核四極子相互作用のソースを表示

{{出典の明記|date=2015年8月30日 (日) 05:01 (UTC)}}
'''核四極子相互作用'''とは、[[核四極子モーメント]]と[[原子核]]の位置における[[電場勾配]]との相互作用のこと。

== 概要 ==
原子核の[[正電荷]]の分布は一般に球対称ではない。よって原子核の位置に電場勾配があると、核スピンの方向によって電気的相互作用に違いが生じるため[[エネルギー準位]]が分裂する<ref name="NQR"/><ref name="yohane"/>。

[[核磁気共鳴]]（NMR）と同様に共鳴吸収現象を観測することができ、これは'''[[核四極子共鳴]]''' (Nuclear Quadrupole Resonance, NQR) と呼ばれる<ref name="NQRのしくみ"/>。

核四極子相互作用の[[ハミルトニアン]]は以下のように表される。
:<math>\hat{H} = \frac{eq}{2m(2m-1)} I \cdot V \cdot I= I \cdot Q \cdot I </math>

ここでe は[[電気素量]]、q は[[核四極子モーメント]]、V は電場勾配[[テンソル]]、Q は核四極子相互作用テンソルである。
核四極子相互作用テンソルのトレースは0であるので、この相互作用は観測している原子核が充分に速く等方的に運動しているときには平均化されて[[ラーモア周波数]]への影響は0となる。従ってNQRの観測も固体中に限定される<ref name="NQR"/>。

核四極子相互作用の大きさは、対称性のない物質(=物質内の電場勾配が大きい)では他の相互作用よりも圧倒的に大きい。そのため四極子モーメントを持つ核では、その緩和はほとんど核四極子相互作用に支配される。

== 脚注 ==
{{reflist|1|refs=
<ref name="NQR">{{Cite web|和書|url=http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~myogi/research/NQR.htm |format=|title=核四重極共鳴（NQR）とは |first= |last= |page= |publisher= |deadurl= |archiveurl= |archivedate= |accessdate=2020-10-29}}</ref>
<ref name="NQRのしくみ">{{Cite web|和書|url=http://www.sup.ee.es.osaka-u.ac.jp/nmrnqr_1.html |format=|title=NQRのしくみ |first= |last= |page= |publisher= |deadurl= |archiveurl= |archivedate= |accessdate=2020-10-29}} {{リンク切れ|date= 2020年10月}}</ref>
<ref name="yohane">{{Cite web|和書|url=http://www.k2.dion.ne.jp/~yohane/00%20nqr.htm |format= |title=核四極共鳴（ＮＱＲ）の実験 |author= |page= |publisher= |deadurl= |archiveurl= |archivedate= |accessdate=2020-10-29}} {{リンク切れ|date= 2020年10月}}</ref>
}}

== 関連項目 ==
* [[核磁気共鳴]]
* [[電子スピン共鳴]]
* [[核四極子共鳴]]
* [[固体核磁気共鳴]]

{{DEFAULTSORT:かくしきよくしそうこさよう}}

[[Category:電磁気学]]
[[Category:核磁気共鳴]]
[[Category:量子力学]]