擬絶対値のソースを表示

{{出典の明記|date=2017年6月}}
[[数学]]における'''擬絶対値'''（ぎぜったいち、{{lang-en-short|''pseudo-absolute value''}}, {{lang-de-short|''Pseudobetrag''}}）は、[[絶対値]]よりも条件の緩い類似の概念である。

== 定義 ==
{{mvar|R}} を[[単位的環]]とする。非負実数値函数 {{math|{{abs|&bull;}}: ''R'' → '''R'''{{sub|+}}}} が'''擬絶対値'''であるとは、以下の三条件をすべて満たすときにいう: {{math|''a'', ''b'' &isin; ''R''}} を任意として
# '''定値性''': <math> |a|=0 \iff a=0,</math>
# <math> |a-b|\leq |a|+|b|,</math>
# '''[[劣乗法的函数|劣乗法性]]''': <math> |a\cdot b|\leq |a|\cdot |b|.</math>
条件 3 の代わりにより強く
: 3a. '''乗法性''': <math> |a\cdot b|= |a|\cdot |b|</math>
を満たすものは'''[[絶対値]]'''と言う。

擬絶対値 {{math|{{abs|&bull;}}}} が'''[[アルキメデスの性質|非アルキメデス的]]'''とは
: <math> |a+b|\leq \max(|a|,|b|)</math>
を満たすときに言う。

== 性質 ==
* 擬絶対値は各元 {{math|''a'' ∈ ''R''}} に対して必ず {{math|1={{abs|&minus;''a''}} = {{abs|''a''}}}} を満たす。また、各元 {{math|''a'', ''b'' ∈ ''R''}} に対して[[三角不等式]] {{math|{{abs|''a'' + ''b''}} &le; {{abs|''a''}} + {{abs|''b''}}}} を満たす。
* 擬絶対値に関して必ず {{math|{{abs|1}} &ge; 1}} が成り立ち、特に絶対値に関して {{math|1={{abs|1}} = 1}} が成り立つ。
* 絶対値を持つ任意の単位的環は[[整域]]でなければならない（乗法性により、実数の{{ill2|零積性質|en|zero product property}}がその環に遺伝する）。

== 例 ==
以下 {{math|(''R'', {{abs|&bull;}})}} は擬絶対値持つ単位的環とする。
=== 多項式環の擬絶対値 ===
[[多項式環]] {{math|''R''{{bracket|''X''}}}} または多変数の {{math|''R''{{bracket|''X''{{sub|1}}, …, ''X{{sub|n}}''}}}} はそれ自体（多項式の積に関して）単位的環を成す。ここでたとえば、1-{{ill2|擬ノルム|de|Pseudonorm}}は多項式環上の擬絶対値を与える。
=== 行列環の擬絶対値 ===
同様に[[行列環]] {{math|''R''{{sup|''n''×''n''}}}} も（[[行列の積]]に関して）単位的環を成し、ここでも {{math|1 &le; ''p'' &le; 2}} なる各実数 {{mvar|p}} に対する {{mvar|p}}-擬ノルムが行列環上の擬絶対値を与える。

== 注 ==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
== 関連項目 ==
== 外部リンク ==

{{DEFAULTSORT:きせつたいち}}
[[Category:絶対値]]
[[Category:数学に関する記事]]