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固体電解質
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'''固体電解質'''(こたいでんかいしつ)は、外部から加えられた[[電場]]によって[[イオン (化学)|イオン]](帯電した物質)を移動させることができる[[固体]]。逆にイオンの移動を利用して[[電力]]を取り出すこともできる。[[固体酸化物形燃料電池]]の発電材料や[[電解コンデンサ]]の電極[[電気伝導体|導体]]として使われる。 [[金属]]や[[半導体]]は主として[[電子]]の移動によって[[電流]]が流れるのに対して、固体電解質は主としてイオンの移動によって電流が流れる。移動する[[荷電粒子]]がイオンであるという点では[[電解質]]の[[溶液]]と同様であるが、媒体が固体であるためイオンの移動速度が小さく、低温での[[電気伝導|導電]]性は低い。 == ジルコニア == {{main|イットリア安定化ジルコニア}} 固体電解質として安定化[[ジルコニア]]が古くから使われている。ジルコニアを介して酸素[[分圧]]に差があると、酸素イオンが高分圧側から低分圧側へ移動する。酸素イオンはマイナスに帯電していることから、高分圧側がカソード、低分圧側がアノードとなる。この性質によって酸素[[センサー]]あるいは燃料電池を構成することができる。 ジルコニアを用いた燃料電池あるいは酸素センサーの[[起電力]]は[[ネルンストの式]]を用いて次式で表される。 :<math>E = \frac{RT}{4F} \ln\frac{P_{O_2}^{\rm I}}{P_{O_2}^{\rm II}}</math> ::''R'':[[気体定数]] ::''T'':温度(K) ::<math>P_{O_2}^{\rm I}</math>、<math>P_{O_2}^{\rm II}</math>:高分圧側および低分圧側の酸素分圧 ::''F'': [[ファラデー定数]] 一方、外部からジルコニアに電圧を加えるとマイナス極側からプラス極側へ酸素イオンが移動するため酸素ポンプを構成することができ、雰囲気制御などに利用される。燃料電池、酸素ポンプいずれの場合も実用的にはおおむね600℃以上の温度を必要とする。また、イオンの移動は一般に酸素の[[格子欠陥|格子空孔]]の移動として記述される。 == βアルミナ固体電解質 == {{main|βアルミナ固体電解質}} 300℃で[[ナトリウム|Na]]<sup>+</sup>、[[カリウム|K]]<sup>+</sup>、[[リチウム|Li]]<sup>+</sup>、[[銀|Ag]]<sup>+</sup>、[[水素|H]]<sup>+</sup>、[[鉛|Pb]]<sub>2</sub><sup>+</sup>、[[ストロンチウム|Sr]]<sub>2</sub><sup>+</sup> または [[バリウム|Ba]]<sub>2</sub><sup>+</sup> の[[イオン (化学)|イオン]]などが移動する。[[ナトリウム硫黄電池]]や[[アルカリ金属熱電変換機]]の[[電解質]]として使用される。 == 用途 == * [[固体酸化物形燃料電池]] * [[ナトリウム硫黄電池]] * [[アルカリ金属熱電変換機]] * [[酸素センサ]] {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:こたいてんかいしつ}} [[Category:固体物理学]] [[Category:電気化学]]
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