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{{Expand English|date=2024年6月}} [[ファイル:Hairy ball one pole animated.gif|サムネイル|零点が一個の2次元球面上のベクトル場のアニメーション。]] '''毛玉の定理'''(けだまのていり、英:''The hairy ball theorem'')とは[[代数的位相幾何学]]において 偶数次元の[[超球面]]上の連続な[[ベクトル場]]は必ず零点をもつという定理である<ref>{{Cite book |title=Differential geometry and topology: with a view to dynamical systems |publisher=CRC Press |date=2005 |location=Boca Raton |isbn=978-1-58488-253-4 |first=Keith |last=Burns |first2=Marian |last2=Gidea}}</ref><ref>{{Cite book |title=Mostly surfaces |url=https://www.worldcat.org/title/706677482 |publisher=American Mathematical Society |date=2011 |location=Providence, R.I |isbn=978-0-8218-5368-9 |oclc=706677482 |first=Richard Evan |last=Schwartz}}</ref>。'''髪の毛定理'''、[[ヨーロッパ]]では、'''ハリネズミの定理'''と呼ばれることもある<ref name="Renteln">{{Cite book |last=Renteln |first=Paul |title=Manifolds, Tensors, and Forms: An Introduction for Mathematicians and Physicists |publisher=Cambridge Univ. Press |date=2013 |page=253 |url=https://books.google.com/books?id=uJWGAgAAQBAJ&q=hairy+ball+theorem&pg=PA253 |isbn=978-1107659698}}</ref>。 == 概要 == 毛玉の定理は2次元球面において<math>f</math>を<math>f(p)</math>が球面に接する全ての点<math>p</math>に<math>\mathbb{R}^3</math>の[[ベクトル]]を割り当てる連続[[関数 (数学)|関数]]であるとき少なくとも1つ<math>f(p)=0</math>となる点<math>p</math>が存在するという定理。 == 発見 == この定理は初めに[[アンリ・ポアンカレ]]によって1885年に2次元球面において成り立つことを証明され<ref>{{Cite journal|last=Bendixson|first=Ivar|date=1901|title=Sur les courbes définies par des équations différentielles|url=http://dx.doi.org/10.1007/bf02403068|journal=Acta Mathematica|volume=24|issue=0|pages=1–88|doi=10.1007/bf02403068|issn=0001-5962}}</ref>、その後1912年に[[ライツェン・エヒベルトゥス・ヤン・ブラウワー]]によってより高い偶数次元の球面に拡張された<ref>{{Cite journal|last=Brouwer|first=L. E. J.|date=1911-03|title=�ber Abbildung von Mannigfaltigkeiten|url=http://dx.doi.org/10.1007/bf01456931|journal=Mathematische Annalen|volume=71|issue=1|pages=97–115|doi=10.1007/bf01456931|issn=0025-5831}}</ref>。 == ポアンカレ・ホップの定理との関係 == [[ポアンカレ・ホップの定理]]より、2次元球面は[[オイラー標数]]が2であるため、球面上のすべての零点がもつ特異点の指数(インデックス)の和は2にならなければならないことが示される。ゆえに2次元球面上には少なくとも1つの零点をもつことになる。次に[[トーラス]]の場合、オイラー標数は0となる。ゆえに、トーラスは零点をもたなくてもよいということが示される<ref name=":0">{{Cite web |url=https://nc.math.tsukuba.ac.jp/cabinets/cabinet_files/download/148/2c20bb6a17053334b8b654fbefb358bf?frame_id=221 |title=「つむじ」の数を数えてみよう |access-date=2024-6-25 |author=筑波大学数学系 竹内 潔}}</ref>。これらのことからオイラー標数が0でない2次元多様体上の連続なベクトル場は必ず零点をもつことが示される。 == 現実での活用例 == [[地球]]を2次元球面、連続のベクトル場を[[風]]とすると、この定理から地球上に少なくとも一つ必ず無風の場所ができることになる<ref name=":0" />。 == 関連項目 == * [[不動点定理]] * [[中間値の定理]] * [[球面上のベクトル場]]<sub>([[:en:Vector_fields_on_spheres|英語版]])</sub> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} === 出典 === {{Reflist}} {{DEFAULTSORT:けたまのていり}} [[Category:代数的位相幾何学の定理]] [[Category:不動点]] [[Category:数学に関する記事]]
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