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{{Unreferenced|date=December 2009}} '''対角射''' ({{lang-en-short|diagonal morphism}})とは[[圏論]]の概念で、集合の圏における対角写像<math>a \in A \to (a,a) \in A \times A</math>を一般の圏に拡張した概念である。 本項では対角射と関係がある'''対角関手'''({{lang-en-short|diagonal functor}})についても述べる。 ==対角射== [[積 (圏論)|積]] <math>a\times a</math> が存在する任意の[[圏 (数学)|圏]] <math>\mathcal{C}</math> の任意の対象 <math>a</math> に対して、 :<math>\pi_k \circ \delta_a = id_a</math> for <math>k \in \{ 1,2 \}</math> を満たす'''対角射''' (diagonal morphism) :<math>\delta_a : a \rightarrow a \times a</math> が[[存在記号|存在する]]。ただし <math>\pi_k</math> は <math>k</math> 次成分への[[射影|自然な射影射]]である。この射の存在は([[同型]][[up to|を除いて]])積を[[特徴づけ (数学)|特徴づける]][[普遍性]]の結果である。ここでの二項の積への制限は表記の簡単さのためである。対角射は同様に任意の積に対して存在する。[[集合の圏]]の対角射の[[像 (圏論)|像]]は、[[カルテジアン積]]の[[部分集合]]として、[[定義域]]上の[[二項関係|関係]]、すなわち[[等式]]である。 {{仮リンク|具体圏|en|concrete categories}}に対して、対角射は対象 <math>a</math> の元 <math>x</math> 上のその作用によって単純に記述することができる。すなわち、<math>\delta_a(x) = \langle x,x \rangle</math>、<math>x</math> から形成される[[順序対]]。名前の理由はそのような対角射の[[像 (数学)|像]]は(それが意味をなすときにはいつでも)対角線であるということである。例えば[[実数直線]]上の対角射 <math>\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}^2</math> の像は方程式 <math>y=x</math> の[[グラフ (関数)|グラフ]]である直線によって与えられる。[[無限積]] <math>X^\infty</math> の中への対角射は <math>X</math> に値を持つ[[数列空間]]の中への[[単射]]を提供するだろう。各元はその元での定値[[列 (数学)|列]]に写す。しかしながら、列空間の大抵の概念は対角写像の像が満たさない[[収斂級数|収束]]の制限をもつ。 ==対角関手== 特に、[[小さい圏の圏]]は積をもち、したがって <math>\Delta(a) = \langle a,a \rangle</math> によって与えられる'''対角関手''' (diagonal functor) <math>\mathcal{C} \rightarrow \mathcal{C} \times \mathcal{C}</math> があり、これは対象と射を写す。[[関手]]は圏 <math>\mathcal{C}</math> ''の中で'' (within) 対象の積の簡明な別の記述を与えるために雇うことができる: 積 <math>a \times b</math> は <math>\Delta</math> から <math>\langle a,b \rangle</math> への普遍矢である。矢は射影写像からなる。 より一般に、任意の[[関手圏]] <math>\mathcal{C}^\mathcal{J}</math> において(ここで <math>\mathcal{J}</math> は{{仮リンク|小さい圏|label=小さい|en|small category}}[[図式 (圏論)|添え字圏]]として考えられるべきである)、<math>\mathcal{C}</math> の各対象 <math>a</math> に対して、固定された対象 <math>a</math> をもつ{{仮リンク|定数関手|en|constant functor}}が存在する: <math>\Delta(a) \in \mathcal{C}^\mathcal{J}</math>。対角関手 <math>\Delta : \mathcal{C} \rightarrow \mathcal{C}^\mathcal{J}</math> は <math>\mathcal{C}</math> の各対象に関手 <math>\Delta(a)</math> を割り当て、<math>\mathcal{C}</math> の各射 <math>f: a \rightarrow b</math> に明らかな[[自然変換]] <math>\eta</math> in <math>\mathcal{C}^\mathcal{J}</math>(<math>\eta_j = f</math> によって与えられる)を割り当てる。<math>\mathcal{J}</math> が 2 つの対象を持つ離散圏である場合には、対角関手 <math>\mathcal{C} \rightarrow \mathcal{C} \times \mathcal{C}</math> がリカバーされる。 対角関手は関手の[[極限 (圏論)|極限]]と[[余極限]]を定義する方法を提供する。任意の関手 <math>\mathcal{F} : \mathcal{J} \rightarrow \mathcal{C}</math> の極限は <math>\Delta</math> から <math>\mathcal{F}</math> への[[普遍性|普遍矢]]であり、[[余極限]]は普遍矢 <math>F \rightarrow \Delta</math> である。<math>\mathcal{J}</math> から <math>\mathcal{C}</math> へのすべての関手が極限をもてば(<math>\mathcal{C}</math> が完備であればこの場合である)、極限を取る操作はそれ自身 <math>\mathcal{C}^\mathcal{J}</math> から <math>\mathcal{C}</math> への関手である。極限関手は対角関手の[[随伴関手|右随伴]]である。同様に、(圏が余完備であれば存在する)余極限関手は対角関手の左随伴である。例えば、上で記述された対角関手 <math>\mathcal{C} \rightarrow \mathcal{C} \times \mathcal{C}</math> は二項の[[積 (圏論)|積の関手]]の左随伴と二項の[[余積|余積の関手]]の右随伴である。 {{圏論}} {{Functors}} {{DEFAULTSORT:たいかくかんしゆ}} [[Category:関手]] [[Category:数学に関する記事]]
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