多面体のソースを表示

{{出典の明記|date=2021-08-05 08:32(UTC)}}
{{Expand English|Polyhedron|date=2024年5月}}
{| class="wikitable" style="float:right; margin-left:1em; text-align:center; font-size:88%;"
|+ style="text-align:center; font-size:120%" | 多面体の例
|[[File:Tetrahedron.png|120px]]<br />[[正四面体]]
[[正多面体]]
|[[File:Small stellated dodecahedron.png|120px]]<br />[[小星型十二面体]]
[[星型正多面体]]
|-
|[[File:Icosidodecahedron.png|120px]]<br />[[二十・十二面体]]
[[半正多面体]]
|[[File:Great cubicuboctahedron.png|120px]]<br />[[大立方立方八面体]]
{{仮リンク|一様星形多面体|en|Uniform star polyhedron}}
|-
|[[File:Rhombic triacontahedron.png|120px]]<br />[[菱形三十面体]]
[[カタランの立体]]
|[[File:Hexagonal torus.svg|120px]]<br />[[穿孔多面体]]
|}
'''多面体'''（ためんたい、英: polyhedron）は、4つ以上の[[平面]]に囲まれた[[立体]]のこと。 [[複数]]の[[頂点]]を結ぶ[[直線]]の[[辺]]と、その辺に囲まれた[[面 (幾何学)|面]]によって構成される。 したがって、[[円柱 (数学)|円柱]]などの[[曲面]]をもつものは含まず、また、すべての面の境界が[[直線]]である場合に限られる。 [[3次元]][[空間]]での[[多胞体]]であるとも定義できる。[[ファイル:Hexahedron.gif|thumb|多面体の一種、[[立方体]]]]

[[2次元]]空間での多胞体は[[多角形]]なので、多角形を3次元に拡張した概念であるとも言える。

英語ではポリヘドロン (polyhedron)、[[複数形]]はポリヘドラ (polyhedra) である。多角形の[[ポリゴン]] (polygon) の複数形がポリゴンズ (polygons) であるのとは異なる。代表的なものとして、[[正多面体]]や[[半正多面体]]などがある。

== オイラーの多面体定理（オイラーの多面体公式） ==
穴の開いていない'''多面体'''、すなわち[[球面]]に[[同相]]な多面体については、[[頂点]]、[[辺]]、[[面 (幾何学)|面]]の数 {{math|''v'', ''e'', ''f''}} について
: <math>v - e + f = 2</math>
が成り立つ。これを'''[[レオンハルト・オイラー|オイラー]]の多面体定理（オイラーの多面体公式）'''という。右辺が2となるのは多角形や[[多胞体#多胞体公式|多胞体]]の場合(0)とは異なり、[[1次元]]空間の[[線分]]で常に
: <math>v = 2</math>
となるのと同様である。奇数次元で2となるのは、[[空集合]]と全体集合（いずれも全次元共通で1個、ただし-1次元では同一）を考慮しないためであり、これらを含めて[[交項級数|交代和]]を取れば全次元共通（[[0次元]]を含み、-1次元を除く）で0となる（[[パスカルの三角形]]を参照）。また全体集合のみを含む場合は全次元共通で1となり、空集合のみを含む場合は1と-1で振動する。

この定理は、実際に多面体として成り立つような形状にとどまらず、頂点と辺から成るような任意の「グラフ」について扱う[[グラフ理論]]による[[定理]]である。たとえば[[穿孔多面体]]のような貫通した孔を {{math|''g''}} 個持つ多面体では[[次式]]（オイラー・[[アンリ・ポアンカレ|ポアンカレ]]の多面体公式<ref>{{cite|和書 |editor= |author=宮崎興二 |title=4次元図形百科  |edition= |publisher=丸善出版 |year=2020 |isbn=978-4-621-30482-2  |page=125}}</ref>）となる。
: <math>v - e + f = 2(1 - g)</math>

{{see also|オイラー標数}}

== 分類 ==
=== 凸多面体 ===
[[凸多面体]]は全ての[[二面角]]が180度未満の多面体である。
* [[正多面体]]（[[プラトン]]の立体） - 全ての面が[[図形の合同|合同]]な[[正多角形]]で、全ての頂点形状が合同な正多角形である多面体。
* [[半正多面体]]（[[アルキメデス]]の立体） - 全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同な凸多面体のうち、正多面体以外。
* [[カタランの立体]]（アルキメデス[[双対]]） - 全ての面が合同で、二面角が等しい多面体のうち、正多面体以外。各面の[[中心]]を結ぶと半正多面体になる。
* [[デルタ多面体]] - 全ての面が[[正三角形]]である凸多面体。
* [[角柱]] - 2枚の[[平行]]な[[底 (初等幾何学)|底面]]と[[四辺形]]の側面からなる多面体。
* [[反角柱]] - 2枚の平行な底面と[[三角形]]の側面からなる多面体。
* [[ジョンソンの立体]] - 全ての面が正多角形である凸多面体のうち、正多面体、半正多面体、角柱、反角柱以外。
* [[角錐]] - 1枚の底面と三角形の側面からなる多面体。
* [[双角錐]] - 2つの角錐を底面で張り合わせた多面体。
* [[ねじれ双角錐]] - 双角錐を両頭頂点でねじったような、反角柱の双対となる多面体。
* [[角錐柱]] - 角錐と角柱を底面で張り合わせた多面体。
* [[角台塔]] - 辺の数の比が1:2で平行な2枚の底面と、四角形と三角形の側面を持つ多面体。
* [[ゾーン多面体]] - 向かいあった辺同士が全て平行になっている多角形のみで構成されている多面体。
* [[ゾーン多面体#等面菱形多面体|等面菱形多面体]] - 全ての面が合同な[[菱形]]である多面体。[[ゾーン多面体#平行多面体|平行多面体]] - 単独で[[空間充填]]をする[[ゾーン多面体]]。

=== 凹多面体 ===
[[凹多面体]]はいずれかの二面角が180度を超える多面体である。
* [[星型多面体]] - 面または頂点形状に[[星型多角形]]がある多面体。
* [[星型正多面体]]（ケプラー・ポアンソの立体） - 全ての面が合同な正多角形（星型多角形を含む）で、全ての頂点形状が合同な正多角形（星型多角形を含む）である多面体のうち、凸正多面体以外。
* [[複合多面体]] - 同一形状の多面体を複数個重ね合わせた立体。
* [[複合体 (数学)|複合体]] - 複数の多面体を[[体積]]の一部が共有するようにして重ねた立体。
* [[一様多面体]] - 全ての面が正多角形([[星型正多角形]])で、全ての頂点形状が合同な多面体。この中には凸多面体と[[非凸多面体]]が含まれる。
* [[穿孔多面体]] - 貫通した孔のある多面体。
* [[単側多面体]] - [[メビウスの帯]]や[[クラインの壺]]のように表裏の区別のつかない多面体。<ref>{{Cite book|title=多面体百科|date=2016/10/31|year=|publisher=丸善出版}}</ref>

以上は閉じた多面体の分類であるが、多面体の定義を「空間内で複数の多角形を辺で連結された立体」と緩めることによって、

* [[閉多様体|開多面体]] - 空間を切り取らない[[有限体|有限面体]]
* [[ねじれ正多面体]]（スポンジ） - 全ての面が合同な正多角形で、ジグザグの頂点形状を持ち空間を二分する[[無限]]の面をもつ多面体

といった開いた多面体も論じられる場合がある。

== 作図 ==
*[[双対多面体]] - 各面の中心を結ぶ。
*[[星型多面体]] - 各面を広げる。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
{{Commons|Polyhedra}}
* [[図形の一覧]]
* [[ゾム]]（ゾムツール）
* [[有向マトロイド]]
* [[倍数接頭辞]] ：mono-、di-、tri-、tetra-等の接頭辞に関する項目。英語での多角形の命名に用いる。([[正十二面体|regular dodecahedron]]等)
* [[サイコロ]]
* [[図形]]

== 外部リンク ==
* {{MathWorld|urlname=Polyhedron|title=Polyhedron}}
* {{nlab|urlname=polyhedron|title=polyhedron}}
* {{PlanetMath|urlname=Polyhedron|title=polyhedron}}
* {{ProofWiki|urlname=Definition:Polyhedron|title=Definition:Polyhedron}}
* {{SpringerEOM|urlname=Polyhedron|title=Polyhedron|author=BSE-3}}
* {{Cite journal|和書 |author=野波慶矩 |year=2007 |url=https://hdl.handle.net/10076/8960 |title=立体認識における構造模型の有効性 : 編み上げ多面体と多面体の組みモデル |note=三重大学大学院教育学研究科博士前期課程教科教育専攻 94 |publisher=三重大学 |hdl=10076/8960}}
** 大和市　数学プリモン "http://www.ed2.city.yamato.kanagawa.jp/archive/sugaku/1nen/c1-6-a.pdf"

{{多面体}}
{{立体}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ためんたい}}
[[Category:多面体|*]]
[[Category:初等数学]]
[[Category:数学に関する記事]]