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{{出典の明記|date=2017年11月16日 (木) 17:41 (UTC)}} '''放射化'''(ほうしゃか、Radioactivation)とは、元々は[[放射能]]が無い[[同位体]]が、他の[[放射性物質]]等から発生する[[放射線]]を受ける事によって、[[放射性同位体]]となること。放射化の度合いは、放射線の種類とエネルギー、及び放射線を受ける[[同位体]]に依存する。 放射化は[[宇宙線]]による[[炭素14]]の生成のように自然界でも起こっている。 :<chem>{\it{n}} + {^{14}_{7}N} -> {^{14}_{6}C} + {\it{p}}</chem> 人工的な放射化は1934年、[[マリ・キュリー|キュリー夫人]]の娘[[イレーヌ・ジョリオ=キュリー|イレーヌ・キュリー]]とその夫[[フレデリック・ジョリオ=キュリー|フレデリック]]によって初めて発表された。彼女らは[[ポロニウム]]から生じた[[アルファ線]]を[[アルミニウム]]に照射し、 :<chem>^{27}Al(\alpha,{\it{n}})^{30}P</chem> の反応により安定同位体から放射性同位体が生成することを確認した。この功績により、1935年に2人は[[ノーベル化学賞]]を受賞している。 下記のように、[[放射性物質]]を扱う施設で起きるほか、[[核爆発の効果#間接効果|核爆発]]によって発生し、[[放射能汚染]]を深刻化させる。 {{main|放射性降下物}} == 経済活動への影響と対策 == 原子力エネルギーの利用を目的とする[[原子力発電所]]や[[加速器]]等を構成する材料の一部は、施設の運転中に発生する[[中性子]]によって放射化する<ref>{{PDFlink|[http://accwww2.kek.jp/oho/oho16/OHO16_txt/03_Matsumura_Hiroshi.pdf 放射性核種の生成と放射線防護] 放射光科学研究施設 高エネルギー加速器セミナー OHO'16}}</ref>。更に、中性子照射によって放射化した材料の中でも、施設の解体・処分時にある一定以上の残留放射能を持つものについては、[[放射性廃棄物|低レベル放射性廃棄物]]へと区分されることが必要である<ref>柴田徳思、[https://doi.org/10.3769/radioisotopes.48.208 使用を廃止した加速器の放射化の問題]『RADIOISOTOPES』1999年 48巻 3号 p.208-215, {{doi|10.3769/radioisotopes.48.208}}</ref>。 原子力施設や加速器のほか医療用の[[ポジトロン断層法]]に用いる {{sup|18}}F-FDG薬の生産に用いる[[サイクロトロン]]装置を収容する建物の壁材([[コンクリート]])では長期間の稼働によって壁材が放射化するが、放射化されにくい材料で作られる低放射化コンクリートが利用される<ref>金野正晴、[https://doi.org/10.3151/coj1975.42.6_3 低放射化コンクリートの開発の現況] 『コンクリート工学』 2004年 42巻 6号 p.3-10, {{doi|10.3151/coj1975.42.6_3}}</ref>。 [[炭化ホウ素]]や[[水素]]を添加することで低エネルギー中性子を減速・吸収させ、施設部材の放射化や人体[[被曝]]を減らす[[ウレタン]]系塗料も開発されている<ref>[https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00494942 「中性子による放射化抑制 安藤ハザマなど 塗料材を開発」]『[[日刊工業新聞]]』2018年11月7日(建設・エネルギー・生活面)2018年11月24日閲覧。</ref>。 == 応用例 == ;線源 [[ガンマ線|γ線]]源である[[コバルト60]]生成は、安定同位体の{{sup|59}}Co への中性子照射によって行われる<ref name=CNIC.2587>[http://www.cnic.jp/knowledge/2587 コバルト-60({{sup|60}}Co)] 原子力資料情報室(CNIC)</ref>。通常は[[原子炉]]中で行われる<ref name=CNIC.2587 />。 : <chem>^{59}Co({\it{n}},\gamma)^{60}Co</chem> 表現方法を変えると、 : <chem>{^{59}Co} + {\it{n}} -> ^{60}Co</chem> ; 汚染分析 放射化を利用した分析手法が[[放射化分析]]で、放射化された[[元素]]の量を測定することで動植物の[[細胞]]内に取り込まれている元素の量を調べる。例えば、毛髪中[[水銀]]の定量<ref>星野乙松、丹沢珪子、[[寺尾允男]] ほか、[https://doi.org/10.1248/jhs1956.12.94 放射化分析による毛髪中水銀の定量] 衛生化学 1966年 12巻 2号 p.94-99, {{doi|10.1248/jhs1956.12.94}}</ref>や、大気中の浮遊粉塵の分析も行われる<ref>真室哲雄、松田八束、溝畑朗 ほか、[https://doi.org/10.3769/radioisotopes.21.3_164 大気浮遊塵の放射化分析 (第2報)] RADIOISOTOPES. 1972年 21巻 3号 p.164-169, {{doi|10.3769/radioisotopes.21.3_164}}</ref>。 == 出典・脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[中性子捕獲]] * [[原子核反応]] * [[誘導放射能]] * [[低放射化材料]] {{放射線}} {{sci-stub}} {{DEFAULTSORT:ほうしやか}} [[Category:原子核物理学]] [[Category:放射線]] <!--[[en:Neutron activation]]-->
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