同期発電機のソースを表示
←
同期発電機
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''同期発電機'''(どうきはつでんき)は、[[界磁]]の作る[[磁界]]が[[電機子]][[巻線]]を横切る回転速度に同期した[[電力]]を[[発電]]する[[交流]][[発電機]]である。 [[回転子]]が界磁の、回転界磁形が一般的に用いられる。 [[File:Dampfmaschine Melle 02.jpg|thumb|250px|蒸気機関と同期発電機]] == 特徴 == [[誘導発電機]]と比べると次のような特徴がある。 * 系統投入時の[[突入電流]]が小さい。 * [[力率]]の調整が可能である。 * [[周波数]]が一定であれば定速度で運転が可能であり回転系の[[振動]]設計に有利。 == 電機子反作用 == 電機子[[電流]](負荷電流)が、界磁が作った[[磁束]]を乱す作用である。電機子[[電圧]]と電機子電流の位相差(力率角)によって様子が異なる。 === 交差磁化作用(横軸反作用) === [[力率]]が1の時、回転方向前側の磁束を弱め、後側の磁束を強める作用である。理論的には、磁束を弱める作用と強める作用は同じ大きさだが、実機では、磁気飽和により磁束を強める働きの方が小さくなるため、全体として磁束はやや弱くなる。発電機では、磁束が遅れて、回転子(界磁極)が磁束を引っ張る形になる。 === 増磁作用(直軸反作用) === [[力率]]が進み(容量性負荷)のとき、磁束を強める方向で作用する。磁化作用とも言う。特に、負荷の[[力率]]が小さい場合(無負荷送電線の試充電など)は、負荷[[電流]]により磁束が強まることで[[電圧]]も高まり、そのため更に負荷[[電流]]が増えるという現象が発生し、[[電圧]]が著しく高くなること(自己励磁作用)がある。 === 減磁作用(直軸反作用) === [[力率]]が遅れ(誘導性負荷)のとき、磁束を弱める方向で作用する。 == 同期リアクタンス == 電機子電圧は電機子電流が流れると、電機子反作用によって変化する。その変化は電機子電流に比例するので、その比例係数を同期インピーダンス''Z'' s と呼ぶ。電機子電流''I'' を流した発電機では、無負荷誘導起電力''E''<sub>0</sub> と電機子端子電圧''V'' の間には、 <math> V = E_0 -Z_s I</math> の関係がなりたつ。無負荷誘導起電力''E''<sub>0</sub> は界磁の磁束が作り出す電圧で、無負荷時 (''I'' =0) の時に測定される。''Z'' s ''I'' の項は、電機子電流''I'' による電機子電圧''V'' の変化を表す。 同期インピーダンスは、電機子巻線の抵抗''r''<sub>a</sub>(実数分)と同期リアクタンス''X'' s(虚数分)に分解される。 <math> Z_s = r_a + j X_s </math> 大型の同期機では、巻線抵抗''r''<sub>a</sub> は同期リアクタンス''X'' s よりも十分小さいので、巻線抵抗を無視して、同期リアクタンスと同期インピーダンスを同一視することも多い。 突極機では、直軸方向(界磁極の磁束の方向)に対する磁気抵抗と、横軸方向(界磁極と界磁極の間の方向)に対する磁気抵抗が異なるため、同期リアクタンスも異なってくる。この場合、直軸リアクタンス''X'' d と横軸リアクタンス''X'' q を用いた 二反作用理論 を用いる。 == 短絡比 == 定格電圧からの短絡電流''I'' s が、定格電機子電流''I'' n の何倍を表す比を 短絡比 ''K'' s と言う。すなわち、 : 短絡比''K''s = (定格電圧からの短絡電流''I''s)÷(定格電機子電流''I''n)。 ここで、「定格電圧からの短絡電流''I'' s 」とは、無負荷で定格電圧が出るよう界磁電流を調整し、電機子端子を三相短絡したとき流れる電機子電流である。 一般には、無負荷時に定格電圧が出る界磁電流<math>I_{f1}</math> と、短絡試験時に電機子電流が定格値となる界磁電流<math>I_{f2}</math> を用いて、短絡比を<math>K_s =\frac{I_{f1}}{I_{f2}}</math> で求める。これは、短絡特性では界磁電流と電機子電流がほぼ比例することによる。定義に基づく試験では、短絡電流が定格を越えることがあるので避けている。短絡比の値の逆数は、[[単位法]]で表した同期リアクタンスと一致する。 単位法で表した同期リアクタンス<math>X_{pu}</math> は、同期リアクタンス<math>X_s</math> に定格電流<math>I_n</math> を流したときの電圧降下<math> X_s I_n </math> が、定格相電圧<math>V_n/\sqrt{3}</math> の何倍になるかを表している。 <math>X_{pu} = \frac{\sqrt{3} X_s I_n} {V_n} </math> 一方、定格電圧からの短絡電流<math>I_s</math> は、定格電圧<math>V_n</math>を同期リアクタンス<math>X_s</math> で制限した電流値<math>I_s =\frac{V_n}{\sqrt{3} X_s} </math> である。短絡比の定義より、<math>K_s = \frac{I_s}{I_n} =\frac{V_n}{\sqrt{3} X_s}\frac{1}{I_n} =\frac{V_n}{\sqrt{3} X_s I_n}=\frac{1}{X_{pu}} </math> 短絡比の値は、水車発電機で0.8 - 1.2程度、タービン発電機で0.4 - 0.7程度である<ref>電気学会 技術報告763号「1980年以降に製作された 大容量同期機 諸定数の調査結果」1999年</ref>。 短絡比が大きな機械は、電機子電流を流しても電圧変動が小さく、安定した使いやすい機械である。鉄心が太く、磁気装荷が大きい鉄機械となり、寸法・重量が大きく、高価になる。短絡比が小さな機械は、電機子電流を流したときの電圧変動が大きい。細い鉄心に電機子巻線をたくさん巻き、電気装荷が大きい銅機械となる。 == 同期発電機の分類 == [[File:Turbinenhalle KSP.jpg|thumb|200px|円筒機の例(シーメンス社)]] [[File:Rotor of an electric water pump.jpg|thumb|200px|Rotor of a large water pump. The slip rings can be seen below the rotor drum.]] [[File:Stator of an electric water pump.jpg|thumb|200px|Stator winding of a large water pump]] ; [[永久磁石同期発電機]] : 回転子(界磁)に永久磁石を使用したものである。[[ダイナモ]]や[[オルタネーター]]に用いる。 ; [[電磁石同期発電機]] : 回転子(界磁)に電磁石を使用したものである。 大容量の[[発電所]]で[[三相交流]]を発生するのに用いられるのは三相同期発電機である。 ; [[円筒機]] : 円筒形の鋼鉄にスロット(溝)を切り、界磁巻線を埋め込んだ回転子を用いる機械。高速回転に適するので、タービン発電機に用いられる。ギャップが一様で、直軸と横軸の同期リアクタンスが等しい。 ; [[突極機]] : 界磁コイルを巻いた磁極をヨークに取り付けて作る回転子を用いた機械。極数の大きな機械が作れるので、水車発電機に用いられる。界磁極頭部でギャップがせまく、極間でギャップが広くなるため、直軸と横軸の同期リアクタンスが異なる。 ; [[回転界磁形]] : 界磁極を回転させ、電機子を固定した機械。交流電力が発生する電機子巻線よりも、直流励磁する界磁巻線の方が電力が小さいため、一般にこちらが使われる。 ; [[回転電機子形]] : 電機子を回転させ、界磁極を固定する機械。特殊な場合(ブラシレス励磁の励磁用発電機など)に使われる。 ; [[発電電動機]] : 発電機と電動機の両方の定格を有する同期機。通常、揚水発電に用いられる。水車とポンプの都合上、発電時と電動機運転時で、回転方向を逆にすることが多い。 ; [[二重給電同期機]] : 固定子および回転子の両方に多相の巻線を施し、多相交流を流す交流機。同期速度の上下で回転速度を変化させることができる。可変速揚水発電や風力発電に用いられる。 ; [[同期調相機]] : 無効電力を電力系統に供給・吸収することを目的として、原動機や機械的負荷を回転軸につけずに運転する同期機。 == 仮想同期発電機 == 同期発電機は * 慣性力・・・回転子の持つ慣性力により負荷の急変に対応する<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=用語解説 第116 回テーマ: 仮想同期発電機制御インバータ|url=https://www.iee.jp/pes/termb_116/|website=電気学会 [B] 電力・エネルギー部門|date=2020-11-06|accessdate=2021-08-20|language=ja}}</ref> * 同期化力・・・位相ズレ→負荷トルクの変動→回転速度の変動による[[ネガティブフィードバック機構|負のフィードバック作用]]によって位相ズレをなくす<ref>{{Cite web|title=00149 - top|url=http://www.ami-ichimaru.com/Home/denkiyougo/00149|website=www.ami-ichimaru.com|accessdate=2021-08-20}}</ref> といった[[系統連系]]、供給電力の安定化に好ましい性質を持っている。これらの性質を[[インバータ|インバーター]]により出力する[[太陽光発電]]などに持たせるためコンピューター上で同期発電機をシミュレーションしインバーターの制御に反映する'''仮想同期発電機'''が考案され実用化されている。<ref name=":0" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kansai.meti.go.jp/5-1shiene/smart_energy_initiative/data/2016/E-3.pdf|title=仮想発電機の概念を用いた分散形電源用系統連系インバータの制御|accessdate=2021.8.20}}</ref> これにより非常に多くの、大規模な[[分散型電源]]による安定した電力供給が可能になる。<ref>{{Cite journal|title=仮想同期発電機を用いたPV大量導入時の電力系統の安定化効果の検証 PVが大量に導入された将来の電力系統への備えとして|url=https://www.chuden.co.jp/resource/seicho_kaihatsu/kaihatsu/kai_library/news/news_158_20.pdf|journal=技術開発ニュース No.158 /2018- 2|page=39-40}}</ref>{{For2|詳細|仮想同期発電機}} : == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[同期電動機]] * [[同期検定器]] [[category:発電機|どうきはつでんき]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite journal
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite web
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:For2
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
同期発電機
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報