振幅のソースを表示

{{出典の明記|date=2011年8月}}
[[File:wave.png|thumb|right|300px|変位量の最大値 ''y'' が波の振幅である（λは[[波長]]）。]]
'''振幅'''（しんぷく、[[英語]]：amplitude）とは、[[波動]]の[[振動]]の大きさを表す[[正と負|非負]]の[[スカラー量]]である。波の1周期間での[[媒質]]内における最大変位量の[[絶対値]]で表される。

時としてこの距離は「最大振幅」と呼ばれ、他の振幅の概念とは区別される。特に[[電気工学]]で使用される[[二乗平均平方根]] (RMS) 振幅がそれにあたる。最大振幅は、[[正弦波]]、[[矩形波]]、[[三角波 (波形)|三角波]]といった相対的、周期的なはっきりした波動に使用される。1方向への周期的なパルスといった非相対的な波動では、最大振幅は曖昧になる。
非対称な波（一方向への周期的パルスなど）の場合には最大振幅は多義的となる。なぜなら、最大値と平均値との差をとるか、平均値と最小値との差をとるか、最大値と最小値との差の半分をとるか、によって得られる値が変わるためである。

複雑な波、特に[[ノイズ (電子工学)|ノイズ]]のように繰り返しのない信号の場合には、RMS振幅が一般に用いられる。一意に求まり、物理的意味を持つ量だからである。例えば、[[音]]や[[電磁波]]や電気信号として伝えられる[[仕事率]]の平均は、RMS振幅の2乗に比例する（最大振幅の平方根には一般的には比例しない）。

振幅を形式化するいくつかの方法が存在する。

簡単な1次元[[波動方程式]]について、その特殊解を正弦波とすると、

: <math>x = A \sin\left(\omega\left[t - K\right]\right) + b\ ,</math>

この場合、<math>A</math>が波動の振幅である。なお、その他は次のような意味を持つ。
* <math>x</math>: 波動
* <math>\omega</math>: [[角周波数]]または角振動数
* <math>t</math>: 時間
* <math>K</math>, <math>b</math>: それぞれ時間と変位のオフセットを表す任意定数

振幅の構成単位は波動の種類によって異なる。

[[弦 (楽器)|弦]]の振動 ([[:en:vibrating string]]) による波や、[[水]]などの媒質を伝わる波の場合、振幅とは[[変位]]である。

音波や音響信号では、振幅は便宜上[[音圧]]を指す。ただし粒子の移動（空気や[[スピーカー]]の振動板の動き）の振幅を指すこともある。振幅の[[常用対数]]を取ったものは[[デシベル]] (dB) と呼ばれ、振幅0の場合には -[[無限|∞]]&nbsp;dB となる。[[:en:Loudness]]は振幅に関連があり、通常の音は[[:en:Amplitude scaling invariance|independently of amplitude]]として認識されるものの[[強度]]は音に関する最も分かり易い量である。

[[電磁放射]]では、振幅は波動の[[電場]]と対応する。振幅の2乗は波動の[[強度]]に比例する。

振幅は、[[連続波]] ([[:en:continuous wave]]) の場合は一定であり、一般には時刻と位置によって変化する。振幅の変化の形は[[エンベロープ (音)|エンベロープ]] ([[:en:Envelope (waves)]]) と呼ばれる。

== 複素振幅 ==
振動や波動を複素表示した場合、時間を含まない部分を複素振幅という。

例えば <math>z</math> 方向に進行する電場が
: <math>E = {\rm Re} \left\{ E_0 \exp\left\{{\rm i}(kz - \omega t + \delta)\right\} \right\}</math>
と表される場合、複素振幅は
: <math>E_0 \exp\left\{{\rm i}(kz + \delta)\right\}</math>
である。

== 関連項目 ==
* [[波動]]とその特性
** [[周波数]]
** [[周期]]
** [[波長]]
** [[ピークピーク値]]
** [[実効値]]
* [[振幅変調]]
* [[音]]

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:しんふく}}
[[Category:物理量]]
[[Category:振動と波動]]