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[[数学]]におけるフーリエ'''正弦・余弦変換'''(せいげんよげんへんかん、{{Lang-en|''sine and cosine transforms''}})とは、[[フーリエ変換|連続フーリエ変換]]の特別なもので、それぞれ[[偶関数と奇関数|奇関数]]と[[偶関数と奇関数|偶関数]]の変換を行う際に自然に生じるものである。 一般的な[[フーリエ変換]]は :<math> F(\omega) = \mathcal{F}(f)(\omega) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \int\limits_{-\infty}^\infty f(t) e^{-i\omega t}\,dt </math> によって定義される。この[[積分]]に[[オイラーの公式]]を適用することにより :<math>F(\omega)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}} \int\limits_{-\infty}^\infty f(t)(\cos\,{\omega t} - i\,\sin{ \,\omega t})\,dt </math> が得られる。これは二つの積分の差として、次のように記述される: :<math>F(\omega)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}} \int\limits_{-\infty}^\infty f(t)\cos\,{\omega t} \,dt - \frac{i}{\sqrt{2\pi}} \int\limits_{-\infty}^\infty f(t)\sin\,{\omega t}\,dt.</math> フーリエ正弦変換およびフーリエ余弦変換は、この式から導くことが出来る。 ==フーリエ正弦変換== '''フーリエ正弦変換'''は、奇関数に対して連続フーリエ変換を行う際に自然に生じる。上述のような一般的なフーリエ変換において、もし ''f(t)'' が奇関数であるなら、積 ''f(t)''cosω''t'' も奇関数となる一方で、積 ''f(t)sinωt'' は偶関数となる。その積分区間が原点について対称(すなわち -∞ から +∞ まで)であるため、一つ目の積分はゼロとなり、二つ目の積分は :<math>F(\omega)= -i\,\sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty f(t)\sin\,{\omega t} \,dt </math> と簡略化される。これがすなわち奇関数 ''f(t)'' に対するフーリエ正弦変換である。その変換された関数 ''F(ω)'' もまた奇関数であることは明らかであり、一般的な{{仮リンク|フーリエ反転公式|label=逆フーリエ変換|en|Fourier inversion theorem}}の解析と同様に、第二正弦変換 :<math>f(t)= i\,\sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty F(\omega)\sin\,{\omega t} \,d\omega </math> を得ることが出来る。一般的な連続フーリエ変換に関する議論と同様に、変換の数値的な因数はそれらの積によってのみ一意に定められる。したがって、[[虚数単位]] ''i'' および ''-i'' は除外することが出来、より一般的な形でのフーリエ正弦変換は :<math>F(\omega)= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty f(t)\sin\,{\omega t} \,dt </math> および :<math>f(t)= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty F(\omega)\sin\,{\omega t} \,d\omega </math> となる。 ==フーリエ余弦変換== '''フーリエ余弦変換'''は、偶関数に対して連続フーリエ変換を行う際に自然に生じる。上述のような一般的なフーリエ変換において、もし ''f(t)'' が偶関数であるなら、積 ''f(t)cosωt'' も偶関数となる一方で積 ''f(t)sinωt'' は奇関数となる。積分区間が原点について対称であるため、二つ目の積分はゼロとなる一方で、一つ目の積分は :<math>F(\omega)= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty f(t)\cos\,{\omega t} \,dt </math> と簡略化される。これが、偶関数 ''f(t)'' に対するフーリエ余弦変換である。変換された関数 ''F(ω)'' も偶関数であることは明らかで、一般的な逆フーリエ変換に対する解析と同様に、第二余弦変換 :<math>f(t)= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int\limits_{0}^\infty F(\omega)\cos\,{\omega t} \,d\omega </math> を得ることが出来る。 ==関連項目== *[[フーリエ変換]] *[[離散コサイン変換|離散余弦変換]] *{{仮リンク|離散サイン変換|label=離散正弦変換|en|Discrete sine transform}} ==参考文献== * Mary L. Boas, ''Mathematical Methods in the Physical Sciences'', 2nd Ed, John Wiley & Sons Inc, 1983. ISBN 0-471-04409-1 {{DEFAULTSORT:せいけんよけんへんかん}} [[Category:積分変換]] [[Category:フーリエ解析]] [[Category:ジョゼフ・フーリエ]] [[Category:数学に関する記事]]
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