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'''有効核電荷'''(ゆうこうかくでんか、{{lang-en-short|effective nuclear charge}})とは、多電子原子系において、[[最外殻電子]]、または着目する[[電子]]が感じる中心原子核の[[電荷]]のこと。別名カーネル電荷。他の個々の電子から受ける静電反発[[ポテンシャル]]を[[原子核]]をおおうひとつの殻として扱い、原子核本来の正電荷を部分的に遮蔽すると[[近似]]する。これを'''[[遮蔽効果|有効核遮蔽]]'''(ゆうこうかくしゃへい、effective nuclear shielding)という。 == 有効核遮蔽 == [[水素類似原子]](電子が1個)のときは単純に[[クーロンの法則]]に従い、原子核の正電荷の影響をすべて受けることになる。しかし電子の数が増加すると、他の電子の影響も考慮する必要がでてくる。例えば[[原子番号]] ''Z'' の原子では電子の個数は同じく ''Z'' であるので、核外の着目する電子は他の ''Z'' − 1 個の電子による静電反発ポテンシャルを感じる。この[[位置エネルギー]]は互いの位置関係によって変わるため、[[シュレーディンガー方程式]]には ''Z'' 個の[[波動関数]]が入ってくる。これを厳密に解くことは現実的に不可能なので、他の電子による反発エネルギーを個々に考慮せず、''Z'' − 1 個の電子による −(''Z'' − 1)''e'' の電荷によって原子核の電荷 ''Ze'' を部分的に遮蔽するとして近似する。するとすべて水素類似原子の[[波動方程式]]に帰着できる。 ''Z'' 番目の電子が感じる有効核電荷 ''Z''<sub>eff</sub>は遮蔽定数 ''S'' ({{en|screening constant}}) で補正し、以下の式で表される。 :<math>Z_\mathrm{eff} = Z - S</math> 遮蔽定数 ''S'' は経験的な値である。これは後述のスレーター則によって近似的に求められる。 また、''Z''<sub>eff</sub> は ''Z''* と表記されることもある。 == 電子のエネルギー == 有効核電荷による[[静電場]]の中に1つの電子が存在するとして、近似的にシュレーディンガー方程式を解く。その際、[[ハミルトニアン]]を次のように書き換える。 :<math>\hat{F}=-\frac{h^2}{8\pi^2m_\mathrm{e}}\nabla^2-\frac{Z_\mathrm{eff}e^2}{4\pi\varepsilon_0r}</math> 水素類似原子の波動方程式と同型になるので電子のエネルギー ''E<sub>n</sub>'' は次式になる。 :<math>E_n=-\frac{Z_\mathrm{eff}^2}{n^2}E_0</math> ここで ''E''<sub>0</sub> (=13.6 eV) は水素原子の1s電子のエネルギーである。 == スレーター則 == {{Main|スレーター則}} 遮蔽定数 ''S'' を求める方法について、[[ジョン・クラーク・スレイター|J・C・スレーター]]が次のように提案した。 有効量子数 '''''n''*''' は、[[量子数]] '''''n''''' と以下のような関係にあるとする。 {|class="wikitable" |+ ! ''n'' |1||2||3||4||5 |- ! ''n''* |1.0||2.0||3.0||3.7||4.0 |} 有効核電荷 ''Z''<sub>eff</sub> を計算するにあたって、原子のもつ以下のようなグループに分類し、1sから順に外側のグループに電子が配列するとする。 :(1sのグループ)⇒(2sと2pのグループ)⇒(3sと3pのグループ)⇒(3dのグループ)⇒(4sと4pのグループ)⇒(4dのグループ)⇒(4fのグループ)⇒(5sと5pのグループ)⇒(...)⇒(...)... このとき、遮蔽定数Sはつぎの B, C, D の和とする。 :A. 着目する電子より外側の軌道に関しては無視する。 :B. 着目する電子と同じグループにあるほかの電子からの寄与は電子1つにつき0.35(例外として1s軌道のときだけ0.30)とする。 :C. 着目する電子がsとpのグループにあるときは、主量子数が1小さい電子からの寄与を電子1個につき0.85とし、その他の内側の電子の寄与は電子1個につき1.00とする。 :D. 着目する電子がdまたはfのグループのときは、それより内側にある電子の寄与を電子1個につき1.00とする。 この方法にしたがって [[マグネシウム|Mg]], [[ケイ素|Si]] の最外殻電子 (''n'' = 3) について有効核電荷を計算してみると、 Mg(''Z'' = 12, 1s<sup>2</sup>2s<sup>2</sup>2p<sup>6</sup>3s<sup>2</sup>) :''Z''<sub>eff</sub> = 12 − (1 <span lang="en">×</span> 0.35 + 8 <span lang="en">×</span> 0.85 + 2 <span lang="en">×</span> 1.00) = +2.85 Si (''Z'' = 14, 1s<sup>2</sup>2s<sup>2</sup>2p<sup>6</sup>3s<sup>2</sup>3p<sup>2</sup>) :''Z''<sub>eff</sub> = 14 − (3 <span lang="en">×</span> 0.35 + 8 <span lang="en">×</span> 0.85 + 2 <span lang="en">×</span> 1.00) = +4.15 となる。 つまり、(Mgにおいて)電子による遮蔽がなければ、この最外殻電子は+12の核電荷の影響を受けるが、電子が間に存在することにより核電荷が+2.85にまで減少することを示している。 ==関連項目== *[[スレーター軌道]] == 参考文献 == *『演習無機化学』第1版、東京化学同人、2005年。 [[Category:原子|ゆうこうかくてんか]]
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