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{{出典の明記|date=2019年3月}} '''正規化'''(せいきか、{{lang-en|normalization}})とは、[[データ]]などを一定の[[規則]]に基づいて変形し、利用しやすくすること。言い換えると、正規形でないものを正規形(比較・演算などの操作のために望ましい性質を持った一定の形)に変形することをいう。多くの場合、'''規格化'''と訳しても同義である。 用語「正規化」は、非常に多くの分野で使われていて、分野によって意味も大きく異なるので、頻度が高い分野についてそれぞれ個別に説明する。 == ベクトル == [[ノルム線型空間|ノルム]]が定義された[[ベクトル空間]]のベクトル {{mvar|'''v'''}} に対し、それにノルムの逆数 {{math|{{norm|'''''v'''''}}<sup>−1</sup>}} を掛けてノルムが 1 であるベクトルにすることを、正規化という。 なお、数学的なベクトルでなく、[[情報科学]]分野で[[数列]]を意味するベクトルの正規化は、この意味での正規化ではなく、後で述べる数量の正規化になる。多変量データをベクトル空間に表した場合などはどちらの意味にもとれ、結果が定数倍異なるので、注意が必要である。 === 波動関数 === {{Main|規格化}} [[量子力学]]で現れる[[波動関数]] Ψ は[[二乗可積分関数]]の空間<!--[[ヒルベルト空間#ルベーグ空間]]-->のベクトルとみなすことができる。この意味でベクトル Ψ は正規化されることが多い。物理的には、この操作は全空間での存在[[確率]]の合計を 1 にすることと解釈される。 == 代数多様体の正規化 == {{See|{{ill2|代数多様体の正規化|en|Normalization of an algebraic variety}}}} == ネーターの正規化定理 == {{See|ネーターの正規化定理}} == 数量 == 数量を[[代表値]]で割るなどして[[無次元量]]化し、互いに比較できるようにすることを、正規化という。 正規化した結果は[[単位系]]によらない。したがって、正規化することによって、たとえば[[身長]]と[[体重]]など、[[次元]]が異なりそのままでは比較できない数量が比較できる。次元が同じでも、[[夏]]と[[冬]]の1日の気温変化のように、条件が異なるデータも正規化によって比較しやすくなる。 正規化は特に[[多変量解析]]の前処理として行われ、この用途の正規化を'''特徴軸の正規化'''という。 正規化の方法には様々なものがあり、次の2つが基本的である。 # [[二乗平均平方根]]が 1 になるよう、[[線形写像|線形変換]]([[比例]]変換)をする。 # [[平均]]が 0、[[分散 (確率論)|分散]]が 1 になるよう、[[アフィン写像|アフィン変換]]をする。 どちらが適しているかは、どのようなデータをどのような解析のために正規化するかによる。多変量解析には2.が用いられる。 用途によっては、同じように比例変換やアフィン変換をするのでも、最大値が 1、最小値が 0(または −1)となるように正規化をすることもある。また、[[べき乗]]して[[歪度]]を 0 にする、あらかじめ与えられた分布に一致させるなど、もっと強い正規化が用いられることもある。 === パターン認識 === [[パターン認識]]の[[前処理]]として、対象の特徴をあらかじめ定められた基準に沿うように加工することを、正規化という。 [[文字]]など2次元情報の場合、[[平行移動]]して位置をそろえる'''位置の正規化'''と、[[伸縮]]で大きさをそろえる'''大きさの正規化'''(縦の伸縮と横の伸縮とは個別に調整する)が、最も基本的な正規化である。これは、各標本点のX座標とY座標をデータ列とみなし、それぞれに「特徴軸の正規化」を施したことに相当する。 ===確率分布=== [[確率密度関数]]については、横軸をアフィン変換して平均を 0、分散を 1 にすることを正規化という。正規化することによって、標準[[正規分布]]関数との、または確率密度関数どうしの比較が容易になる。[[標準得点|標準化]]、基準化ともいう。 === 確率密度関数の正規化定数 === 関数を[[関数の台|台]]で[[定積分]]した[[逆数]]を'''{{仮リンク|正規化定数|en|normalizing constant}}''' (normalizing constant) という。[[確率密度関数]]は台で定積分した値が 1 でなければならない。関数に正規化定数を掛けることによって、(確率密度関数の他の要件も満たせば)確率密度関数が作れる。 例えば、次の関数と台があったときに、 :<math>p(x)=e^{-x^2/2}, \quad x\in(-\infty,\infty) </math> 台の範囲で定積分すると次式の値になる。 :<math>\int_{-\infty}^\infty p(x)\,dx=\int_{-\infty}^\infty e^{-x^2/2}\,dx=\sqrt{2\pi\,},</math> この値の逆数 <math> \frac{1}{\sqrt{2\pi\,}} </math> が正規化定数である。 == Unicode == {{See|Unicode正規化}} == 関係データベース == {{See|関係の正規化}} == 指数表記 == {{See|指数表記#正規化}} === 浮動小数点数 === {{See also|非正規化数}} [[浮動小数点数]]には、「正規化数」と「[[非正規化数]]」という概念がある。浮動小数点数において(ゼロを除く)正規化数は、仮数部が必ず1以上[[基数]](通常は2)未満である。 == 信号処理 == {{See|音量正規化}} ==関連項目== * [[正規]] * [[標準得点|標準化]] {{mathdab}} {{DEFAULTSORT:せいきか}} [[Category:線型代数学]] [[Category:統計学]] [[Category:情報処理]] [[Category:数学に関する記事]]
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