多重星のソースを表示
←
多重星
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[ファイル:HD188753 orbit.jpg|right|thumb|250px|三重星[[HD 188753]]の軌道の想像図]] '''多重星'''(たじゅうせい、Multiple star)は、[[地球]]から見ると近接した位置に見える3つ以上の[[恒星]]である。実際に近い距離にあり、重力を及ぼし合っているものは「物理的」(''physical'')、方向が同じため単に近くにあるように見えるだけのものは「光学的」(''optical'')と呼ばれる<ref>[http://www.rssd.esa.int/index.php?project=HIPPARCOS&page=Double_stars Hipparcos: Double and Multiple Stars], web page, accessed October 31, 2007.</ref><ref name="toko">[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1997A&AS..124...75T/abstract MSC - a catalogue of physical multiple stars], A. A. Tokovinin, ''Astronomy and Astrophysics Supplement Series'' '''124''' (July 1997), pp. 75-84.</ref><ref>[http://www.messier.seds.org/bina.html Binary and Multiple Stars], web page, accessed May 26, 2007.</ref>。物理的な多重星は、[[星系]]とも呼ばれる。 ほとんどの多重星は三重星である。より大きな四重星、五重星、六重星、それ以上の多重星は、統計的に生じにくい<ref name=toko />。 多重星は、安定な軌道を持つ[[二重星]]と、100個から1000個の恒星が集まり、より複雑な力学下にある[[散開星団]]の間の大きさである<ref>p. 24, ''Galactic Dynamics'', James Binney and Scott Tremaine, Princeton University Press, 1987, ISBN 0-691-08445-9.</ref>。多重星は、これら2つの極端な場合のどちらに近いかで2つの分類に分けることができる。ほとんどの多重星は、小さな軌道が大きな軌道の中に含まれる階層的な構造を持っている。このような構造の中では、軌道同士の相互作用はほとんどなく、二重星系の場合のように、軌道は安定である<ref name=toko /><ref name=heintz1>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 | pages=1 }}</ref>。この他の[[トラペジア]]と呼ばれる多重星は、通常、非常に若く不安定な系である。これらは恒星のゆりかごだと考えられており、すぐに安定な多重星系に分化する。[[オリオン大星雲]]の[[トラペジウム]]がそのような例である<ref name=heintztrapezia>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 | pages=67-68 }}</ref><ref>Runaway Stars, Trapezia, and Subtrapezia, Christine Allen, Arcadio Poveda, and Alejandro Hernandez-Alcantara, ''Revista Mexicana de Astronomia y Astrofisica (Serie de Conferencias)'' '''25''' (2006), pp. 13-15, {{Bibcode|2006RMxAC..25...13A}}.</ref>。 ==階層構造== ===三重星系=== 物理的な三重星系では、それぞれの恒星は、系の[[共通重心]]の周りを公転する。通常、2つの恒星が[[近接連星]]を形成し、3番目の恒星がこの連星から距離を置いて、連星の周りを公転する。このような配列は、「階層的」と呼ばれる<ref>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 | pages=66-67}}</ref><ref name=evans>{{cite journal | last=Evans | first=David S. | year=1968 | title=Stars of Higher Multiplicity | journal=Quarterly Journal of the Royal Astronomical Society | volume=9 | bibcode=1968QJRAS...9..388E | pages=388-400}}</ref>。その理由は、内側の軌道と外側の軌道の大きさが同程度だと、系は安定せず、恒星は系から弾き出されることになるからである<ref>A Note on the Stability of Hierarchical Triple Stars with Initially Circular Orbits, L. G. Kiseleva, P. P. Eggleton, and J. P. Anosova, ''Monthly Notices of the Royal Astronomical Society'' '''267''', #1 (March 1994), pp. 161-166, {{Bibcode|1994MNRAS.267..161K}}.</ref>。全てが重力的に結びついているのではない三重星のほとんどは、物理的な連星と光学的な伴星から構成され、そのような星系には、[[ケフェウス座ベータ星|ケフェウス座β星]]等がある。またごく稀に3つとも光学的な三重星も存在し、このような例には[[へび座ガンマ星|へび座γ星]]等がある。 ===四重星以上の恒星系=== [[ファイル:Mobile-diagrams.png|left|thumb|300px|モビール・ダイヤグラム]] 3個以上の階層的な多重星系は、Evans (1968)が「モビール・ダイヤグラム」(''mobile diagram'')と呼ぶ図で示されるような、より複雑な配列となる。これらは、天井から吊す飾りの[[モビール]]と似た形になるため、このように呼ばれ、いくつかの例を左に示している。ダイヤグラムのそれぞれの段は、2つかそれ以上のより小さな系への分解点を示している。Evansはダイヤグラムのそれぞれの段を「階層」(''hierarchy'')と呼んだ<ref>pp. 393-394, {{cite journal | last=Evans | first=David S. | year=1968 | title=Stars of Higher Multiplicity | journal=Quarterly Journal of the Royal Astronomical Society | volume=9 | bibcode=1968QJRAS...9..388E | pages=388-400}}</ref>。 :(b)のような1段階の単一階層のダイヤグラムは、二重星を表している。(c)のような2段階の単一階層のダイヤグラムは、三重星、(d)のような3段階の単一階層のダイヤグラムは、四重星を表している。3段階のダイヤグラムは、4個から8個の成分を持つ。(e)のダイヤグラムは、近接連星の周りを1つの恒星が公転しており、さらに近接連星を構成する1つの恒星がさらに近接連星となっているような四重星系の例を表している。 :3階層を持つ実際の恒星の例は、[[ふたご座]]の[[カストル (恒星)|カストル]]である。[[実視連星]]のそれぞれを詳しく見ると2つずつの[[分光連星]]に分けられる。これだけで(d)の2階層の四重星系になるが、さらに遠くに、2つの[[赤色矮星]]からなる暗い連星の伴星が周りを回っており、結果として3階層の六重星系となっている<ref>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | page=72 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 }}</ref>。 :1999年に発行された A. A. Tokovininの''Multiple Star Catalogue''によると、最多の階層は4階層である<ref>MSC - a catalogue of physical multiple stars, A. A. Tokovinin, 1997-1999, CDS ID [http://cdsarc.u-strasbg.fr/viz-bin/Cat?J/A%2bAS/124/75 J/A+AS/124/75].</ref>。例えば、[[グリーゼ644]]Aとグリーゼ644Bは実視連星であるように見えるが、実はグリーゼ644Bは分光連星であり、実際は三重星系である。この三重星系は遠い軌道に伴星グリーゼ643を伴い、さらに遠くにグリーゼ644Cも存在する。グリーゼ644Cは、グリーゼ644A及びBと共通の運動をするため、重力的に結びついていると考えられている。この五重星系は、(f)で示されるような4階層のモビール・ダイヤグラムを持つ<ref>Studies of multiple stellar systems - IV. The triple-lined spectroscopic system Gliese 644, Tzevi Mazeh et al., ''Monthly Notices of the Royal Astronomical Society'' '''325''', 1 (July 2001), pp. 343-357, {{Bibcode|2001MNRAS.325..343M}}, {{doi|10.1046/j.1365-8711.2001.04419.x}}; see §7-8 for a discussion of the quintuple system.</ref>。 さらに高次の階層も考え得る<ref name="evans" /><ref>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | pages=65-66 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 }}</ref>。これらの高次の階層の多くは安定であるか、または内部に[[摂動 (天文学)|摂動]]を持つものもある<ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1970AJ.....75.1140H/abstract], Harrington, R.S., ''Astronomical Journal'', '''75''' (1970), pp.114-118.</ref><ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1987VA.....30...69F/abstract], Fekel, Francis C., ''Vistas in Astronomy'','''30''' (1987), pp. 69-76-118.</ref><ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2006POBeo..80..155Z/abstract], Zhuchkov, R. Ya.; Orlov, V. V.; Rubinov, A. V., ''Publications of the Astronomical Observatory of Belgrade,'','''80''' (2006), pp. 155-160.</ref>。また、高次の多重星系は理論的にはそのうち小さな多重星系に分解し、多く観測される三重星系や四重星系に落ち着くと考える研究者もいる<ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2004ARep...48...45R/abstract], Rubinov, A. V., ''Astronomy Reports'' '''48''' (2004), pp. 155-160.</ref><ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1977RMxAA...3..209H/abstract], Harrington, R. S., ''Rev. Mex. Astron. Astrofis'' '''3''' (1977), pp. 209.</ref>。 ==トラペジア== 若い恒星から構成される多重星の2番目の分類は、トラペジアと呼ばれるものであり、オリオン大星雲の中心にあるトラペジウムから名付けられた<ref name=heintztrapezia />。このような系は珍しくなく、明るい[[星雲]]の近くや中によく見られる。これらの恒星は標準的な階層配列を持たないが、安定な軌道を争い、重心は1点に固定されず、互いの位置を変えながら運動する。この関係は、''interplay''(相互作用)と呼ばれる<ref name="Heintz 1978 68">{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | page=68 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company, Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 }}</ref>。このような恒星は最終的に、遠くに伴星を伴った近接連星に落ち着き、それまで系内にあった恒星は高速で[[星間空間]]に弾き出される<ref name="Heintz 1978 68"/>。このような現象は、ランナウェイ・スターの存在を説明する。200km/s以上の速度で運動している[[ぎょしゃ座AE星]]、[[はと座ミュー星|はと座μ星]]、[[おひつじ座53番星]]等は、200万年程前にオリオン大星雲から弾き出されたものであると考えられている<ref name="Blaauw">{{cite journal | last=Blaauw | first=A. | coauthors=Morgan, W.W. | year=1954 | title=The Space Motions of AE Aurigae and mu Columbae with Respect to the Orion Nebula | journal=Astrophysical Journal | volume=119| pages=625 | doi=10.1086/145866 | bibcode=1954ApJ...119..625B}}</ref><ref name="Hoogerwerf">{{cite journal | last=Hoogerwerf | first=R. | coauthors=de Bruijne, J.H.J., P.T. de Zeeuw, P.T | year=2000 | title=The origin of runaway stars| journal=Astrophysical Journal | volume=544 | issue=2| pages=133-136 | doi=10.1086/317315 | bibcode=2000ApJ...544L.133H|arxiv = astro-ph/0007436 }}</ref>。 ==多重星の軌道運動== ===二重星の共通重心の計算=== 単純な二重星''r<sub>1</sub>''では、1番目の恒星の中心から共通重心までの距離は、次の式で与えられる。 :<math>r_1 = a \cdot {m_2 \over m_1 + m_2} = {a \over 1 + m_1/m_2}</math> ここで、 :''a''は2つの恒星の中心の間の距離、 :''m<sub>1</sub>''と''m<sub>2</sub>''は2つの恒星の質量を表す。 ''a''が、1つの天体がもう1つの天体の周りを公転する時の[[軌道長半径]]と一致する場合、''r<sub>1</sub>''は、共通重心の周りの1つ目の天体の軌道長半径となり、''r<sub>2</sub>''=''a''-''r<sub>1</sub>''は2つ目の天体の軌道の軌道長半径となる。共通重心が、重い方の天体の内部にある場合、その天体は、公転しているというよりは揺れているように見える。 ===共通重心のアニメーション=== 以下のアニメーションは、シミュレーションではない。赤い十字の位置は、系の共通重心の位置を示す。 {| class="wikitable" width=480 |valign=top|[[Image:orbit1.gif|160px]]<br />(a.) 同程度の質量の2つの天体が共通重心の周りを公転している。 |valign=top|[[Image:orbit2.gif|160px]]<br />(b.) [[冥王星]]と[[カロン (衛星)|カロン]]の系のように、質量に差のある2つの天体が共通重心の周りを公転している。 |valign=top|[[Image:orbit3.gif|160px]]<br />(c.) [[地球]]と[[月]]の系のように、質量に大きな差のある2つの天体が共通重心の周りを公転している。 |- |valign=top|[[Image:orbit4.gif|160px]]<br />(d.) 地球と[[太陽]]の系のように、質量に非常に大きなの差のある2つの天体が共通重心の周りを公転している。 |valign=top colspan=2|[[Image:orbit5.gif|320px]]<br />(e.) 同程度の質量の2つの天体が共通重心の周りの楕円軌道を公転している。 |} ==記号と名前== ===多重星系の記号=== 多重星系を構成する恒星は、系の名前に添え字のA、B、C等を付けて表される。ABのような添え字はAとBから成る連星系を表すのに用いられる。B、C・・・という文字の順番は、主星Aから離れている順番に付ける<ref name=Heintz19>{{cite book | last=Heintz | first=W. D. | year=1978 | page=19 | title=Double Stars | publisher=D. Reidel Publishing Company | location = Dordrecht | isbn=90-277-0885-1 }}</ref><ref name=fmt>[http://ad.usno.navy.mil/wds/wdsweb_format.txt Format, The Washington Double Star Catalog] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20080412092018/http://ad.usno.navy.mil/wds/wdsweb_format.txt |date=2008年4月12日 }}, Brian D. Mason, Gary L. Wycoff, and William I. Hartkopf, Astrometry Department, United States Naval Observatory. Accessed on line August 20, 2008.</ref>。既に発見された恒星に非常に近い位置にある場合は、Aa、Baのような添え字を付ける<ref name=fmt />。 ===多重星カタログ上の名前=== [[ファイル:Tokovinin-multiple-star-notation.png|thumb|right|150px|TokovininのMultiple Star Catalogueでのサブシステムの命名の方式]] A. A. Tokovininの''Multiple Star Catalogue''では、モビール・ダイヤグラム上のそれぞれのサブシステムに連続する数字の番号を付けている。例えば、上の(d)のダイヤグラムでは、最も広いシステムに1の番号が振られ、さらにその中の最も大きいサブシステムに11、2番目に大きいサブシステムに12の番号が振られる。この下にくるサブシステムには、階層に応じて3桁、4桁、5桁、それ以上の番号が振られる。この方法で、階層になっていないシステムを記述すると、同じ番号が2つ以上に付くことがある。例えば、3つの構成成分A、B、Cがあり、そのどれもがサブシステムを作らない時には、2つの連星系ABとACに1という番号が与えられる。この場合、BとCがさらに連星に分解できる場合には、それらには12、13という番号が与えられる<ref>§2.4, [https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1997A&AS..124...75T/abstract MSC - a catalogue of physical multiple stars], A. A. Tokovinin, ''Astronomy and Astrophysics Supplement Series'' '''124''' (July 1997), pp. 75-84.</ref>。 ===将来の多重星の名前=== 現在の二重星及び多重星の命名法では、別の方法で発見された連星には、異なった名前がついてしまい、混乱を引き起こすこと(例えば、実視連星には発見者による命名、食連星には[[アルゲランダー記法]]等)があり、さらに悪いことに、別の著者ごとに別の添え字文字を与えることがあり、ある著者にとってAの恒星が、別の著者にとってCになることもある<ref name=post191>{{cite web | url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/wmc_post191.html | title=Addressing confusion in double star nomenclature: The Washington Multiplicity Catalog | author=William I. Hartkopf & Brian D. Mason | publisher=United States Naval Observatory | accessdate=2008-09-12 }}</ref>。この問題を解決するための議論が1999年から始まり、以下のような4つの命名方式が結論付けられた<ref name=post191 />。 *KoMa - アラビア数字またはローマ数字に大文字か小文字の添え字を付ける階層的方式 *The Urban/Corbin Designation Method - [[デューイ十進分類法]]に似た、数字を用いる階層的方式<ref>{{cite web | url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/uc.txt | title=Urban/Corbin Designation Method | publisher=United States Naval Observatory | accessdate=2008-09-12 }}</ref> *The Sequential Designation Method - 発見の順番に天体を並べる非階層的方式<ref>{{cite web | url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/seq.txt | title=Sequential Designation Method | publisher=United States Naval Observatory | accessdate=2008-09-12 }}</ref> *WMC(Washington Multiplicity Catalog) - [[ワシントン重星カタログ]]で用いられている添え字を拡張した階層的な方式 命名に当たり、階層の中の位置を特定することにより、その性質を計算することが容易になる。しかし、既存の階層の間や上のレベルに新しい恒星が発見された場合には、問題となる。このような時は、階層の一部を内側にずらす。恒星が実在しないと分かった時や、後で階層を変える場合にも問題が生じる<ref>{{cite web |url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/toko_hwds.txt |title=On the designation of multiple stars |author=A. Tokovinin |date=April 18, 2000 | accessdate=2008-09-12 }}</ref><ref>{{cite web |url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/toko_exam.txt |title=Examples of multiple stellar systems discovery history to test new designation schemes |author=A. Tokovinin |date=April 17, 2000 | accessdate=2008-09-12 }}</ref>。 2000年に行われた[[国際天文学連合]]の第24回総会で、WMC方式が承認され、委員会5、8、26、42、45で単一の命名方式に拡張することが決議され<ref name=post191 />、赤経30′分のWMC方式のカタログのサンプルが後に作成された<ref>{{cite web |url=http://ad.usno.navy.mil/wds/wmc/wmc110_intro.html |title=Sample Washington Multiplicity Catalog |author=William I. Hartkopf & Brian D. Mason |publisher=United States Naval Observatory | accessdate=2008-09-12 }}</ref>。2003年の第25回総会でも再び問題点について話し合われ、干渉ワーキンググループと委員会5、8、26、42、45で再び、WMC方式を拡張させることが決議された<ref>A new classification scheme for double and multiple stars, R. W. Argyle, ''The Observatory'' '''124''' (April 2004), pp. 94-96, {{Bibcode|2004Obs...124...94A}}.</ref>。 WMC方式は階層的に組織化されており、用いられている階層は観測された軌道周期か角距離に基づいている。第1階層には大文字の添え字、第2階層には小文字の添え字、第3階層には数字が用いられる。それ以下の階層には、交互に小文字と数字が用いられるが、サンプルの中にはこの例は見られない<ref name=post191 />。 ==例== [[ファイル:HD 98800.jpg|thumb|250px|right|[[HD 98800]]は、[[うみへび座TWアソシエーション]]の中に位置する四重星系である。]] *[[HR 3617]]は3つの恒星HR 3617A、HR 3617B、HR 3617Cからなる多重星である。AとBは重力的に結びついた連星であり、Cは同じ方向に見えるだけである。 *[[ケンタウルス座アルファ星|ケンタウルス座α星]]は、黄色の[[G型主系列星]]と橙色の[[K型主系列星]]の連星(ケンタウルス座α星A及びB)と、その外側の[[赤色矮星]]ケンタウルス座α星Cからなる三重星である。AとBの連星は、ケンタウルス座α星ABまたは RHD 1 ABと呼ばれる<ref name="wds2006">{{cite web | last=Mason | first=B.D. | coauthors=Wycoff, G.L. I. Hartkopf, W.I.. | year=2008 | url=http://ad.usno.navy.mil/wds/ | title=Washington Visual Double Star Catalog, 2006.5 (WDS) | publisher=U. S.Naval Observatory, Washington D.C. | accessdate=2012-10-26}}</ref>。これらは、近点11[[天文単位|AU]]、遠点36AUで公転している。3番目の恒星はそこから1万5000AUほど離れているが、天文学的には比較的小さい距離であるため、これが公転周期50万年以上でケンタウルス座α星ABと重力的な影響を受けているか否かは未だ論争がある<ref>[https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2006AJ....132.1995W/abstract Are Proxima and α Centauri Gravitationally Bound?], Jeremy G. Wertheimer, Gregory Laughlin, ''Astronomical Journal'' '''132''', #5 (November 2006), pp. 1995-1997.</ref>。 *HD 188753は、地球から約149光年離れた、3つとも重力で結びついた三重星である。HD 188753Aは黄色のG型主系列星、HD 188753Bは橙色のK型主系列星、HD 188753Cは赤色矮星である。BとCは互いの周りを156日の周期で公転しており、さらにそれがAの周りを25.7年の周期で公転している。Aの周りには、[[ホットジュピター]]型の[[太陽系外惑星]]も存在すると主張されていたが<ref>{{cite journal|author=Konacki, M.|title=An extrasolar giant planet in a close triple-star system|journal=Nature|volume=436|issue=7048|pages=230-233|year=2005|doi=10.1038/nature03856|pmid=16015323|bibcode=2005Natur.436..230K}}</ref>、近年の研究では、その存在は疑問視されている<ref>{{cite journal|author=Eggenberger, A.; Udry, S.; Mazeh, T.; Segal, Y.; Mayor, M.|title=No evidence of a hot Jupiter around HD 188753 A|journal=Astronomy and Astrophysics|volume=466|issue=3|pages=1179-1183|doi=10.1051/0004-6361:20066835|year=2007|bibcode=2007A&A...466.1179E|arxiv = astro-ph/0702574 }}</ref>。 *[[ポラリス (恒星)|北極星]]は三重星であり、近い方の伴星は主星の非常に近くにあり、2006年に[[ハッブル宇宙望遠鏡]]によって撮影されるまでは、重力のみでしか観測されていなかった。 ==関連項目== *[[連星]] *[[二重星]] *[[恒星系]] ==出典== {{Reflist|30em}} ==外部リンク== *[http://ad.usno.navy.mil/wds/dsl.html The Double Star Library] is located at the U.S. Naval Observatory * [http://www.space.com/searchforlife/090319-seti-planet-nomenclature.html Naming New Extrasolar Planets ] ===それぞれの恒星=== *[https://apod.nasa.gov/apod/ap020911.html Triple star system, APOD] *[https://apod.nasa.gov/apod/ap030323.html Alpha Centauri system, APOD] *[http://apod.oa.uj.edu.pl/apod/ap020425.html Alpha Centauri, APOD, 2002 April 25] {{恒星}} {{DEFAULTSORT:たしゆうせい}} [[Category:恒星の種類]] [[Category:天文学に関する記事]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Bibcode
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite book
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite journal
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite web
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Doi
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Webarchive
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:恒星
(
ソースを閲覧
)
多重星
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報