商 (数学)のソースを表示

{{Otheruses|数学の商|その他|商}}
{{See also|除法|分数|比}}
{{Calculation results}}
[[File:Divide12by3.svg|thumb|alt=12 apples divided into 4 groups of 3 each.|12個のりんごを3で割った商は4となる。]]

[[算術]]において、'''商'''（しょう、{{lang-en|quotient}} {{IPA-en|/ˈkwoʊʃənt/}}, {{lang-la|''quotiens''}} 「何回だけ」より）とは、2数の[[除法]]によって得られる量<ref>{{Cite web|title=Quotient|website=Dictionary.com|url=http://dictionary.reference.com/browse/quotient|accessdate=2012-09-12}}<!-- 英語版 oldid=511948718 で挿入を確認 --></ref>。商は数学全体で広く用いられ、特に整数除法<ref>{{Cite web|last=Weisstein|first=Eric W.|title=Integer Division|url=https://mathworld.wolfram.com/IntegerDivision.html#:~:text=Integer%20division%20is%20division%20in,and%20is%20the%20floor%20function.|access-date=2020-08-27|website=mathworld.wolfram.com|language=en}}</ref>（[[ユークリッド除法|除法の原理]]）か、[[分数]]あるいは[[比]]（有理数の除法）として言及される。例えば、ユークリッド除法では被除数20を除数3で割ると、その「商」は「6あまり2」となり、有理数の除法では {{math|6{{sfrac|2|3}}}} となる。後者の場合、商は単に被除数と除数との比である。

== 記法 ==
{{Main|en:Division (mathematics)#Notation}}
商は、水平線で分けられた2数あるいは2変数として一般に表される。「被除数」と「除数」はそれぞれの一部分を、「商」の語は全体を指す。

<math display="block">
\dfrac{1}{2} \quad
\begin{align} 
& \leftarrow \text{dividend  or  numerator} \\ 
& \leftarrow \text{divisor  or  denominator} 
\end{align}
\Biggr \} \leftarrow \text{quotient}
</math>

== 整数部の定義 ==
商はまた、[[剰余]]が負にならない最大の[[自然数]]としても定義される。例えば、除数3は被除数20から剰余が負にならずに最大6回まで引くことができる。
: {{math|20 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 ≥ 0}}
一方で
: {{math|20 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 < 0}}
となる。

この場合、商は2数の[[床関数と天井関数|整数部]]となる<ref>{{MathWorld|urlname=Quotient|title=Quotient}}</ref>。

== 二整数の商 ==
{{Main|有理数}}
[[有理数]]は（分母が0でない）ふたつの[[整数]]の商として定義できる。

より詳細な定義は次のとおりである<ref>{{Cite book |title=Discrete mathematics with applications |last=Epp |first=Susanna S. |date=2011-01-01 |publisher=Brooks/Cole |isbn=9780495391326 |oclc=970542319 |pages=163}}</ref>。

: 実数 {{mvar|r}} が有理数であることは分母が0でない2整数の商として表されることと同値である。有理数でない実数は無理数である。

より正式には次のようになる。
: 実数 {{mvar|r}} が与えられたとき、{{mvar|r}} が有理数であるとは {{math|''r'' {{=}} {{sfrac|''a''|''b''}}}} かつ {{math| ''b'' ≠ 0}} を満たす整数 {{mvar|a}} および {{mvar|b}} が存在することと同値である。

[[無理数]]（2整数の商でない数）の存在は幾何学で、正方形の辺に対する対角線の長さの比として最初に発見された<ref>{{Cite web|title=Irrationality of the square root of 2.|url=https://www.math.utah.edu/~pa/math/q1.html|access-date=2020-08-27|website=www.math.utah.edu}}</ref>。

== より一般な商 ==
算術以外で、多くの数学分野で「商」の語がより大きな構造を解体して作られる構造の事を指すのに借用されている。[[同値関係]]にある[[集合]]が与えられた際、「[[商集合]]」はその同値関係を要素として含むようにつくられる。[[商群]]は[[群 (数学)|群]]を類似の[[剰余類]]の個数に合わせてばらすことでつくられ、[[商線型空間]]も同じように[[ベクトル空間]]を類似の[[線型部分空間]]に分割することで得られる。

== 関連項目 ==
* [[積]]
* {{仮リンク|商圏 (数学)|en|Quotient category|label=商圏}}
* {{仮リンク|商グラフ|en|Quotient graph}}
* [[除法#整数の除法|整数除法]]
* [[商加群]]
* [[商対象]]
* {{仮リンク|形式言語の商|en|Quotient of a formal language}}: 左商（left quotient）および右商（right quotient）が存在する
* [[商環]]
* [[商集合]]
* [[商空間]]
* {{仮リンク|商型|en|Quotient type}}
* {{仮リンク|商算と分割|en|Quotition and partition}}

== 出典 ==
{{Reflist}}
{{DEFAULTSORT:しよう}}
[[Category:実数]]
[[Category:除法]]
[[Category:数学に関する記事]]