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{{翻訳直後|[[:en:Special:Redirect/revision/857194258|Standard enthalpy of reaction]]|date=2019年1月}} '''標準反応エンタルピー'''(ひょうじゅんはんのうエンタルピー、{{Lang-en-short|standard enthalpy of reaction}}, {{Math|Δ''H''<sub>r</sub><sup>⦵</sup>}})とは、[[反応物]]および[[生成物]]が全て[[標準状態]]にあるという条件の下で、所与の[[化学反応]]により物質が変換される際に系に生じる[[エンタルピー]]変化である。 == 概要 == 標準反応エンタルピーは、規定の温度と圧力下の反応物が同温同圧下の生成物へ変換される際の、発熱もしくは吸熱量として定義される。反応エンタルピーは反応が行われる際の条件に依存する。熱化学測定を行う際に一般的な条件としては、次の2種類の条件がある。 : (a) 定積条件 : (b) 定圧条件 これら2条件において反応を行った際のエンタルピーは異なる。 === 定積条件 === 定積過程では、反応を閉鎖された堅固な容器の中で行って体積変化を起こさせず、したがって仕事をすることもされることもないよう進行させ、測定を行う。 このとき、[[熱力学第一法則]]により、次の式が成り立つ。 : <math> \Delta E = Q_v </math> すなわち、定積過程における反応エネルギーは、反応系の内部エネルギー変化 ({{Math|'''Δ ''E'''''}}) と等しい。 したがって、化学反応により生じる熱的変化は、反応物の総内部エネルギーと生成物の総内部エネルギーとの差にのみ由来する。 : <math> \Delta E = \sum E_\mathrm{products} - \sum E_\mathrm{reactants} </math> このことは、定積過程で吸熱される熱量は熱力学量の変化として同定できるということも示している。 === 定圧条件 === 定圧過程では、反応は大気圧下に開放状態で、もしくは一定の外圧がかかる容器内で系の体積が変化する条件下に系をおく。熱的変化には系の内部状態の変化だけでなく、系の膨張・収縮時に伴う仕事もかかわってくる。 このとき、[[熱力学第一法則]]により、次の式が成り立つ。 : <math> Q_p = \Delta E + W </math> ここで、''W'' が[[仕事 (熱力学)|熱力学的仕事]]のみに由来する場合、次のように書ける。 : <math> Q_p = \Delta H = \Delta E + P \Delta V </math> : <math> Q_p = \left(\sum E_p - \sum E_r\right) + P \left( V_p - V_r \right) </math> : <math> Q_p = \left( \sum E_p + P V_p \right) - \left( \sum E_r + P V_r \right) </math> ここで、エンタルピーの定義 <math>H = E + PV </math>を用いた。 したがって、 <math> Q_p = \sum H_p - \sum H_\mathrm r = \Delta H</math>と書ける。 すなわち、定圧過程では反応熱は反応系のエンタルピー変化 <math>\Delta H</math>と全く同一となる。 === 標準生成エンタルピーとの関係 === 一般の化学反応 : {{Math|−''v''<sub>A</sub> A + −''v''<sub>B</sub> B + ... → ''v''<sub>P</sub> P + ''v''<sub>Q</sub> Q ...}} に対し、標準反応エンタルピー {{Math|Δ''H''<sub>r</sub><sup>⦵</sup>}} と反応物および生成物の[[生成熱|標準生成エンタルピー]] {{Math|Δ''H''<sub>f</sub><sup>⦵</sup>}} との関係式は、反応物および生成物の{{illm|混合エンタルピー|en|Enthalpy of mixing}}を無視、すなわち[[理想溶液]]を仮定すると次の等式で表わされる。 : <math> \Delta H_\mathrm{r}^\ominus = \sum_{B}{v_B\Delta H_\mathrm{f}^\ominus(B)} </math> この等式における {{Math|''v''<sub>B</sub>}} は、物質 B の[[化学量論]]比である。 標準生成エンタルピーは多くの物質について既知であり、反応物と生成物の標準生成エンタルピーが既知であれば、どんな条件のどんな反応でも標準反応エンタルピーを計算することができる。 == 小分類 == 以下のどの場合でも、「標準」という言葉は全ての反応物および生成物が[[標準状態]]にあることを含意する。 * {{illm|標準中和エンタルピー|en|Standard enthalpy of neutralization}} - [[酸]]と[[塩基]]が中和反応を起こし、1[[モル]]の水を生成する際のエンタルピー変化。 * 標準蒸発エンタルピー([[蒸発熱]]) - 1モルの物質が蒸発(気化)する際のエンタルピー変化。 * 標準{{illm|溶解エンタルピー|en|Enthalpy change of solution}}(溶解熱) - ある物質が定圧下である[[溶媒]]に[[溶解]]する際のエンタルピー変化。 * 標準[[水素化]]エンタルピー - 1モルのある[[不飽和結合|不飽和]]化合物が過剰量の[[水素]]と反応して飽和化合物となる際のエンタルピー変化。 == 関連項目 == * [[熱力学]] * [[エンタルピー]] * [[熱力学第一法則]] * [[ヘスの法則]] == 外部リンク == * [http://decay-heat.tripod.com/ Nuclear reaction heat] {{デフォルトソート:ひようしゆんはんのうえんたるひ}} [[Category:熱力学]] [[Category:熱化学]]
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