jp/article/27870 |website=東京新聞 TOKYO Web |access-date=2022-05-19 |language=ja}}</ref>。

{{Wide image|Fertility rate in OECD.svg|800px|OECD各国の合計特殊出生率}}

=== 日本 ===
[[File:Map of East Asia by TFR in 2021.png|thumb|350px|日本・韓国・台湾の[[広域的地方公共団体]]別合計特殊出生率（2021年）]]

{{For2|合計特殊出生率の数値|日本の少子化}}
{{Seealso|日本の人口統計}}
[[File:Births and Total fertility rate of Japan.svg|thumb|none|800px|日本の合計特殊出生率(TFR)と出生数(1000人単位)の推移]]

[[厚生労働省]]が発表する「人口動態統計特殊報告」によると、[[第二次世界大戦|終戦]]直後の出産解禁現象により生じた[[ベビーブーム#第二次世界大戦終結後のベビーブーム|第1次ベビーブーム]]の頃には期間合計特殊出生率は4.5以上の高い値を示したが、その後は出生率が減少し続け[[1957年]]（昭和32年）には'''人口置換水準'''を下回った。[[1966年]]（昭和41年）は[[丙午]]で、前後の年よりも極端に少ない1.58であった。その後、死亡率の減少による人口置換水準の低下により[[1967年]]（昭和42年）から[[1973年]]（昭和48年）まで人口置換水準を上回っていたが、それ以降はまた下回るようになった<ref name="hakusyo">{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/06/dl/1-1a.pdf |title=平成18(2006)年版 厚生労働白書 |publisher=厚生労働省 |accessdate=2011-03-29 }} （合計特殊出生率は第二次ベビーブーム以降、人口置換水準を下回っている）より</ref>。

[[団塊の世代]]が出産適齢期から完全に抜けた[[1989年]]（昭和64年・平成元年）には[[1966年]]（昭和41年）の[[丙午]]の数値1.58をも下回る1.57であることが明らかになり、社会的関心が高まったため'''1.57ショック'''と呼ばれ、少子化問題が深刻化した<ref name="hakusyo"/>。その後も徐々に数値は減少していき、[[2005年]]（平成17年）には'''1.26'''にまで減少した。

しかし、[[2006年]]（平成18年）以降はやや上昇方向へ転じ<ref>{{Cite web|和書|date=2010-09-02 |url=https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei09/index.html |title=平成21(2009)年 人口動態統計（確定数）の概況 |publisher=厚生労働省 |accessdate=2010-10-03 }}2009年は1.37であった。</ref>[[2015年]]（平成27年）の合計特殊出生率は[[1994年]]（平成6年）以来の最高値となる'''1.45'''であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/index.html |title=平成27(2015)年人口動態統計（確定数）の概況 |publisher=厚生労働省 |accessdate=2016-12-25 }}</ref>。

2007年（平成19年）以降は、合計特殊出生率の上昇にもかかわらず、出生数は減少傾向にあり、[[2016年]]（平成28年）からは100万人を下回り2018年の出生数は91.8万人であった<ref name=":0">{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30houdou.pdf|title=平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の結果を公表します|accessdate=2019年6月7日|publisher=厚生労働省}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31269800R00C18A6EA4000/|title=出生数 最少の94万6000人 出生率1.43、2年連続低下|accessdate=2018年12月22日|publisher=}}</ref>。これは、出産が可能な女性の総人口が減少していることによるものである<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASJDR2GM5JDRUBQU001.html |title=出生数、初の１００万人割れ |publisher=朝日新聞 |accessdate=2016-12-25 }}</ref>。

2019年（令和元年）には、出生数が86万5234人で初の90万人割れとなった。また、合計特殊出生率も4年連続で低下して1.36となった。2020年版の少子化社会対策白書では、現状を「86万ショック」と呼ぶべき状況であると危機感が表現された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62125020R30C20A7000000/ |title=出生数「86万ショック」 少子化白書 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2020-08-23 }}</ref>。

{{-}}

=== EU圏内 ===
[[File:Trends in Total Fertility 1950-2010.png|thumb|right|500px|世界の大陸別のTFR推移。欧州は下位グループである。]]
[[欧州連合]]（EU）の合計特殊出生率は、2020年の時点で1.50である。域内においては、[[フランス]]、[[北欧]]諸国、英国（2020年離脱）などが比較的高く、[[ドイツ]]、[[オーストリア]]、[[ポーランド]]、[[南欧]]諸国などが比較的低い傾向がある。

====移民問題との関係====
[[1995年]]-[[2000年]]にかけてフランス国籍夫婦の子、移民夫婦の子の両方が増加していた。しかし、2000年以降はフランス国籍夫婦の子の数は横ばいで、フランス国籍と移民による子が増加し、比率も2000年には8.6%だったのが、[[2010年]]には13.3%まで伸びて国内の出生の一割を超えた。{{要出典|フランスにおける出生数の増加は「フランス国籍と移民の間の子」「移民夫婦の子」の増加によるものである。フランス国籍と移民の間の子の内訳で、移民出身国は[[ヨーロッパ]]が15%、[[フランス語圏#アフリカ|フランス語圏のアフリカ]]が65%、[[トルコ]]を中心に[[アジア]]からが15%程度である。フランス国籍と移民の間の子のうち、片親が仏以外の白人が多い[[欧州連合]](EU)圏内の国籍なのは15%に過ぎず、フランス国籍の妻とEU外の夫の子供が44%、フランス国籍の夫とEU外の妻が41%となっている。更にこの数字は、出産時にフランス国籍の場合と移民である場合を分類する。フランス語圏のアフリカやトルコなど[[イスラム世界|イスラム圏]]からフランス国籍取得後に同郷の男性や女性を呼びよせが含まれていない。|date=2024年12月}}

内海夏子によるとイギリスやドイツ、スウェーデンなど[[北欧]]・[[欧州]]各国でもイスラム教を中心に原理主義による[[名誉殺人]]や移民が持ち込む[[犯罪]]が発生しており、その多くの犠牲者は女性である。スウェーデンは出生率維持のために移民政策を、採用している。移民の文化的慣習を抑制や禁ずるような政策を実行しようとすれば、「[[人種差別]]だ」という批判の声があがるため、対策ができないでいる。逆に[[イラク]]からの移民である人権活動家サラ・モハメッドやクルド系ジャーナリストのディルシャ・テミルバグスタンなどは「[[名誉]]を口実にした[[暴力]]は移民文化に根ざすもの。解決の糸口をつかむには、その文化的背景に目を向けなければならない」として受け入れ国の文化やルールを守らない非世俗移民を受け入れる移民政策の問題を指摘している<ref>https://www.fsight.jp/4895</ref>。

== 極低出生率 ==
{| class="wikitable floatright" style="margin:1em; font-size:90%"
|+国別の極低出生率初記録年（TFR≦1.3）<ref group="注">戦争・紛争や国家の統合・分裂、社会混乱の発生による例外的な急落は除外する。</ref>
!国名
!初記録年
|-
|{{HKG}}
|1989年
|-
|{{DEU}}
|1992年
|-
|{{ITA}} {{ESP}}
|1993年
|-
|{{BGR}} {{LVA}} {{CZE}}<br> {{GRC}} {{SVN}} {{MAC}}
|1995年
|-
|{{RUS}}
|1996年
|-
|{{UKR}} {{BLR}}
|1997年
|-
|{{EST}}
|1998年
|-
|{{HUN}}
|1999年
|-
|{{SVK}}
|2000年
|-
|{{ROU}} {{LTU}} {{ARM}}
|2001年
|-
|{{KOR}} {{POL}}<br>{{flag|ボスニア・ヘルツェゴビナ}}
|2002年
|-
|{{TWN}} {{JPN}} {{SGP}}
|2003年
|-
|{{flag|モルドバ}}
|2005年
|-
|{{PRT}}
|2012年
|-
|{{flag|アンドラ}}
|2013年
|-
|{{flag|プエルトリコ}}
|2016年
|-
|{{flag|マルタ}}
|2017年
|-
|{{THA}}
|2019年
|-
|{{CHN}} {{CHL}}
|2020年
|-
|{{URY}} {{CRI}} {{MUS}}
|2022年
|-
|{{FIN}} {{flag|カナダ}}
|2023年
|}
極低出生率（lowest-low fertility）という語は、合計特殊出生率（TFR）が'''1.3以下'''の場合に用いられる<ref>{{cite web|url=http://www.ssc.upenn.edu/~hpkohler/papers/Low-fertility-in-Europe-final.pdf|title=European data|website=www.ssc.upenn.edu|access-date=2020-01-27}}</ref>。この現象は、[[東ヨーロッパ|東欧]]、[[南ヨーロッパ|南欧]]、[[東アジア]]、[[中南米]]の国々に多く見られる<ref>{{cite web|url=https://www.demogr.mpg.de/papers/working/wp-2009-029.pdf|title=The End of 'Lowest-Low' Fertility?|first1=Joshua R.|last1=Goldstein|first2=Tomáš|last2=Sobotka|first3=Aiva|last3=Jasilioniene|date=November 2019|publisher=Max Planck Institute for Demographic Research|access-date=2020-01-27}}</ref>。[[2001年]]時点で、ヨーロッパの人口の半分以上が極低出生率国に居住していたが、欧州ではそれ以来合計特殊出生率は微増している<ref>{{cite web|url=http://www.rug.nl/research/portal/files/9808322/c6.pdf |title=Data |website=www.rug.nl |access-date=2020-01-27}}</ref>。

===世界の超低出生記録===
一定以上の人口を有する地域に限れば、歴史上世界最低の合計特殊出生率は2000年に[[中華人民共和国]][[黒竜江省]][[ジャムス市]]が記録した'''0.41'''である<ref>https://m.guancha.cn/Books/2010_11_22_51305.shtml</ref>。[[中国東北地方]]は世界的にも出生率が非常に低い地域であり、人口学者の易富賢は「2020年の合計特殊出生率を1.3としている中国政府の人口統計には総人口・出生数の水増しが行われており、実際には中国全土の平均が1.0未満、東北地方においてはわずか0.7前後に過ぎない」と指摘している<ref>[https://news.yahoo.co.jp/articles/2c05e162b4a75862a695595ee9f4bcc3a0d662f9 専門家が中国政府の人口統計に疑問符 実際の人口は12.8億人程度か＝台湾報道] Copyrights(C)wowkorea.jp 106 2021年12月6日。</ref>。

また、国家単位での史上最低値は、[[大韓民国]]が2023年に記録した0.72である。最も低い地域である首都[[ソウル特別市|ソウル]]では、わずか0.55であった。

その他の地域では、[[東ドイツ|旧東ドイツ]]（1994年）の0.77、[[スペイン]]・[[アストゥリアス州]]（1998年）の0.80、[[カナリア諸島]]（2023年）の0.83がある。

== 関連用語 ==
* [[総再生産率]] - 一人の女性が一生に産む女児の平均数。
* [[純再生産率]] - 一人の女性が次世代の母親を生む平均数。総再生産率に女性の年齢別生残数を考慮した数。この値が1を超えると人口が拡大され、1を下回ると人口が縮小される。
** 出典 [https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html 総務省 統計局 第2章 人口・世帯 解説] 「女性の人口再生産率」より

合計特殊出生率が 1.37 であった2008年の統計では、総再生産率が 0.67 であり、純再生産率が 0.66 であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html |title=第2章 人口・世帯 |publisher=総務省 統計局 |accessdate=2021-09-19 }} 2-25 標準化人口動態率及び女性の人口再生産率より。</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
* [[国の合計特殊出生率順リスト]]
* [[合計結婚出生率]]
* [[総再生産率]]
* [[純再生産率]]
* [[完結出生児数]]
* [[出生率]]
* [[出生力]]
* [[出生力因子]]
* [[少子化]]
* [[日本の少子化]]
* [[日本の人口統計]]
* [[人口統計学]]
* [[人口倫理学]]
* [[公衆衛生学]]
* [[純移動率]]
* [[高齢出産]]/[[妊孕力]]

== 外部リンク ==
{{Commons category|Fertility rates}}
* [https://www.mhlw.go.jp/ 厚生労働省]
* [https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html 統計局 第2章 人口・世帯 解説]

{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:こうけいとくしゆしゆつしようりつ}}
[[category:人口統計]]
[[category:人口統計学]]
[[category:率・割合]]