極大イデアルのソースを表示
←
極大イデアル
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[環 (数学)|環]] {{mvar|R}} の'''極大左イデアル'''(きょくだいひだりいである、{{lang-en-short|maximal left ideal}})とは、{{mvar|R}} 以外の[[イデアル (環論)|左イデアル]]の中で(集合の包含関係に関して)[[極大]]なもののことである。すなわち、左イデアル {{mvar|I}} を真に含む左イデアルが {{mvar|R}} しかないときに {{mvar|I}} を {{mvar|R}} の極大左イデアルという。極大右イデアルおよび極大両側イデアルも同様に定義される。これらのイデアルは(環が 0 でなく単位元をもつとき)[[ツォルンの補題]]によって存在が保証される<ref group="注釈">あらかじめ環に[[ネーター環|ネーター性]]を仮定しておけば、ツォルンの補題を避けることもできる。</ref>。可換環においては、左・右・両側の区別はない。唯一の極大左イデアルをもつ環は[[局所環]]と呼ばれる。 == 性質 == * 環 {{mvar|R}} において、両側イデアル {{mvar|I}} が極大であることと、[[剰余環]] {{math|''R''/''I''}} が[[単純環]]であることは同値である。特に可換環のイデアルが極大であることと、その剰余環が[[可換体|体]]であることは同値である{{Sfn|van der Waerden|2003|loc=3.6 Divisibility. Prime ideals}}。 * 環 {{mvar|R}} において、左イデアル {{mvar|I}} が極大であることと、[[剰余加群]] {{math|''R''/''I''}} が[[単純加群]]であることは同値である。 * 環の極大両側イデアルは[[素イデアル]]である{{Sfn|岩永|佐藤|2002}}。逆は一般には成り立たない<ref group="注釈">自明な反例としては整数環 {{math|'''Z'''}} のゼロイデアル {{math|(0)}} がある。これは素イデアルだが、極大イデアルではない。</ref>。 * 全射環準同型による左極大イデアルの引き戻しは左極大イデアルとなるが、一般の環準同型に対してはこれは成り立たない<ref group="注釈">例えば自然な単射 '''Z''' → '''Q'''</ref>。 * (体でない)<!--これはなくてもよい-->[[単項イデアル整域]]の0でない素イデアルは極大イデアルである。 * [[アルティン環]]の素イデアルは極大イデアルである。 * 可換アルティン環は有限個しか極大イデアルを持たない。 * 選択公理の下、[[クルルの定理]]より、0 でない可換環には極大イデアルが存在する。また、0 でない非可換環には極大左イデアルおよび極大右イデアルが存在する。 * 単位元を持たない環は極大(左/右)イデアルを持たないことがある。しかし、0 でない[[冪等元]]を持てば、極大左イデアルを持つ。 == 例 == * 整数環 {{math|'''Z'''}} の極大イデアルは、ある[[素数]] {{mvar|p}} で生成されるイデアル {{math|(''p'') {{=}} ''p'''''Z'''}} であり、また任意の素数 {{mvar|p}} についてイデアル {{math|(''p'')}} は極大イデアルである{{Sfn|van der Waerden|2003|loc=3.6 Divisibility. Prime ideals}}。 * 一般に[[単項イデアル整域]]において、0 でない[[素イデアル]]は極大イデアルである。 * 整数係数の1変数多項式環 {{math|'''Z'''[''x'']}} の極大イデアルは、ある素数 {{mvar|p}} と {{math|'''Z'''/''p'''''Z'''}} 係数多項式としてと見て既約な多項式 {{mvar|ƒ}} で生成されるイデアル {{math|(''p'', ''f'')}} である<ref>[http://www.neverendingbooks.org/index.php/mumfords-treasure-map.html Mumford's treasure map]</ref>。 * [[可換体|体]] {{mvar|k}} を取り、{{mvar|k}}成分の2次下三角行列からなる環 <math>T_2(k) = \begin{bmatrix}k & 0\\ k & k\end{bmatrix}</math> を考える。この環の極大左イデアルは <math>I = \begin{bmatrix}k & 0\\ k & 0\end{bmatrix}</math> と <math>J = \begin{bmatrix}0 & 0\\ k & k\end{bmatrix}</math> のふたつである。 * [[代数的閉体]] {{mvar|k}} 上の[[多項式環]] <math>k[x_1,\dots,x_n]</math> の極大イデアルは、<math>(x_1-a_1,\dots,x_n-a_n)</math> の形のイデアルである。この定理は弱い[[ヒルベルトの零点定理|零点定理]]として知られている。 == 極大部分加群 == 環 ''R'' 上の加群 ''M'' の真の部分加群のうち極大なものを極大部分加群という。つまり、''M'' の部分加群 ''N'' が極大部分加群であるとは、''M'' ≠ ''N'' であり、かつ、<math>N\varsubsetneq K \varsubsetneq M</math> となる部分加群 ''K'' が存在しないことである。極大イデアルは[[正則加群]] ''R'' の極大部分加群に他ならない。 極大部分加群は存在するとは限らないが、例えば0でない有限生成加群であれば存在する{{sfn|Anderson|Fuller|1992}}。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist}} === 出典 === {{reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book |last1 = van der Waerden |first1 = B. L. |year = 2003 |title = Algebra |url = {{google books|XDN8yR8R1OUC|Algebra|page=51|plainurl=yes}} |publisher = Springer-Verlag |volume = I |isbn = 0-387-40624-7 |ref = harv }} * {{Cite book |和書 |last1 = 岩永 |first1 = 恭雄 |author = 岩永恭雄 |last2 = 佐藤 |first2 = 眞久 |coauthors = 佐藤眞久 |year = 2002 |title = 環と加群のホモロジー代数的理論 |url = http://www.nippyo.co.jp/book/1984.html |edition = 第1版 |publisher = 日本評論社 |isbn = 4-535-78367-5 |ref = harv }} * {{cite book |last1 = Anderson |first1 = Frank W. |last2 = Fuller |first2 = Kent R. |title = Rings and Categories of Modules |series = Graduate Texts in Mathematics |volume = 13 |edition = 2nd |publisher = Springer-Verlag |place = New York |year = 1992 |isbn = 978-1-4612-4418-9 |ref=harv }} == 外部リンク == * [http://mathworld.wolfram.com/MaximalIdeal.html Maximal Ideal] ― [[MathWorld]] * {{SpringerEOM | title=Maximal ideal | id=Maximal_ideal&oldid=17927 | last=Govorov | first=V.E. }} * [http://alg-d.com/math/ac/krull.html 環の極大イデアルの存在] {{デフォルトソート:きよくたいいてある}} [[Category:環論]] [[Category:素イデアル]] [[Category:数学に関する記事]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite book
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en-short
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Math
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Mvar
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Notelist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Sfn
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:SpringerEOM
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:脚注ヘルプ
(
ソースを閲覧
)
極大イデアル
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報