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{{出典の明記|date=2016年8月}} '''擬スカラー'''(ぎスカラー、{{lang-en-short|pseudo-scalar}})は、座標の反転にたいして符号が変わる[[スカラー (物理学)|スカラー]]。 2つの[[ベクトル]] '''''A''''', '''''B''''' の[[ドット積]](内積、スカラー積)を考える(ここでは[[直交座標系]]を考える): :<math> \boldsymbol{A} \cdot \boldsymbol{B} = A_x B_x + A_y B_y + A_z B_z. </math> この内積において、(''x'', ''y'', ''z'') 各軸を (−''x'', −''y'', −''z'') と反転させたとき、内積の符号が変わるような場合を'''擬スカラー'''と言う。 これは、ベクトル '''''A''''', '''''B''''' それぞれが極性であるか軸性であるかによる。'''極性ベクトル'''は、通常の[[速度]]や[[力 (物理学)|力]]のようなベクトルであり、'''軸性ベクトル'''は[[角速度]]や力の[[モーメント]]のようなベクトルである。極性ベクトルは座標の反転により符号が変わるが、軸性ベクトルは座標の反転により符号は不変である。このため、ベクトル '''''A''''', '''''B''''' が共に極性或いは軸性ならば座標の反転に対してその内積の符号は反転しないが、'''''A''''', '''''B''''' いずれかが極性で片一方が軸性の時は内積の符号が反転する。この場合が擬スカラーとなる。 軸性ベクトル (axial vector) のことを、'''[[擬ベクトル]]''' (pseudo vector) とも言う。 ベクトル '''''A''''', '''''B''''' がいずれも極性ベクトルで、更に第3のベクトル '''''C''''' を考え、これも極性ベクトルのとき、次の結果、 :<math> (\boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B}) \cdot \boldsymbol{C} </math> も擬スカラーとなる(×は[[クロス積]](外積、ベクトル積)である)。これは極性ベクトル同士の外積は軸性ベクトルになるためである。 また[[スカラーポテンシャル]] ''φ'' における関係、 :<math> \boldsymbol{F} = - \nabla \phi </math> において、ベクトル '''F''' が軸性ベクトルなら、''φ'' は擬スカラーとなる。これはベクトル '''F''' が座標の反転に対し符号が不変なので、∇部分(微分の部分)が反転に対し符号を変えるので、スカラーポテンシャルである ''φ'' も符号を変える(つまり擬スカラー)ためである。 == 関連項目 == * [[パリティ (物理学)]] * [[擬ベクトル]] {{linear-algebra-stub}} {{DEFAULTSORT:きすからあ}} [[Category:物理数学]] [[Category:クリフォード代数]] [[Category:数学に関する記事]]
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