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[[ファイル:Mode Shape of a Round Plate with Node Lines.jpg|サムネイル|[[太鼓]]の表面における固有振動]] '''固有振動'''(こゆうしんどう、{{lang-en|characteristic vibration, normal mode}})とは、ある[[系 (自然科学)|系]]が自由振動を行う際に現れる、いくつかの特定の振動形式のことである<ref>{{Cite web |title=固有振動(コユウシンドウ)とは? 意味や使い方 |url=https://kotobank.jp/word/%E5%9B%BA%E6%9C%89%E6%8C%AF%E5%8B%95-66369 |website=コトバンク |access-date=2024-09-27 |language=ja |first=デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,改訂新版 世界大百科事典,ブリタニカ国際大百科事典 |last=小項目事典,百科事典マイペディア,世界大百科事典内言及}}</ref>。固有振動の[[振動数]]を固有振動数という。 == 代表的な振動系の固有振動 == === ばね‐質量系の固有振動 === [[File:ばね‐質量系の固有振動.gif|300px|thumb|ばね‐質量系の振動|右]] 質量mの物体を一端を固定したばね定数''k''のばねの他端に取り付けて、摩擦の無い水平面上に置く。 右向きを正に''x''軸をとり、ばねが自然長の時の物体の位置を0とする。 物体を正の向きに移動させるとばねが伸び、負の向きに移動させるとばねは縮む。 いずれもばねは[[フックの法則]]に従うため、物体の変位を''x''、物体がばねから受ける力を''F''とすると {{Indent|<math>F=-kx</math> … (1-1)}} が成り立つ。また物体の加速度を''x''の時間''t''による2階微分で表すと、 [[ニュートンの運動方程式]]は {{Indent|<math>m \frac{d^2x}{dt^2}=F</math> … (1-2)}} である。 (1-1)と(1-2)から {{Indent|<math>m \frac{d^2x}{dt^2} = -kx</math> … (1-3)}} を得る。この2階微分方程式を解くと一般解は {{Indent|<math>x=A \sin (\omega t+\phi)</math> … (1-4)}} となる。ただし<math>A,\omega,\phi</math>は定数で<math>\omega =\sqrt{k/m} </math>である。 このときの''ω''がばね-質量系の固有角振動数である。 === 単振り子の固有振動 === [[ファイル:単振子.gif|250px|サムネイル|右|単振り子の様子]] [[振り子#単振り子|単振り子]]は微小振動をしているとき水平面内で[[単振動]]をしているとみなすことができる。おもり(質点とみなす)の質量をm、糸の長さをℓとする。糸が鉛直線となす角度θが十分小さいとき、水平方向にx軸をとると変位は {{Indent|<math>x=l\sin\theta\approx l\theta</math> … (2-1)}} 水平方向の力は {{Indent|<math>F=-mg\sin\theta\approx-mg\theta</math> … (2-2)}} 物体の加速度をxの時間tによる2階微分で表すと、ニュートンの運動方程式は {{Indent|<math>m{d^2x \over dt^2}=F</math> … (2-3)}} である。(2-1)、(2-2)、(2-3)から {{Indent|<math>-mg\theta=ml{d^2\theta \over dt^2}</math> }} {{Indent|<math>{d^2\theta \over dt^2}={-{g\over l}\theta}</math> … (2-4)}} を得る。この2階微分方程式を解くと一般解は {{Indent|<math>\theta=A \sin (\omega t+\phi)</math> … (2-5)}} となる。ただし<math>A,\omega,\phi</math>は定数で<math>\omega =\sqrt{g/l} </math>である。このときの''ω''が単振り子の固有角振動数である。 === 弦の固有振動 === 線密度ρ(kg/m)で張力T(N)で引っ張られている弦に関して、<math>v=\sqrt {T/\rho}</math>とおくと {{Indent|<math>\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}={1\over{v^2}}\frac{{\partial}^2y}{\partial t^2} </math>}} の波動方程式を得る。この波動方程式を解くと、 {{Indent|<math>y_n(x,t)=A_n\sin{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) \quad (n=1,2,3,\ldots)</math>… (3-1)}} このような各<math>y_n(x,t)</math>を[[基準モード]]という。また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\sin{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math> … (3-2)}} (3-1)においてn=1,2,3の[[基準モード]]は右図のような振動を示す。 [[File:第1調和振動.gif|thumb|n=1のとき第1調和振動|right]] [[File:第2調和振動.gif|thumb|n=2のとき第2調和振動|right]] [[File:第3調和振動.gif|thumb|n=3のとき第3調和振動|right]] またこの系における固有角振動数は :<math>\omega_n={n\pi v\over l}={n\pi \over l}\sqrt {T\over \rho}</math> である。 === 気柱の固有振動 === 空気の密度をρ(g/㎥)、[[体積弾性率]]をK(N/㎡)、<math>v=\sqrt {K/\rho}</math>とする。ここでは開口で実際に生じる[[開口端補正]]を無視して考える。 ==== 一端が閉口で他端が開口の管 ==== {{Indent|<math>\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}={1\over{v^2}}\frac{{\partial}^2y}{\partial t^2} </math>}} の波動方程式を得る。この波動方程式を解くと、 {{Indent|<math>y_n(x,t)=A_n\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) \quad (n=1,2,3,\ldots)</math> }} また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math>}} この系における固有角振動数は :<math>\omega_n={(2n-1)\pi v\over 2l}={(2n-1)\pi \over 2l}\sqrt {K\over \rho}</math> である。 ==== 両端が開口の管 ==== {{Indent|<math>\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}={1\over{v^2}}\frac{{\partial}^2y}{\partial t^2} </math>}} の波動方程式を得る。この波動方程式を解くと、 {{Indent|<math>y_n(x,t)=A_n\cos{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n})\quad (n=1,2,3,\ldots) </math> }} また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\cos{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math>}} この系における固有角振動数は :<math>\omega_n={n\pi v\over l}={n\pi \over l}\sqrt {K\over \rho}</math> である。 == 付録 == ===(1-4)式が(1-3)式の解であることの証明=== {{Indent|<math>{dx \over dt}=A\omega\,\cos (\omega t+\phi)</math> }} {{Indent|<math>{d^2x \over dt^2}=-A\omega^2\,\sin (\omega t+\phi)=-\omega^2x</math> … (1-5)}} (1-2)と(1-5)から {{Indent|<math>-m\omega^2x=-kx</math> … (1-6)}} (1-6)式で<math>m\omega^2 =k</math>を満足していれば解であることがいえる。 ===(2-5)式が(2-4)式の解であることの証明=== {{Indent|<math>{d\theta \over dt}=A\omega\,\cos (\omega t+\phi)</math> }} {{Indent|<math>{d^2\theta \over dt^2}=-A\omega^2\,\sin (\omega t+\phi)=-\omega^2\theta</math> … (2-6)}} (2-4)と(2-6)から {{Indent|<math>-\omega^2\theta=-{g\over l}\theta</math> … (2-7)}} (2-7)式で<math>\omega^2 ={g\over l}</math>を満足していれば解であることがいえる。 ===弦に関する波動方程式=== [[File:弦の一部分.jpg|350px|thumb|振動する弦の微小部分|右]] ====波動方程式の導出==== 線密度ρ(kg/m)で張力T(N)で引っ張られている弦がXY平面上にあるとする。その弦のxとx+δxの微小部分について考える。位置xにおける弦の接線とx軸のなす角を<math>\theta_x</math>、位置x+δxにおける弦の接線とx軸のなす角を<math>\theta_{x+\delta x}</math>とすると張力<math>T_A</math>と<math>T_B</math>のx方向成分、y方向成分は次のように表すことができる。 {{Indent|<math>T_A^x=-T\cos \theta_x</math>}} {{Indent|<math>T_A^y=-T\sin \theta_x</math>}} {{Indent|<math>T_B^x=T\cos \theta_{(x+\delta x)}</math>}} {{Indent|<math>T_B^y=T\sin \theta_{(x+\delta x)}</math>}} したがってy方向の力<math>F_y</math>は {{Indent|<math>F_y=T_A^y+T_B^y=T\sin\theta_{(x+\delta x)}-T\sin\theta_x</math> … (3-1)}} ここで<math>T\sin\theta_{(x+\delta x)}</math>に[[テイラー級数展開]]を適用すると {{Indent|<math>T\sin\theta_{(x+\delta x)}=T\sin\theta_x+\frac{\partial T\sin\theta_x}{\partial x} \delta x +\frac{{\partial}^2T\sin\theta_x}{2\partial x^2}(\delta x)^2+ \cdots </math>}} δxは微小であるため2次以上の項を無視できる。よって {{Indent|<math>T\sin\theta_{(x+\delta x)}=T\sin\theta_x+\frac{\partial T\sin\theta_x}{\partial x}\delta x</math> … (3-2) }} (3-2)を(3-1)に代入すると、 {{Indent|<math>F_y=T\sin\theta_x+\frac{\partial T\sin\theta_x}{\partial x}\delta x-T\sin\theta_x=\frac{\partial T\sin\theta_x}{\partial x}\delta x</math>}} θ十分に小さいとき<math>\sin\theta\approx \tan\theta</math>と近似できる。また<math>\tan\theta=\frac{\partial y}{\partial x}</math>と置き換えられるから {{Indent|<math>F_y=T\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2} \delta_x</math> … (3-3)}} 線分<math>\delta s</math>の質量は<math>\rho \delta s</math>であるから[ニュートンの運動方程式は {{Indent|<math>T\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}\delta x=\rho \delta s \frac{{\partial}^2y}{\partial t^2}</math>}} δyが小さいから<math>\delta s\approx \delta x</math> ,さらに<math>v</math>=<math>\sqrt {T\over \rho}</math>とおくと {{Indent|<math>\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}={1\over{v^2}}\frac{{\partial}^2y}{\partial t^2} </math> … (3-4)}} の波動方程式を得る。 ====波動方程式の解法==== 波動方程式を解くために、[[変数分離法]]を用いる。 関数y(x,t)がxの関数X(x)とtの関数T(t)の積の形で表されると仮定して {{Indent|<math>y(x,t)=X(x)T(t)</math>… (3-5)}} とおく。(3-5)を(3-4)に代入して整理し、両辺をX(x)T(t)でわると {{Indent|<math>{1\over{X(x)}}\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}={1\over{v^2T(t)}}\frac{{d}^2T(t)}{d t^2}</math>… (3-6)}} このとき左辺はxのみの関数、右辺はtのみの関数であり、xとtは独立変数である。両辺が等しいということは両辺の値が定数であるということになる。この定数をKとおくと(3-6)から {{Indent|<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}-KX(x)=0</math>… (3-7)}} {{Indent|<math>\frac{{d}^2T(t)}{d t^2}-Kv^2T(t)=0</math>… (3-8)}} と書きかえられる。 *xについての方程式<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}-KX(x)=0</math>… (3-7)を解く。 ⅰ)K=0のとき {{Indent|<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}=0</math>}} となる。この微分方程式の一般解は<math>X(x)=ax+b</math>である。 ⅱ)K>0のとき 実数の定数k用いて<math>K=k^2</math>とすると {{Indent|<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}-k^2X(x)=0</math>… (3-9)}} と表される。ここで<math>X(x)=e^{\alpha x}</math>とおくと、<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}={\alpha}^2e^{\alpha x}</math>なので(3-9)は<math>({\alpha}^2-k^2)X(x)=0</math>と書きかえられる。X(x)は任意の関数であるから<math>{\alpha}^2-k^2=0</math>を考える。つまり<math>\alpha=\pm k</math>である。したがって解は<math>X(x)=e^{kx}</math>と<math>X(x)=e^{-kx}</math>であり、またその[[線形結合]]の<math>X(x)=C_1e^{kx}+C_2e^{-kx}</math>も解である。<math>k=\sqrt K</math>から {{Indent|<math>X(x)=C_1e^{\sqrt Kx}+C_2e^{-\sqrt Kx}\quad(C_1,C_2</math>は定数)}} ⅲ)K<0のとき 実数の定数k用いて<math>K=-k^2</math>とすると {{Indent|<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}+k^2X(x)=0</math>… (3-10)}} と表される。ここで<math>X(x)=e^{\alpha x}</math>とおくと、<math>\frac{{d}^2X(x)}{d x^2}={\alpha}^2e^{\alpha x}</math>なので(3-10)は<math>({\alpha}^2+k^2)X(x)=0</math>と書きかえられる。X(x)は任意の関数であるから<math>{\alpha}^2+k^2=0</math>を考える。つまり<math>\alpha=\pm ik</math>である。したがって解は<math>X(x)=e^{ikx}</math>と<math>X(x)=e^{-ikx}</math>であり、またその線形結合の<math>X(x)=C_1e^{ikx}+C_2e^{-ikx}</math>も解である。<math>k=\sqrt {-K}</math>から {{Indent|<math>X(x)=C_1e^{i\sqrt {-K}x}+C_2e^{-i\sqrt {-K}x}\quad(C_1,C_2</math>は定数)}} [[オイラーの公式]]を適用すると {{Indent|<math>X(x)=C_1(\cos{\sqrt{-K}x}+i\sin{\sqrt{-K}x})+C_2(\cos{\sqrt{-K}x}-i\sin{\sqrt{-K}x})=C_3\cos{\sqrt{-K}x}+C_4\sin{\sqrt{-K}x}</math>}}(<math>C_3=C_1+C_2,C_4=iC_1-iC_2</math>はそれぞれ定数) ⅰ)~ⅲ)から :K=0のとき…<math>X(x)=ax+b</math>… (3-11) :K>0のとき…<math>X(x)=C_1e^{\sqrt Kx}+C_2e^{-\sqrt Kx}</math> … (3-12) :K<0のとき…<math>X(x)=C_3\cos{\sqrt{-K}x}+C_4\sin{\sqrt{-K}x}</math>… (3-13) 両端固定の長さ<math>l</math>の弦について考えると、両端固定による条件は :<math>y(0,t)=0</math> and <math>y(l,t)=0</math>… (3-14) (3-11)に条件(3-14)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (3-12)に条件(3-14)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (3-13)に条件(3-14)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math> or <math>X(x)=C_4\sin{n\pi x\over l}</math>}} <math>X(x)=0</math>は弦が振動していない様子を表すので、振動する弦の解は {{Indent|<math>X(x)=C_4\sin{n\pi x\over l}\quad (n=1,2,3,\ldots)</math> … (3-15)}} である。 *tについての方程式<math>\frac{{d}^2T(t)}{d t^2}-Kv^2T(t)=0</math>… (3-8)を解く。xについての微分方程式を解いたとき、導いた解はK<0のときであった。よってここでもK<0のときのみを考える。実数の定数kを用いて<math>K=-k^2</math>とすると(3-8)は {{Indent|<math>\frac{{d}^2T(t)}{d t^2}=-k^2v^2T(t)</math>… (3-16)}} と表される。この2階微分方程式を解くと一般解は {{Indent|<math>T(t)=C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})</math>… (3-17)}} となる。ただし、<math>C_5</math>,<math>\omega_n</math>,<math>\phi_n</math>は定数で、<math>\omega_n=kv={n\pi v\over l}</math>である。 (3-15)、(3-17)から {{Indent|<math>y_n(x,t)=X(x)T(t)=C_4\sin{n\pi x\over l}C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})=A_n\sin{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n})\quad (n=1,2,3,\ldots) </math> … (3-18)}} また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\sin{n\pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math> … (3-19)}} ===気柱に関する波動方程式=== ====波動方程式の導出==== 断面積Sの円筒の中の空気の振動を考える。空気の密度をρ[g/㎥]、空気のx軸方向の変位をy(x,t)とする。大気圧を<math>P_0</math>とすると、位置xにおける圧力は<math>P_0+\delta P(x,t)</math>と表される。 [[File:気柱の変位.png|thumb|気柱の変位|右]] この円筒の中のxとx+δxの微小部分について考える。空気が振動していないとき微小部分の体積はV=Sδxである。空気が振動したときの体積の変化は {{Indent|<math>\delta V=S(y(x+\delta x,t)-y(x,t))</math>… (4-1)}} と表される。空気の体積と圧力の間には {{Indent|<math>\delta P=-K{\delta V \over V}</math>… (4-2)}} の関係が成り立つ。ここでKは[[体積弾性率]]である。(4-1)を(4-2)に代入すると {{Indent|<math>\delta P=-K{S(y(x+\delta x,t)-y(x,t))\over S\delta x}</math>}} δx→0で {{Indent|<math>\delta P=-K{\partial y(x,t)\over \partial x}</math>… (4-3)}} [[File:気柱にかかる圧力.png|thumb|気柱にはたらく圧力]] 空気の断面にはそれぞれ圧力がはたらいている。xにおける断面にはたらく力は {{Indent|<math>F_x=S(P_0+\delta P(x,t))</math>}} x+δxにおける断面にはたらく力は {{Indent|<math>F_{x+\delta x}=-S(P_0+\delta P(x+\delta x,t))</math>}} したがって微小部分にはたらく力は {{Indent|<math>F=S(-P_0-\delta P(x+\delta x,t)+P_0+\delta P(x,t))=-S(\delta P(x+\delta x,t)-\delta P(x,t))</math>… (4-4)}} また微小部分の質量は<math>m=\rho S\delta x</math>であり、ニュートンの運動方程式を整理すると {{Indent|<math>\rho \frac{{\partial}^2y}{\partial t^2}=-{\delta P(x+\delta x,t)-\delta P(x,t)\over \delta x}</math>}} x→0で {{Indent|<math>\rho \frac{{\partial}^2y}{\partial t^2}=-\frac{\partial \delta P(x,t)}{\partial x}</math>… (4-5)}} (4-3),(4-5)より {{Indent|<math>\rho \frac{{\partial}^2y}{\partial t^2}=K\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}</math>}} <math>v</math>=<math>\sqrt {K\over \rho}</math>とおくと {{Indent|<math>\frac{{\partial}^2y}{\partial x^2}={1\over{v^2}}\frac{{\partial}^2y}{\partial t^2} </math> … (4-6)}} の波動方程式を得る。 ====波動方程式の解法==== 「弦に関する波動方程式の解法」と同様にして[[変数分離法]]で波動方程式を解いていくと、xについての方程式は次の解を得る。 :K=0のとき…<math>X(x)=ax+b</math>… (4-7) :K>0のとき…<math>X(x)=C_1e^{\sqrt Kx}+C_2e^{-\sqrt Kx}</math> … (4-8) :K<0のとき…<math>X(x)=C_3\cos{\sqrt{-K}x}+C_4\sin{\sqrt{-K}x}</math>… (4-9) =====一端が閉口で他端が開口の管の場合===== ここでは開口で実際に生じる[[開口端補正]]を無視して解きすすめる。左端が閉口で右端が開口な長さ<math>l</math>の管について考えると、左端が閉口による条件は<math>y(0,t)=0</math>、右端が開口による条件は<math>P(l,t)=0</math>つまり<math>{\partial y(l,t) \over \partial x}=0</math>。したがって管の満たすべき条件は :<math>y(0,t)=0</math> and <math>{\partial y(l,t) \over \partial x}=0</math>… (4-10) である。(4-7)に条件(4-10)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (4-8)に条件(4-10)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (4-9)に条件(4-10)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math> or <math>X(x)=C_4\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}</math>}} <math>X(x)=0</math>は気柱が振動していない様子を表すので、振動する気柱の解は {{Indent|<math>X(x)=C_4\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}\quad (n=1,2,3,\ldots)</math>… (4-11)}} である。また、「弦に関する波動方程式の解法」と同様にしてtについての方程式を解くと、 {{Indent|<math>T(t)=C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})</math>… (4-12)}} となる。ただし、<math>C_5</math>,<math>\omega_n</math>,<math>\phi_n</math>は定数で、<math>\omega_n=kv={(2n-1)\over 2l}\pi v</math>である。したがって {{Indent|<math>y_n(x,t)=X(x)T(t)=C_4\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})=A_n\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) \quad (n=1,2,3,\ldots)</math> … (4-13)}} また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\sin{(2n-1)\pi x\over 2l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math> … (4-14)}} =====両端が開口の管の場合===== ここでは開口で実際に生じる開口端補正を無視して解きすすめる。両端が開口で長さ<math>l</math>の管について考えると、両端開口による条件は :<math>{\partial y(0,t) \over \partial x}=0</math> and <math>{\partial y(l,t) \over \partial x}=0</math>… (4-15) である。(4-7)に条件(4-15)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (4-8)に条件(4-15)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math>}} (4-9)に条件(4-15)を与えると {{Indent|<math>X(x)=0</math> or <math>X(x)=C_3\cos{n \pi x\over l}</math>}} <math>X(x)=0</math>は気柱が振動していない様子を表すので、振動する気柱の解は {{Indent|<math>X(x)=C_3\cos{n \pi x\over l}\quad (n=1,2,3,\ldots)</math> … (4-16)}} である。また、「弦に関する波動方程式の解法」と同様にしてtについての方程式を解くと、 {{Indent|<math>T(t)=C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})</math>… (4-17)}} となる。ただし、<math>C_5</math>,<math>\omega_n</math>,<math>\phi_n</math>は定数で、<math>\omega_n=kv={n \over l}\pi v</math>である。したがって {{Indent|<math>y_n(x,t)=X(x)T(t)=C_3\cos{n \pi x\over l}C_5\sin ({\omega_n t+\phi_n})=A_n\cos{n \pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n})\quad (n=1,2,3,\ldots) </math> … (4-18)}} また各y(x,t)は線形微分方程式の解であるから、それらの和もまた解である。したがって一般解は {{Indent|<math>y(x,t)=\sum_{n=1}^\infty A_n\cos{ n \pi x\over l}\sin ({\omega_n t+\phi_n}) </math> … (4-19)}} == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == {{参照方法|date=2023年3月}} *{{Cite book|和書|author1=N.H.フレッチャー|authorlink1=N.H.フレッチャー|author2=T.D.ロッシング編著|authorlink2=T.D.ロッシング|others=[[岸憲史]]・[[久保田秀美]]・[[吉川茂]]訳|title=楽器の物理学}} - 原タイトル:''The Physics of Musical Instruments'' *{{Cite book|和書|author=マッカリー・サイモン編著|authorlink=マッカリー・サイモン|others=[[千原秀昭]]・[[江口太郎]]・[[齋藤一弥]]訳|title=物理化学(上)}} *[http://hep1.c.u-tokyo.ac.jp/~kikukawa/lectures/H22waves/5example.pdf#search='気柱+波動方程式' 気柱の振動] == 関連項目 == * [[共振]] * [[共鳴]] * [[固有関数]] {{physics-stub}} {{DEFAULTSORT:こゆうしんとう}} [[Category:振動と波動]] [[Category:音]] [[Category:物理化学の現象]] [[Category:振動工学]] [[Category:常微分方程式]]
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