命数法のソースを表示

{{出典の明記|date=2015年10月16日 (金) 14:03 (UTC)}}
{{JIS2004}}

'''命数法'''（めいすうほう、{{lang-en|Numeral system}}, または system of numeration）とは、[[数]]を名付ける法、即ち与えられた数を表わすための、一連の方式・規則・対応である。

== 概要 ==
命数法とは、[[数値]]を表すときの[[数詞]]の[[体系]]<ref>「命数-法」『[[新明解国語辞典]] 第六版』[[三省堂]]、[[2005年]]</ref>であり、[[言語]]により異なる。例えば、1桁の数値では「[[四]]の次」を表す数詞(5)を、[[日本語]]では「[[五]]」、[[英語]]では"five"（ファイブ）、[[ドイツ語]]では"fünf"、[[ラテン]]語では"quinque"という。同じく、[[十進数]]における「十の四[[べき乗|乗]]」を表す数(10,000)を、[[日本語]]では「一[[万]]」、[[英語]]では"ten thousand"（テン・[[サウザンド]]、十千）と呼ぶ。これらの組み合わせにより任意の数値を表すことができる。言語により同じ数値命数法のうち、[[数字]]を用いて数を表す方法を[[記数法]]という。

命数には、一般に「一」や「三」など[[自然数]]を表す数詞、「[[0|零]]」など[[無]]を表す数詞、「百」や「千」など何かの[[冪乗]]を表す数詞とがある。

位取りは[[十進法]]が圧倒的に多いが、十進法に囚われる必要は無く、[[十二進法]]や[[二十進法]]も散見される。十を超える数で、十進法から独立している数詞として、[[12|十二]]を意味する"dozen"（日本語では[[ダース]]）や"打"（→[[:zh:打]]）、[[144|百四十四]]を意味する"gross"（グロス）、[[1728|千七百二十八]]を意味する"great gross"、[[20|二十]]を意味する"score"（[[スコア]]）や"vingt"（フランス語）や"廿"や"kal"（[[マヤ数字|マヤ数詞]]、以下同じ）<!--kalはマヤ数詞で二十-->、[[400|四百]]を意味する"bak"、[[8000|八千]]を意味する"pic"などがある。


以下の記述においては、まず大数の命数法と[[小数]]の命数法に大別して解説する。

==大数の命数法==
===万進法系の命数法===
{{上付き文字|説明=[[べき乗]]を示す数字}}
[[中国]]に由来する[[漢数字]]では、以下の数詞で大数を示す。

: [[1|一]]、[[10|十]]、[[100|百]]、[[1000|千]]、[[10000|万]]、[[億]]、[[兆]]、[[京 (数)|京]]、[[垓]]、…

中国の算術書である[[後漢]]の徐岳『{{仮リンク|数術記遺|zh|数术记遗}}』や[[北周]]の甄鸞『{{仮リンク|五経算術|zh|五經算術}}』に、[[大数]]の単位が記されているが、当時は[[載]]までであり、また[[𥝱]]は本来は秭であり、それが日本の『[[塵劫記]]』で字形が変化したものである。これらの文献によると、万より大きい数詞の示す値には3種類あり、統一されていなかった。下数、中数、上数である<ref>[[:wikisource:zh:五經算術]]：按黃帝為法、數有十等。 及其用也、乃有三焉。十等者、謂億、兆、京、垓、秭、壤、溝、澗、正、載也。三等者、謂上、中、下也。其下數者、十十變之。若言十萬曰億、十億曰兆、十兆曰京也。中數者、萬萬變之。若言萬萬曰億、萬萬億曰兆、萬萬兆曰京也。上數者、數窮則變。若言萬萬曰億、億億曰兆、兆兆曰京也。若以下數言之、則十億曰兆；若以中數言之、則萬萬億曰兆；若以上數言之、則億億曰兆。</ref>。

当初は万（10<sup>4</sup>）を区切りとして十万（10<sup>5</sup>）、百万（10<sup>6</sup>）、千万（10<sup>7</sup>）まで表していた。これとは別に、万から1桁ごとに億（10<sup>5</sup>）、兆（10<sup>6</sup>）、と名付けていた。これを'''下数'''（かすう）と呼ぶ。

[[漢]]代あたりから、'''上数'''（じょうすう）が文献に記載され始めた。数詞が表す位の[[自乗|2乗]]が次の数詞となる。万万が億（10<sup>8</sup>）であるのは今日と同じであるが、次は億億が兆（10<sup>16</sup>）、兆兆が京（10<sup>32</sup>）となる。実際に使われたことはないようであり、[[数学]]書では用いられていない。

その後、千万の次を億とし、十億（10<sup>9</sup>）、百億（10<sup>10</sup>）と続けていく方法が考案された。これを'''中数'''（ちゅうすう）という。ただし、初期の数学書に示されている中数は万万（10<sup>8</sup>）倍ごとに新たな名称をつける方式であった。すなわち、千億（10<sup>11</sup>）、万億（10<sup>12</sup>）、十万億（10<sup>13</sup>）と続き、億の万万倍を兆（10<sup>16</sup>）、兆の万万倍を京（10<sup>24</sup>）とする。これを'''万万進'''という。後に、万倍ごと、すなわち万万を億、万億を兆（10<sup>12</sup>）とする'''万進'''（まんしん、万進法（まんしんほう））に移行した。

元の朱世傑による算学啓蒙で初めて、[[極]]以上の単位（そのうち恒河沙以上は仏教に由来する名称）が加わったが、当時不可思議の上は無量大数ではなく無量数であり、明の程大位による算法統宗でも同様であった。極以上の単位は基本的に中数（万進・万万進）のみで使われ、下数や上数で使われることはなかったが、ただ日本の『塵劫記』初版で極以下を下数としており、それによれば極は10<sup>15</sup>ということになる。

日本では、[[1627年]]（[[寛永]]4年）の『塵劫記』の初版において初めて大きな数が登場するが<ref name="TheSorobanInJapan">{{cite book
|title = 日本のそろばん
|author1 = 山崎与右衛門
|author2 = 竹内乙彦
|author3 = 鈴木久男
|author3-link = 鈴木久男
|year = 1968
|publisher = 暁出版
|pages = 151, 168
|id = {{NDLDC|1384357|format=NDLJP}}
|quote = 日本珠算史年表
}}</ref>、極以下が下数、恒河沙以上を万万進の中数（恒河沙＝10<sup>23</sup>、阿僧祇＝10<sup>31</sup>、那由他＝10<sup>39</sup>、不可思議＝10<sup>47</sup>）としていた。[[1631年]]（寛永8年）の版では極以下が万進（恒河沙以上は万万進のまま）に改められ、それとともに算学啓蒙・算法統宗にあった不可思議の上の無量数も無量大数という名称として組み込まれた。そして[[1634年]]（寛永11年）の版ではすべて万進に統一された。今日でも万進だけが使用されている。

読み方の例を以下に示す。
* 1&nbsp;0000 : 一万 (いちまん)
* 983&nbsp;6703 : 九百八十三万 六千七百三 (きゅうひゃくはちじゅうさんまん ろくせんななひゃくさん)
* 20&nbsp;3652&nbsp;1801 : 二十億 三千六百五十二万 千八百一 (にじゅうおく さんぜんろっぴゃくごじゅうにまん せんはっぴゃくいち)

アラビア数字が使われる場合は、英語のように3桁ごとにコンマが入れられる。アラビア数字と漢数字が同時に使われる場合は、1万以下の数字についてアラビア数字の書き方が使われる場合がある（例: 25,000,000を2,500万と表記する場合)。

大きな数字が漢字で表されるときは、ほとんどの場合でゼロが省かれる。例えば、4002はゼロを表す中国語での「四千零二」ではなく、四千二と表されることが多い。ただし、決算書を読み上げる場合、読まない桁は、「飛び」または「飛んで」で示される場合がある。例えば、通常の「よんせんに」の代わりに、「よんせんとびに」または「よんせんとんでに」のようにもなる。

中国では、近代まで万万進と万進が混用されたままであった。それに加えて、[[メートル法]]の[[SI接頭語|接頭語]]の[[メガ]]（10<sup>6</sup>）に「兆」（下数における 10<sup>6</sup>）の字をあてたため、さらに混乱が生じた。今日では、「億」は中数の 10<sup>8</sup>、「兆」は下数の 10<sup>6</sup> の意味となっており、兆より億の方が大きくなっている。日本でいう兆（10<sup>12</sup>）は「万億」といい、京以上については、例えば 10<sup>16</sup> は「万万億」または「億億」のように呼んでいる。台湾（植民地時代）と朝鮮半島（併合時）は、日本の命数法（万進）が導入されていたので、兆は 10<sup>12</sup> であるが、京以上の命数はほとんど用いられていない。

ベトナムでは西洋式に3桁ずつ新しい名称が使われるが、10<sup>6</sup>を「{{lang|vn|triệu}}」（兆）、10<sup>9</sup>を「{{lang|vn|tỷ}}」（秭）と呼ぶ。これは下数にあたる。

『塵劫記』での命数は以下のようになっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3508170/4|title=新編塵劫記第3巻|accessdate=2018-03-02|doi=10.11501/3508170|page=4}}第一：大数の名の事</ref>。

位の大きなものの名称については版によって相違がある。併記した記数は万進による。
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|+ 塵劫記（寛永11年版）での命数（日本の現行方式）
! 数詞!!読み !!数 !! 10000<sup>''m''</sup>!!一（いち） !! 十（じゅう） !! 百（ひゃく） !! 千（せん） !! 補足
|-
|||||  ||  || [[1|一]]<br />10<sup>0</sup> ||[[10|十]]<br />10<sup>1</sup>||[[100|百]]<br />10<sup>2</sup>||[[1000|千]]<br />10<sup>3</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[万]]}}||まん||10<sup>4</sup> ||10000<sup>1</sup> || 一万<br />10<sup>4</sup> ||十万<br />10<sup>5</sup>||百万<br />10<sup>6</sup>||千万<br />10<sup>7</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[億]]}}||おく||10<sup>8</sup> ||10000<sup>2</sup> ||一億<br />10<sup>8</sup> ||十億<br />10<sup>9</sup>||百億<br />10<sup>10</sup>||千億<br />10<sup>11</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[兆]]}}||ちょう||10<sup>12</sup> ||10000<sup>3</sup> ||一兆<br />10<sup>12</sup> ||十兆<br />10<sup>13</sup>||百兆<br />10<sup>14</sup>||千兆<br />10<sup>15</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[京 (数)|京]]}}||けい||10<sup>16</sup> ||10000<sup>4</sup> ||一京<br />10<sup>16</sup> ||十京<br />10<sup>17</sup>||百京<br />10<sup>18</sup>||千京<br />10<sup>19</sup> || （きょう）
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[垓]]}}||がい||10<sup>20</sup> ||10000<sup>5</sup> ||一垓<br />10<sup>20</sup> ||十垓<br />10<sup>21</sup>||百垓<br />10<sup>22</sup>||千垓<br />10<sup>23</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[じょ|&#153457;]]}}||じょ||10<sup>24</sup> ||10000<sup>6</sup> ||一&#153457;<br />10<sup>24</sup> ||十&#153457;<br />10<sup>25</sup>||百&#153457;<br />10<sup>26</sup>||千&#153457;<br />10<sup>27</sup> || [[じょ|秭]]（し）
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[穣]]}}||じょう||10<sup>28</sup> ||10000<sup>7</sup> ||一穣<br />10<sup>28</sup> ||十穣<br />10<sup>29</sup>||百穣<br />10<sup>30</sup>||千穣<br />10<sup>31</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[溝 (数)|溝]]}}||こう||10<sup>32</sup> ||10000<sup>8</sup> ||一溝<br />10<sup>32</sup> ||十溝<br />10<sup>33</sup>||百溝<br />10<sup>34</sup>||千溝<br />10<sup>35</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[澗]]}}||かん||10<sup>36</sup> ||10000<sup>9</sup> ||一澗<br />10<sup>36</sup> ||十澗<br />10<sup>37</sup>||百澗<br />10<sup>38</sup>||千澗<br />10<sup>39</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[正 (数)|正]]}}||せい||10<sup>40</sup> ||10000<sup>10</sup> ||一正<br />10<sup>40</sup> ||十正<br />10<sup>41</sup>||百正<br />10<sup>42</sup>||千正<br />10<sup>43</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[載]]}}||さい||10<sup>44</sup> ||10000<sup>11</sup> ||一載<br />10<sup>44</sup> ||十載<br />10<sup>45</sup>||百載<br />10<sup>46</sup>||千載<br />10<sup>47</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[極 (数)|極]]}}||ごく||10<sup>48</sup> ||10000<sup>12</sup> ||一極<br />10<sup>48</sup> ||十極<br />10<sup>49</sup>||百極<br />10<sup>50</sup>||千極<br />10<sup>51</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[恒河沙]]}}||ごうがしゃ||10<sup>52</sup> ||10000<sup>13</sup> ||一恒河沙<br />10<sup>52</sup> ||十恒河沙<br />10<sup>53</sup>||百恒河沙<br />10<sup>54</sup>||千恒河沙<br />10<sup>55</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[阿僧祇]]}}||あそうぎ||10<sup>56</sup> ||10000<sup>14</sup> ||一阿僧祇<br />10<sup>56</sup> ||十阿僧祇<br />10<sup>57</sup>||百阿僧祇<br />10<sup>58</sup>||千阿僧祇<br />10<sup>59</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[那由他]]}}||なゆた||10<sup>60</sup> ||10000<sup>15</sup> ||一那由他<br />10<sup>60</sup> ||十那由他<br />10<sup>61</sup>||百那由他<br />10<sup>62</sup>||千那由他<br />10<sup>63</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[不可思議 (数)|不可思議]]}}||ふかしぎ||10<sup>64</sup> ||10000<sup>16</sup> ||一不可思議<br />10<sup>64</sup> ||十不可思議<br />10<sup>65</sup>||百不可思議<br />10<sup>66</sup>||千不可思議<br />10<sup>67</sup> || 
|-
|{{Font|font=serif|size=1.5em|[[無量大数]]}}||むりょうたいすう||10<sup>68</sup> ||10000<sup>17</sup> ||一無量大数<br />10<sup>68</sup> ||十無量大数<br />10<sup>69</sup>||百無量大数<br />10<sup>70</sup>||千無量大数<br />10<sup>71</sup> || <!--
「塵劫記」に下記記述はない
十無量大数<br/>10<sup>69</sup>、百無量大数<br/>10<sup>70</sup>、千無量大数<br/>10<sup>71</sup>
-->
|}

以下の表に各方式での大数の命数法を示す。

{|class="wikitable"
|+ 各方式での大数の命数法
|-
!名称!!下数!!中数（万進・日本の現行方式）!!塵劫記寛永8年版!!中数（万万進）!!上数
|-
|十||10<sup>1</sup>||10<sup>1</sup>||10<sup>1</sup>||10<sup>1</sup>||10<sup>1</sup>
|-
|百||10<sup>2</sup>||10<sup>2</sup>||10<sup>2</sup>||10<sup>2</sup>||10<sup>2</sup>
|-
|千||10<sup>3</sup>||10<sup>3</sup>||10<sup>3</sup>||10<sup>3</sup>||10<sup>3</sup>
|-
|万||10<sup>4</sup>||10<sup>4</sup>||10<sup>4</sup>||10<sup>4</sup>||10<sup>4</sup>
|-
|億||10<sup>5</sup>||10<sup>8</sup>||10<sup>8</sup>||10<sup>8</sup>||10<sup>8</sup>
|-
|兆||10<sup>6</sup>||10<sup>12</sup>||10<sup>12</sup>||10<sup>16</sup>||10<sup>16</sup>
|-
|京||10<sup>7</sup>||10<sup>16</sup>||10<sup>16</sup>||10<sup>24</sup>||10<sup>32</sup>
|-
|垓||10<sup>8</sup>||10<sup>20</sup>||10<sup>20</sup>||10<sup>32</sup>||10<sup>64</sup>
|-
|秭（𥝱）||10<sup>9</sup>||10<sup>24</sup>||10<sup>24</sup>||10<sup>40</sup>||10<sup>128</sup>
|-
|穣||10<sup>10</sup>||10<sup>28</sup>||10<sup>28</sup>||10<sup>48</sup>||10<sup>256</sup>
|-
|溝||10<sup>11</sup>||10<sup>32</sup>||10<sup>32</sup>||10<sup>56</sup>||10<sup>512</sup>
|-
|澗||10<sup>12</sup>||10<sup>36</sup>||10<sup>36</sup>||10<sup>64</sup>||10<sup>1024</sup>
|-
|正||10<sup>13</sup>||10<sup>40</sup>||10<sup>40</sup>||10<sup>72</sup>||10<sup>2048</sup>
|-
|載||10<sup>14</sup>||10<sup>44</sup>||10<sup>44</sup>||10<sup>80</sup>||10<sup>4096</sup>
|-
|極||10<sup>15</sup>（塵劫記初版）||10<sup>48</sup>||10<sup>48</sup>||10<sup>88</sup>||-
|-
|恒河沙||-||10<sup>52</sup>||10<sup>56</sup>||10<sup>96</sup>||-
|-
|阿僧祇||-||10<sup>56</sup>||10<sup>64</sup>||10<sup>104</sup>||-
|-
|那由他||-||10<sup>60</sup>||10<sup>72</sup>||10<sup>112</sup>||-
|-
|不可思議||-||10<sup>64</sup>||10<sup>80</sup>||10<sup>120</sup>||-
|-
|無量数（無量大数）||-||10<sup>68</sup>||10<sup>88</sup>||10<sup>128</sup>||-
|-
|}

なお、無量大数を「[[無量]]」と「[[大数]]」に分けて説明しているものもあるが、これは『塵劫記』で無量と大数の間に傷ができて間隔があき、別の数のように見える版があったためである。無量大数で一つの数とするのが普通である。

3文字以上の単位は、インドから由来したものが多い。恒河沙はもともと仏教の聖典で無限に大きな数を表すのに使われていた位で、गङ्गा（ガンジス川）から由来している。阿僧祇はअसंख्येय（不可算）から、那由他はनयुत/नयुतःから由来している。それより大きな数の単位は、仏教の単語が中国語に翻訳され、後に単位を与えられたものである。
{{anchors|千進法|short scale|long scale}}

===千進法系の命数法===
{{上付き文字}}
西洋の諸[[言語]]の'''命数法'''には、'''long scale'''（ロングスケール）と'''short scale'''（ショートスケール）と呼ばれる2種類がある。これは[[漢字文化圏]]でいう'''万万進'''と'''万進'''の関係に似たものである。万万進と万進の関係と同様に、一部の数詞においては、双方の命数法でそれぞれ異なる数が割り当てられている (「billion」「trillion」など)。long scaleやshort scaleは標準的な用語ではないが、意味するところが明確なので、百科事典や科学的な文章でしばしば使われる。

[[19世紀]]から[[20世紀]]の大部分では、[[イギリス]]では前者のみ、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では後者のみが使われていた。それ故、それぞれ「イギリス式」、「アメリカ式」とも呼ばれるが、今日ではイギリスでも後者が使われるため、「イギリス式」という表現は正確ではない。

歴史上[[フランス]]では双方共に用いられており、19世紀はじめには広範囲でshort scaleに移行した。アメリカはこれに従ったもので、long scaleを使用していた20世紀初頭のイギリスにおいてアメリカでは方式が違うことに注意を呼びかけている<ref>H. W. Fowler "Modern English Usage"</ref>。しかし、現在ではフランスも他の[[英語圏]]を除く[[ヨーロッパ]]諸国に合わせてlong scaleに落ちつき、それとは逆にイギリスではshort scaleに移行するという複雑な経緯を辿っている。

[[1948年]]、[[国際度量衡総会]]はlong scaleの普遍的な使用を提案し、short scaleを使っている国々にlong scaleに戻すよう呼びかけた。しかし、英語圏においては上述の通りアメリカを筆頭にイギリスが移行したこともあり、現在では一般的にshort scaleが使用されている（[[#歴史|歴史]]も参照）。

==== long scaleとshort scaleの比較 ====
[[英語]]の場合は、以下のようになる。千進（せんしん、千進法（せんしんほう））が使われる。
{| class="wikitable"
!rowspan="2"|数!!colspan="3"|short scale!!colspan="3"|long scale!!rowspan="2"|[[SI接頭語]]
|-
!呼び方!!カタカナ表記!!理由!!呼び方!!カタカナ表記!!理由
|-
|[[1|10<sup>0</sup>]]（[[一]]）||one||ワン||1||one||ワン||1||なし
|-
|[[1000|10<sup>3</sup>]]（[[千]]）||thousand||サウザンド||(10<sup>3</sup>)<sup>'''1'''</sup>|||thousand||サウザンド|||(10<sup>6</sup>)<sup>0.5</sup>||k（[[キロ]]）
|-
|[[1000000|10<sup>6</sup>]]（百[[万]]）||million||ミリオン||(10<sup>3</sup>)<sup>1+1</sup>||million||ミリオン||(10<sup>6</sup>)<sup>'''1'''</sup>||M（[[メガ]]）
|-
|[[1000000000|10<sup>9</sup>]]（十[[億]]）
|<u>'''bi'''llion</u>||[[ビリオン (数)|ビリオン]]||(10<sup>3</sup>)<sup>1+'''2'''</sup>|||thousand million<br>(milliard)||サウザンド ミリオン<br>（ミリアード）|||(10<sup>6</sup>)<sup>1.5</sup>||G（[[ギガ]]）
|-
|[[1000000000000|10<sup>12</sup>]]（一[[兆]]）||<u>'''tri'''llion</u>||[[トリリオン]]||(10<sup>3</sup>)<sup>1+'''3'''</sup>||<u>'''bi'''llion</u>||[[ビリオン (数)|ビリオン]]||(10<sup>6</sup>)<sup>'''2'''</sup>||T（[[テラ]]）
|-
|[[1000000000000000|10<sup>15</sup>]]（千兆）||'''quadr'''illion||クアドリリオン||(10<sup>3</sup>)<sup>1+'''4'''</sup>|||thousand billion<br> (billiard)||サウザンド ビリオン<br>（ビリアード）|||(10<sup>6</sup>)<sup>2.5</sup>||P（[[ペタ]]）
|-
|[[1000000000000000000|10<sup>18</sup>]]（百[[京 (数)|京]]）||'''quint'''illion||クインティリオン||(10<sup>3</sup>)<sup>1+'''5'''</sup>||<u>'''tri'''llion</u>||トリリオン||(10<sup>6</sup>)<sup>'''3'''</sup>||E（[[エクサ]]）
|}
*'''[[million]]'''は、[[イタリア語]]で千を意味する “mille” に、拡大[[接尾辞]]（他の語の後ろについて意味を誇張する）“-one” がついた “millione” （現代の正書法では milione）が語源である。
*'''bi'''-（バイ）は2を、'''tri'''-（トライ）は3を、'''quadr'''-（クアドラ）は4を、'''quint'''-（クイント）は5を表す[[ラテン語]]に由来する[[倍数接頭辞]]。
**short scaleでは、1,000倍するごとに新しい名前がつく （千進（せんしん）、千進法（せんしんほう）、thousand millions = billion, thousand billions = trillion, ...）。
**long scaleでは、1,000,000倍するごとに新しい名前がつく （百万進（ひゃくまんしん）、百万進法（ひゃくまんしんほう）、million millions = billion, million billions = trillion, ...）。
*[[古語]]に十億を表すmilliardがあるが、英語では使われることはない（[[言語]]によっては使われる）。だが[[金融市場]]においては、誤解を避けるために十億を "yard"（milliardに由来）と言うことがある。
*より大きな数の表し方については{{Interlang|en|Names of large numbers}}、[[数の比較]]を参照。

==== 歴史 ====
{| class="wikitable"
!年代!!出来事
|-
|style="vertical-align:top; white-space:nowrap"|[[1475年]]||[[ジャン・アダム]]が10<sup>12</sup>（一兆）、10<sup>18</sup>（百京）を表す言葉としてbymillion, trimillionを用いた。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1484年]]||[[フランス]]の[[数学者]]{{仮リンク|ニコラ・シュケー|en|Nicolas Chuquet}}が著書『Triparty en la science des nombres』の中で、10<sup>12</sup>（一兆）、10<sup>18</sup>（百京）、10<sup>24</sup>（一[[じょ|秭]]）、10<sup>30</sup>（百[[穣]]）、10<sup>36</sup>（一[[澗]]）、10<sup>42</sup>（百[[正 (数)|正]]）、10<sup>48</sup>（一[[極 (数)|極]]）、10<sup>54</sup>（百[[恒河沙]]：万進法による）をそれぞれbyllion tryllion, quadrillion, quyllion, sixlion, septyllion, ottyllion, nonyllionと表した。この本は[[1870年代]]に初めて発行されたものであったが、この大部分は{{仮リンク|エスティエンヌ・ド・ラ・ロッシュ|en|Estienne de La Roche}}の著書『L'arismetique』（[[1520年]]）からとったものであった。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1549年]]||[[ジャック・ペルチエ・デュ・マン|ジャック・ペルチエ]]がmilliard (milliart) を "Million de Millions"（millionのmillion）すなわち10<sup>12</sup>（一兆）として用いた。彼はこの用法をフランス人の学者[[ギヨーム・ビュデ]]（1467-1540年）によるものだとした。
|-
|style="vertical-align:top"|[[17世紀]]||6桁（百万）ごとに名前の変わる伝統的な方式（後のlong scale）から、3桁（千）ごとに名前の変わる新しい方式（後のshort scale）が分かれ、フランスや[[イタリア]]でbillionを10<sup>9</sup>（十億）の意味で使う科学者が現れた。それでもthousand millionやmilliard（ペルチエの用語）を用いる方が多数派であった。こちらの用法がイギリスや[[ドイツ]]その他[[ヨーロッパ]]全域で採用され、Chuquetのlong scaleのbillion（一兆）が使われ続けることとなった。
|-
|style="vertical-align:top"|[[18世紀]]<br>半ば||short scaleの意味でのbillionがアメリカのイギリス[[植民地]]にもたらされる。
|-
|style="vertical-align:top"|[[19世紀]]<br>はじめ||'''フランス'''が広くshort scaleに移行し、'''アメリカ合衆国'''がそれに続き、学校でも教えられるようになった。19世紀のフランスの[[百科事典]]の多くではlong scaleは省かれたり、「今やもう古い方式である」と書かれたりしていた。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1926年]]||[[:en:H. W. Fowler|H. W. Fowler]]の『Modern English Usage』に、「アメリカ（フランスに従った）では "billion" はイギリスと同じ意味ではないことを覚えておくべきだ。billionは我々（イギリス人）にとってはmillionの2乗すなわちmillion millions（一兆）を意味するものだが、アメリカ人にとってはthousandの3乗すなわちthousand millions（十億）を表す。これは我々がmilliardと呼んでいるものである。我々の意味におけるbillionが天文学者以外には使い勝手が悪いからといって従わないのは残念なことである」と記された。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1948年]]||[[国際度量衡総会]]はlong scaleの普遍的な使用を提案し、short scaleを使っている国々にlong scaleに戻すよう呼びかけた。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1961年]]||''Journal Officiel''（フランスの官報）は、フランスで公式にlong scaleが用いられていることを確認した<ref>[http://www.ensmp.net/pdf/1961/decr-61-0501.pdf Décret 61-501], page 4587, note 3 and erratum on page 7572</ref>。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1974年]]||'''イギリス'''首相[[ハロルド・ウィルソン]]は、これからは政府の統計でshort scaleを用いると述べた<ref>[http://news.scotsman.com/uk.cfm?id=871392004]</ref>。<!-- note this is a secondary source only and still needs confirmation of its validity.  We ideally need to get the original speech, as this could be a misinterpretation. --><!--"Secondary?" This is Wikipedia, not a thesis.  I'd say the Scotsman is good enough-->[[20世紀]]の最後の四半期には、'''他の多くの[[英語圏]]の国々'''もこれに続いてshort scaleに切り替えた。しかしながら、これらの全ての国において、わずかながらlong scaleの使用は続いており、また公式にshort scaleが使われていることも明確ではない。
|-
|style="vertical-align:top"|[[1994年]]||'''イタリア'''政府は公式にlong scaleが用いられていることを確認した<ref>[http://www.frareg.com/news/legislazione/ambiente/direttiva_1994_55_CE.pdf Direttiva CE 1994 n. 55], page 12</ref>。
|}

==== 現在の使用状況 ====
{{色}}
[[File:World map of long and short scales.svg|thumb|center|400px|{{Center|content=各国の'''命数法'''<br/>
<span style="background:#a1dab4">千進法 long scale</span>
<span style="background:#2c7fb8">{{color|white|千進法 short scale}}</span>
<span style="background:#41b6c4">{{color|white|千進法両方}}</span>
<span style="background:#ffffcc">その他</span>}}]]
{{-}}
===== short scaleを用いる国 =====
====== 英語圏 ======
現在'''[[英語圏]]'''の多くの国でshort scaleが用いられている。以下はその一部である。
*{{Flagicon|USA}}'''[[アメリカ合衆国|アメリカ]]'''
*{{Flagicon|CAN}}'''[[カナダ]]'''（英語話者）
*{{Flagicon|GBR}}'''[[イギリス]]'''
*{{Flagicon|IRL}}'''[[アイルランド]]'''
*{{Flagicon|AUS}}'''[[オーストラリア]]'''

====== 英語圏以外 ======
'''10<sup>9</sup> = milliard、10<sup>12</sup> = trillion'''
*{{Flagicon|RUS}}'''[[ロシア]]''' - 10<sup>9</sup>は一般に{{Interlang|ru|Миллиард|миллиард}} (milliard)（[[ロシア語]]）と呼ばれる。10<sup>12</sup>以上はshort scaleの言い方をする。
*{{Flagicon|UKR}}'''[[ウクライナ]]'''
*{{Flagicon|BLR}}'''[[ベラルーシ]]'''
*{{Flagicon|EST}}'''[[エストニア]]'''
*{{Flagicon|LAT}}'''[[ラトビア]]'''
*{{Flagicon|LTU}}'''[[リトアニア]]'''
*{{Flagicon|GEO}}'''[[ジョージア (国)|ジョージア]]'''
*{{Flagicon|ARM}}'''[[アルメニア]]'''
*{{Flagicon|ROU}}'''[[ルーマニア]]'''
*{{Flagicon|MDA}}'''[[モルドバ]]'''
*{{Flagicon|BUL}}'''[[ブルガリア]]''' - 10<sup>9</sup>は一般に{{Interlang|bg|Милиард|милиард}} (miliard)（[[ブルガリア語]]）と呼ばれる。10<sup>12</sup>以上はshort scaleの言い方をする。
*{{Flagicon|ALB}}'''[[アルバニア]]'''
*{{Flagicon|TUR}}'''[[トルコ]]''' - 10<sup>9</sup>は一般に{{Interlang|tr|Milyar|milyar}}（[[トルコ語]]）と呼ばれる。10<sup>12</sup>以上はshort scaleの言い方をする。
*{{Flagicon|TKM}}'''[[トルクメニスタン]]'''
*{{Flagicon|AZE}}'''[[アゼルバイジャン]]'''
*{{Flagicon|KAZ}}'''[[カザフスタン]]'''
*{{Flagicon|KGZ}}'''[[キルギス]]'''
*{{Flagicon|TJK}}'''[[タジキスタン]]'''
*{{Flagicon|UZB}}'''[[ウズベキスタン]]'''
*[[アラビア語]]圏諸国
*{{Flagicon|ISR}}'''[[イスラエル]]'''
*{{Flagicon|INA}}'''[[インドネシア]]'''

'''10<sup>9</sup> = billion、10<sup>12</sup> = trillion'''
*{{Flagicon|BRA}}'''[[ブラジル]]''' - [[ポルトガル語]]を話すが、ポルトガルと異なり、10<sup>9</sup>はbilhão、10<sup>12</sup>はtrilhãoといった言い方をする。
*{{Flagicon|PUR}}'''[[プエルトリコ]]''' - [[スペイン語]]の話されるアメリカ領で、一般に経済・技術に関することではshort scaleが用いられる（10<sup>9</sup>はbillón、10<sup>12</sup>はtrillón）。一方、プエルトリコ外のラテンアメリカの人に向けた刊行物ではlong scaleが用いられる。
*{{Flagicon|BRU}}'''[[ブルネイ]]'''
*{{Flagicon|MYA}}'''[[ミャンマー]]'''
*{{Flagicon|AFG}}'''[[アフガニスタン]]'''（10<sup>9</sup>はmilliardも行われる）

'''独自の名称'''
*{{Flagicon|GRE}}'''[[ギリシャ]]''' - 10<sup>9</sup>をdisekatommyrio（「二-百-万」の意）、10<sup>12</sup>をtrisekatommyrio（「三-百-万」の意）という。
*{{Flagicon|CYP}}'''[[キプロス]]'''

===== long scaleを用いる国 =====
英語圏と東欧を除く多くの大陸ヨーロッパの国々ではlong scaleを使う。
;例
*'''Milliard'''
:[[フランス語]]・[[デンマーク語]]・[[ノルウェー語]]: milliard、{{Lang-de|Milliarde}}、{{Lang-nl|miljard}}、{{Lang-hu|milliárd}}、{{Lang-es|millardo}}（{{Lang|es|mil millones}}の方が頻繁に用いられる）、{{Lang-it|miliardo}}、{{Lang-pl|miliard}}、{{Lang-sv|miljard}}（{{Lang|sv|milliard}}ということもある）、{{Lang-fi|miljardi}}、{{Lang-cs|miliarda}}、[[スロベニア語]]・[[クロアチア語]]・[[セルビア語]]: milijarda、{{Lang-is|milljarður}} - 皆'''10<sup>9</sup>'''を表す。
*'''Billion'''
:フランス語・デンマーク語・ノルウェー語: billion、{{Lang-de|Billion}}、{{Lang-nl|biljoen}}、{{Lang-hu|billió}}、{{Lang-es|billón}}、ポーランド語・セルビア語: bilion、{{Lang-sv|biljon}}（{{Lang|sv|billion}}ということもある）、{{Lang-fi|biljoona}}、{{Lang-hr|bilijun}}、[[ポルトガル語|ポルトガル語（ポルトガル）]]: {{Lang|pt|bilião}}、{{Lang-sl|bilijon}}、{{Lang-is|billjón}} - 皆'''10<sup>12</sup>'''を表す。

==== 用法 ====
===== "thousand milliard" の使用 =====
Milliardを用いるこれらの国々において "thousand milliard" という用語が時折使われるが、これは[[予算]]についての文脈でのみである。「[[ドイツ]]の[[国債]]が[[2004年]]末の時点で約1418 milliard[[ユーロ]]（1兆4180億ユーロ）であった」というように、milliardは予算の[[単位]]としては主要なものとなっている。予算以外については、10<sup>12</sup>はthousand milliardではなくbillionという。

===== イタリアでの用法 =====
[[19世紀]]にはshort scaleを用いていたが[[20世紀]]になってlong scaleに戻した[[ヨーロッパ]]の国は2つあるが、[[イタリア]]はその1つである（もう1つは[[フランス]]）。

[[イタリア語]]では、bilioneという単語は公式には10<sup>12</sup>を意味するが、口語では10<sup>9</sup>と10<sup>12</sup>のいずれをも意味し得る。またtrilioneも、10<sup>12</sup>と（まれに）10<sup>18</sup>のいずれをも意味する。そのため、曖昧さを避けるために、こうした単語を使う人はほとんどいない。一般には10<sup>12</sup>はmille miliardi (a thousand milliards)、10<sup>15</sup>はun milione di miliardi、10<sup>18</sup>はun miliardo di miliardi、10<sup>21</sup>はmille miliardi di miliardiという方が多い。

===== 英語圏での用法 =====
====== アメリカでの用法 ======
[[アメリカ合衆国]]では、19世紀初頭から[[学校]]でshort scaleが教えられてきた。そのため、専らshort scaleのみが用いられている。

====== 他の国々 ======
アメリカ以外の国では何世紀にもわたってlong scaleが用いられてきた。従って、long scaleの使用もいまだ続いており、そのためshort scaleの'''公式の立場'''がはっきりしていない。

====== イギリスでの用法 ======
[[イギリス英語]]においてmilliardという用語は今や時代遅れであり（派生語のyardは使われる。[[#long scaleとshort scaleの比較]]を参照）、現在では刊行物でも筆記物でもbillionが10<sup>9</sup>以外を意味することはない。イギリス政府も[[英国放送協会|BBC]]も専らshort scaleを用いている。イギリス英語で10<sup>12</sup>の意味でbillionを用いた場合、誤解される可能性が高い。

====== オーストラリアでの用法 ======
オーストラリアでは、2つの物を同じmillionの単位で比較するときなど、10<sup>9</sup>をthousand millionと表すこともある。[[1999年]]現在、オーストラリア政府の財務省はshort scaleが標準であるとは見なしていないが、時折short scaleを使っている<ref>[http://www.finance.gov.au/publications/pdf/prelims.pdf]</ref>。Australian Department of Finance and Administration（AusInfoとして知られる）は現在、short scaleを推奨しており、法的定義もshort scaleである。教育、放送局、文学においても、他の英語圏と同様にshort scaleを用いている。

====== インドでの用法 ======
他の英語圏の国と同様、現在、インドもアメリカのshort scaleの影響を強く受けている。しかし経済関連のメディア以外ではまちまちであり、話者の教育環境や学歴によるため、イギリスの影響下であったこともあり、多くが伝統的なlong scaleを使い続けると思われる。また、日常生活では、現在でも[[インドの命数法|インド独自の命数法]]を用いている。（[[#short scaleもlong scaleも用いない国|short scaleもlong scaleも用いない国]]参照）

===== エスペラントでの用法 =====
[[エスペラント]]の公式の単語であるbilionoやtriliono等の意味するところは曖昧であり、long scaleとshort scaleのどちらを支持するかを国家が推定するのを妨げることによって、国際的なエスペラントのコミュニケーションの本質は問題を複雑化させていた。

ただ、現在では非公式だが一般に用いられている -ilion- という接尾辞 (10<sup>6×n</sup>) を用いることで曖昧を避けようとする方向に向かっている。これは10<sup>6</sup>の[[冪乗|べき乗]]を表すために追加されたもので、例えばduiliono（duはエスペラントで「二」）は 10<sup>6×2</sup> = 10<sup>12</sup>、triiliono（triはエスペラントで「三」）は 10<sup>6×3</sup> = 10<sup>18</sup> を表す。

miliardoは明確に10<sup>9</sup>を表す単語であるが、最近ではこれを基にした-iliard-を非公式な接尾辞 (10<sup>6×n+3</sup>) と見立ててduiliardo = 10<sup>6×2+3</sup> = 10<sup>15</sup>、triliono = 10<sup>6×3+3</sup> = 10<sup>21</sup>のように表すことが多い。つまり-ilion-の1000倍の数を表すのである。

これによって、mililiono = 10<sup>6×1000</sup> = 10<sup>6000</sup>やmililiardo = 10<sup>6×1000+3</sup> = 10<sup>6003</sup>等の大きな数も簡単に作れるようになった (mil = 1000)。

==== 混乱回避措置 ====
long scaleとshort scaleを使用している国では百万より大きい単位では同じ単語が異なる桁を示すなど表記の仕方が異なる。混乱を回避するために以下のような表示がされる<ref>英語版の{{Interlang|en|Long and short scales#Using neither}}より</ref>。なお命数法の違いに加え、小数点や3桁を区切る記号を[[コンマ]]かピリオド（[[終止符]]）かという[[小数点#小数点記号の分布|小数点]]の問題がある。

; もっとも簡単な方法が全数を記述することである。
: 例）1,000,000,000,000 これはshort scaleでは1 ''trillion''であるがlong scaleでは1 ''billion''である。

; ミリオン（百万）までは共通であるので百万以上の桁を数字で表示する<ref>
{{Cite web
| last =
| first =
| authorlink =
| coauthors =
| title = BBC: GCSE Bitesize – The origins of the universe
| work =
| publisher = BBC
| date =
| url = http://www.bbc.co.uk/schools/gcsebitesize/science/edexcel/space/theoriginsoftheuniverserev1.shtml
| doi =
| accessdate = 2011-07-28
}}</ref>。
: 例）12,345 million（ミリオン）

; [[指数表記]]で桁を表す。
: 1{{E|9}}、1{{E|10}}、1{{E|11}}、1{{E|12}}などで広く使われている。または一般的ではないがコンピューターで1e9、1e10、1e11、1e12と表記される。

; [[SI接頭語]]で表す。
: SI接頭語は基本[[単位]]に非依存の数値の桁のみを表すもので[[キロ]]（k, 10<sup>3</sup> = 千）、[[メガ]]（M, 10<sup>6</sup> = 百万）、[[ギガ]]（G, 10<sup>9</sup> = 十億）、[[テラ]]（T, 10<sup>12</sup> = 兆）などである。これらは科学者・技術者の間で広く使われている。例）'''キロ'''[[グラム]]、'''メガ'''[[ワット]]、'''ギガ'''[[ヘルツ]]、'''テラ'''[[バイト (情報)|バイト]]。これらはコンピュータの普及により一般にも知られているが、1ギガ[[ドル]]といった表現は一般的ではない。なお日本では電力表示に億kW（キロワット）といった使われ方をする。1億kWは100ギガワット (GW)である。
=== インド ===
'''インドの命数法'''は、古代インドから現代でもインド、[[パキスタン]]、[[バングラデシュ]]、[[ネパール]]、[[ミャンマー]]などで使用されている。基本的には、[[西洋]]で一般的な3桁ごとの位取りや、[[日本]]や[[中国]]などで一般的な4桁ごとの位取りではなく、インドにおいては2桁ごとの位取りに基づく。

この命数法による表記では、基本的に2桁ごと（下3桁のみ例外）の位取りに基づいて点を置く。例えば3カロール（3千万）ルピーと記する場合はRs. 30,000,000ではなく、Rs. 3,00,00,000とすることが多い。ハザール／サハストル（千）、[[洛叉|ラーク]]（十万）、[[カロール]]（千万）で区切っている。

'''ラーク''' (''lakh'')、'''カロール''' (''crore'') という単語は後述の仏典の[[華厳経]]（八十華厳及び四十華厳）における[[洛叉]]・[[倶胝]]に当たる。また[[インド英語]]では今日でも頻繁に使われており、インドでの英字新聞等でも普通に使用される。なお、英語の綴りと実際の発音とは大きくかけ離れている場合が多い。

{| class="wikitable" style="margin-left:auto;margin-right:auto;"
!呼び方!!数字!!桁数!!西洋の記数法と日本語での命数法による呼び方
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|एक (ek) エーク
|style="text-align:right"|1||10<sup>0</sup>||style="text-align:left"|1（[[1|一]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|दस (das) ダス
|style="text-align:right"|10||10<sup>1</sup>||style="text-align:left"|10（[[十]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|सौ (sau) ソウ
|style="text-align:right"|100||10<sup>2</sup>||style="text-align:left"|100（[[百]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|सहस्त्र (sahastr) サハストル / हज़ार (hazaar) ハザール
|style="text-align:right"|1,000||10<sup>3</sup>||style="text-align:left"|1,000（[[千]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|लाख (lakh) ラーク
|style="text-align:right"|1,00,000||10<sup>5</sup>||style="text-align:left"|100,000（十[[万]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|करोड़ (crore) カロール
|style="text-align:right"|1,00,00,000||10<sup>7</sup>||style="text-align:left"|10,000,000（千万）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|अरब (arawb) アラブ
|style="text-align:right"|1,00,00,00,000||10<sup>9</sup>||style="text-align:left"|1,000,000,000（十[[億]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|खरब (kharawb) カラブ
|style="text-align:right"|1,00,00,00,00,000||10<sup>11</sup>||style="text-align:left"|100,000,000,000（千億）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|नील (neel) ニール
|style="text-align:right"|1,00,00,00,00,00,000||10<sup>13</sup>||style="text-align:left"|10,000,000,000,000（十[[兆]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|पद्म (padma) パドマ
|style="text-align:right"|1,00,00,00,00,00,00,000||10<sup>15</sup>||style="text-align:left"|1,000,000,000,000,000（千兆）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|शंख (shankh) シャンク
|style="text-align:right"|1,00,00,00,00,00,00,00,000||10<sup>17</sup>||style="text-align:left"|100,000,000,000,000,000（十[[京 (数)|京]]）
|-
!scope="row" style="font-weight:normal"|महाशंख (mahashankh) マハーシャンク
|style="text-align:right"|1,00,00,00,00,00,00,00,00,000||10<sup>19</sup>||style="text-align:left"|10,000,000,000,000,000,000（千京）
|}

[[ヒンディー語]]において、新聞などでパドマ、カラブの単位までは時折使用されるが、それ以上の単位が登場する事はない。またインド英語においては、アラブ以上の単位は通常用いられない。しかしながら、[[インドの数学|インド数学]]の古い文書ではニール、パドマ、シャンクが用いられる事も多い。

高桁数の表記の場合は、ラークとカロールを組み合わせて、1ラーク・カロール（一兆、10<sup>12</sup>）等ということが多い。

[[ムンバイ]]のギャングなどが話す[[スラング]]では、カロールのことを「コーカー」(khokha)、ラークのことを「ペーティー」(peti) ということがある。

[[イラン]]では、50万を表す単語として「コルール」（{{Lang-fa|کرور}} Korūr）を最近まで使用していた。

[[シンハラ語]]では、カロールを「コーティヤ」(kōţiya)、ラークを「ラクシャヤ」(lakshaya) と呼んでいる。また、[[カンナダ語]]のような他の南インド言語では、カロールは「コティ」(koti)、ラークは「ラクシャ」(laksha) と呼ばれている。

[[ベンガル語]]にもシャンクと同源の {{Lang|bn|[[wikt:শঙ্খ|শঙ্খ]]}}（{{ipa|ʃɔŋkʰɔ}} {{small|ションコ}}）という語が見られるが表す数は10{{sup|12}}、つまり一兆であり、またパドマと同源の {{Lang|bn|[[wikt:পদ্ম|পদ্ম]]}}（綴り通りに[[ラテン文字]]転写すれば padma となるが実際の発音は {{ipa|pɔdːɔ̃}} {{small|ポッド}}）という語も存在するが指す数は10{{sup|13}}、つまり十兆である<ref>{{Cite book|last=দাস|first=জ্ঞানেন্দ্রমোহন|year=1937|chapter=পদ্ম; শঙ্খ|title=[[s:bn:নির্ঘণ্ট:বাঙ্গালা ভাষার অভিধান (দ্বিতীয় সংস্করণ) দ্বিতীয় ভাগ.djvu|বাঙ্গলা ভাষার অভিধান]]|edition=2nd|location=[[コルカタ|কলিকাতা]]|publisher=দি ইণ্ডিয়ান্ পাব্লিশিং হাউস|page=[[s:bn:পাতা:বাঙ্গালা ভাষার অভিধান (দ্বিতীয় সংস্করণ) দ্বিতীয় ভাগ.djvu/২৮|1264]], [[s:bn:পাতা:বাঙ্গালা ভাষার অভিধান (দ্বিতীয় সংস্করণ) দ্বিতীয় ভাগ.djvu/৬৮৪|1920]]}}{{bn_icon}}</ref>。

ラークは最近「ラキ」(laki) として[[スワヒリ語]]にも取り入れられている。

=== 仏典の数詞 ===
{|class="wikitable floatright"
|+ 八十華厳における命数
|-
!名称
!読み!!{{mvar|n}}!!数 <math>10^{7 \times 2^{n}}</math>
|-
|[[倶胝]]
|くてい||0||10<sup>7</sup>
|-
|阿庾多
|あゆた||1||10<sup>14</sup>
|-
|[[那由他#華厳経における那由他|那由他]]
|なゆた||2||10<sup>28</sup>
|-
|[[頻波羅]]
|ひんばら||3||10<sup>56</sup>
|-
|[[矜羯羅]]
|こんがら||4||10<sup>112</sup>
|-
|[[阿伽羅]]
|あから||5||10<sup>224</sup>
|-
|最勝
|さいしょう||6||10<sup>448</sup>
|-
|摩婆羅
|まばら||7||10<sup>896</sup>
|-
|阿婆羅
|あばら||8||10<sup>1792</sup>
|-
|多婆羅
|たばら||9||10<sup>3584</sup>
|-
|界分
|かいぶん||10||10<sup>7168</sup>
|-
|普摩
|ふま||11||10<sup>14336</sup>
|-
|禰摩
|ねま||12||10<sup>28672</sup>
|-
|阿婆鈐
|あばけん||13||10<sup>57344</sup>
|-
|弥伽婆
|みかば||14||10<sup>114688</sup>
|-
|毘攞伽
|びらか||15||10<sup>229376</sup>
|-
|毘伽婆
|びかば||16||10<sup>458752</sup>
|-
|僧羯邏摩
|そうがらま||17||10<sup>917504</sup>
|-
|毘薩羅
|びさら||18||10<sup>1835008</sup>
|-
|毘贍婆
|びせんば||19||10<sup>3670016</sup>
|-
|毘盛伽
|びじょうが||20||10<sup>7340032</sup>
|-
|毘素陀
|びすだ||21||10<sup>14680064</sup>
|-
|毘婆訶
|びばか||22||10<sup>29360128</sup>
|-
|毘薄底
|びばてい||23||10<sup>58720256</sup>
|-
|毘佉擔
|びきゃたん||24||10<sup>117440512</sup>
|-
|称量
|しょうりょう||25||10<sup>234881024</sup>
|-
|一持
|いちじ||26||10<sup>469762048</sup>
|-
|異路
|いろ||27||10<sup>939524096</sup>
|-
|顛倒
|てんどう||28||10<sup>1879048192</sup>
|-
|三末耶
|さんまや||29||10<sup>3758096384</sup>
|-
|毘覩羅
|びとら||30||10<sup>7516192768</sup>
|-
|奚婆羅
|けいばら||31||10<sup>15032385536</sup>
|-
|伺察
|しさつ||32||10<sup>30064771072</sup>
|-
|周広
|しゅうこう||33||10<sup>60129542144</sup>
|-
|高出
|こうしゅつ||34||10<sup>120259084288</sup>
|-
|最妙
|さいみょう||35||10<sup>240518168576</sup>
|-
|泥羅婆
|ないらば||36||10<sup>481036337152</sup>
|-
|訶理婆
|かりば||37||10<sup>962072674304</sup>
|-
|一動
|いちどう||38||10<sup>1924145348608</sup>
|-
|訶理蒲
|かりぼ||39||10<sup>3848290697216</sup>
|-
|訶理三
|かりさん||40||10<sup>7696581394432</sup>
|-
|奚魯伽
|けいろか||41||10<sup>15393162788864</sup>
|-
|達攞歩陀
|たつらほだ||42||10<sup>30786325577728</sup>
|-
|訶魯那
|かろな||43||10<sup>61572651155456</sup>
|-
|摩魯陀
|まろだ||44||10<sup>123145302310912</sup>
|-
|懺慕陀
|ざんぼだ||45||10<sup>246290604621824</sup>
|-
|瑿攞陀
|えいらだ||46||10<sup>492581209243648</sup>
|-
|摩魯摩
|まろま||47||10<sup>985162418487296</sup>
|-
|調伏
|ちょうぶく||48||10<sup>1970324836974592</sup>
|-
|離憍慢
|りきょうまん||49||10<sup>3940649673949184</sup>
|-
|不動
|ふどう||50||10<sup>7881299347898368</sup>
|-
|[[極量]]
|ごくりょう||51||10<sup>15762598695796736</sup>
|-
|阿麼怛羅
|あまたら||52||10<sup>31525197391593472</sup>
|-
|勃麼怛羅
|ぼまたら||53||10<sup>63050394783186944</sup>
|-
|伽麼怛羅
|がまたら||54||10<sup>126100789566373888</sup>
|-
|那麼怛羅
|なまたら||55||10<sup>252201579132747776</sup>
|-
|奚麼怛羅
|けいまたら||56||10<sup>504403158265495552</sup>
|-
|鞞麼怛羅
|べいまたら||57||10<sup>1008806316530991104</sup>
|-
|鉢羅麼怛羅
|はらまたら||58||10<sup>2017612633061982208</sup>
|-
|尸婆麼怛羅
|しばまたら||59||10<sup>4035225266123964416</sup>
|-
|翳羅
|えいら||60||10<sup>8070450532247928832</sup>
|-
|薜羅
|べいら||61||10<sup>16140901064495857664</sup>
|-
|諦羅
|たいら||62||10<sup>32281802128991715328</sup>
|-
|偈羅
|げら||63||10<sup>64563604257983430656</sup>
|-
|窣歩羅
|そほら||64||10<sup>129127208515966861312</sup>
|-
|泥羅
|ないら||65||10<sup>258254417031933722624</sup>
|-
|計羅
|けいら||66||10<sup>516508834063867445248</sup>
|-
|細羅
|さいら||67||10<sup>1033017668127734890496</sup>
|-
|睥羅
|へいら||68||10<sup>2066035336255469780992</sup>
|-
|謎羅
|めいら||69||10<sup>4132070672510939561984</sup>
|-
|娑攞荼
|しゃらだ||70||10<sup>8264141345021879123968</sup>
|-
|謎魯陀
|めいろだ||71||10<sup>16528282690043758247936</sup>
|-
|契魯陀
|けいろだ||72||10<sup>33056565380087516495872</sup>
|-
|摩覩羅
|まとら||73||10<sup>66113130760175032991744</sup>
|-
|娑母羅
|しゃもら||74||10<sup>132226261520350065983488</sup>
|-
|阿野娑
|あやしゃ||75||10<sup>264452523040700131966976</sup>
|-
|伽麼羅
|かまら||76||10<sup>528905046081400263933952</sup>
|-
|摩伽婆
|まかば||77||10<sup>1057810092162800527867904</sup>
|-
|阿怛羅
|あたら||78||10<sup>2115620184325601055735808</sup>
|-
|醯魯耶
|けいろや||79||10<sup>4231240368651202111471616</sup>
|-
|薜魯婆
|べいろば||80||10<sup>8462480737302404222943232</sup>
|-
|羯羅波
|からは||81||10<sup>16924961474604808445886464</sup>
|-
|訶婆婆
|かばば||82||10<sup>33849922949209616891772928</sup>
|-
|毘婆羅
|びばら||83||10<sup>67699845898419233783545856</sup>
|-
|那婆羅
|なばら||84||10<sup>135399691796838467567091712</sup>
|-
|摩攞羅
|まらら||85||10<sup>270799383593676935134183424</sup>
|-
|娑婆羅
|しゃばら||86||10<sup>541598767187353870268366848</sup>
|-
|迷攞普
|めいらふ||87||10<sup>1083197534374707740536733696</sup>
|-
|者麼羅
|しゃまら||88||10<sup>2166395068749415481073467392</sup>
|-
|馱麼羅
|だまら||89||10<sup>4332790137498830962146934784</sup>
|-
|鉢攞麼陀
|はらまだ||90||10<sup>8665580274997661924293869568</sup>
|-
|毘伽摩
|びかま||91||10<sup>17331160549995323848587739136</sup>
|-
|烏波跋多
|うはばた||92||10<sup>34662321099990647697175478272</sup>
|-
|演説
|えんぜつ||93||10<sup>69324642199981295394350956544</sup>
|-
|無尽
|むじん||94||10<sup>138649284399962590788701913088</sup>
|-
|出生
|しゅっしょう||95||10<sup>277298568799925181577403826176</sup>
|-
|無我
|むが||96||10<sup>554597137599850363154807652352</sup>
|-
|阿畔多
|あばんた||97||10<sup>1109194275199700726309615304704</sup>
|-
|青蓮華
|しょうれんげ||98||10<sup>2218388550399401452619230609408</sup>
|-
|鉢頭摩
|はどま||99||10<sup>4436777100798802905238461218816</sup>
|-
|僧祇
|そうぎ||100||10<sup>8873554201597605810476922437632</sup>
|-
|趣
|しゅ||101||10<sup>17747108403195211620953844875264</sup>
|-
|至
|し||102||10<sup>35494216806390423241907689750528</sup>
|-
|[[阿僧祇#華厳経における阿僧祇|阿僧祇]]
|あそうぎ||103||10<sup>70988433612780846483815379501056</sup>
|-
|阿僧祇転
|あそうぎてん||104||10<sup>141976867225561692967630759002112</sup>
|-
|[[無量]]
|むりょう||105||10<sup>283953734451123385935261518004224</sup>
|-
|無量転
|むりょうてん||106||10<sup>567907468902246771870523036008448</sup>
|-
|無辺
|むへん||107||10<sup>1135814937804493543741046072016896</sup>
|-
|無辺転
|むへんてん||108||10<sup>2271629875608987087482092144033792</sup>
|-
|無等
|むとう||109||10<sup>4543259751217974174964184288067584</sup>
|-
|無等転
|むとうてん||110||10<sup>9086519502435948349928368576135168</sup>
|-
|不可数
|ふかすう||111||10<sup>18173039004871896699856737152270336</sup>
|-
|不可数転
|ふかすうてん||112||10<sup>36346078009743793399713474304540672</sup>
|-
|不可称
|ふかしょう||113||10<sup>72692156019487586799426948609081344</sup>
|-
|不可称転
|ふかしょうてん||114||10<sup>145384312038975173598853897218162688</sup>
|-
|不可思
|ふかし||115||10<sup>290768624077950347197707794436325376</sup>
|-
|不可思転
|ふかしてん||116||10<sup>581537248155900694395415588872650752</sup>
|-
|不可量
|ふかりょう||117||10<sup>1163074496311801388790831177745301504</sup>
|-
|不可量転
|ふかりょうてん||118||10<sup>2326148992623602777581662355490603008</sup>
|-
|不可説
|ふかせつ||119||10<sup>4652297985247205555163324710981206016</sup>
|-
|不可説転
|ふかせつてん||120||10<sup>9304595970494411110326649421962412032</sup>
|-
|不可説不可説
|ふかせつふかせつ||121||10<sup>18609191940988822220653298843924824064</sup>
|-
|[[不可説不可説転]]
|ふかせつふかせつてん||122||10<sup>37218383881977644441306597687849648128</sup>
|}

==== 八十華厳 ====
[[唐]]の[[実叉難陀]]訳の『[[華厳経]]（八十華厳）』（新訳華厳経、唐経、[[大正新脩大蔵経|大正蔵]]279）の第45巻「阿僧祇品第三十」には、右表に示した命数が記述されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/T0279_.10.0237b05.html|title=SAT大正新脩大藏經テキストデータベース2018（T0279）|website=SAT大正新脩大藏經テキストデータベース|accessdate=2019-09-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://tripitaka.cbeta.org/T10n0279_045|title=T10n0279_045 大方廣佛華嚴經 第45卷|website=CBETA 漢文大藏經|accessdate=2019-09-19}}</ref>。

10<sup>5</sup> を[[洛叉]]、100洛叉（10<sup>7</sup>）を倶胝（くてい）とし、倶胝以上を上数として123の命数が列挙されている。

最大の命数である[[不可説不可説転]]は
:<math>10^{7 \times 2^{122}} = 10^{37218383881977644441306597687849648128}</math>
という巨大な数となる。

[[クッキークリッカー]]の日本語バージョンの一つでは、「恒河沙」までは一般的な方式の命数法となっているが、それより先は独自の方式の命数法を採用している。具体的には、一般的な方式の「阿僧祇」「那由他」「不可思議」「無量大数」は登場せず、一般的な方式なら「阿僧祇」にあたる位置に八十華厳の数詞の「頻波羅」が使われており、そこから先は「矜羯羅」「阿伽羅」を採用している。なお「阿伽羅」の次の八十華厳の数詞は「最勝」であるが、これはこのゲームで扱える数値の限界を超えてしまうため、このゲームでは事実上「阿伽羅」が日本語バージョンの最高の単位となっている。

==== 六十華厳 ====
[[東晋]]の[[仏駄跋陀羅]]訳の『[[華厳経]]（六十華厳）』（旧訳華厳経、晋経、[[大正新脩大蔵経|大正蔵]]278）の第29巻「心王菩薩問阿僧祇品第二十五」には、上記の命数法とは異なる命数が記述されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/T0278_.09.0586a03.html|title=SAT大正新脩大藏經テキストデータベース2018（T0278）|website=SAT大正新脩大藏經テキストデータベース|accessdate=2019-09-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://tripitaka.cbeta.org/T09n0278_029|title=T09n0278_029 大方廣佛華嚴經 第29卷|website=CBETA 漢文大藏經|accessdate=2019-09-19}}</ref>。

10<sup>10</sup> を拘梨とし、拘梨以上を上数として121の命数が列挙されている。

最大の命数である不可説転転は <math>10^{10 \times 2^{120}}</math> という巨大な数となる。

==== 四十華厳 ====
[[唐]]の般若三蔵訳の『[[華厳経]]（四十華厳）』（貞元経、[[大正新脩大蔵経|大正蔵]]293）の第10巻「入不思議解脱境界普賢行願品」には、上記の命数法とは異なる命数が記述されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/T0293_.10.0704c21.html|title=SAT大蔵経テキストデータベース2018（T0293）|website=SAT大正新脩大藏經テキストデータベース|accessdate=2019-09-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://tripitaka.cbeta.org/T10n0293_010|title=T10n0293_010 大方廣佛華嚴經 第10卷|website=CBETA 漢文大藏經|accessdate=2019-09-19}}</ref>。

10<sup>5</sup> を[[洛叉]]、100洛叉（10<sup>7</sup>）を倶胝とし、倶胝以上を上数として144の命数が列挙されている。

最大の命数である[[不可説不可説転]]は <math>10^{7 \times 2^{142}}</math> という巨大な数となる。
{{clear}}

これら3つの華厳経では、八十華厳・四十華厳の洛叉は別として、他はいずれも上数で2乗すると次の単位になるため、二重指数関数に当たる。もっとも、これらは実用のものではなく、計算もできないほど大きな数を示して[[悟り]]の[[功徳]]の大きさを表したものである。

=== 大和言葉（和語）によるひふみ詞命数法 ===
{{出典の明記| date = 2024年6月| section = 1}}
[[大和言葉]]（和語）によって巨大な数を表す方式には、ひふみ詞によるものがあり、10<sup>38</sup>の桁まで表せる。ただし実際には、「よろず（ろ）」より上が命数法として使用されることはほとんどない。

{|class="wikitable"
|+ 大和言葉（和語）命数法
|-
!名称!!数
|-
|ひとつ（ひ）||1（一）
|-
|ふたつ（ふ）||2（二）
|-
|みっつ（み）||3（三）
|-
|よっつ（よ）||4（四）
|-
|いつつ（い）||5（五）
|-
|むっつ（む）||6（六）
|-
|ななつ（な）||7（七）
|-
|やっつ（や）||8（八）
|-
|ここのつ（こ）||9（九）
|-
|とお（と）||10（十）
|-
|もも（も）||100（百）
|-
|ち||1,000（千）
|-
|よろず（ろ）||10,000（万）
|-
|ら||100,000（十万）
|-
|ね||1,000,000（百万）
|-
|し||10,000,000（千万）
|-
|き||100,000,000（一億）
|-
|る||10<sup>9</sup>（十億）
|-
|ゆ||10<sup>10</sup>（百億）
|-
|ゐ||10<sup>11</sup>（千億）
|-
|つ||10<sup>12</sup>（一兆）
|-
|わ||10<sup>13</sup>（十兆）
|-
|ぬ||10<sup>14</sup>（百兆）
|-
|そ||10<sup>15</sup>（千兆）
|-
|を||10<sup>16</sup>（一京）
|-
|た||10<sup>17</sup>（十京）
|-
|は||10<sup>18</sup>（百京）
|-
|く||10<sup>19</sup>（千京）
|-
|め||10<sup>20</sup>（一垓）
|-
|か||10<sup>21</sup>（十垓）
|-
|う||10<sup>22</sup>（百垓）
|-
|お||10<sup>23</sup>（千垓）
|-
|ゑ||10<sup>24</sup>（一𥝱）
|-
|に||10<sup>25</sup>（十𥝱）
|-
|さ||10<sup>26</sup>（百𥝱）
|-
|り||10<sup>27</sup>（千𥝱）
|-
|へ||10<sup>28</sup>（一穣）
|-
|て||10<sup>29</sup>（十穣）
|-
|の||10<sup>30</sup>（百穣）
|-
|ま||10<sup>31</sup>（千穣）
|-
|す||10<sup>32</sup>（一溝）
|-
|あ||10<sup>33</sup>（十溝）
|-
|せ||10<sup>34</sup>（百溝）
|-
|え||10<sup>35</sup>（千溝）
|-
|ほ||10<sup>36</sup>（一澗）
|-
|れ||10<sup>37</sup>（十澗）
|-
|け||10<sup>38</sup>（百澗）
|}

== 小数の命数法 ==
[[中国]]に由来する[[漢数字]]では、小数については、一桁（0.1倍）ごとに新たな名前を付ける下数が行われている。これに対し、ヨーロッパ言語やインドにおいては分数の表記としては、half や quarter、en:Roman numerals#Fractions のような表現にはあるが、10進法の小数について桁ごとに名称を付すことは行われていない。漢数字については、位の小さなものの名称については時代や地域、また書物によって相違がある。例えば[[朱世傑]]『{{仮リンク|算学啓蒙|zh|算学启蒙}}』では沙以下は万万進としているほか、「虚空」「清浄」を「虚」「空」「清」「浄」の4つの別の名とするなどの違いがある。以下は一例である。

{|class="wikitable"
|+ 小数の命数法
|-
!呼称!!数!! 備考
|-
|[[1|一]]（いち）||10<sup>0</sup> ||
|-
|[[分 (数)|分]]（ぶ）||10<sup>−1</sup> ||
|-
|[[厘]]（釐）（りん）||10<sup>−2</sup> ||
|-
|[[毛 (数)|毛]]（毫）（もう）||10<sup>−3</sup> ||
|-
|[[糸 (数)|糸]]（絲）（し）||10<sup>−4</sup> ||
|-
|[[忽]]（こつ）||10<sup>−5</sup> ||
|-
|[[微]]（び）||10<sup>−6</sup> ||
|-
|[[繊]]（せん）||10<sup>−7</sup> ||
|-
|[[沙]]（しゃ）||10<sup>−8</sup> ||
|-
|[[塵 (数)|塵]]（じん）||10<sup>−9</sup> ||
|-
|[[埃 (数)|埃]]（あい）||10<sup>−10</sup> ||
|-
|[[渺]]（びょう）||10<sup>−11</sup> ||
|-
|[[漠]]（ばく）||10<sup>−12</sup> ||
|-
|[[模糊]]（もこ）||10<sup>−13</sup> ||
|-
|[[逡巡]]（しゅんじゅん）||10<sup>−14</sup> ||
|-
|[[須臾]]（しゅゆ）||10<sup>−15</sup> ||
|-
|[[瞬息]]（しゅんそく）||10<sup>−16</sup> ||
|-
|[[弾指 (数)|弾指]]（だんし）||10<sup>−17</sup> ||
|-
|[[刹那 (数)|刹那]]（せつな）||10<sup>−18</sup> ||
|-
|[[六徳]]（りっとく）||10<sup>−19</sup> ||
|-
|[[虚空 (数)|虚空]]（こくう）、空虚（くうきょ）||10<sup>−20</sup> || 「虚空」「清浄」を「虚」「空」「清」「浄」と分けた場合、「虚」10<sup>−20</sup>「空」10<sup>−21</sup>
|-
|[[清浄 (数)|清浄]]（せいじょう）||10<sup>−21</sup> || 「虚空」「清浄」を「虚」「空」「清」「浄」と分けた場合、「清」10<sup>−22</sup>「浄」10<sup>−23</sup>
|}

このうち、『塵劫記』では埃以上のみが紹介されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3508170/4|title=新編塵劫記第3巻|accessdate=2018-03-02|doi=10.11501/3508170|page=4}}第二：小数の名の事</ref>。

実用で用いられるのは毛あるいは糸くらいまでであり、それ以下については名前がついているだけで実際にはほとんど用いられない。なお、「六徳」は「徳」の6倍という意味ではなく、「六徳」で一つの単位である。

実際に桁を連ねるときは、「二'''寸'''三分四厘」のように1の位の後に「基準[[単位]]（ここでは「寸」）」をつける。現代的な表現が「2.34'''寸'''」のように最後に「基準単位」を付けるのとは異なる。

=== 日本語 ===
現代の日本では、上記の小数の命数法は、野球選手の打率や守備率、スポーツチームの勝率、レートまたは割引を表す場合によく用いられる。「３６度５分」(36.5 ℃)のように、温度を表す時にも、慣用表現 (「五分五分の勝負」、「九分九厘」、「七分袖」など) でも用いられる。 

かつては[[尺貫法]]において、基準となる[[計量単位]]（[[寸]]、[[文 (通貨単位)#長さの単位|文]]、[[匁]]）とともによく用いられていた（[[分 (数)#計量単位など]]）。現代では例えば 36.5 度と表記するが、伝統的には３６度５分というように基準単位（ここでは「度」）の後に小数の数詞（「分」）を付して記述する。長さの場合は、2寸3分4厘 のようになる。 意味は 2.34寸と同じである。

また、[[割]]と用いられることも多い。例えば、２割４分７厘は、分は割の1/10、厘は割の1/100であるので、現代風に書くと、2.47 割ということになる。

==== 割と共に用いる場合の誤解 ====
{{see also|分 (数)#百分の一を意味するとの誤解}}

基準単位として「[[割]]」を使う場合は「2割4分7厘」のようになることから、「分は'''全体の''' 1/100、厘は'''全体の''' 1/1000 」と勘違いをされることがある。しかし、これは「2.47割」の意味であって、「分は'''割の''' 1/10、厘は'''割の''' 1/100」であって、長さの場合の「2寸3分4厘 = 2.34寸」と同様の表現である。

上記の勘違いを生ずる原因は、割を用いる場合に割そのものが 1/10 を意味するために、「分が'''全体の''' 1/100、厘が'''全体の''' 1/1000 」と誤解するからである。分、厘、毛などの数詞は、「基準単位」（例えば、寸、割、匁など）の小数を意味することを理解しておく必要がある。

=== 小数点と3桁区切り ===
[[File:DecimalSeparator.svg|right|thumb|{{Center|content=各国の小数点表示<br/>
<span style="background:#00b7ef">{{color|white|[[終止符|{{color|white|ピリオド}}]]}}</span>
<span style="background:#a8e61d">[[コンマ]]</span>
<span style="background:#ff0000">[[インド数字|{{color|white|インド数字}}]]</span>
<span style="color: #666">不明</span>}}]]

[[小数点]]には地域（言語）によって、[[終止符#数の区切り|ピリオド]]（.）又は[[コンマ#小数点|コンマ]]（,）が使われる（[[小数点#二つの方式]]）。日本ではピリオドが使われることがほとんどである。

3桁区切りについては、国際機関では小数点を基準に3桁毎にコンマ（,）やピリオド（.）を入れることを'''禁止'''しており、その代わりに[[スペース]]（通常は半角スペース([[:en:thin space]])）を入れると規定している。これは小数点にピリオドとコンマの両方が使われていることから、３桁毎にコンマやピリオドを入れると重大な誤読を招くおそれがあるからである。

[[国際単位系国際文書]] （SI文書）の要約は次のように記している。

{{quotation|数字の桁数が多い場合は、読み易くするために、小数点から3桁ごとにグループ分けすることが習慣化している。これは必須ではないが、このようにされることが多く、一般的に分かり易い。この書式を使う場合、3桁ごとのグループ分けには空白のみを用い、'''点やカンマを使ってはならない。'''<ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88%E8%A6%81%E7%B4%84_r.pdf 国際単位系（SI）第9版（2019）要約 日本語版] p.192、国際単位系（SI）基本単位の定義改定と計量標準、2020年3月、 国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター </ref>　}}


{| class="wikitable"
|+ short scale（英語など）での呼び方
|-
! 数 !! short scale !! 対応する漢数字 !! 補足
|-
| 1 || one || 一 || 1
|-
| 10<sup>2</sup> || hundred || 百 || 100
|-
| 10<sup>3</sup> || thousand || 千 || 1000
|-
| 10<sup>6</sup> || [[million]] || 百万 || 1000×1000 (＝1,000,000)
|-
| 10<sup>9</sup> || [[billion]] || 十億 || 1000×1000<sup>2</sup> (＝1,000,000,000)
|-
| 10<sup>12</sup> || [[trillion]] || '''一兆''' || 1000×1000<sup>3</sup> (＝1,000,000,000,000)
|-
| 10<sup>15</sup> || quadrillion || 千兆 || 1000×1000<sup>4</sup> (＝1,000,000,000,000,000)
|-
| 10<sup>18</sup> || quintillion || 百京 || 1000×1000<sup>5</sup>
|-
| 10<sup>21</sup> || sextillion || 十垓 || 1000×1000<sup>6</sup>
|-
| 10<sup>24</sup> || septillion || '''一𥝱''' || 1000×1000<sup>7</sup>
|-
| 10<sup>27</sup> || octillion || 千𥝱 || 1000×1000<sup>8</sup>
|-
| 10<sup>30</sup> || nonillion || 百穣 || 1000×1000<sup>9</sup>
|-
| 10<sup>33</sup> || decillion || 十溝 || 1000×1000<sup>10</sup>
|-
| 10<sup>36</sup> || undecillion || '''一澗''' || 1000×1000<sup>11</sup>
|-
| 10<sup>39</sup> || duodecillion || 千澗 || 1000×1000<sup>12</sup>
|-
| 10<sup>42</sup> || tredecillion || 百正 || 1000×1000<sup>13</sup>
|-
| 10<sup>45</sup> || quattuordecillion || 十載 || 1000×1000<sup>14</sup>
|-
| 10<sup>48</sup> || quindecillion || '''一極''' || 1000×1000<sup>15</sup>
|-
| 10<sup>51</sup> || sexdecillion || 千極 || 1000×1000<sup>16</sup>
|-
| 10<sup>54</sup> || septendecillion || 百恒河沙 || 1000×1000<sup>17</sup>
|-
| 10<sup>57</sup> || octodecillion || 十阿僧祇 || 1000×1000<sup>18</sup>
|-
| 10<sup>60</sup> || novemdecillion || '''一那由他''' || 1000×1000<sup>19</sup>
|-
| 10<sup>63</sup> || vigintillion || 千那由他 || 1000×1000<sup>20</sup>
|-
| 10<sup>66</sup> || unvigintillion || 百不可思議 || 1000×1000<sup>21</sup>
|-
| 10<sup>69</sup> || duovigintillion || 十無量大数 || 1000×1000<sup>22</sup>
|-
| 10<sup>72</sup> || tresvigintillion || ※※※ || 1000×1000<sup>23</sup>
|-
|{{10^|75}}
|quattuorvigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|24}}
|-
|{{10^|78}}
|quinvigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|25}}
|-
|{{10^|81}}
|sesvigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|26}}
|-
|{{10^|84}}
|septemvigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|27}}
|-
|{{10^|87}}
|octovigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|28}}
|-
|{{10^|90}}
|novemvigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|29}}
|-
| 10<sup>93</sup> || trigintillion || ※※※ || 1000×1000<sup>30</sup>
|-
|{{10^|96}}
|untrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|31}}
|-
|{{10^|99}}
|duotrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|32}}
|-
| 10<sup>100</sup> || [[googol]] || ※※※ || 10×1000<sup>33</sup>
|-
|{{10^|102}}
|trestrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|33}}
|-
|{{10^|105}}
|quattuortrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|34}}
|-
|{{10^|108}}
|quintrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|35}}
|-
|{{10^|111}}
|sestrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|36}}
|-
|{{10^|114}}
|septentrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|37}}
|-
|{{10^|117}}
|octotrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|38}}
|-
|{{10^|120}}
|noventrigintillion
|※※※
|1000×1000{{Sup|39}}
|-
| 10<sup>123</sup> || quadragintillion || ※※※ || 1000×1000<sup>40</sup>
|}

{| class="wikitable"
|+ long scale での呼び方
|-
! 数 !! long scale !! 対応する漢数字 !! 補足
|-
|-
| 10<sup>6</sup> || million || 百万 || (1 000 000)<sup>1</sup>
|-
| 10<sup>12</sup> || billion || '''一兆''' || (1 000 000)<sup>2</sup> (＝1 000 000 000 000)
|-
| 10<sup>18</sup> || trillion || 百京 || (1 000 000)<sup>3</sup> (＝1 000 000 000 000 000 000)
|-
| 10<sup>24</sup> || quadrillion || '''一𥝱''' || (1 000 000)<sup>4</sup> (＝1 000 000 000 000 000 000 000 000)
|-
| 10<sup>30</sup> || quintillion || 百穣 || (1 000 000)<sup>5</sup> (＝1 000 000 000 000 000 000 000 000 000 000)
|-
| 10<sup>36</sup> || sextillion || '''一澗''' || (1 000 000)<sup>6</sup> (＝1 000 000 000 000 000 000 000 000 000 000 000 000)
|-
| 10<sup>42</sup> || septillion || 百正 || (1 000 000)<sup>7</sup>
|-
| 10<sup>48</sup> || octillion || '''一極''' || (1 000 000)<sup>8</sup>
|-
| 10<sup>54</sup> || nonillion || 百恒河沙 || (1 000 000)<sup>9</sup>
|-
| 10<sup>60</sup> || decillion || '''一那由他''' || (1 000 000)<sup>10</sup>
|-
| 10<sup>66</sup> || undecillion || 百不可思議 || (1 000 000)<sup>11</sup>
|-
| 10<sup>72</sup> || duodecillion || ※※※ || (1 000 000)<sup>12</sup>
|}

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
{{ウィキプロジェクトリンク|数学|[[画像:Nuvola apps edu mathematics blue-p.svg|34px|Project:数学]]}}
* [[漢数字]]
* [[小数点]]
* [[助数詞#日本語の助数詞]]
* [[日本語]]
* [[数の一覧]]
* [[数の比較]]
* [[単位一覧]]
* [[位取り記数法]]
* [[倍数接頭辞]] - '''bi'''llion、'''tri'''llion、'''quadri'''llion等、ギリシャ語やラテン語に由来する数の接頭辞に関する項目。
* [[語呂合わせ]]
* [[巨大数]]
* [[大字 (数字)]]

== 外部リンク ==
* {{Cite web|和書|url=http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/largenumber.html|title=無量大数の彼方へ|author=高杉親知|accessdate=2020-03-29|archiveurl= https://megalodon.jp/2021-0401-2217-53/www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/largenumber.html|archivedate=2021-04-01 |url-status=dead|url-status-date=2023-05-18}}
* [http://www.moroo.com/uzokusou/misc/suumei/suumei.html 大数の名前]

{{日本の命数}}
{{巨大数}}

{{DEFAULTSORT:めいすうほう}}
[[Category:数の表現]]
[[Category:数学に関する記事]]

[[af:Telwoord]]
[[als:Zahlwort]]
[[az:Say]]
[[ba:Һан]]
[[be:Лічэбнік]]
[[bg:Числително име]]
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[[bs:Brojevi (vrste riječi)]]
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[[da:Talord]]
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[[ru:Имя числительное]]
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